smtwtfs
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>
profile
ogiwarasite.jpg















eventsmini.jpg

RappaVer2Bana_waku.jpg

academySMALL.jpg
recommend
トランペット ウォームアップ本 (MyISBN - デザインエッグ社)
トランペット ウォームアップ本 (MyISBN - デザインエッグ社) (JUGEMレビュー »)
荻原 明
【販売部数1000部達成!】「ラッパの吹き方」ブログ著者、荻原明 初の教則本!ウォームアップと奏法の基礎を身につけられる一冊です!
recommend
まるごとトランペットの本
まるごとトランペットの本 (JUGEMレビュー »)
荻原 明
「ラッパの吹き方」から生まれた「まるごとトランペットの本」発売中です!
プレスト音楽教室
プレスト音楽教室 当ブログ著者、荻原明が講師をしている音楽教室です。生徒さん随時受付中です!
ラッパの吹き方bot/Twitter
ラッパの吹き方bot 「ラッパの吹き方」ブログから抜粋した1400以上のことばと記事の紹介をしています。練習のお供に、ぜひご活用下さい!
ラッパの吹き方 Facebook
ラッパの吹き方フェイスブック ラッパの吹き方Facebookでは新着記事の紹介のほか、"note"でのハイノート本原稿公開の更新情報、これまでの記事を発掘して紹介をしております。
links
mobile
qrcode
 スマホ版表示に変更

※スマートフォンで閲覧している時のみ作動します
        
サイト内検索はこちら↓
new entries
categories




archives
others
無料ブログ作成サービス JUGEM


色と音楽 2(チューニング)


















みなさんこんにちは!

前回、複数人で音楽をひとつの作品としてまとめる際の考え方を、水彩絵具を使ってお互いの色を合わせていく作業に例えば解説しました。

今回も「色」に音楽を例えて書いていきますが、前回とはまた少し違う話になります。


《色を合わせる》



例えば、「みんなで同じ色を作りましょう」ということになったとします。
そして作る色は「青色」だとしましょう。

それぞれが絵具を混ぜて完成したそのほとんどが「青系」の色になることは間違いないでしょう。
しかし、並べてみると同じ「青系」でも少しずつ違いが出てきます。紫に近かったり、水色っぽかったり。

これらはそれぞれの感性によって「青」を具体化したものですから、「なぜこんなに濃い青なんだ!青ってのはなぁ…」などと否定できることではありません。

しかし、みんなで色を統一する、という目標がある以上、何かひとつの「指標」がないとこれでは合わせようもありません。

そこで、例えば「カラーコード」というものを用います。カラーコードというのはインターネット上で使う色それぞれにコード(番号)を割り当てたもので、例えば「青」は「#0000FF」というコードです。

これで、みんなが作り出す色が、より近づいていくことでしょう。

この「近付けていく作業」も、もちろん自分の「目」を使って、行うことです。

もしこの作業のとき、特定の色の配合方法を機械的に調べることができる道具を持っていたとして、そういった人に横から「まだ淡い!もっと濃い色を足さなきゃ」とかギャンギャン言われ続けると、自分の目で色の濃さを確かめたり、自分の力で工夫して色を近づけようとする思考が停止し、言われるがままに従うだけで、結果的にそれが合ってたのか間違っていたのかわからない単なる色を作るロボットになってしまうのです。
よってその奏者には演奏や音楽に対する喜びを感じません。


《ピッチを合わせる》
これらの話は音楽の「ピッチ」を合わせる行為「チューニング」と、チューニングに対する考え方を例えたものです。


チューニング。


吹奏楽やオーケストラなど複数の奏者で演奏をする時には必ず行う行為です。

みなさんはいつもどのようなチューニングをしていますか?



きっと多くの方が「チューナー」という機器を使っていると思います。


しかしこの「チューナー」という周波数測定機、使い方を誤ると逆効果になる可能性を持っています。

それはなぜか。色の話で言うと、

#0000FFの色しか『青』ではない!他は認めん!

という考え方になってしまいがちだからです。
しかし、実際はそんなことありませんよね。


#0000FF」というコードは単に「他の色と差別化するために定めた色のコード」というだけで、他の青系の色を否定するために設定したものではないからです。


もし音楽が「#0000FF」というピッチしか認めないのであれば演奏はすべて機械が出力するしか方法がなくなってしまい、「絶対そのピッチを出さなければならない。それができなきゃ音楽なんてできない。」という発想に至りやすいのです。
気づけばチューナーが音楽を支配し、神的存在になってしまうのです。ナンマンダブナンマンダブ。


《混ぜてみよう》
この世の中に同じ音の出る楽器(人間が自分の力で出力するいわゆる生楽器)など存在していません。同じトランペットであっても、それぞれが少しずつ違う音色を持っているのです。楽器そのものも、奏者も。

それは「統一していない」ネガティブな発想ではなく「個性がある」ポジティブな考えであり、それら全部が「トランペットの音色」であることは間違いないのです。

魅力である「個性」を壊してまで周波数442HzのA基準音を出そうとする必要はなく、それぞれの音色、響きを同じ空間で響かせ合って生まれたその時その瞬間の唯一の音色を楽しむことが演奏の醍醐味です。

その音楽を現実の物として生み出している中のひとつに「ピッチの安定」という課題が含まれます。


メロディをどう歌うのか、
フレーズとどう捉えるのか、
音色をどうするのか、
この作品や場面は作曲者がどんなイメージを持って書いたのか、
そこに自分のどんな心を投影するのか、
フレーズの流れは?
揺れは?
ベクトルは?
音色は?
音の立ち上がりは?
音圧は?
テンポ感は?
和声の響きは?
音程感は?



そしてピッチは?



こういったことすべてを同じ方向性にするのが指揮者の役割です。

あくまで方向性だけです。観光ツアーに参加して、添乗員さんに連れられてみんな同じ観光地をまわるとき、何を見て、どう捉えて、その時どんな会話をして、どう感動して、何の写真を撮って、どんなお土産を買うか。それは参加者個人の自由です。
強制的に同じ角度から同じものを見せられて、よそ見もおしゃべりも禁止。写真は同じ構図で1枚のみ許可でお土産の品も数も決まっている。そんな旅行だれも楽しくないですよね。そんな国があった気がしますけど。

音楽でそうした強制的なことをしてしてはいけないのです。思想や言論の統制をしてはいけないのです。

常に(決まった範囲で)自由であるべき。
それぞれが持ち寄った「青色」を全部混ぜたとしても、結局「青」であることは変わりないのと一緒です。



《吹奏楽の世界は相当独特》
吹奏楽コンクールの季節になるといろいろ思い出します。キーボードでBbの音を大音響で鳴らし、チューナーをONにしてその強烈な機械音の中に管楽器の音を埋め込まされる。周波数が違えばチューナーの針が反応するので、確認している人が「高い」「低い」と言い放ち、強引に矯正させる。管の抜き差しと強引な奏法の変化くらいしかピッチを変化させる方法を知らない(教えられる人がいないんだからしかたない)中高生に対して、合うまで何分でも何十分でも一人でBbの音を出させ続ける。

あげく、時間がかかれば「なんでもっと早く合わせられないんだ!」と怒鳴りつける。

全員のチューニングが終わるまで1時間。その間音出しもできなきゃトイレにも行けない。果てしなく無駄な時間。

これらすべてが間違った行為です。

チューニングとは一体なんなのか。どんな目的があるのか。全員の統一した見解を持つ事がまず必要です。


・正しいピッチを鳴らすためにはどんなことが必要か(楽器に対する知識、奏法に対する知識)
・安定したピッチを鳴らすための吹き方についての指導
・ピッチと音程の違い
・チューナーに頼らないでも理解できる耳を養う(ソルフェージュ力)
・「音楽」を伝え、教えること


アプローチの方法はいくらでもあるし、やるべきことは沢山あります。
それらをやらずに楽器から音を出すことがやっとの奏者(どうやって出しているか正しい原理すら教わっていない状態の奏者)に対して、ピッチが合っていないことを叱りつけるなんて、靴ひもの存在やその意味、結び方を教えずにほどけた状態でダッシュさせて、なぜ走れないと怒鳴りつけるのと同じです。
 

全部僕の中学生時代の実話です。


これに似た指導、少なくともチューニングに対しての機会的作業をしている学校はまだまだ相当多いと思います。
ピッチが合わない奏者に対して、ピッチというものが何なのか、合わない原因は何なのか、どうすることで合う方向へ向かうのか。そもそもチューニングとは何なのか。そういった点からのアプローチを指導者や指揮者さんはしていますか?

奏者それぞれが自信を持って「美しい」と言える「青色」を作り出す興味深さと探究心を持ち、持ち寄った音に(よほど違わなければ)否定をせずにまずは色を混ぜ合わせてみてください。そのメンバーでしか作り出せない「唯一の青」が生まれるはずです。音楽はそこから始まるのです。今はまだちょっとくらいユニゾンがウネリをあげていたっていいじゃないですか。それは後でどうにでもできることだし、今すぐに解決しなくても音楽は作れます。まずは奏者全員が自主的に音楽を感じ、生き生きと心から楽しむこと。ピッチなんかよりずっと大切なことです。


チューナーを使って長時間奴隷のようなチューニングをさせるのではなく、音楽を楽しみ、感じ、心から歌い上げる合奏時間によりたくさんの時間を割いてください。


奏者の方も、よく譜面台にチューナーを置き、常にスイッチをONの状態で演奏をしているところを見かけますが、それで音楽など作れるはずもありません。「周波数」という狭い檻の中に閉じ込められ、楽しい「音楽」という世界に飛び立つことを自らしているのですよ。そんなことをしていて楽しいですか?

自由に楽しく飛び回り、そのときに「今、良い飛び方かな?」と確認したって良いじゃないですか。


(自由に演奏しながら、たまにチューナーを使って「今、良いピッチで音を出せているかな?」と確認すれば良くないですか?それもまずは音程感を持って歌っていることが大切です。その楽器の持つ素晴らしい響きで演奏するほうが優先です。それができていればピッチも「相対的に」安定します)

どうぞ皆さん「ピッチ」に対する考え方をもう一度考えてみてください。心からそう思っております。特に吹奏楽で演奏しているみなさん、そして指揮者、指導者さん(の中の、今回の記事に当てはまる皆さん)!!



ということで、また来週!

当ブログの写真・記事等の(全部、一部問わず)無断利用、ネット上(TwitterやFacebookなどのSNSを含む)などへの無断転載を禁止します。

at 06:37, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

-, -, pookmark


指揮者から一発OKをもらう方法


















みなさんこんにちは!

夏休みに入り、コンクールだ合宿だ合奏だ練習だと、忙しい毎日を送っている方も多いかと思います。
それにしても吹奏楽部ってのは本当に忙しいですよね。毎日楽器を吹く環境が用意されているのはとても恵まれていることではありますが、休みも入れつつ、中身の濃い練習ができたらそんなに毎日何時間も練習しなくても結果は得られるかもしれないと思っています、個人的に。

それはともかく、今の時期は合奏がとても多くなり、また外部講師が頻繁に顔を出すこことが多いかもしれません。

たくさんの先生が、様々な角度からアドバイスをしてくれる貴重な時期ではありますが、いろんな人がいろんなことを口々に言い、場合によっては真逆のことも言われるので、いったいどれを信じていいのかわからない、なんてことが起こるかもしれません。

また、言われた通りに演奏したのに否定されたり、言われたことの意味がよくわからなかったり、という場面も多いかと思います。
今回の記事はそのような状況にならないための心構え、方法を解説します。


《指揮者さん、あなたがわからない》



例えば指揮者に「その部分はもっと大きな音で!」と指示されたとしましょう。
あなたはその後、どう演奏しますか?


「大きな音で、と言われたので大きな音量を出そうと努力しました」


という方、もしかすると指揮者からその後も何度か同じように「もっと大きな音で!」と言われたり、逆になぜか「うるさい!」と言われて「なんだよ!お前がもっと大きな音量で、って言うから吹いたのに」と不満タラタラでもう一度(音量を抑えて)吹いて「今度は小さい!」と言われ、「はぁ?!お前が今音量を…(以下略)」で、もっとイライラする。なんて経験があるかもしれません。

「指揮者が言ってることがわからない」
「指揮者の言う通りにしたのに違うと言われた(ちゃんとやってるのに!)」

こうなってしまうのには実は理由があるのです。


《咀嚼、消化、吸収》

なぜ指揮者と意思疎通ができないのか。それは「咀嚼(そしゃく)」「消化」「吸収」をしていないからです。

複数で楽曲を作っていくときにイメージを共有したり、レッスンなどで奏法について伝えるときにはどうしても言語を発する必要が出てきます。

しかし、音楽はそもそも、言葉で表現することがとても難しいものです。しかもそれを相手に理解してもらえうように伝えるのはもっと大変で、お互いがたとえ同じイメージを持っていたとしても、使う単語やニュアンスによってまったく違う言葉を口にする可能性もあります。

言い換えるならば、音楽は言語にすることが難しいからこそ魅力的である、とも言えます。


ひとつ例を出してみます。
「トランペットがフォルテで音を出している」。それを聴いた人たちが様子を口にしたとき、

Aさん「響きのあるトランペットらしいサウンドですね」
Bさん「ラッパが吹き鳴らしている」
Cさん「勇ましいラッパの音。そうだ競馬に行こう」
Dさん「そろそろ甲子園の季節。野球観に行こう」
Eさん「大きな音量ですね(無関心)」
Fさん「トランペットにしては音量抑え気味に吹いている」
Gさん「うるさい」

など、人によってその音の捉え方が変わります。

では指揮者からの指摘に話を戻します。これまでの話の流れを加味すると、

「トランペット、もっと大きな音量で」

と言われたとき、単純に「大きな音を出せばいい」と思うのは安直なのだ、とわかりますよね。ここで今「咀嚼」しました。

「大きな音量」という言葉の中に指揮者はどんなイメージを含めているのか、どんな結果(完成形)を求めていて、今の演奏のどこに納得いかないのか。そういったことを奏者はイメージし、指揮者の求めているであろう演奏を心がけます。
言葉を投げかけられた側は「大きな音量」という言葉からいくつか連想することができると思います。


「もしかしたら、本当に音量が足りないのかもしれない(他の楽器との音量バランスが悪いのかもしれない)」
「もしかしたら、響きがないのかもしれない(実は音色について言っている?)」
「もしかしたら、この場面に合わない吹き方なのかもしれない(それはなぜ合わないのか?単純に音量?吹き方?タンギング?ニュアンス?音圧?)」


など。ここで「消化」「吸収」しました。
消化吸収ができれば、もう自分のものになります。自分の意思を持たずに、言われたことだけを試行錯誤して音にしようとするロボットのような状態ではなくなっている、ということです。

そして、いくつか考えられる選択肢の中から例えばここでは「他の楽器と音量バランスが悪いのかもしれない」と、ひとまず結論付けます(再度演奏するまでそれが正解かわかりませんので、あくまでも仮です)。

そうなるとまず、合奏している全体の響に耳を傾けるようになります。その中で自分がどんな音量で存在しているとバランスがいいのかをイメージし、演奏中もそれを心がけます。自分本位ではなく、客観的に自分の音を聴き、自分も含めた全員で音楽を作り上げる意識が高まっていくことでしょう。

そして、その意識が指揮者に伝わり、求めていたものであれば「そう!それそれ!良いよ!」とOKが出るというわけです。

違ってたらやり直し。でも、奏者が指揮者に私的されたことをきっかけとして何らかのアクションをしていればおのずと、演奏に変化がおこり、指揮者も言葉の使い方を変えてくると思います。そうやって少しずつでも指揮者のイメージする完成系に近づけていければ、それはもう成長と言えるでしょう。

このようなやりとりが瞬間的にできる人、そして指揮者が本当に何を求めているのか見抜ける力を持っている人のレベルはかなり高いはずです。
イメージも奏法もそのために何をどうすれば良いかわかっているということですからね。表現の引き出しがたくさんあって、それを瞬時に使い分けられるのは演奏者としての大切な要素です。
しかし、アンサンブル力や演奏表現力のレベルを上げていく方法が、まさにこれなのです。ですから最初は難しくても、いつもこの姿勢で合奏に臨んでいれば、少しずつ感覚も身につき、成長していきます。

怖いと思っていた指揮者や先生も、冷静に見ていれば何を言わんとしているのかがわかり、とてもいい関係になれるかもしれません。


《難しいこと?》

これらの行為は高度な技術かもしれませんが、日常生活の中で相手に対し、「この人は何を思っているのだろう」「どんな心境なのだろう」「何を求めているのだろう」と一旦立ち止まって考え、相手と意思疎通を計ろうとする姿勢は、人間関係において非常に大切なことです。
「自分が自分が!」と言いたいことだけ言って周りの人たちを困らせるのではなく、気持ち良く過ごすためにお互いがバランスよく意思を伝え合う。こういったことは当たり前のことだとも言えますし、そんなに難しいことでもないと思うのです。これができている人、日本人はとても多いですからね(お隣の国の人はその発想すら持てない人が多くて自分勝手なことばかりしているな、と感じますけどね)。

音楽でもまったく同じです。相手のことを考え、そして自分の主張をしていく。これが結果的に音楽をより素晴らしいものにしてくれます。
そして、相手を思う気持ちを持つことは、本番でお客さんに向けて気持ちを投げかけられる力になります。「お前たちお客は俺たちの演奏を黙って聴いていればいいんだよ!」という奏者の演奏は、どんなに技術的に素晴らしくてもお客さんの心は離れる一方です。

自分の意見を全く口にしないのも良くありません。主張も意思もない演奏なんて味も栄養もない食べものと一緒です。それは誰も興味を示しませんから、リピーターにすらならない。音楽はもともと相手に何かを伝えたくて作られ、演じられてきたものです。そういった作曲家がメッセージを込めて産み出した作品を、無味無臭無関心なものとして音に出してはいけないのです。
楽器から出た音がリズムに合わせて上下しただけのものは単なる「音の羅列」であり、それは音楽とは呼べません。

ですから必ず「この作品(この場面)はどんな雰囲気で演奏しよう」とか「自分のこの気持ちを音楽に乗せて演奏しよう」と思いながらその作品と常に接してください。

そして指揮者や先生に言われるまで、自分のその作品に対しての思いを一切持たず空っぽの箱にしておくのも良くありません。これは一見、余計なことをせずにどんなものでも受け入れようとしているかのようですが、単なる受け身の身勝手な姿勢です。まずは自分で完成させ、それを聴いた指揮者がどのように感じ、どのように修正するとより良いものができるか、という流れで音楽を作っていくことが基本です。「さあ何か教えてください」は非常に良くありません。



ということで、今週は指揮者やレッスンでアドバイスをもらったときにどのように対処すべきかを中心に書いてみました。
誰かと一緒に音楽を作ったり、誰かに教わっている方はとても多いと思いますので、ぜひ参考にしてください。

それでは、また来週!


当ブログの写真・記事等の(全部、一部問わず)無断利用、ネット上(TwitterやFacebookなどのSNSを含む)などへの無断転載を禁止します。

at 06:36, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

-, -, pookmark


響きの良いホール/悪いホール


















みなさんこんにちは!

今週のお話は、もしかすると演奏経験年数が多い方のほうが共感してもらえるかもしれません。が、演奏活動を続けているといずれこの話題は必ず出てくると思うので、ぜひ読んで頭の片隅に置いてもらえると嬉しいです。


《響きの良いホール、悪いホール》
音大生の時に一番この話題を耳にしたように感じますし、自分も言っていました。様々なホールで演奏をしていると、それぞれのホールの音響の違いに気づきます。とてもよく響いて吹いていて気持ちよくなるホールがある反面、ここは防音室ですかと言わんばかりに響かないホールなど。

演奏場所はホールとは限りません。本来演奏する場ではない室内や、場合によっては屋外ということもあります。我々管楽器奏者は楽器さえあればどこでも演奏会場になりますからね。お寺の本堂で演奏したこともありますよ。意外に響く。

で、本番のために会場に行くと、絶対に誰かしらが「ここのホール吹きやすい」もしくは「このホールはデッドだ」とかの声が聞こえます。デッドは、英語でdead(=響かない、鈍い)という意味です。デッドな会場は吹いていて息苦しさを感じてしまいます。

余談ですが僕、学生の時に酔っ払って真夜中の渋谷109の前でラッパ吹いたことあるんですが、あそこ両脇にビルが立ち並んでいてよく反響して、屋外なのに吹いていて気持ち良いんです。みなさんは許可なく吹いちゃだめですよ。もう大昔のことですから、時効ということで勘弁んしてください。もうしません。


《主観的なものかもしれない》
ただ、この響き良い/悪いというのは、演奏している人だけが感じてることかもしれません。
意外にも響かないホールでの演奏、客席から聴いていると違和感がないこともしばしばです(というか、同時にいろんなホールで同じ演奏を聴くわけではないので音響の比較対象がなくてわからないのです)。

むしろ、響きすぎるホールは、何を演奏しているのかよくわからなくなったりして、吹いている人は気持ち良いのかもしれないけれど、聴いている側からはそこまでありがたくなかったり、そんなギャップもあります。
今は少なくなりましたが、街の小さなカラオケスナックみたいなところで、きもちよさそうにムード歌謡か何かを歌っているおじさまの歌声、エコーがかかりすぎて何歌ってるか外からだとさっぱりわかりませんよね。(よね、ってわからない人も沢山いるでしょうけど)。昭和のカラオケはそういうところにしかなかったんですよ。行ったことないけど。

ですから、「響きの良い/悪いホール」というのは一概に奏者と聴衆も同じようには感じていないのかもしれない、ということは覚えておく価値があると思います。


《立ち位置の問題かもしれない》
また、吹奏楽やオーケストラのトランペットで言えば、演奏する場所にも原因があるかもしれません。後ろに行けばいくほど、ベルの前には人や物が多く、音を吸収したり反射する素材が多い、ということ。さらに、背後に打楽器、中でもシンバルや太鼓類などのいわゆる噪音楽器(音律の定まらない音を出す楽器)がいると「かき消された」気がしてしまうのも原因かもしれません。
これらは、自分の周りだけが響いていない気がしているだけで、実はホール内ではきちんと客席まで届いていることが多いのです。

むしろ「自分の音が飛んでいない気がする!」と思って、いつも以上に腹圧を高め(=腹筋を強く使い)必要以上の高圧状態でギュウギュウ吹いてしまったり、アパチュアをいつも以上に大きくしてしまい「鳴った気がする吹き方」をしている時こそ一番客席に届かない状態と言えます。。
こういった状態を「開いた音」を出していると僕は呼んでいて、自分やその周りだけには音はビャービャーと大きく(迷惑に)聴こえるのですが、なにぶん音楽的に美しくない音なのでアンサンブルにならず、単なる騒音になっているのです。結果「聴きたくない音」になるので客席には届かない、というか、客席にいる人たちの「心」に届かないのです。


《冷静に考えてみよう》
しかし、ホールがどんな響きであれ、そこにいる自分はいつも通り音を出すしか方法がありません。
そのホールでのリハーサル中、

「なるほど。このホールの残響は0.6秒のホールだから、ベルの角度はこうで、音量はmfを○デシベルとし、スタッカートの場合は0.3秒の長さに統一し、音量を○デシベルずつ変化させよう」

こんなこと誰ができるのでしょうか。
どこで音を出そうが自分の演奏は自分の演奏でしかありません。そのホールの響きについてはひとまず置いといて、自分がその楽器を一番響かせる吹き方、ブレスコントロールを「いつも通り」すればそれで良いのです。
それが結果的に「ホール中に響くサウンド」になります。


《自分が主体ではありません》
よく楽器を響かせるとか、ホールを響かせるとか言いますが、それはちょっと違います。
レッスンでも、一生懸命鳴らそう鳴らそうと頑張っている生徒さんにはよく言います。

楽器『を』響かせるのではなく、楽器『が』響く吹き方をするのです。

自分が楽器を操っているという意識はいつしか「楽器に言い聞かせる」「楽器をしつける」意識に変わってしまいます。しかし楽器というのは無機質な物体です。我々演奏者のことや、心を敏感に感じ取り、変化するものではありません。それぞれの楽器には完成した時点で持っている「響くポイント」のようなものが存在していて、それを奏者が的確に感じ取り、音を出すのです。

ですから「奏者が楽器に合わせる」のが正解です。

楽器屋さんの試奏などで複数の楽器を吹き比べているときに「この楽器吹きにくい/吹きやすい」を主観的なものだけで判断している方、多くないですか?

しかし、それぞれの楽器の良さを見つけてあげようとすると、最初から「ダメな楽器」って(ちゃんと作られていつものは)ほとんどありません。
吹きやすいと感じたのは自分の吹き方に偶然マッチしたとか、相性が良かっただけで、それがイコール楽器の善し悪しに直結するわけでもなく、「万人にとって素晴らしいと言える楽器」かどうかもわかりません。

ですから、自分の楽器を選定する時は良いのですが、誰かの楽器を選定するときや、人の楽器を借りて吹いたときに「この楽器ダメだね」なんて偉そうに言っている人を見ると、なんだかかわいそうな人だな(もったいないな)、と思ってしまいます。


話がそれてしまいましたが、ホールを響かせたいのであれば、響きのある音を自分自身が出すこと、これに限ります。


《自分の体に注目してみよう》
演奏会場がどんな環境であれ、自分の体を使って楽器から音を出す、という点はまったく変わりません。
したがって、耳や頭で「響きの悪い場所だなあ」と思うのはやめて、体の使い方に意識をシフトしてみてください。

・いつもの練習通りの腹圧で、空気圧をコントロールしていますか?
・マウスピースを無理に押し付けて音色を壊していませんか?
・アパチュアを広くして「そば鳴り」になって満足してしまっていませんか?
・演奏に必要な筋力やうごきとはどんなものですか?

・要するに、いつも通りのベストな吹き方をしていますか?

いつも通りであれば、いつも通りのベストな音でホールに響き渡っています!
それだけでOKです。


《箱に合わせた演奏》
僕が音大生の時のことですが、ソロコンクールで吹いていた時、緊張も相まって曲が激しかったこともあり、調子に乗って吹奏楽の合奏みたいなffを出してしまっていたんです。その時の審査員のひとりが大学の先生だったので、翌日学校でお会いして昨日の講評を頂こうこと声をかけたら、すごい剣幕で

「なんだあの演奏は!音がうるさい!箱のサイズを考えなさい!」

と一蹴されてしまいました。
そのときに限らず、学生の時には何人もの先生に「箱のサイズを理解して演奏する」という言葉をよく耳にしました。

「箱」というのはホール、演奏会場のことです。
ソロのコンクールは予選だと、いわゆる小ホールサイズのところで行うことが多いので、あまり大きな音で吹くと「やかましい」演奏になりがちです。

ただでさえ緊張していて無駄な力が入っているのを解除できずに演奏していたものだから、一旦パワーのスイッチが入ると制御がきかなくなる、なんてこと当時はよくしていました。
みなさんは似た経験はありますか?吹奏楽などで最初に大きな音量で始まる曲があると、そのあともコントロールが効かないでずっと吹きまくり続けて練習の時よりも早くバテてしまう、なんてこと。

これは決して会場が小さかったら大きな音で吹いてはいけない、ということではありません。サウンドそのものの問題なんです。
質が良ければ大きな音であってもうるさい音にはなりません。そうではなく、音楽的な表現が合っていない、ということが一番の問題点であると考えます。
逆に、朗々と響くサウンドであれば、そんなに力をこめて大きな音を出さなくても充分説得力のある演奏ができるとも言えます。


確かに「箱のサイズに合わせた演奏」というのはあります。しかしそれは奏者としては第二段階の話であって、コントロールが柔軟になってくれば自然とできることとも言えます。
あまり意識しなくても、冷静に自分が演奏している環境を感じていればそれで良いと僕は思うのです。
むしろ、コントロールがあまり上手にできないのに、箱のサイズに合わせてうんたらかんたら〜なんてやっていると自分のベストな演奏ができなくなる可能性もあります。

なんとなくでいいので、自分がこれから演奏する空間をぐる〜っと見回してから吹いてみてください。最初はそれだけで充分だと思います。


《遠くのお客さんにも届ける?》
ですので、逆にとっても大きな空間で演奏する時に、無理に鳴らそうとするのは間違いです。
僕もよく言いますが「ホールの一番奥や3階席にいる方にもしっかり自分の音を届けて」というのは、あくまでもイメージの世界の話です。
それを奏法で解決しようとすると、結局力でなんとかしようとして無理がたたってしまいます。

大きなホールに立つと「孤独」を感じます。吹奏楽のように大勢が一緒の舞台にいても、なんだか心細くなります。それは音楽室とは違い、天井が高くて、背後も遠く、お互いの距離感も少しちがって、なによりも目の前に広がる客席が見慣れないからです。

星空を見上げて「オレはなんてちっぽけな存在なんだ…。」と言うのに似ているかもしれません(笑)

ということで、なんかすごい頑張って吹かなきゃいけない気がしますが、先ほど書いたようにいつも通りで良いのです。自分の体をいつも通りに使って、音のツボに当たった響きの豊かな音を出せれば会場中に音を届けることができます。


ということで、今回は本番の会場でのことを書いてみました。
これから吹奏楽コンクールなど、本番が多くなる時期かもしれません。ぜひ冷静に、いつも通りの演奏ができるように毎日、毎回の練習を大切に積み重ねていってくださいね。

それでは、また来週!

当ブログの写真・記事等の(全部、一部問わず)無断利用、ネット上(TwitterやFacebookなどのSNSを含む)などへの無断転載を禁止します。

at 06:05, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

-, -, pookmark


吹奏楽コンクールや本番を控えたすべての方へ。


















みなさんこんにちは!
夏休みですね!吹奏楽コンクールに出場する方は今が一番忙しい時期ではないかと思いますが、とにかく体調だけは気をつけて過ごして下さい。

地域によってはもうコンクールが始まっているところもあるかもしれませんが、この時期なので今回はコンクールに役立つであろう内容、本番当日前後で心がけておきたいことをいろいろと書いていきます。

コンクールには出場しないよ、終わっちゃったよ、そもそも吹奏楽じゃないよ、という方も、人前で演奏する時に参考になると思いますので、ぜひ読んでみて下さい。


《緊張と仲良くなる》
人によってまちまちですが、本番近くなると緊張します。
それが当日なのか直前なのかわかりません、場合によっては数日前から緊張しているなんて方もいらっしゃるでしょう。
そして多くの人が「緊張をしないためには」と考えると思います。しかし緊張をしないとか、緊張を消そうと考えるのは、実は逆効果になってしまう場合が多いのです。そもそも「緊張=悪」のようなイメージを持ってしまうからこそ、「緊張に負ける」とか、「緊張に打ち勝つ」とか、そういう考え方になってしまうのだと思います。緊張は悪ではありません。

では緊張とは何でしょうか。

緊張とは、興奮状態です。ということは、緊張をしている対象(ここでは自分が人前で演奏をする行為)に対して気持ちが高ぶっているのですから、その強い意欲を消そうと考えるのは逆効果である、ということがわかると思います。
ですから、緊張という名のみなぎっているパワーを仲間にできるのであれば、より成功への道が開けるのではないかと思うのです。

しかし緊張には「逃げてしまいたい」と思うネガティブな要素も持ち合わせています。しかし、心の底から逃げてしまいたいと思っている人はきっといないはずです。実際のところは「逃げてしまいたいけど、ステージには立ちたい。演奏したい。大成功したい!→でも成功しなかった時が怖い」という葛藤がそう思わせているのです。どちらの意思がより強い状態にあるかで考え方も変わってきます。

ですから、ネガティブな緊張を増幅させないためには、それなりの「自信」要素を沢山持ち合わせていられることが大切です。

自信になる裏付け、例えば「誰よりも練習を頑張ったから大丈夫!」とか「成功した自分を想像する」とか、「まあ何とかなるでしょ!死にゃしないよ」と開き直ることも自信になります。
また、ネガティブな発想は全てが悪いわけではありません。そういった方は、細心の注意を払って丁寧なものを作ろうとする気持ちが強い人ですから、無理矢理ポジティブになる必要もありません。しかし、悪い方向へ結末が向かっているんだとか、ぜったい成功しないとか、悲観的になるのは避けて、明るい結果が待っているんだ、という気持になれるように心がけましょう。

緊張の中のどこかには必ず「楽しむ」心を必ず持ち合わせるように心がけて下さい。

緊張と仲良くなりましょう。

《本番前日 〜コンディションを整える日〜》
本番前日というのは、一番気合いが入っている時だと思います。場合によっては一番焦っている時かもしれません。納得のいく完成をしていないところがあったり、この時になってバランスが悪くなったり、上手く吹けなくなったり。タイムリミットが見えている時ってバタバタしますよね。
できるならば、この本番前日という時間を落ち着いて有意義に過ごしたいものです。

まず第一に「体調、コンディションを整える」ことを最優先にしましょう。はっきり言って前日になってまで練習して何か上達しようという考えが良くありません。コンクール曲はずっとずっと前から練習をしてきました。沢山の練習を積み重ねて今があるのですから、そんな一日ちょっとで劇的な変化などありません。それよりも、ここまで積み上げてきたことをしっかり思い出し、自分は(もしくは団体として)きちんと発揮できているのかな、という「確認」をする時間であったほうが良いと思います。

そして自分自身のコンディションを整えて下さい。しっかりご飯を食べて、早めに寝る。緊張してしまう人は特に、リフレッシュする時間を多く確保して、演奏のことはすっかり忘れてしまったほうが良いと思います。明日演奏する曲を聴いたり、楽譜を眺めていたり、夜遅くまで楽器を持ってフィンガリングだけでも…!とか思ってしまうかもしれませんが、もうそういったことは全部放棄して、全然違うことをしたほうが明日という日を新鮮に迎え入れてあげられると僕は思います。今日まで積み上げてきたことは、半日そこらで忘れるなんてことは絶対にありません。だから大丈夫です。

体と心をリフレッシュして、明日一日元気でいられるように過ごして下さい。


《本番当日 〜練習をしない日〜》
さて、本番当日です。心配なこと、気になることはあるかもしれませんが、ここまで来てあがいても焦りを助長するだけです。もうすでに自分の今の実力は決定しています。ですから、今日は自分のこれまで培ってきた実力をできる限り発揮するだけです。

ですから、まず練習をしないこと。

練習をしても意味がありません。その時間のスタミナや精神力は本番にとっておきましょう。
今日の音出しは曲練習でも基礎練習でもありません。「ウォームアップ」です。
自分の持っている実力を最大限発揮させるためには、演奏のコンディションを安定させることです。

ウォームアップに関しては過去の記事カテゴリ「ウォームアップ」をご覧下さい

本番の会場に集まる前に、学校などで最後に合奏をする団体がきっととても多いと思います。
この時の合奏はあくまでも「確認の時間」にすぎません。ここで本番さながらの徹底的な練習などまるで意味がないどころかマイナス要素になってしまいます。これまで積み上げてきたこと、みんなで決めた約束(表現やテンポなど)を確認するだけで充分です。
ですから、絶対に本気モードで吹かないで下さい。音域が高いところはオクターブ下げればいいですし。キツいところは演奏拒否をしても良いと思います。(予め指揮者がそれを理解していることが大切ですが)
それよりも、良い音で吹けているか、呼吸はきちんと落ち着いて負担なくできているか。そういったことに気を配って下さい。

吹奏楽コンクールは、搬入や会場での移動などが結構苦労します。ステージまでの道のりが遠いですよね。
しかも真夏です。体調を崩さないよう、水分の補給はこまめにするようにして下さい。喉が乾いてから補給するのは遅いです。口の中が乾くと思うように演奏ができなくなるので注意して下さい。


《本番直前 〜仲間を信じ合うことが大切〜》
さあ、本番は刻一刻と迫ってきています。コンクールでは舞台袖で前の団体の演奏を強制的に聴かされることになります。しかもなぜか舞台袖で聴く他の団体の演奏って、妙に上手に感じるんですよね。同じ課題曲を演奏された時なんて、本当に自分自身と比較してしまったりと、とにかく良いことありません。
他人は他人。比較しても始まりません。他の団体の人たちもこの日のために一生懸命練習に励んできたんです。ですから、ライバルである前に同士、仲間です。音楽をする上で敵は存在しません。コンクールは自分たちの演奏は評価されますが、どこかの団体が勝って、負けて、というスポーツとは違います。
ですから、上手だなあと思うのであればそれを認めて賞賛してあげましょう。自分もあなたたちのように良い演奏できるように頑張るよ、と心で伝えてあげて下さい。決して、相手のミスを指摘したり、悪いところのあら探しをしないようにしましょう。そんなことしてもされても誰も良い気持ちにはなりません。意味のないことです。

そして、これから演奏するための「成功している自分、自分の団体のシミュレーション」をしましょう。未来予知のようなものです。あと数分後に控えている自分たちの演奏がとても素晴らしく、良い演奏をしているイメージを頭の中で再生してください。その素晴らしい演奏は、自分のイメージの中から生まれてきたものですから、決して遠く離れた実力とは程遠いものではありません。実際に再現できるとても近いものです。
ミスを恐れず、心から音楽をすることを楽しんでいる自分をイメージしてください。

先程も書きましたが、緊張は消し去ろうとか、緊張しないようにとか思うのではなく、そんな自分を受け入れて仲間として迎い入れ、パワーの一部にしてあげてください。

また、これまで一緒に練習をしてきた部員みんなも、この本番を良いものにしようという気持ちになっています。
クラスや学年の違う人どうしが毎日何時間も一緒に過ごしてきた仲間ですから、きっとこれまでの活動の中でいろいろ思うことはあるはずです。とっても仲良いどうしもいれば、ちょっと苦手な人だな、と思っている人もいるかもしれません。演奏レベルもいろいろですから、「あの子、ちゃんと吹けるかなあ」と思ってしまう自分がいるかもしれません。しかし、みんな自分のできる範囲で一生懸命演奏しようと思っているはずですから、その「意思」を受け止めてあげて下さい。
そしてあなた自身もこれまで一生懸命に練習を積み重ねてきたはずですから、自分のできる範囲で精一杯良い演奏を客席にいる皆さんに伝えられるよう、心を込めて演奏して下さい。


《本番中 〜今の一瞬を大切に、そして楽しもう〜》
舞台に立った経験がある方は分かると思いますが、吹奏楽のようなある程度人数の多い合奏形態であっても、いざ自分がイスに座ると周りから孤立しているような、なんだか隣の人が遠くにいるような感覚に陥ることがあります。実際に狭い音楽室でギュウギュウになりながら合奏をし続けていた団体だと、物理的に距離が遠くなっていることもありますが、それ以上に、緊張やネガティブな発想からくる「心細さ」が影響をしていることがよくあります。
しかし、先程も書いたようにみんなが仲間です。一緒に過ごしてきた仲間全員を信じ、演奏開始前にほんの少しで良いですから横にいるトランペットやトロンボーンの人に「よろしくね」と声をかけたりニコっと目を合わせてみて下さい。それだけでとっても安心するはずです。

また、今の時代はこんなこと言う人いないのかもしれませんが、舞台に立った時、お客さんを見てしまうと緊張するので、「客席にいるのはナスやカボチャだと思うように」などと言う人がいました。

しかしこれは間違っている、と強く言いたいです。お客さんは敵ではありません。お客さんがいるから、我々はステージで演奏する意味があるのです。客席に誰もいないステージ演奏は、単なる自己満足。ですから、我々の演奏を聴こうとしてくれている方々が「良い演奏!」「楽しいね!」「感動したよ!」「もっと聴きたいな!」などと感じてくれるように音を使って伝えていくことが演奏者の使命です。

ミスしたことを後悔したり必要以上に良いところを魅せようとよそよそしくなったりする必要はありません。自分たちが伝えたいことはそんな小さなことではないはずです。
トランペットの音を知らない方には、「トランペットってこんなに良い音するんだ!」と知ってもらい、演奏する曲を知らない方には「良い曲だね!」と感じてもらい、何よりも、心に残ってもらえるような音楽に対する深い愛情を持っていることを伝え、またお客さんも音楽がもっと好きになってもらえるようなそんな時間にしたいところです。

コンクールは単なる「上手」「下手」を決める場所ではありません。演奏技術はもちろん評価されますが、それ以上にみなさんの心に残る「音楽」を届けることに一生懸命になってください。審査結果は単なる副産物です。それくらいの位置付けで良いのです。

メロディやハーモニーひとつひとつがいつまでもあなたの中で素敵な記憶として残っていられるよう、今の一瞬を大切に、心から楽しんで充実した時間を過ごしてください。
大勢の方に自分たちの演奏を聴いてもらえる機会って、一生のうちにそう何度もありません!


《コンクールに関わる大人の方へ》
コンクールに関しては、賛否両論、たくさんの意見があります。音楽を審査するということの難しさ、結果至上主義になってしまう恐ろしさなど、確かにいろいろな課題があるかもしれません。
しかし、吹奏楽コンクールがあるからこその日本の吹奏楽の今日の発展がありますから僕は否定はしません。

問題なのはそのコンクールをどのような位置付けで「利用」するのかを決めているそれぞれの団体(ここでは主に中高生の吹奏楽部)に関わる大人の考え方だけです。
ぜひ主人公である演奏者が、いつまでもいつまでも音楽が、吹奏楽が、自分の担当している楽器が好きで一生の友達でいられるようにしてあげてください。

ということでコンクール真っ只中ということでこんな感じでまとめてみました。

また来週!


当ブログの写真・記事等の(全部、一部問わず)無断利用、ネット上(TwitterやFacebookなどのSNSを含む)などへの無断転載を禁止します。

at 06:06, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

-, -, pookmark


音をブレンドさせるとは


















みなさんこんにちは!

吹奏楽コンクールも終わり、文化祭などのコンサートシーズンではないかと思いますが、同時に今、アンコン(アンサンブルコンテスト)の練習も頑張っているのではないかと思います。目標や目的が沢山あって今の時期も忙しいかと思いますが、曲練習だけでなく自分自身のレベルアップを図る時間を持てるように、そして毎日の練習前には必ずウォームアップを行い、コンディションを安定させられるように心がけましょう。

ということで、アンコンも近いことですし、少しの間、アンサンブル(室内楽)でも使える内容を書いていこうと思います。今回は音に関するお話です。


《音をブレンドさせるとは?》
中高生の頃、指揮者の先生が「音をブレンドさせて!」と言っているのをよく耳にしました。
「ブレンド」、聞き慣れた言葉ですよね。コーヒーとかお米とか、いくつかの種類のものを「混ぜる」という意味で使われます。
吹奏楽でもこの言葉は多用され、要するに「それぞれの楽器の音を混ぜて」ということで、きっと一度は指示されたり聞いたことがあるはずです。

具体的に「ブレンド」させるとはどうすれば良いのでしょうか。皆さんはどう考えますか?


《ブレンドの勘違い》
ブレンドと聴くと、フルートもクラリネットもサックスもホルンもトランペットもティンパニも、そこにいる楽器すべての音が個性をなくして溶け込んで、ひとつの「何か未知なる音」になることとイメージしていたら、残念ながらそれは間違いです。
コーヒーと牛乳でカフェオレという新しい飲み物になったり、ビールとジンジャーエールを混ぜてシャンディガフになるのと、音のブレンドはまったく違います。音のブレンドの場合は、それぞれの音がしっかりと主張した時に生まれます。


《パイプオルガン》
皆さんはパイプオルガンの音を聴いたことがありますか?
もう結構前になりますが、僕は2005年から5年間ほど、東京の豊洲にある「ららぽーと豊洲」というショッピングモールで毎日開催されていたパイプオルガンコンサートにソリストとして月一回のペースで参加していました。最初のうちはバロック時代に作られたオリジナルの作品などを演奏していましたが、毎月毎月演奏していくとレパートリーがマンネリ化してきてしまい、実験的にいろんなジャンルの曲を演奏していたりして、それはそれで楽しかったですね。本当に沢山の曲を演奏してきたおかげで、パイプオルガンにもかなり詳しくなりました。
しかし残念なことに、震災後中止になり、そのままオルガンを北欧の音大へ移築してしまい、今ではオルガンのあった謎の空間だけがららぽーとに残っています。


移築した後の写真ですが、これがららぽーと豊洲にありました。とても古いイギリス生まれのオルガンです。


さてここで皆さんに質問です。パイプオルガンはどんな音のする楽器でしょうか?イメージできますか?
例えば↓こんな音でしょうか?



パイプオルガンと言えばこの曲!って感じですよね。迫力ありますね。



トッカータとフーガに比べるとだいぶ落ち着いた音がします。でもこれもいかにもパイプオルガンって感じのサウンドですよね。



もしかするとこういった音を聴いたことがないかもしれませんが、これもパイプオルンガンの音です。


そうなんです。パイプオルガンという楽器は鍵盤に接続されているパイプの形状や材質により、聴こえる音が異なるので、「パイプオルガンの音とは」と質問するのはちょっとイジワルでした、ごめんなさい。

一番最初の画像を見ていると、演奏している人の横になにやら落ち着かない人が横にいますよね。この人、「アシスタント」と言って、楽譜のめくりをしているだけではなく「ストップ」といういわゆるスイッチのようなものを操作している人なんです。
ただ、近年作られたオルガンの多くは電動式になり、あらかじめ組み合わせた状態をメモリーに蓄積し、鍵盤の近くにあるスイッチでどんどん変化させることができるようになってきたので、ストップを操作するアシスタントが演奏中いないコンサートも最近では多く見られるようになりました。

この写真は、先程お話した、ららぽーと豊洲にあったオルガンです。左右にいくつもの丸い突起があるのがわかりますか?これがストップです。
ストップはオルガンの規模によって数も違うのですが、通常、鍵盤の左右にあり、引っ張ったり押し込んだりすることで、そのストップに直結しているパイプに空気を通すか決めるというスイッチです。



それぞれのストップはフルートとかトランペットなどと名前が書いてあり、音色を変えたりミックスしたりできます。また、ストップは音色だけでなく、音の高さであるフィート(オクターブ上が同時に出るなど)も同時に鳴らすこともでき、音の鳴り方を変化させることもできます。


これはまた違うオルガンですが、このように名前が書いてあります。

このようにパイプオルガンとはストップを組み合わせることによって、様々な音を出すことができる楽器なのです。

オルガンはひとつの鍵盤に最低でも一本のパイプがつながっているので、必ず鍵盤の数だけパイプが必要になります。しかし、先程も書いたように、そのひとつの鍵盤からいくつもの音を出すことができることがパイプオルガンの特徴のひとつなので、実際には何本ものパイプがつながっています。
ですから、雑な計算になりますが、一段60鍵だとしてそれが3段あれば、180鍵(本当は足にもペダルという鍵盤があります)。それぞれに10種類の音が出せるように作られていれば、180鍵×10種で1800本のパイプが組み込まれている、という計算になります。ですから、パイプオルガンは建物に組み込まれているような作りになっていますし、目に見えない奥に部屋のようになっていて、そこに果てしない数のパイプがところ狭しと並んでいるのです。


興味があればここのサイトを見てみて下さい。世界最大のパイプオルガンが写真付きで掲載されています。かなり凄いです。


《それぞれの個性を主張する》
長くなってしまいましたが、パイプオルガンはそれぞれ「独立した音」が一斉に鳴ることで、様々な個性のある音を作り上げることができる楽器と言えます。当たり前ですが、それぞれのパイプは意思を持っていませんから、「隣のパイプに似た音色で音を出そう」なんてことができるはずもありません。各自が持っている音を鳴らしている、ただそれだけです。でもそれが良いんです。

そして管楽器の演奏でも同じことが言えるのではないか、と思うのです。

要するに「音をブレンドさせる」ということは、「各楽器の持っている一番良い音色をしっかり鳴らす」ということではないでしょうか。
このブログでも僕のレッスンでもしつこく言っている「音のツボにはまったしっかり鳴る音」を出すことがトランペット奏者として大切なことです。トランペットなのか何の楽器なのかよくわからない音を出す、そういった奏者が他の楽器にも沢山いる状態で吹奏楽や室内楽をしても、それはブレンドしている状態ではありません。個性をなくして音色を接近させることをしたいのであれば、トランペットだホルンだチューバだとそれぞれ違う楽器を持たないほうが良いのです(サクソルン属の楽器だけでアンサンブルをすればよろしいのです)。

ですから、ブレンドした音を生み出すのであれば、まずがそれぞれの個性を主張することから入りましょう。


今回は、音色に関してのみ書きましたが、実際のところ「ブレンドさせる」というのはそれだけの意味で使っていないと考えます。奏者それぞれの気持ち(方向性)や、作品に対する解釈、指揮者が主張している音楽を全員が感じ取る力、呼吸。そういった様々な面が全員で共有されていることだと思います。

ということで、今回は「音をブレンドさせるためには」というテーマで書いてみました。
室内楽をしている時も、音色を溶け込ませようなんて思わなくていいんですよ!まずは主張しましょう!

それではまた来週!

当ブログの写真・記事等の(全部、一部問わず)無断利用、ネット上(TwitterやFacebookなどのSNSを含む)などへの無断転載を禁止します。

at 08:15, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

-, -, pookmark