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音楽的なチューニングをするために大切なこと9(音のツボが2つある?!)


















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前回の記事で話題にしました「吹きグセ」は、初期段階で気づき、修正していけば大したことにはなりませんが、実はこれ、放置していると「新たな第2の音のツボ(ニセツボ)」になってしまうかもしれません。今回はそんなお話です。

《新たな第2の音のツボ(ニセツボ)》

なんだかまるで虫歯みたいな話ですが、実際にたくさん経験しています。

その話をする前に、先日掲載しました記事「音楽的なチューニングをするために大切なこと5(音のツボに当てる方法 その1)」からの引用をまずはご覧ください

================================
楽器は「すでに用意されている状態を理解し、自分の求めている方向性と一致するか」という判断で選んでいく必要があります。

しかし、それらを無視し、「これじゃない」と家電を破壊し、壁紙を破き、最悪の場合は「この廊下が通りにくい」と壁に穴を開けて新たな動線を作り出すような吹き方をしてしまう人が少なくありません。そういった人は楽器の試奏ですぐにこういった言葉を発します。

「吹きにくい」
「これはダメな楽器だ」

と。
違うのです、本当にダメな楽器など実際にはほとんどありません。吹きにくいのも印象が悪いのも「用意された家電や壁紙が自分のイメージと合っていない」もしくは「部屋の形や廊下のサイズを理解せずに自分の勝手なわがままで暴れている」だけなのです。

ツボに当たった音を出す、ということはそれぞれの楽器の特性、テーマを理解することです。
================================


引用の中に出てくる「廊下が通りにくいと壁に穴を開けて新たな動線を作る」というこれが、「新たな第2の音のツボ」です。


《第2の音のツボ(ニセツボ)の特徴》

レッスンをしていて、特定の音、特定の音域だけが異常にピッチが合わない(ほとんどの場合とてもピッチが高い)と感じたとき、その楽器を借りて吹かせてもらうことがあります。

そのときに「第2の音のツボ(ニセツボ)」に出会うことが多いです。

ピッチが不安定だと思った音を出そうとすると、まるで強い引力を持っているかのように吸い込まれていく方向性を感じます。
それに逆らわずに出すと、生徒さんと同じようにピッチがとても高くなり、そしてそのとき、音色も似ています。

抜けが悪い、音が詰まって響かない感じです。しかし、そこに吸い寄せられるかのような誘惑があります。

これがこの楽器の持つツボなのでしょうか。


そして、そうした音には必ずもうひとつのツボがあります。

しかしそのツボは先ほどの吸い寄せられる音の陰に隠れていて、若干見つけにくいのです。

コントロールを変化して冷静に吹くとそのもうひとつのツボに当てられます。
その時、ピッチはとても安定し、音色も済んでいて、他の音域と同じ鳴り方をしてくれます。


言うまでもなく、前者が第2のツボ、ニセモノのツボなのです。

ではなぜニセツボが生まれてしまったのでしょうか。


《ニセツボを持った楽器とその奏者の特徴》

※これからお話するのはあくまでも経験則です。ご了承ください。

まず楽器ですが、往々にして高音域にニセツボがあることが多く、特に五線を超えたBb管でいう実音F(ソ)やその上のG(ラ)音に目立ちます。
このあたりはある程度楽器を経験してきた人がまず出会う関門で、曲でも頻繁に出てくるのに鳴らしにくくて、苦手意識を持ってしまいがちな音域ではないでしょうか。

そしてそうした奏者の特徴として(しつこいですが経験則です)、小中高生でトランペットを始め、初心者だったころは中低音域(おおよそ五線内以下)だけしか出てこないようなパートを任せられ続けていたのに、先輩が引退した途端に1stなど、高音域が出てくる目立つパートを吹くようになった人がとても多いように感じています。

ようするに、これまでの記事と合わせて考えると、「とにかく出ればいい」「とにかく出さなければならない」という発想や周りの圧力によって、正しい方法で出さないまま楽器を吹き続けてしまった場合に「ニセツボ」を不本意に作り上げてしまっている、と考えられます。


《指導者への警告》
上記のような流れでニセツボを作ってしまったり、そこに当てて吹くクセを持ってしまう奏者にしてしまったのは、トランペットの吹き方をきちんと教えていない指導者に問題があります。

吹奏楽などを知っていれば、トランペットの音域変化は、ピアノを弾くように鍵盤を選びさえすればどんな音の高さでもとりあえず出せるとは絶対にいかないことくらいは誰もが知っているはずです。
ですから、上級生になったからといっていきなり高音域が出せるわけでもなく、経験年数に応じて音域が広くなるわけでもありません。ですから、高音域が頻繁に出てくる作品を学年が上がったからと言って吹かせてしまうリスクが高いことも理解してほしいと思います。

高音域を出せない奏者に対して「ちゃんと吹け」とか「当てろ!」とかいう言葉は脅迫にしかすぎません。
指導者から指摘され、怒られる恐怖から逃れるためには、手段を選ばずにとにかくその音のピッチを生み出すことしか方法がなく、それが結果的におかしなコントロールで演奏し始めるきっかけになっているのだと指導者は自覚すべきです。

指導者は初心者の段階で「音域変化の原理と方法」をきちんと伝えて、計画的に無理のないようアドバイスをし続けることが必要です。

その具体的な方法も知らないのに「なぜ出ないんだ」といった言葉を投げかけるのは、自転車に乗ったことない人に「なぜ運転できないんだ!」と叱りつけるのと同じです。

[しっぺ返し]

ですから、そういったニセツボで吹いてしまっているトランペット奏者に対し、合奏時にハーモニーが合わず「1stトランペット!ピッチが悪い!合わせろ!」と言ってしまうのは無理難題を要求しています。

ピッチが不安定なのは、元をたどればその指導者がきちんと教えてこなかったしっぺ返しなのです。

指導者のみなさん、そのあたり、大丈夫ですか?


《どなたか原理を教えてください》

さてここまでニセツボの話をしてまいりましたが、実を言うとこの音のツボがなぜ生まれてしまうのか、原理を理解しておりません。ごめんなさい。
「中古楽器は吹いていた人のクセがある」という話も度々耳にしますが、これも同じです。

ただ、今回のことは実際に何度も経験していて、決して都市伝説的なものではありません。

どなたかこの原理を説明できる方、いらっしゃいましたら教えてください。

ということで、今回は以上です。
また来週!

当ブログの写真・記事等の(全部、一部問わず)無断利用、ネット上(TwitterやFacebookなどのSNSを含む)などへの無断転載を禁止します。

at 03:18, 荻原明(おぎわらあきら), ピッチと音程

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音楽的なチューニングをするために大切なこと8(チューナーの有効活用)


















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これまでピッチを計測できるチューナーよりも、まずは音のツボを見つけ、そこに当てて吹けるようにし、音程感などの音楽性を高めて演奏することのほうが大切、という話をしました。
しかし、何度も言うように僕はチューナーの存在を否定しているわけではなく、必要なときに有効な使い方をすればそれはとても心強い存在になると思っています。

そこで、今回はチューナーを有効に活用する具体例をひとつ紹介します。


【ピッチから自分の吹き方を知る】

チューナーをよく見て吹いている方はこれまでに気づいたことがあるかもしれませんが、同じ音でも日によってピッチが違うこと、ありませんか?

もしくは、同じ音なのに単発で出したときとリップスラーのとき、音階でその音にたどり着いたとき、フォルテ(またはピアノ)のときでピッチに違いがある、なんてことはありませんか?

これまで話してきた通り、チューナーばかりをずっと見て音を出すことは音楽的意識を忘れがちなので決して良いことではありませんが、「コンディションの確認」や「自分の吹きグセ」を具体的に理解し、改善する目的でチューナーの結果を把握するというはっきりした目標があれば、それは有効的な活用方法だと言えます。

では、具体的にチューナーを有効活用する方法について解説します。


[日によってピッチが違うとき]

例えば、「今日は何を吹いても(いつもより)ピッチが高いなあ」という日があるとします。
チューニングでもロングトーンでも曲を吹いていても、それがたとえ吹きやすい中低音域であっても、全体的にピッチが上ずってしまうのには必ず理由があります。

1.体の使い方の変化
音の高さはアパチュア部分を通過する空気の流れるスピードによって決まります。大きな変化ではリップスラーのような音域変化になり、微妙な変化であればピッチの変化になります。そのピッチが高めをキープしている場合は、何かしらが通常よりも空気のスピードを上げていると考えられます。例えばアパチュア部分(口周辺)にいつもより力が入っていればピッチが上がってしまいますし、体に力が入っていれば、腹圧が高まりすぎていたり、喉がしまっていたり、楽器を握る力が強くなって結果的にプレスをしすぎてアパチュアを潰しているなど、様々な可能性があります。

2.ソルフェージュ的な問題
頭の中でイメージしている音が高い(周りから受ける影響が最も強い)、音が取れていないときにもピッチが上がってしまう可能性があります。合奏などで高い音をいきなり当てなければならないときなど、やみくもに吹いてしまって、それがプレッシャーとなり上記の体の使い方に影響が出ることもあります。

3.楽器のコンディション
レッスンでも度々見かけますが、チューニングスライドを抜かず、完全に入った状態のままで吹いてしまえば、当然いつもよりもピッチが高くなりますね。
また、これは頻繁に起こることではありませんが、ウォーターキイ(ツバ抜き)のコルク部分が破損して、空気漏れをしていてもコントロールがきかずにピッチが不安定になることもあります。コルクの密閉度は目で見てもわからないときがありますので、心配なら定期的に楽器屋さんで交換してもらうのが良いと思います。

3番目の楽器のコンディションは別として、1と2には原因が「吹く前」「吹き始め」にあることがとても多いです。例えば

・ウォームアップをせずに吹き始めた
・いきなり大きな音で吹いた
・いきなり曲練習を始めた
・バテている
・楽器を吹くことに緊張している(本番/レッスン/指摘や怒られた直後/ひとりで吹かされる)
・興奮状態のまま吹き始めた(直前まで体育だった/遅刻して走ってきた/おおはしゃぎしていた)
・楽器を吹くことに集中できていない(他のことを考えている/上の空/眠い)

などです。
体を「楽器を吹くモード」に変換できていないから、パワーでなんとかしようとしてそれがピッチに悪影響を及ぼしていることが多いと言えます。

大切なのは毎日毎回決まったウォームアップをし、コンディションを整えることと、心も体も落ち着いた姿勢で音楽や楽器に向き合う姿勢です。

チューナーを見て、ピッチがいつもと違うことに気づいたら、自分が今どんな状況で吹いているのか、吹き始めや吹く前に何をしていたのか思い返して、いつも通りの安定した状態に戻せるように心がけてください。ついでにチューニングスライドを抜いているか確認もしておきましょう。
決して、「ピッチが高いからピッチを下げよう」と理由や原因を把握せずに強引な方法でピッチを変えることのないようにしてください。コンディションがより悪化してしまいます。


[パターンによってピッチが変化するとき]

これは実際に試してみると良いと思います。
五線内の記譜上「ソ(Bb管で言う実音F)」の音を単発、または結果的にその音にたどり着くように以下のように吹いてみてください。もちろん、チューナーはONの状態です。

・単発で楽に
・単発フォルテで
・単発ピアノで
・クレッシェンドで
・デクレッシェンドで
・リップスラーで上がった(下がった)ところがF音
・音階で上がってきた(下がってきた)ところがF音
・半音階で上がってきた(下がってきた)ところがF音
・長三和音(例:Bb-D-F)でスラーで上がったとき
・短三和音(例;Bb-Db-F)でスラーで上がったとき
・その他、思いつく様々なパターンでF音にたどり着いたとき

さていかがでしょうか。同じF音ですが、結果が違うパターンがありましたか?

ある吹き方ではピッチが安定していて、ある吹き方では安定せず、しかも上ずりやすいなど同じ結果が多い場合は、コントロールの仕方が原因の可能性があります。一番多いのが上に向かうときのリップスラーです。

以前Twitterに掲載した自分で吹いた動画がありますのでご覧ください。



F→Bbのリップスラーを2回しています。
1回目はBbに移動した途端にチューナーの針がかなり高いピッチを指しているのがわかります。音色も悪くなりましたね。
2回目はBbに上がってもピッチに変化がありません。音色の変化もありません。


これは具体的に何をしたのかと言うと、1回目は口周辺に力を込めて強引にBbに上げました。
リップスラーができるかできないか、というだけの判断であればこれでも問題ないかもしれませんが、F音に比べるとBbの音色は非常にこもっていて、音楽的には決して良い音ではありません。
一人で吹いていてもこれですから、もし誰かと一緒に吹いていたら、その人たちは良い気分はしませんし、なによりピッチも合いませんからアンサンブルになりません。

このように、「上の音にたどり着ければとりあえず何でもいい!」と上がることだけを目標にしてしまうと、手段を選ばずに強引な方法でコントロールをしてしまいかねません。

そうした変化も、チューナーを見ながら吹いていると、視覚的にピッチ変化がわかり、気づかせてくれるので便利です。


【素直に受け止める勇気が必要】

これらの吹きグセとも言える状態を発見し、改善していくためには「チューナーの示した結果を素直に受け止める勇気」が必要になります。

チューナーを見ていると「絶対に±0のところに針がこなければならない」と思い込みすぎて、それ以外の結果を受け入れたくない、なかったことにしたいと思いがちです。その結果、手段を選ばず強引な方法でピッチを調整してしまうことが多々あります。

しかし、その結果がどうであれ、それが今の吹き方による結果なのだと必ず受け止め、「この結果になった理由や原因」を研究するための材料にすることが大切です。

チューナーを使って、客観的に自分の吹き方を見つめる時間をとる場合は、全てを素直に受け止められるようにしましょう。


ということで、今回はチューナーを有効に活用する方法の一例を挙げてみました。

今回紹介したことは、練習ではなく「研究のための材料を集める方法」にすぎません。楽器を吹く時間にこればかりを行うことなく、音楽性の高い練習を必ず多く取ってくださいね。

それでは、また来週!


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at 06:47, 荻原明(おぎわらあきら), ピッチと音程

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音楽的なチューニングをするために大切なこと 7(音のツボに当たったときの3つのピッチの特徴)


















ただいま「音のツボ」のお話をしております。

音のツボに当てることができると、楽器本来の響き、楽器の持っている基準となる一番良い音が出るのはこれまでお話したところです。

【音のツボとピッチの関係】
楽器を設計する上で、音色や反応の良さなどを追求するだけでなく、もっと根本的な「ピッチ」が安定するように設計されていることは容易に想像できると思います。よって、音のツボに当たると「安定したピッチ」も得ることができます。

ただし、勘違いしないでほしいのは、「安定したピッチ」は「チューナー的に±0のところに来るピッチ」とは言い切れないことです。
「安定したピッチ」とは、あくまでも「ある音はとても高く(上ずり)、ある音はとても低く(ずり下がる)」といったムラが起こりにくい、ということです。

では、以下に具体的な音のツボに当たっているときに起こるピッチの理論的な特徴を3つ挙げてみましょう。


【音のツボに当たったときの3つのピッチの特徴】

1.楽器の設計上の特性が顕著になる
楽器の設計上、どうしても起こりうるピッチが定まらない音がいくつかあります。
みなさんもご存知かと思いますが、まずはこれです。



この2つの音は、ツボに当たった状態でも非常にピッチが上がります。特に記譜上ドのシャープ(レのフラット)は場合によっては半音くらいピッチが上がってしまうこともあるので、そのまま吹くわけにはいきません。よって、3番管を抜くことでピッチを安定させるわけですが、この管が動かない、もしくは力をかけないと抜けない、動きが重い状態の楽器が本当に多いです。みなさんの使っている楽器は3番、そして1番管はトロンボーンのスライドのようにストンと抜けますか?

他にも例えば1,2番で音を出すD音やG音(Bb管の場合)も若干ピッチが高くなる傾向にあります。五線を越えたすぐのFの音(Bb管の場合)もしっかりとツボに当てられないと、とても高くなってしまいます。

では、そういった音を安定したピッチで出すために3番管ないしは1番管を抜けばいいか、というと単純にそういうわけにもいきません。やみくもに管を抜いても、その抜いた長さによってピッチは大きく変化しますから、抜きすぎて低くなりすぎたり、中途半端なピッチ変化で定まらない可能背もあるからです。

大切なのは「音程感」です。例えば、私たちトランペットのようにピストンを押せば良いわけではないトロンボーンは、それぞれの音を出すとき、スライドの明確な抜き具合が設計上わからないので、耳できちんと自分の音を聴き、音程を感じながら演奏しなければなりません。トランペットで管を抜いてピッチ調節する際にも、トロンボーン奏者のように音程感がとても重要になります。


2.全音域のピッチが均一になる
ツボに当たり続けた場合、上記のような特定の音以外は基本的に安定します。安定というのはチューナー的に正しい、±0のところに針がくるわけではありません。
これは簡単な原理で、例えばチューニングスライド(主管部分)を必要以上に抜いてしまえば、そのぶんだけピッチは低くなるわけですから、ツボに当たっていてもずっと均一に低い状態が続くわけです。しかし、ツボに当たり続けることで音色に一貫性が生まれ、響きのある音になりますので、安定した演奏をするためには、やはりまず音のツボに当たった状態をキープする必要があります。


3.ソルフェージュの影響が強い

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音のツボに当てることは非常に大切ではありますが、それ以上に大切なのが「ソルフェージュ」です。
ソルフェージュという言葉は、この場では「自分の心や頭の中にこれから演奏する音楽を具体的にイメージする力」と捉えてもらえればと思います(実際には音楽の基礎力を高めるための教育や訓練を指す言葉です)。ソルフェージュのことを単純に「歌」とか「歌心」と言うこともあります。

音のツボに当てる技術に限ったことではありませんが、心の中に歌(ソルフェージュ)がなく、奏法ばかりを意識して機械的に楽器を吹いている人は聴いていてわかります。

また、ソルフェージュ力がトランペットの演奏に与える力は本当に強く、トランペットの演奏(トランペットから出てくる音)と強くリンクします。音程がきちんと取れていなかったり、いわゆる(部分的にでも)音痴だと、トランペットでもその通りになりやすく、正しく歌える力は大切と言えます。

逆に言えば素晴らしい歌心、高いソルフェージュ力を持っている人がさらに音のツボに当てる技術を持っていれば、音色や響きだけにとどまらず、音程やピッチも安定するということです。
チューナーの指し示す値を見てから高い低いだと判断し、奏法を捻じ曲げて強引にピッチだけを修正するのとは違い、自主的、自発的なアプローチから生まれる『音楽的音程感』で演奏できるようになりたいものです



したがって、正しいピッチで、美しい音楽的音程感のある演奏をするためには、

1.音のツボに当てる技術
2.素晴らしい音楽性=高いソルフェージュ力


を両方とも高めていくことが絶対に必要
なのです。

チューナーだけを見ていても高い音楽表現はできませんし、そんな奏者が集団になって吹奏楽やオーケストラ、アンサンブルをしても一向に作品が完成することはないのです。

正しいピッチで奏でたいという気持ちは大切ですが、だからと言ってチューナーばかりを見ていても絶対に解決しない理由、おわかりいただけたでしょうか。
もっと多角的なアプローチ、遠回りに思える様々な方法を見つけて核心部に迫っていける広い視野で練習を重ねていきましょう。

それではまた来週!


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at 07:25, 荻原明(おぎわらあきら), ピッチと音程

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音楽的なチューニングをするために大切なこと 6(音のツボに当てる方法 その2)


















みなさんこんにちは!

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今週は具体的に「ツボ」に当てる方法を解説します。

【アパチュアがポイント】
ツボに当てるというのは、イコール楽器の持っている本来の「鳴る場所」を見つける、ということです。

したがって、金管楽器本来の音の出し方でなければ実現しません。金管楽器本来の音の出る原理を理解することがまず最初のステップです。

そのための最大のポイントは「アパチュア」です。

[唇『を』振動させる?]
金管楽器は唇の振動によって音が出る、というのは多くの方がご存知ですが、その唇の振動を「自力で振動させる」のと「結果的に振動が発生する」のでは原理も方法も負担も音域変化の労力も大きく変わります。

みなさんの中にも経験がある方が多いと思うのですが、マウスピースが唇についていないときに唇を強くつむって「ビー」とか「ブルルルル」と振動させたことがあるかもしれませんが、あれは単に唇をビービーさせているだけであり、金管楽器の音の出る原理とは異なります。僕はあの行為を「セルフバズィング」と名付けて差別化していますが、マウスピースの中で同じようにセルフバズィングをしても確かに音は出ます。しかしそれは金管楽器の音の出し方とはまったく違うものですから、楽器が本来持っている音は出ません。

では、金管楽器はどのようにしてい音が出ているのでしょうか。大切なのは

「楽器の持つ抵抗感とアパチュアのサイズバランス」

なのです。ごく簡単に言うと、

「体内の空気がマウスピースや楽器に流れることで生まれた空気抵抗で、唇は自然に振動を始める」

こう考えてもらえれば良いかと思います。
大切なのは体内の空気は楽器の中までずっとつながっている、という点。体の中の空気が存在している部分と、楽器(マウスピース)との間にアパチュア(唇)がありますが、この部分で体と楽器のつながりを遮断させないことが、トランペット本来の音を出すためには非常に大切なことなのです。

ですから、トランペットから音を出すために私たちがすべきことは「アパチュアという穴を作り出すうごき」だけであって、強い筋力などまったく必要ないわけです。逆に、トランペットを吹くために口周辺に力を込めている方、そうすることが音を出す方法だと思っている方は、金管楽器本来の音の出る原理とは違った方法、いわゆる「セルフバズィング」で演奏している、と言えます。


[ツバ出そうとして大音量を鳴らしてしまった体験、ありませんか?]
ウォーターキイから水分を出そうとしたら、とてつもない大音量で「ブーーー!」と音を出してしまったこと、ありませんか?僕は中学生の頃にありました。あのときは、もちろん音を出すつもりなどなく、(音が出ないように)マウスピースを大きくくわえていたはずなのに不本意に大音量で鳴らしてしまう。なぜあのようなことが起こるのか。それは、あの状態が金管楽器本来の音の出る原理に基づいているからです。アパチュアという穴(この場合は超巨大な穴)と、空気の流れ(この場合は超高圧な抵抗感)のバランスが整ってしまった結果、唇の振動が発生した、ということなのです。とてつもなく大きな音が出たのは、空気圧がとても高い状態だったこともそうですが、そもそもトランペットという楽器が大音量で鳴らすことが「最初から」用意されているからです。


【正しい音の出る原理で吹いているか確認する】

では、実際にご自身がどのようにして吹いているか確認してみましょう。
この動画にヒントがあります。



これは以前、僕が実際に吹いてみたものです。TwitterFacebookにも投稿したのでご覧になった方がいらっしゃったかもちません。

Bb音を2回吹いて、最初のほうは金管楽器本来の吹き方で出しています。
2回目の途中でグッとピッチが上がった瞬間がありますね。そのときにどうしていたかと言いますと、口周辺に力を込めて、アパチュアを潰しました。

アパチュアは本来、音を出すために存在しているサックスやクラリネットなどの木管楽器で言うリードですから、「発音(反応)」「音色」の良さを最優先に求める部分です。音域変化、ピッチ変化を司る部分ではありません(でもそれができてしまうからやっかいなんですよね)。よって、少しでもアパチュアでピッチを調節しようものなら音色が真っ先に犠牲になり、ノイズの含まれた鳴らない音になってしまいます。

この動画はiPhoneで簡易的に録画したもので、音質もよくありませんが、音色の差はご理解いただけたかと思います。

動画で聴こえた「アパチュアを意図的に潰したときのサウンド」が、いつものあなたのサウンドに近いと感じた場合、もしかすると「セルフバズィング」で吹いているかもしれません。


【動画のマネをしてみましょう】
では次に、この動画のように、ロングトーンをしている最中にわざとアパチュアを潰してみましょう。

鳴っていた音が潰れてノイズが増えましたか?

動画と同じようなことができた場合、あなたはアパチュアをきちんと「空気の通り穴」として作った状態で吹いている、と考えられます。
しかし、口周辺に力を入れても音色があまり変わらない(急激に音色が悪化しない)という方、その場合はセルフバズィングの可能性が高いです。

その場合はピッチが不安定になることを承知の上で、唇に空気の通り穴がしっかりある、と自覚を持てるくらい大きなアパチュアを作り、ただ単に空気を通過させるだけの状態で吹いてみましょう。最初はならなくても構いません。その場合は空気の圧力を高めてみましょう(簡単に言えばたくさん空気が流れ出るようにするということ)。決してアパチュアを小さくしようと口周辺に力をかけるようなことがないように気をつけてください。
アパチュアサイズと空気の圧力バランスが良くなると、いつもの音とは違う、もっと響きの多い or 音量の大きい or ビャービャー広がったような音で突然鳴り始めるはずです。そしてそれが金管楽器本来の原理で音を出した、ということになります。先ほどの「ツバを出そうとして大音量」と原理は同じです。

唇が反応するかどうかは、あくまでもバランスなのでアパチュアサイズをもっとコンパクトにして(でも必ず穴が開いている)、空気の圧力も少し減らしていくと、様々な条件で音が出るようになります。

【逆の発想で解決させる】
しかし習慣、クセというのはなかなか変えられませんよね。
そんなときは逆の発想で徐々に良い方法に切り替えていきましょう。

上の動画にあるように、一旦アパチュアを潰しても再度開くことができれば、鳴りが復活します。

音が潰れているときには「意図的に口周辺に力をかけている」状態ですから、それらの不要な力をすべて解除することで生き生きと鳴る音を取り戻すことができる、というわけです。

なので、セルフバズィングで吹いている(可能性のある)方は、動画のように閉じたり開いたりするうごきを繰り返してみましょう。

長いロングトーンの最中に何度もアパチュアを開け閉めするのではなく、一回吹いたら口を離して、またセットして一回やって、の繰り返しのほうが自分が何をしているのかがよく理解できると思います。

そうするうちに金管楽器本来の吹き方、常に開いたアパチュアで音を出すほうがよほど良い音が出るし、楽だし、しっかり鳴るとわかってくるはずです。
その音が良い!これをずっと出していたい!と気持ちを持っていれば、わざわざ負担のかかった鳴りの悪い音を出そうなど思うことはなくなります。
ぜひ練習してみてください。

チューニングとピッチの話は、もう少し続きます。
それでは、また来週!


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at 07:40, 荻原明(おぎわらあきら), ピッチと音程

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音楽的なチューニングをするために大切なこと 5(音のツボに当てる方法 その1)


















みなさんこんにちは!
只今、数回に分けてチューニングについて書いております。今回はピッチと音のツボについてです。

【無理難題を要求していませんか?】

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ここ数年、トランペットの傾向として、やたらとフワフワしたような、モコモコしたようなフリューゲルホルンのような音色を出している方を多く見かけます。
柔らかくて良いではないか、と思うかもしれませんが、ほとんどの場合その音は金管楽器本来の音の出る原理とは違う方法によって生み出された「トランペットとしては」きちんと鳴っていない状態なので、様々な面で支障が出てしまうのです。

なぜフワモコな音を出す人が増えたのか。

これは憶測にすぎませんが、思いつくことが2つあります。

ひとつは「人数が減ってきた部活動や団体」、もうひとつは「加工された音を耳にする機会が多くなった」。この2つです。

[少人数吹奏楽]
吹奏楽部の人数が少なくなって、バランス的な問題から指揮者が「トランペットうるさい」「音量もっと抑えて」、そして「もっと柔らかい音で」などの要求が多くなったのではないでしょうか。
以前よりアマチュアのオーケストラではよくあることでした。古典作品を演奏している時などは特にそうで、もうとにかく「金管は音を小さく」を連呼する指揮者にたびたび出会ってきました。

聞いた話ですが、オーケストラの合奏練習中に、指揮者があまりにも「トランペットもっと小さい音量で」を連呼するものだから、だったらもうトランペットは吹かいほうが良いのではと、音符が書いてある箇所をわざと演奏しなかったそうなのです。その直後、指揮棒が止まり、これはさすがにマズかったかな、と思った矢先、指揮者が驚きの言葉を口にしました。

「トランペット、まだ大きい」

これは本当にあった話だそうです。ここまでくるともはやトランペットに対する先入観、固定観念、もしかすると嫌悪感を抱いているのかもしれません。何か過去にイヤな目に遭ったのでしょうか。

そういえば「タンギングするな」と言われた話も聞いたことあります(笑)

ここまでではないにせよ、確かに小編成のオーケストラでは弦楽器のプルト数(弦楽器は隣り合う同じパートを担当する2人を1プルトと数えます)もとても少ない場合もありますし、そういった作品を選んでいる時点で、そもそもの団員が少ないという理由もあるのかもしれません。
もちろん、音量バランス的にトランペットが大きすぎる可能性も大いに考えられますが、本当にそれだけが原因なのでしょうか。「デシベル的音量バランスが悪い」と安直に結論づける前にもっとたくさんの可能性を見つけることが大切だと思うのです。
例えば、

・楽曲の解釈、オーケストレーションの解釈はどうか(トランペットの存在感は意外にあるのでは?)
・弦楽器がもっと鳴る音で演奏できないか
・アンサンブル的なタイミングの問題
・ピッチが合うことで解決できないか
・フレーズの捉え方がもっと揃ったらどうなるか
・音のベクトルや音のスピード感、呼吸がもっと合ったらどうなるか
・トランペットの響きが大きい(よく鳴っている)とは考えられないか

場面によっても違うと思いますが、「トランペットが目立ちすぎるからトランペットを抑える」という発想はあまりにも安直すぎると思うのです。まさに「出る杭は打たれる」的発想。日本人ならでは(?)なのかもしれません。
なぜ弦楽器をもっと鳴らす(本来、弦楽器は非常によく鳴る楽器です。決して音量は小さくありません)練習やアドバイスを考えられないのか、音楽の捉え方、フレーズと取り方が違いすぎてアンサンブルとしてのバランスが悪い可能性も多いにあるわけですから、そういった角度から完成度を高め、バランスを調節していくという発想にならないのか、疑問が残ります。

そうやって指揮者に「抑えて抑えて」と言われ続けてたどり着いたところが、何の楽器の音だかわからないフワモコなサウンドです。金属的で鋭い音など必要にされたことがないトランペット奏者は、自らの奏法を変化させて独自に開発した謎サウンドで「うるさい」と指摘されないように頑張って小さく吹いているのではないかとも思うのです。

フワモコの音はトランペットの「音の出る原理」から逸脱して発生させたものですから、当然様々な支障が出ます。その最たるものが「不安定なピッチ」です。
体の使い方を駆使して人工的に生み出した音色は、トランペットがもともと用意してくれている「その楽器の持つ音色のポイント」に当てることはできませんから、結果として「その楽器の持つ正しく鳴るピッチのポイント」にも当てることができません。よって、ピッチがはまらずに大変不安定な演奏になってしまう、ということです。

ですから、指導者は楽器の鳴るポイントを無視した「もっと柔らかい音で」という要求と「ピッチを安定させて」という二つの要求を同時にすることは、「前進しながら後退しなさい」と言っているようなもので、これでは奏者がかわいそうですよね。


そして、次に挙げるもうひとつの大きな理由も見過ごすわけにはいきません。


[加工された音を耳にする機会が多くなった]
トランペットに対して謎な要求をしてくる人の多くは、トランペットが実際にどのような音を出すのか、よくわかっていない人が多いです。

そういった方は、大きくわけて3つのイメージがあるように感じます。


ひとつは「レコーディングされたCDなどの音」
ひとつは「音響の良いホールの客席で聴いた音」
そして近年では「録音して、さらに加工した音」

どれも生音とはかなりのギャップがあります。

CDなどの音は、スピーカーやイヤホンなどで聴いたときにバランス良い状態になるよう調節しているわけですから実際とは違います。
ホールも「音響」を考えられて作られているわけですから、ステージで演奏している音だけがそのまま耳に届いてくるわけではありません。これは後述します。
最近ネットで演奏を配信する人も増えてきましたが、音を加工している場合が非常に多いですね。また、自分でも経験がありますが、そういった加工をしていなくても「録音」という段階で音はかなり違って聴こえますし、それをインターネットにアップロードするとさらに変化する場合があることを経験しています。


【ホルンの音はとても硬い?】
こんなことを書いている僕も、実は音大に入ってから数年間は「柔らかい音」を追求するイメージを非常に強く持っていました。「とにかく柔らかくふくよかな音を」がつきまとっていた理由は上記に挙げた通り「プロが実際に出している音を知らなかった」からなのです。

音楽に入り、プロの演奏をたくさん耳にするようになりましたが、響きの良いホールで、ちゃんと客席から聴くばかりでなく、リハーサルや響きのない空間での演奏を間近で聴くことも増えてきて、大学4年のころからはN響の公演にエキストラで参加させていただく機会もあり、実際の現場で様々な楽器がどのように演奏しているのかをたくさん勉強させてもらいました。

その中で一番驚いたのが、ホルンの音色です。

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N響をはじめとしたプロオーケストラは高校生の頃からたくさん聴いていて、ホルンは元々持っているイメージもホールで聴こえてくる音も「柔らかい」というイメージをずっと持っていました。しかし目の前で聴いた音は意外にも金属的で輪郭がしっかりしていた、というギャップを体験しました。ややもすると硬すぎでは?と感じるくらいしっかりした音なのですが、自分が降り番(編成的にパートが少ないなどで、同じ公演の中で自分が演奏に参加しない作品)のときに客席で聴いた音は、今までたくさん耳にした「あのホルンの音」だったのです。

「聴こえてくる音にここまでギャップがあるとは!」

という衝撃と、音に対するイメージが変わった瞬間でした。

したがって、奏者も指導者も、響きの少ない空間で目の前で聴いた音と、その音がホールの客席に届いたときの音の変化、ギャップを理解することが大切です。CDで聴いた音や、ホールの客席で聴いた音、特に今は動画投稿サイトに出回っている音などを真に受けて、その音を出そうとしてもそれは無理な話です。

トランペットの持つ素の音を理解して、それを出すことを目指してください。


【すべては用意されている】
トランペット本来の持つ音色のことを僕は「ツボに当たった音」と表現しています。

ある程度値段のする楽器は、それぞれのメーカーが研究を重ねて作り上げられた素晴らしい完成品です。もちろん、見た目だけではなく吹奏感、音色や響き、安定したピッチ、ダイナミクスレンジ(音量)の広さなど、様々な面で研究し、何らかのテーマや目指すものがあって作られています。

例えるならこれらは「土地から設計され、家具や家電、生活用品がすべて用意された物件」です。

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生活しやすい構造(と設計者が考えて)、テーマが統一された家具や壁紙。そういったひとつの完成された空間で自分がどう生活するか、ということになるのですが、自分の求めているデザインや欲しかった機能のある家電があれば、それはとても居心地の良い部屋になるでしょうし、そうでない場合は不満やストレスが出るかもしれません。

楽器はこのように「すでに用意されている状態を理解し、自分の求めている方向性と一致するか」という判断で選んでいく必要があります。

しかし、それらを無視し、「これじゃない」と家電を破壊し、壁紙を破き、最悪の場合は「この廊下が通りにくい」と壁に穴を開けて新たな動線を作り出すような吹き方をしてしまう人が少なくありません。そういった人は楽器の試奏ですぐにこういった言葉を発します。

「吹きにくい」
「これはダメな楽器だ」

と。
違うのです、本当にダメな楽器など実際にはほとんどありません。吹きにくいのも印象が悪いのも「用意された家電や壁紙が自分のイメージと合っていない」もしくは「部屋の形や廊下のサイズを理解せずに自分の勝手なわがままで暴れている」だけなのです。

ツボに当たった音を出す、ということはそれぞれの楽器の特性、テーマを理解することです。
それが自分の求めていたものなのかそうでないのかはもちろんありますが、イコール「ダメな楽器」ではありません。「自分の求めているものとは違う」というだけであり、他の人にとってはその楽器がベストで、まさに求めていたもの!となるかもしれないのです。


楽器の試奏は「物件探し」のような楽しさがあります。その楽器の持っている音のツボを見つけて吹いてあげると「なるほど、こういうコンセプトがあるのか」「こんな音色を開発した人は追求したのかな」「こういう人に演奏してほしいのかな」などのイメージがたくさん湧いてきます。その中で「この部屋に住んでみたい!」と思うものに出会える、そんなタイミングがあると良いですよね(僕は今は新しいC管がほしいです)。

ということで、楽器の持つ本来の音、音のツボとはどういったものなのかを書きました。

この話題は実際に出ている音を体感するのが一番手っ取り早いのは言うまでもありません。レッスンを経験することはその一番身近で確実なものです。ぜひ僕のレッスンにも一度いらしてください。定期レッスンだけでなく、単発でできる「吹奏楽クラス」という形式も用意しています。吹奏楽クラスはホームページにはいろいろ条件が書いてありますが、それとは無関係にどなたでも受講できますのでご安心ください。

次回は実際に音のツボに当てるための方法を解説していきますので、引き続きご覧いただければ幸いです。
それでは、また来週!


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at 07:16, 荻原明(おぎわらあきら), ピッチと音程

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