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ハイノート本 原稿公開「1-1.実際に吹いてみよう」”note”にて更新








みなさんこんにちは!

本日はブログ「ラッパの吹き方」はお休みで、”note”にて公開中の「トランペット ハイノート本 〜美しいHigh Bbで奏でるために〜」の原稿公開日です。
本日より有料記事とさせていただきますが、ぜひこちらもご覧いただきますよう、お願い申し上げます。

RappaVer2Bana03.jpg


本日の記事はこちら


ハイノート本原稿はユーザー登録が必要です。大変お手数ですが登録をお願い致します。

これらについて詳しくは荻原明オフィシャルサイトのnoteページをご覧ください。


【今後の公開スケジュール】
10月31日(火)"note"版「ラッパの吹き方 Ver.2.0」第2回更新(今回より有料です) ←本日!
11月7日(火)ブログ「ラッパの吹き方」更新
11月14日(火)"note"版「ラッパの吹き方 Ver.2.0」第3回更新

このようにブログと"note"を毎週交互に更新致します。

それでは、「ハイノート本」もぜひご覧ください!
来週はこちらのブログを更新致します。



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お返事はgmailにていたします。スマートフォン等の携帯端末へ返信をご希望される場合は、PCやgmailからの受信が可能な状態かご確認下さい。万が一返信できない場合はそのままになってしまいますのでご了承下さい。


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at 07:18, 荻原明(おぎわらあきら), ハイノート本原稿公開情報

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トランペットのセッティングとシングルリード楽器








みなさんこんにちは!

《シングルリードの楽器》
みなさんはクラシネットやサックスと言ったシングルリード楽器がどのようにして音を出しているか、ご存知ですか?



シングルリード楽器は、マウスピース、リード、リガチャーの3つのパーツを組み合わせることで、音が出る仕組みが確立されます。
これら3つが揃わないと、思うように音は出せません。例えばリガチャーがないと、マウスピースとリードをずっとずれないように握りしめなければなりませんし、リードがなければそもそも音の発信源が失われてしまいます。

しかし、これら3点が揃っても音の出る原理が確立されただけであって、「音の高さ」が変化できるわけではありません。音の高さは楽器本体のキイの組み替えによって行なっています。
要するに音の発信源と音の高さを変える仕事は分業制なのです。

シングルリード楽器の音の発信源がどうなっているのか、こちらのサイトにとてもわかりやすく書かれていたので参考にリンクを貼っておきます。


《トランペットの場合》
では、トランペットから音を出すときはどうでしょうか。
シングルリード楽器と比較してみましょう。

まず、音の発信源であるリード部分は、というと、唇ですね。もう少し詳しく言えば唇によって作られた穴、アパチュア部分と言えます。
(リード楽器の)マウスピース部分単体と金管楽器で例えることが若干難しいのですが(しいて言うなら金管楽器のマウスピースそのものでしょうか)、リガチャー部分とセットで考えるなら、アパチュアを作るために必要な口周辺の「うごき」であり、マウスピースと唇との「貼り付き」と言えます。

唇がマウスピースと貼り付くことで、「位置がずれない」「空気漏れがしない」という2点が実現します。リガチャーの役割と一緒ですね。

そして一番大切な共通点は「唇とその周辺は音の発信源でしかない」という点です。


《口周辺はすでに忙しい》
経験則ですが、響きのある音色が出ないとか、音域変化がうまくいかないといった悩みを持っている方は、口周辺(アパチュア)で様々なコントロールをしている場合がとても多いのです。

確かに気持ちはわかります。実際に口周辺やアパチュアを変化させると、ピッチや音色が変化しますので。
しかし、この部分を変化させるということは、先ほどの話を思い出してもらえるとわかるように「音の発信源」=「音が常に出せる状態」のバランスを崩してしまう行為である、ということなのです。

シングルリード楽器で言うならば、リガチャーの締め具合を変えたり、リードの位置をずらしてまで何かをしようとしていることになります。
そんなことをしたらどうなるか、おおよそ想像できますよね。

ですから、トランペットでも、この部分は「空気がほんの少し流れただけで良い反応の質の高い音を出す」仕事に専念すべきなのです。それだけでも結構忙しいのに、さらに音の高さを変化させようなんて、仕事量がオーバーしてしまいます。ブラック企業です。そんなことさせていると過重労働で倒れます(=バテます)。


《いちいち組み立てています》
クラやサックスは3つのパーツを一度組み立ててしまえば、ずっと音が出せる状態が確立し続けているわけですが、トランペットの場合はそうもいきません。

唇からマウスピースを離してしまえば、そのたびに音の発信源であるリードやリガチャーがバラバラになり、リセットされるわけです。

しかし、トランペットを吹いていて、この現象を理解している方が結構少ないです。
実際は常に安定した反応のよい状態に組み立てるのには絶対に時間がかかるはずなのですが、レッスンをしていると、マウスピースを唇に持っていった瞬間音を出そうとする生徒さんが多く、その結果、音が出なかったり、反応や音質が悪かったり、音をはずしたりして「あれっ?!」となるのですが、当然のことですね。このことは次回、詳しく書きます。

そしてこれを繰り返していると、一体どう組み立てると安定するのかがわからず、セッティングそのものがどうすれば良いのかわからなくなった!俺どうやって吹いてたんだけっけ?(一度奏法やセッティング、からだのことを考え始めるとドツボにはまるパターン)ともなりかねません。

ですので、トランペットを吹くときには、毎回毎回マウスピースと唇の貼り付き、アパチュアをつくるための口周辺のうごきを確実に行い、反応と質の高い音を常に出せる自信の持てるセッティングをするよう、心がけてください。

考えすぎてしまうのも問題なのですが、何も考えずにパッと音を出してしまうことはもっと良くないので、やめましょう!


ということで今週はここまでで。
次週は”note”にて連載している「ラッパの吹き方Ver.2.0」での「ハイノート本」原稿公開週です。ぜひこちらもご覧ください。
※ハイノート本は購読していただくシステムです。まずは”note”にてユーザー登録を行なってください。詳しくはこちら

それでは!

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at 07:30, 荻原明(おぎわらあきら), 体の使い方

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ハイノート本 原稿公開「00.はじめに」”note”にて更新








みなさんこんにちは!

これまでにもお知らせしていたように、本日よりこちらの「ラッパの吹き方」ブログは隔週公開となりました。

そして、”note”というサービスにて、今後出版予定の教則本「トランペット ハイノート本 〜美しいHigh Bbで奏でるために〜」の原稿を順次公開してまいります
ぜひこちらもご覧いただきますよう、お願い申し上げます。

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ハイノート本原稿は有料公開となります。本日は初回なので無料公開ですが、今後はユーザー登録をしていただいた方のみがご覧いただけるようになりますので、大変お手数ですが登録をお願い致します。

これらについて詳しくは、”note”記事「03.「ハイノート本」を”note”で公開する理由」「05.記事購入の仕組みとスマホアプリ」をご覧ください。


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10月17日(火)"note"版「ラッパの吹き方 Ver.2.0」更新 ←本日!
10月24日(火)ブログ「ラッパの吹き方」更新
10月31日(火)"note"版「ラッパの吹き方 Ver.2.0」第2回更新(この回から有料)
11月7日(火)ブログ「ラッパの吹き方」更新
11月14日(火)"note"版「ラッパの吹き方 Ver.2.0」第3回更新

このようにブログと"note"を毎週交互に更新致します。

それでは、「ハイノート本」もぜひご覧ください!
来週はこちらのブログを更新致します。



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at 07:51, 荻原明(おぎわらあきら), ハイノート本原稿公開情報

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言葉によるアドバイス 2(受け取る側)









みなさんこんにちは!

前回は音楽のアドバイスを言葉で伝えるのは難しいですね、という話題の「伝える側」目線からのお話でした。ご覧になっていない方はこちらからお読みください

今回は「アドバイスを言葉で受け取る側」目線から書いていきます。


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《言葉にすべては含まれていない》
指揮者やコーチ、先輩などからアドバイスを受けたとき、その言葉には、その人が伝えたかったすべてが含まれているわけではないことを常に意識してください。
伝える側が一番伝えたい、と思ったことが言葉の中心や主語になることがほとんどである、と考えられます。

そして一番気になったことは=1番目につく(1番耳につく)ことなだけで、どうしても表面的な指摘になることが多くなります。

例えば、「トランペットうるさい!」とか「タンギングがはっきりしていない」とか「テンポが乱れる!」とか。

優れた指導者の場合は、言葉の表現を工夫したり、そうなった理由や改善方法もセットで伝えることもありますが、残念ながらそういった人ばかりではありませんので、やはり受け取る側の心構えや受け取り方の一工夫が必要です。


では、具体的にアドバイスを受けたときの捉え方、考え方、実践の仕方について解説します。
ここでは吹奏楽の合奏をしていて指揮者から「トランペットうるさい!」と言われたと仮定して進めていきましょう。


[1.現状を理解する(過去を把握する)]
指摘をされると、自分のことしか考えられなくなってしまい「自分が原因」「自分が悪い」「小さく吹かなきゃ小さく吹かなきゃ…」と萎縮してしまう人が多いのですが、そうではなくてまず、自分も含めて周りがどうなっていたか、視野を広くしてできる範囲で構いませんから冷静に思い出してください。

すると、いろいろなことを発見します。

周りの音量が自分の想像よりも小さかったかもしれません。
自分の演奏したところは途中でメロディではなくなったのに、そのままの勢いで吹いてしまったのかもしれません。
とっても柔らかなサウンドでみんなが演奏していたかもしれません。
自分の演奏していた箇所は、フルートと一緒にハーモニーを作り上げている場面だったのかもしれません。

「うるさい」と言われると、つい自分が出した「音量」がデシベル的(数値的)に大きかったか!と意識してしまうのですが、もしかするとそうではなく「そのシーンには異質」な存在だったとか「空気が読めていない演奏」だったのかもしれません。

このように視点を自分にだけ向けてしまうと、なぜ指揮者がそう言ったのか、本当の理由が見えてこないことがよくあります。なので、まず全体を客観的に、そして冷静に聴く力を持ってください。そのためには常に周りの音を捉えつつ演奏に参加することがもっとも大切です。


[2.相手がイメージしていることを理解する(未来を予測する)]
先ほどのことが省みることであれば、もうひとつ大切なのは未来を予測することです。
要するに、指揮者が「うるさい!」と言ったその言葉には、「どうなって欲しい」というメッセージも含まれているのですから、それがいったいどんな演奏なのかをイメージする力です。
もしかすると他に何か言っていなかったか、他の人にアドバイスをした言葉は何かなかったか、どんな指揮をしていたか、どんな表情だったのか、など。
言葉の奥に込められた本音や本当のメッセージを仮定でもいいので「きっとこうなってほしいのだろう」と捉えてください。


[3.自分がすべきことをまとめる(自分なりの演奏を決定する)]
これまでに得た情報を元に、自分が次にどう演奏するか明確に決めましょう。
「指揮者はきっとこんな結果を望んでいるのだろう」と仮定でもいいのでイメージを固めます。
イメージがなければ演奏は具体的になりません。まずはイメージをすること。


[4.実践する]
望んでいるであろう演奏をします。そのためには仮定であっても望んでいるであろう完成形のイメージを強く持ちます。
自分で納得していることも大切ですが、それをまずは指揮者に「こういうことを望んでいたんでしょ?」とアピールして届けます。
将来的には指揮者だけでなく、客席までそれを強く届けることが必要です。


いかがでしょうか。
言葉にするととても大変そうで時間のかかる気がしますが、慣れてくればそんなに大変ではありません。
ただし、そのために必要なのは「表現力の引き出し」をいくつも持っていることです。この表現でなければ、この表現で行く!そんな引き出しをいくつも持つためには、個人練習のときから、もっと言えば楽器を持っていないときから様々なことに反応し、音楽をはじめとした表現している人や芸術作品に触れる機会をたくさんもつことが引き出しを多く持つためには必要です。


《怒られた、と萎縮しないように心がけましょう》
一番良くないのが、指摘されたときに「怒られた!」と捉えてしまい、萎縮して再度吹いてしまう状態です。

そうならないように、

「きっとこんなことが言いたかったんだろうな」
「きっとこんな演奏を望んでいるんだろうな」

を仮定で構わないので考えて、

「じゃあこんなふうに演奏してみよう」

と実践してみる。これが大切です。

指摘は怒られたわけではなく、もっと良いものを作っていくためのアドバイスと捉えてください。


《奏法だけで解決しようとしない》
指摘に含まれた言葉が体の使い方や技術的な内容だと、どうしても奏法を意識してしまいがちです。

奏法を考えること自体は悪くありませんが、「奏法だけで解決」しようとすると、うまくいきません。
人間は機械ではありませんので、様々なことが関連し、機能しています。特定の箇所だけをどうにかしようとしても結果はついてこないのです

ではどうするか。まずは結果のイメージを強く持つことです。
そして、体全体でそのイメージを実践することが大切です。

例えばタンギングひとつとっても、舌のことだけ考えて、使おうとしてもまず機能しません。
なぜなら、舌はアゴと非常に深いつながりがあるからで、さらにアゴは頭蓋骨や首と関連していて、首は上半身全体と関連しあっているからです。

仮に体全体を意識することができても、それらを結果的にどんなふうに使いたいのかがわからなければ、ぎこちないうごきになります。そこで大切なのが「結果のイメージ」を強く持つことです。例えばハッキリした発音を求められたときであれば、舌がどうだとかピンポイントで考えず、もっと大きなイメージ「人前で滑舌よく喋っている」で吹いてみる。それだけで改善されることも多いのです。


いかがでしょうか。
指摘された言葉はすべてのメッセージが含まれていないので、自分の頭の中でそれを補い、どんな結果を望んでいるのかを仮定でもいいのでイメージしてみる。
これができるようになれるように「捉え方」を意識してみてください。


それではまた来週!


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at 06:19, 荻原明(おぎわらあきら), 音楽に対する考え方

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言葉によるアドバイス 1(伝える側)









みなさんこんにちは!

《言葉によるアドバイス》
音楽という形のないものを作り上げていくために我々はどうしても言葉を用いる必要があり、合奏やレッスン、同じパートの人から提案や指摘を受けることはとても多いと思います。

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それらの言葉は、大きく2つの種類に分られます。ひとつは「印象、抽象的表現」もうひとつは「からだの使い方などの具体的な指示」です。

1.印象、抽象的表現
イメージを共有するために用いることが多く、例えば

「もっと暖かな音で」
「鋭く突き刺すように」
「喜びに満ちて」

など、実際に起こっているわけではないイメージの世界を言葉にしたものです。
作品(楽譜)に指示があることも、伝える側の主観的イメージを伝えることもあります。


2.具体的な指示
からだなどの使い方を具体的に示した言葉です。例えば

「タンギングのときはアゴも動かせる状態にする」
「あくびの状態は喉が開いている」
「アパチュアを作るには口輪筋を働かせる」

など。実際にからだに備わっている器官についてや、目に見える具体的なうごきについての言葉です。


ただし、実際のところ、1と2が混ざり合っていたり、具体的なからだのうごきであっても言葉の使い方によっては非常に神秘的な表現になって、より混乱させてしまうことも多々あります。

「おなかに息入れる」

などはそれの最たるものでしょう。こういった表現を補足なしで用いることは、本当にもう終わりにしましょう。

わけのわからない都市伝説や誰もその行為の目的や結果を説明できない部の伝統を作り上げているのも無能な指導者ですし、神秘的な言語や行動を用いてそれを「◯◯式」とか「◯◯メソッド」と名付けて客引きをする指導者にも嫌悪感を覚えます



《自転車の運転を言葉だけで説明できますか?》
では「伝える」をわかりやすく例えてみましょう。

あなたは自転車に乗れますか?乗れない場合は「歩く」といううごきでも構いません。
誰かに自転車の乗り方(歩き方)について説明をしてみてください。

サドルにまたがる
ハンドルを握る
ペダルに足をかけて回すと進む

間違っていません。正しい説明です。
しかし、果たしてこれで相手に伝わるでしょうか。
もし相手が自転車のことをまったく知らなかったら、様々な疑問が浮かんでくると思います。

またがるってどうやって?サドル?
ハンドルってどれ?握るってどうやって?
ペダルってどれ?回す?どうやって?それで何がおこる?
これなに?ここなに?そもそも自転車って何?


もちろん、自転車をまったく見たことがない人は少ないと思いますから、「見かけたことがある」という経験や記憶からおおよその方法も理解できるとは思うのですが、運転するとなると、どれだけ説明を受けても実際にからだをどう使えばいいのか、という疑問はどんどん浮かんでくると思います。なぜなら、


「言葉はすべてを網羅していない」


からです。
言葉だけですべてのことを伝えるなど不可能に近く、もしそれを実現しても分厚い本ができてしまいます。理解するにはあまりに効率が悪い。


《言葉には順序がうまれる》
もうひとつやっかいなことがあります。

自転車に乗るために伝えたことばをもう一度確認してみましょう。

サドルにまたがる

ハンドルを握る

ペダルに足をかけて回す

進む

例えば、サドルにまたがるとき、ハンドルを握っていますよね。サドルに座るまでハンドルを握ってはいけないわけではなく、むしろハンドルを握っていないとバランスが悪くて大変です。要するにすべてのうごきは関係し合い、影響し合い、そして同時進行して成り立っているのです。

しかし、言葉にするには、ひとつずつ伝える必要があるので、どうしても順序が生まれます。

これが混乱を招くもうひとつの要因です。


《言葉の理解は人によって違う》
さらにもうひとつ、やっかいなことがあります。

それは、人によって言葉の理解や受け取り方が違う、という点です。

印象、抽象的表現はもちろんですが、具体的な言葉であっても捉え方にかなりの違いがあります。

例えば「舌を大きく使う」と言われたとして、舌をどううごかすのか、どの部分を意識するのかは人によってまちまちです。

ですから、僕はレッスンのときにできるだけ認識を共通させたいので口腔模型(巨大な入れ歯)を使って位置関係やうごきを伝えています。

IMG_6715.jpg

しかし、それでもなお生徒さんとまったく同じ認識を持つことは難しいのです。
なぜなら人間は意識したところだけをピンポイントで働かせることは不可能だからです。舌を意識していても、歯や上アゴ、喉(首)や鎖骨など様々なところと関連し合ってはじめて具体的なうごきができるようになります。
むしろ、そういった他の部分が働くからこそ、舌が影響して伝えたかったうごきが実現しているのかもしれません。

なので、レッスンではひとつの結果を求めるために表現や着目するポイントを変えるなど、何通りもパターンを出すことが多いのですが、表現方法が多すぎるとそれはそれで混乱してしまい逆効果になることもあります。難しい!

感覚や触覚をテレパシーで伝えたり認識できる力が欲しいと思う瞬間です。


《伝える側がまず理解する》
ということで、言葉だけで伝えることは本当に難しく、自分の認識を的確に伝えるだけでも大変で、それを相手が完全に理解し、まったく同じうごきができないことを前提として接することが何よりも必要です。しかしこれは決して悲観的な捉え方や諦めではありません。

音楽に限らず、スポーツでも勉強でも仕事でも、伝える側が興奮して「なぜわからない!」「何度言わせるんだ!」と怒鳴ることがありますが、理解してもらえないのは教える側に原因や問題があることをまず理解してください。
自分の気持ちや思いは、そう簡単に共有などできるはずがないのです。ほとんどの場合は受け取る側が理解や共感をしようと努力してくれていたり、譲歩していたり、わかったふりをしているとか(恐いからとりあえずYesと言っておく/とりあえず知識としてストックしておく)、そんなものです

伝える側は様々なアプローチで時間をかけて根気強く伝え、相手がどれくらい理解しているのかを理解する姿勢や洞察力が大切です。そして、相手がわからないことを「わからない」と恐れることなく言える環境を整えることが大切ですし、それが伝える側自身にとってもストレスのない良い環境になります。


ということで今週は「言葉によるアドバイス」の伝える側について書きました。
次回は受け取る側について解説します。

それではまた来週!


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at 07:36, 荻原明(おぎわらあきら), 音楽に対する考え方

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