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楽器を構えていると軸が傾いてしまう








みなさんこんにちは!

今回は頂いた質問から。楽器の構え方についてです。

============================================
手首と楽器の傾きについて質問です。
構えた時に(自分から見て)右に傾いてしまうことがあります。両手首、ピストンボタンが右側に傾く状態です。
その状態が一定しているならいいのですがまっすぐに構えても演奏中に傾いていったり、最初から傾いていたりと不安定です。
吹き始めは安定していることが多く、楽に吹けない音域に挑戦したあとになりやすいです。
どうしたらよいでしょうか。(一部修正、抜粋)
============================================


構え方なんて楽器持てればなんでもよくね?と思う方も中にはいらっしゃるかもしれません。
しかし、個人レッスンをしていて感じることは、この楽器の構え方がパフォーマンスの向上を邪魔しいる原因であることも結構多いということ。
そこで今回は、楽器の構え方、持ち方について書いてみます。確認の意味も込めてぜひ読んでみて下さい。


《基本はまっすぐ》
結論から入りますが、トランペットの構え方(今回はマウスピースを軸として回転する角度について)は基本、まっすぐ(ピストンがまっすぐ上を向いている状態)であるべきだと考えています。
その理由は簡単です。以下の写真のように右腕の手首の角度を変えてみて下さい。


このようにまっすぐ持つのが基本です。


今回の質問者さんはこのような状態になってしまうとのこと。


このように逆に手首が折れてしまう場合も考えられます。

これらの写真の状態で、楽器があればピストンを押してみましょう。手元になければ押す時の動きで構いません。
この中でどれが一番楽に動かすことができますか?

まっすぐですよね。手首が曲がっていると、腱(けん)のうごきが鈍くなるので、トランペットのピストンアクションにも大いに影響が出てしまう、ということです。素早い動きだけでなく、リズムに合わせて正確に運指を変化させていくことにも影響が出ます。フィンガリングが苦手、という方、もしかして構え方が原因だったりするのかもしれません。


《左手首の動きが楽器の角度を変えている》
右手首について書きましたが、楽器の角度を変えているのは逆の腕、左手と考えられます。トランペットはどちらかと言えば左腕を中心に楽器を構えています。

そして今回の質問者さんは、「楽に吹けない音域の時に楽器が傾きやすい」と書いてありました。楽に吹けない音域というのは、きっとハイノートの時でしょう。


《手首が内側に動く時》
ところで、手首が内側に動く(動かされる)時って体にどんな力をかけた時だと思いますか?どんな動作をした時に手首が内側に向かうでしょう。

それは、強く握りこぶしを作った時ではないかと思います。では、握りこぶしを作った時、もう少し範囲を広げて観察するとどんなことが起きているでしょう。

まず、腕全体の筋肉が強く働いています。上腕に力こぶを作る時など、まさにその力です。そして肩に力がかかっていきます。肩に力がかかっている時、脇周辺、肩、胸、背中、首などにも力がかかっていることがわかると思います。上半身のかなり大きい範囲に力が入っているのです。

ですから、質問者さんはハイノートを吹く時に、これらの力がかかった状態になっている可能性があるのです。単なる楽器の傾きと考えていても、よく観察してみると演奏上、不利になる力を使ってしまっていたのかもしれないということです。


《楽器を構える時に必要な力》
楽器を構える時に最低限必要な力は、

・楽器を落とさない
・一定の角度を保ち続ける

この2点だけです。
楽器を落とさないのは当たり前なのですが、そのために強く握りしめる必要はありませんね。筋力で落とさないようにするのではなく、持ち方を工夫して落ちないように心がけるほうが合理的です。いくつかの支えるポイントが安定していれば、持っているトランペットが落ちるなんてことはまず起こりません。

(余談ですが、楽器の持ち方(指の位置)で、結構大変そうな方が多いように感じます。例えば、手が小さいのに左手薬指と小指を3番管の下に持っていく、いわゆる「マシンガングリップ」という持ち方。プロでもこういった持ち方をしている方がいらっしゃるので、もしかするとそれを真似しているのかな?と思ったりもするのですが、マシンガンが持ちやすいと感じてその持ち方をしている方は、基本、手が大きいのだと思います。中に収まらないからそうしているとかも考えられます。
要するに、自分が一番安定する握り方を研究し、決して憧れのプロの奏者がそうしているから、という理由だけで真似しないほうがいい、ということです。アンブシュアや姿勢に関しても同じです。余談でした。)

安定した楽器の持ち方ができたら、肘だけをゆっくり曲げて楽器を持ち上げてみてください。その動きだけでマウスピースと口がかなり近づくと思います。あとはほんの少しの微調整だけで吹ける状態になるはずです。
ですから、肩の力はかける必要がないのです。

トランペットから音を出すことに関しては、これまでにも幾度となく書いてきましたが、息が流れて唇が振動すれば音は出ますし、その音の高さを変化させるためには舌やアゴの動きが中心となっていますから、音の高さによって肩や背中、胸、首に力をかける、ということはまったく必要がないのです。


《傾きは警告》
今回の「吹いているうちに楽器の角度が変わってしまう」という悩みを解決するためには、体の使い方を見直すことが必要だとわかりました。

「楽器の角度が傾くから(そう指摘されたから)じゃあまっすぐに直そう」このストレートな発想だと、一向に直らないか、かなりの時間がかかってしまうと思われます。
ですから、楽器が傾いていることに気づいたら、それは体の使い方に対しての警告と捉えることが良いと思います。

楽器の角度が変わってしまう根本的な原因を見つけて、そこから意識し、直していく。この流れは今回のお話に限らず、楽器の練習、音楽の練習において非常に役立つ考え方です。

今悩んでいること、解決したいこと、練習中に気づいた(良くないな、と感じた)ことを解決したい場合、ぜひその原因の根本はどこにあるのかを見つけるようにこころがけてください。仮にそれが見つけられなくても、直すことができなくても、この考える行為そのものが必ず成長する要素になります。

ということで、また来週!

当ブログの写真・記事等の(全部、一部問わず)無断利用、ネット上(TwitterやFacebookなどのSNSを含む)などへの無断転載を禁止します。

at 07:02, 荻原明(おぎわらあきら), 構え方・操作

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ミスを活用する(後編)








みなさんこんにちは!



先週の記事では、「ミス」をテーマに、ミスすることは悪いことばかりなのか、といった内容を書いてみました。
もちろん本番でのミスはしないに限りますが、練習中のミスは「なぜ今ミスしてしまったのか」を振り返り、今後ミスをしないための材料を手にいれる瞬間であり、それが成長するための大切な材料になる、といった内容でした。

今回はさらに掘り下げて、ミスを成長材料にするために、ミスの瞬間、どんなことを考え、その後どのように練習をしていくことが効率的か、そんなことを書いていきます。


《ミスをした瞬間》
ミスをした瞬間、先ほども書いたように「やっちゃった!」という「焦り」に頭の中が支配されてしまいがちです。気持ちはとてもわかります。僕もそうなっちゃうことがあります。
焦ってしまうと、それを無かったことにしたくなる衝動に駆られてしまい、すぐにもう一度吹いてごまかそうとしたくなるものです。

うまくいかなかった直後、ごまかすようにすぐにもう一度吹きなおすクセを持っていませんか?


《振り返る冷静さが必要》
しかし、その時にできる限り冷静になることが大切です。すぐに二度目を吹かないで、今どんな吹き方をしていたか、振り返ってほしいのです。

具体的には以下のような点について振り返ってください。

【身体をどのように使っていたか】
奏法面全般を振り返ってみてください。どこかバランスの悪い状態のところがなかったでしょうか。口周辺、口の中、楽器の持ち方、呼吸、姿勢、力の使い方など。

【頭の中のイメージはどのような状態だったのか】
音楽的イメージ、音色やテンポ感、完成図のイメージなど、そのフレーズを吹くための充分なイメージで頭の中が満たされていましたか?違うことを考えていたり、「ミスしたらどうしよう」「ちゃんと吹けないんじゃないかなあ」などとネガティブな発想で頭の中がいっぱいになっていたり、集中力は充分でしたか?

【周りの環境】
例えば、指揮者から「ミスするなよ!」と嫌なプレッシャーをかけられた直後だったり、第三者からの視線やその場の空気からのプレッシャーはどうでしたか?
また、吹いている場所がいつもの場所にくらべて全然響きがないとか、逆に響きすぎるとか、吹いている人が大勢いて自分の音がよく聴こえないとか、そういったことはどうでしょうか。


まずは、このように、ミスした原因かもしれない材料を可能な限りかき集めることが大切です。

では、1つの例を挙げて、ミスを活用するまでの流れを見てみましょう。


《ミスの活用例:音が途中だけ無音になる》
例えば五線の下から「ドレミファソー」と音階を吹いた時、「ファ」の音だけ音が鳴らなかったとします。その前後は音になっていました。

慌てずに、その瞬間の身体、イメージ、空間がどうだったのか振り返ってみます。

【身体はどうだったか】
・指はきちんと押せていた
・息は充分すぎるほど入っていた
・呼吸に関しては特に考えていなかった
・少し力んでいたかもしれない
・口の中はたくさん動かせていたと思う

【イメージ】
・音階なんて簡単に吹けるし、いつもやっていることだから…そう言えば何も考えてなかった気がする。

【空間】
・ひとりで吹いていたので、周りのプレッシャーはまったくない。むしろ誰もいないので気楽だったと思う。
・狭い部屋なので響きがまったくない。生音。


冷静に振り返るとこれだけ出てきました。
次にこれらに関連性がないか、考えてみます。

[まとめてみる]
狭い部屋で響きがなかったので、ついいつもより力が入って息を入れすぎていたかもしれない。息が充分すぎるほど入っていたかもしれないが、それは入れすぎていた、の間違いではないか。

イメージが何もなかったのはよくないし、だから呼吸がおろそかになっていたのかもしれない。短いフレーズだし、呼吸のことなんて考えなくても出せるし。

口の中(舌)に関しては意識していたので、動かしていた。けれど、意味もなく動かしすぎていたのかもしれない。


こんな感じで身体、イメージ、空間についていくつかのつながりが見えてきました。
それでは、原因が一体何だったのか、いくつかの仮説を出してみたいと思います。

[仮説]
息が入りすぎていたのは原因であると思われる。低音域で息を入れすぎると、スピードが上がりすぎてしまい、高音域を吹くための吹き方になってしまうから。

口の中が動きすぎるのも、息を入れすぎたこととつながるように思う。低音域を吹くための下の状態もそうだが、音階でたかだか5度(ドからソの音程は5度)なのに、もっと広い音域を吹くための動きをしていたのかもしれない。ドからソのリップスラーなんてたいして動かさなくてもできるし。

ということで、2つの大きな仮説が見えました。
では、早速これらが原因だったのか、もう一度同じものを吹いてみましょう。


[再チャレンジ]
息が入りすぎていたことを確認する→下の「ド」の音がきちんと鳴る息のスピードと量を確認してから、もう一度「ドレミファソー」と吹いてみる。息の量を増やしすぎないように意識する。音がかすれることはなくなった。(ただ、音階が上がるにしたがってファ、ソあたりのピッチが低くなるように感じる。息が一定すぎるのか?

口の中がどれくらい動けばいいのか、一度リップスラーで確認してみる。やはり、想像以上に動かす必要はないようだ。ではもう一度「ドレミファソー」と吹いてみる。先ほどの息の入れ方との相乗効果もあり、とてもキレイに吹くことができた。

もちろん、これらを吹く時のイメージはきちんと持った上で、呼吸もおろそかにせずに集中して吹いてみたので、それらのバランスがだいぶよくなったと思う。

もう一度同じメロディを吹いてみる→音がかすれることもなくなった。


《理論、知識が必要》
こういった流れです。
ブログでは頭の中で考えていることを文字化しているのでかなり面倒に見えますが、考えて実践している時間は数分です。
実際にはもっとたくさんの仮説を立てたり、原因を見つけてみたりと、紆余曲折があっての結論、解決へ導かれるとは思いますが、なんにせよここまでたどり着くには、ある程度の理論や知識が必要になります。

だからこそレッスンや合奏での指揮者からの指摘などが成長にはとても役に立つとも言えます。しかし、解決までたどり着かないにしても、立ち止まって振り返り、「原因はなんだったのか」まではひとりで頑張ってみてほしいと思います。考えること、冷静になることなどが成長するための大切な材料になりますからね。まずはそれが第一歩です。

このやりとりを繰り返しているうちに、自分のミスするパターンが見えてきたり、クセがわかってきたりするかもしれません。自分のことが客観的に見えてくると、これから起こりうる可能性も予期できるかもしれません。

そして、原因や仮説を立てた後、最後の最後に信頼のおける先生に解決策を求めると、非常にスムーズかつ成長が早く高いものになります。


効率的な練習とはこのようなものだと考えます。100回繰り返して「習慣」として身についただけのものは、もろく壊れやすいのです。理想は、練習量以上に理論的に考えた上で続けるコンスタントな練習です。


《教えるほうも考えるべき》
ですから、指導する側も、教わる人がレッスン以外の場所でしっかり成長できるように教えることが大切です。「何度言ったらわかるんだ!」的発言をしている先生のほうが原因なのかもしれないのです。

また、最近は「◯◯で驚くほど変わった」とか、煽りの強い言葉で誘導するタイトルのブログ、SNS投稿などが目立ってきました。タイトルの書き方は2ちゃんの影響なのかもしれませんが、読んでみると中身はスカスカだったりします(きちんと身のある内容のところもありますが)。結論がなかったり、結局何がどう驚くほど変わったのか書いている本人しかわかっていないか、本人すらわかっていないのでは?と思う記事だったり。

まあ、それはどうでもいいのですが、ともかく、レッスンでは理論や根拠をしっかり持った上での音楽性を伝えていくものでないと、これからはダメだと思うのです。精神論が前面(全面)に出てきてしまうのは昭和で終わりです。
ただ、理論や根拠に縛られて、冷静すぎるのも良くありません。音楽に対する強い情熱、教える側が音楽を心から楽しんでいないと、ダメだと思っています。それプラス、ちょっとしたユルさ。
自分ももっとすべてにおいて高いところへ行きたいと思っています。

ということで、今回はミスを活用する方法について書いてみました。
また来週!



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at 06:43, 荻原明(おぎわらあきら), バテ・不調・緊張・ミス

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ミスを活用する(前編)










みなさん、最近トランペットを吹いていてミスしましたか?

きっとしましたよね。ね。


自分でも気づかない程度の軽いミスかもしれないし、結構な勢いで変な音出してしまったり、もしかすると本番でやらかしてしまった、なんて方もいるかもしれません。

ではみなさんはミスをした時、どんな反応をしてますか?思い出して下さい。

きっと「ヤバい!ミスった!」といった焦りが出てくることでしょう。
もちろん時と場合、事の重大さにもよると思いますが、少なくとも「やったー!ミスった!ねえねえ今のミス聴いた?」と喜ぶ人はいませんよね。

ということは「ミス=悪いこと」という意識があるからでしょう。

当たり前と言えば当たり前です。


《なぜ「ミス=悪い」のか》
ではなぜ「ミス=悪いこと」と感じるのか、もう少し掘り下げて考えてみましょう。


[作品(音楽)に対して]
作曲家に対して、もあるでしょうが、どちらかと言えばその場にいる奏者、聴衆をがっかりさせてしまった罪悪感のほうが強いかもしれません。本当は「自分はこの作品を(この場面を)こう演奏したい!」という理想が、ミスをしたことによって崩れてしまった、という罪悪感。曲の完成度を下げてしまってごめんなさい、という気持ち。

[共演者に対して]
コンクールが一番強く感じると思いますが、自分のミスのせいで団体への評価が下がってしまう(かもしれない)という恐れ。責任が自分になることへの恐怖感。

[自分に対して]
ミスをしない人に比べて「劣っている」と思い込んでしまったり、ミスをしたことを指摘されることへの恥ずかしさ、劣等感、周りの目の恐怖。


こういったことが主な原因になっているのではないかと思うのです。
どれを取ってもネガティブな発想から生まれてきています。


《成功するためにはミスという材料が必要》
しかし、世の中には「失敗は成功のもと」という言葉があります。
それどころか、芸術関係に留まらず、アスリートや職人さん、研究者などの多くの人が「失敗があったこそ、今の自分がいる」なんてこと、よく言っていますよね。

成功をしたから、ぞれぞれの世界でトップクラスへ登ったのではないのか?失敗をしたら成功者にはなれないのでは?と思ってしまいがちです。この人たちはウソを言っているのでしょうか。

ウソではないと思います。きっと「失敗している場所や時間」がポイントになっているのだと思われます。


音楽以外ではスポーツ選手が一番多いかもしれませんが、主に失敗しているところは「練習時」なんです。

本番に向けての練習では、基本的に評価が発生しません。ですから、練習時の失敗の積み重ねが成長を促し、そして本番で成功を導きだしている、ということです。

練習の時は失敗しても構わないのです。


しかし、もうひとつ疑問が生まれます。

「でも、誰でもみんな同じように失敗しているのだとしたら、トップクラスに登れる人とそうでない人とでは、練習時にどこで差ができてしまったのか」


《失敗を振り返る》
それは、失敗をした直後なんです。
では、失敗をした直後の異なる2パターンを挙げてみましょう。みなさんはどちらのタイプでしょうか。


[ケース1:ミスを活用できない人]
「ヤベッ!ミスした!」と瞬時に焦り、失敗したことをうやむやにしようとしたり(ごまかしてしまったり)、単純に恥ずかしいことをしたと逃避したり、気にしすぎて落ち込んでしまうような受け止め方をする人は、ミスを活用できていません。
それは、先程書いたように、「失敗=ネガティブ」な発想を練習時にも持ち込んでしまうところに問題があります。
このパターンの方は、そうでない人に比べるとどうしても成長が遅くなってしまい(後述します)、できないことがなかなか解決しないのでとにかく「ミスしないようにミスしないように!」と念じるばかりで結局同じところでミスをしてしまい、結果的に同じところを何度も何度も繰り返し吹き続けるという「習慣」が身に付いてしまいます。
時間をかけているので、たくさん吹いた充実感だけはありますが、繰り返す習慣が身に付いてしまうと、「今それをどうやって吹いているのか」理論的にはわからず、結局成功するかどうががいつも「賭け」になってしまいます。
なので、本番でもその「賭け」が緊張につながりやすいですし、ミスする可能性も高くなります。
なお、ミスに気づかない人、気にしていない人もこちらのタイプに含まれます。


[ケース2:ミスを活用する人]
活用できる人は、ミスがなぜ起こったのか即座に分析をします。
例えるならば、最近タクシーなどに搭載されている「ドライブレコーダー」が頭の中に入っているようなもので、どのように失敗したのか、なぜ失敗したのかを分析、検証します。そうすることで、次に同じ部分を演奏しようとした時にどう気をつけていけば良いのかを理解した上で再度演奏するので、ミスの回数は劇的に少なくなる=繰り返し練習をしなくて済むようになるのです。
理論的に理解しているので、他の部分でも応用が利きますから成長も早いです。


いかがでしょうか。経験や知識も必要なので、ひとりで練習している時にケース2になれる方はそう多くないと思うのですが、しかしどんな人でもケース2の状態になれる時があります。それは、レッスンや合奏練習の時です。
レッスンや合奏では、指導してくれる人がいるので、自分では気づかなかったとしても、その人たちからの指摘があるのですから、成長できる要素が多いですよね。

ということは、レッスンや合奏の時にもしミスをしてしまって、「ヤバい!怒られる!」とか「(とにかく)間違えないようにしなきゃ」と萎縮して演奏してしまうことが非常にもったいないというのがわかると思います。

個人練習もパート練習もレッスンも合奏練習もすべては本番でバッチリ吹くための「練習時間」であることに変わりはありません。ですから、まずは自分がどう演奏したいのかを具体的にイメージし、それに向かってどんどん吹きましょう。
その時にきっとミスしたり、できなかったりとイメージ通りにならないことが沢山出てくると思うのですが、そこで「ヤベッ!」と焦る必要はありません。無難な演奏でごまかしてしまうのも成長しないのでNGです。


ということで今回は「ミスした瞬間、それをどう捉えるか」について書いてみました。
ミスはして良いんです。おおいにしてください(練習時)。
ただし、ミスした直後、どう考えるか、どう捉えるかでその先が大きく変わる、ということを覚えておいてくださいね。

次回は、ミスした瞬間の考え方、ミスを成長材料にするための方法について書いてみようと思いますので、引き続きお読みくださいませ。

それでは、また来週!



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at 08:33, 荻原明(おぎわらあきら), バテ・不調・緊張・ミス

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