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ブレス(息継ぎ)は、して良いもの。








みなさんこんにちは!

最近レッスンをしていてブレス(息継ぎ)に関してアドバイスをすることが多く、きっと参考になる方が多いのではなかと思いましたので、今回のテーマにしてみたいと思います。

※今回の記事では「ブレス」という言葉を「吸気」「息継ぎ」の意味で使います。

water-2725337_1280のコピー.jpg

《ブレス(息継ぎ)》
管楽器を演奏している人は絶対にしているブレス。息がなければ管楽器は音を出せませんし、息というのは一回に出せる量が決まっているので、長く演奏するにはブレスをする必要が必ず出てきます。

管楽器の未経験者の方からは「トランペットって肺活量たくさんいるから大変でしょ?」と言われたり、管楽器奏者の間でも「肺活量によって演奏できる長さが変わる」という話題が出ることがあります。きっと皆さんもそんな質問や会話をされたことありますよね?確かにそれぞれの人間が持っている肺活量にも差はあり、肺というタンクにどのくらい空気を入れられるかでも吹き続けられる時間の長さは変わりますが、フォルテで鳴らせばそれだけ沢山の息を使いますし、低音域をずっと演奏している時のほうが息はなくなりやすくなります。ですから一息で演奏できる時間が短いから下手とか、長いから上手ということも直接的には関係ありません。実際はそれよりもブレスコントロールを上手にできるかが重要です。

ただし、間接的に考えて、一息で演奏できる時間が長い=ブレスコントロールが上手(負担のない良い呼吸をしている)=演奏レベルが高い、というつながりはあるかもしれません。


《ブレスは、して良いもの》
レッスンをしていて、同じところを何度か演奏してもらっている時、そのつどブレス位置が違っている生徒さんが結構います。

ほとんどの場合、息が足りなくなったその時、ブレスをしています。

しかし、できるなら常に同じ箇所、もしくは同じパターンを演奏する場合、ブレス位置は同じであるように心がけたいです。そのためには、あらかじめどこでブレスをするのか決めておくこと、計画性が必要です。

また、ブレスをしてしまうと音楽の流れを断ち切ってしまうように感じて、「できるだけブレスをとらないように」と自分の限界を超えた息の使い方をしている方が少なくありません。奏者にも多いのですが、どちらかと言うと、部活指導者や部活の指揮者に多くいらっしゃるように感じます。カンニングブレスを多用しているバンド、結構ありますよね。

しかし、息の途切れない音楽ほど、聴いていて苦しいものはありません。人間は絶えず呼吸をしていますし、会話や文章といったものには必ず「間(ま)」が存在し、それがとても重要であったりポイントになっていくものです。音楽も人間が表現するもの。呼吸という生きるための根底にあるようなものを除外すると、とたんに人間らしさが奪われてしまうものです。

ヴァイオリンなどの弓を使う弦楽器にも同じことが言えます。弓は長さが決まっていますから、ある程度まで使ったら返さなければ音を出し続けることができません。弓を返した瞬間は、少なからず音が途切れ、アタック音のようなものが発生しやすくなります。それがイヤだからと言って弓をもっと長くしようなどという発想があったかどうかわかりませんが、実際のところ、弓の長さが伸びてきていはいないことからもわかるように、ブレスは、「して良いもの」であり「音楽には必要な存在」と言えます。


《息が足りなくなってくる》
曲を吹いていて、最初は定期的に(例えば2小節ごとに)ブレスをして、快調に進んでいたのに、だんだん息苦しくなってきて、ブレス回数がとても多くなってしまう、なんて経験ありませんか?

これは曲中のブレスの仕方が良くないからなのですが、良くない、と言うよりも「ブレスができていない(息が入っていない)」と言ったほうが合っているかもしれません。吸えてないのです。

こうなってしまう原因のひとつは、先程書いた「ブレスはできればしたくない」という気持ちが、ブレスをさせてくれないからなんです。「ブレスはしっかりして良いんだ」と、堂々と息を取り込めば良いのです。

体の使い方の面から言うと、音を出している時の体の使い方をリセットしないまま息を取り込もうとしているのが大きな原因です。実際にやってみるとわかりやすいです。楽器を吹いている体の使い方のまま息を吸ってみて下さい。とても苦しくて入ってきませんよね。
音を楽器へ送り出す時は、おなか周辺の筋肉を使い、圧を高めています。その状態のままブレスをしようとすると、横隔膜が動けず(下がることができず)、肺が膨らむ余地が大きく減少します。そのため胸のほうだけ(肋骨内だけ)膨らむ、いわゆる胸式呼吸になっているのですが、体に必要以上に力を込めて音を出すクセのある方は、その肋骨周辺までも力をかけている場合が多く(肩、首に力が入ると胸周辺がロックされてしまいます)、そうなるともう全身の筋肉がロックされていて、結局肺は全然膨らむことができなくなってしまうのです。そんな状態ではブレスをしても何の意味もありませんよね。

ですからブレスをする時には体の使い方を切り替えなければならないのです。

でも、息を堂々と吸ったら、やっぱり音楽(メロディ)は途切れてしまうじゃないか!と思うでしょう。もちろん、そうなってしまう可能性はあります。では、どうすれば良いのでしょうか。


《フレーズ感を常に持ち続ける》
例えば、文章を読む時、会話をする時、自然とブレスをしていますよね。特に考えていなくても、おおよそ誰でも同じようなところでブレスをしたり、会話が上手な人だとブレスが必要だから、というだけでない箇所で「間(ま)」を作ったりもします。そうすることでとても言葉が耳に入りやすくなったり、説得力が生まれたりします。これが「フレーズ」と呼ばれるものです。

音楽もこれとまったく同じ。ずっと音を鳴らし続けることが音楽ではありません。基本的には「間(ま)」という存在があってこそフレーズが生まれます。

今演奏している作品のメロディを自由に声に出して歌ってみましょう。自然に息が吸いたくなる場所がありませんか?もしくは、ここで息を吸うと違和感ないな、と感じるところがありませんか?
また、アンサンブルや吹奏楽などでは、メロディではないところを担当することも多いはずです。そのような場合にはブレスをどこでとればいいか悩んでしまうかもしれません。
しかし、自分が伴奏パートを演奏していても、誰かは必ずメロディを演奏しています。そのメロディにはやはりフレーズが存在しているはずです。そのメロディを歌いながら、自分の担当している楽譜を演奏すれば、おのずとどこでブレスをするのが自然か見えてくるはずです。
ですから、自分のパート譜だけをにらめっこして合奏に参加していても、音楽は完成しないのです。


《ブレスのしやすいところはどこか》
最後に、演奏しているものや、目的によっても少し違ってくるので、ブレスがしやすいところをまとめてみたいと思います。

■フレーズの切れ目
フレーズの切れ目は一瞬の「間(ま)」が生まれることがあります。ここでブレスをすることは基本的に違和感を感じさせません。しかしわすれてはならないのは、「音楽は最初から最後まででひとつの作品である」ということです。大げさに書いてしまいましたが、ようするに「フレーズとフレーズの間も繋がり合っている」ということです。例えるなら電車の車両はひとつひとつが独立していますが、それらが連結し合ってひとつの電車になっているのと似ています。フレーズどうしがつながりあって(関連しあって)ひとつの大きな作品になっているのですから、フレーズ間だからといって音楽がストップしてしまうようなブレス(そういった意識でするブレス)にならないように心がけましょう。

■休符や長めの音符のうしろ
休符は音を出さないところですから、ブレスがとてもしやすいし、無意識に休符でブレスをしている場合のほうが多いと思います。また、二分音符など、長い音を出している時の後ろにもブレスのポイントがあります。
しかしこれらもやはり「フレーズ」を意識した上でブレスをするべきです。すべての休符は「休む時間」というわけではありません。メロディ、フレーズの中に生まれた「間(ま)」は決して休む瞬間ではないので、そこでボコっと穴をあけてしまうことは避けるべきです。フレーズを歌えるようになればおのずと休符を休む場所だと思えなくなってくるはずです。

長い音符を演奏している後ろも同様です。
たとえば二分音符で書かれた後ろの一拍をブレスに使ってしまったら楽譜とは違う吹き方をした、ということになりますね。しかし、作曲家からしてみればその部分は「二拍」音が存在していてほしいから二分音符で書いてあるのですから、そこは尊重しなければなりません。ブレスはしてもいいですが、あくまでも「ここは二分音符なのだ」という意識を持った上でのブレスであるようにしましょう。

■理路整然としたブレスポイントでの練習
例えばアーバン金管教本など、教則本にある小品的練習曲を演奏する際、「2小節おきにブレスをする」と決めて練習することも大切です。最初から最後まで均一性のあるブレスコントロールをするという目的があり、もちろんフレーズを意識することは必要なのですが、それ以上に毎回のブレスを同じようにできることを目的とします。これができるようになると、どんなメロディを演奏することになっても、しっかりしたブレスをとることができます。


ということで今回はブレスについて書いてみました。
他にも呼吸、ブレスについて書いた過去の記事がありますので、ぜひ合わせて読んでみて下さい。

「呼吸」カテゴリはこちらからまとめて読めます

管楽器はブレスがないと音が出せません。アンブシュアだタンギングだといろいろ考えるべきことがあるかもしれませんが、それらの根底にある最重要なものがブレスです。ブレスを大切に、しっかりと使えるように練習をしてみて下さい。

また来週!


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at 11:32, 荻原明(おぎわらあきら), 呼吸

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秘技?!ダブルブレス?!








みなさんこんにちは!

先日、中学生の生徒さんをレッスンをしていた時のことです。彼はアンサンブルコンテストに出るので、ここ何回かのレッスンはその曲を中心に見ていました。
楽譜には果てしなく書き込みがあって真っ黒で音符がどこに書いてあるのかわからないくらいすごい状態でしたが(書き込みが多いことは決して良いことではありません)、書き込みの中にこんな言葉が書いてありました。

「ダブルブレス」

だぶるぶれす??何だそれ?初めて聞いた言葉。皆さんはご存知ですか?


《ダブルブレスとは?》
さて、ダブルブレスという初めて聞く言葉。

woman-3456673_1280のコピー.jpg


生徒さんにダブルブレスとは何か聞いてみたところ、

「呼吸のタイミングを合わせるために、予め50%の息を入れておき、演奏が始まる瞬間に残りの50%を吸う方法」

とのことでした。
なんでも、曲が始まる瞬間に一気に100%吸うのが難しいから、最初に貯めておいたら便利だからという理由だそうで、これをすれば息の量が沢山確保でき、なおかつ冒頭のタイミングも合わせ安いとのことでした。顧問か誰か、先生がそう言って教えたそうです。そしてそれを実践しているようです。

もしや新手の呼吸法でも誰か発明したのか?!知らないのは僕だけかも?!と思い、レッスン後にネットで調べてみると、

心拍数を急激に落とす方法やら、民族楽器を演奏する時の循環呼吸の練習方法(ちょっと惜しい 笑)、あと一番多いのはジャケットの仕上げ(笑)など、一応検索にひっかかるっちゃひっかかるのですが、トランペットや吹奏楽関係の人が話題にしていることはなさそうです。
知らないのは僕だけではない!よかった!


ともかくすごい発想です。理解し難い。


一応言っておきますが、この不思議な呼吸は僕は推奨していません!こんな方法が良いわけないんです。なぜダメなのかはこれから話しますが、とにかく実践しないで下さい。

どこからこんな呼吸が生まれたのでしょうか。どこかに書いてあるのでしょうか。
もしくは思いつきでしょうか。「あ!ひらめいた!この方法良くね?」みたいな。


《呼と吸で呼吸》
そもそも、呼吸とは何でしょうか。なぜ我々は生きている間、常に呼吸を繰り返しているのでしょうか。

簡単に言えば呼吸とは、体内に必要なものを取り入れ(=吸気)、不必要になったものを排出する(=呼気)行為です。
口や鼻から空気を吸い込むと、その先には喉(気道)があり、さらにその奥には気管支があり、2つの肺に枝分かれした後も、何十回とその気管が枝分かれをし、その先に肺胞があります。肺胞と血管が繋がっているので、血液中へ酸素など必要なものを入れ、代わりに二酸化炭素などを排出します。

ある程度の年齢の方になると理科でやりますよね。べつに今は細かいことを覚えなくて良いのですが、今回の話で大切なことがひとつあります。それは

「呼気と吸気は同じ道を使っている」

ということです。
要するに「入れたら(吸ったら)戻ってくる(吐く)というひとつの流れで呼吸が成立している」ということ。

「呼」+「吸」=「呼吸」


《ダブルブレスはありえない》
ですから、一旦吸い込んだ空気が溜まっている状態で、更に空気を吸い込むという行為そのものが、体にとってふさわしくないのです。体にとってふさわしくない行為、それは痛みや苦しさを伴うことが多く、慣れや繰り返し行うことでシステムが変化することはありません。
ですから、呼吸に関しても、吸ったものは一旦出さないと次の呼吸に移れないのであり、それが体にとっての普通の状態なのです。

したがって、ダブルブレスなどという不自然な呼吸、いや、「呼吸吸」をするなんてあってはならないことです。

管楽器を演奏する以前に人体にとって良いわけがありません。


《音楽的に見てもありえないダブルブレス》
それでも百歩譲って体に負担をかけてでもこのブレスをするメリットが「音楽的」「演奏的」にあるかどうかを考えてみます。

人間の自然な呼吸の流れ、吸って→吐くという流れは、僕が知っている中ではよほど幼い人(肺の成長途中の人)でなければほぼ同じタイミングで行われていると思っています。経験的に意図的にタイミングを合わせようとせずとも、大きくあくびをして、出したいと体が感じたタイミングに素直に出したその流れ、時間のかけかたが誰でもほぼ一緒、ということです。

ですから、体に負担をかけない呼吸の流れを尊重し、それを演奏にも反映できた時、奏者同士のタイミングは一致すると思っています。したがって、アンサンブル(室内楽)の時に指揮者がいなくても、奏者全員がこれから演奏する作品の(冒頭の)イメージを明確に持ち、共通したテンポ感と共通した雰囲気を持っていれば、呼吸も自然と合うものです。「音の出だし」を揃えようとしてもなかなか合わないのは、「吸気の量やスピード感を共通させる」ことに注目していないからです。

また、吸気の量の変化はどれだけ長く演奏できるかにも関わってきます(音域やダイナミクス、楽器によって同じ息の量でも使える時間の長さは異なります)。ですから、最初から長いフレーズが続く時にはそれなりの量を吸うことが必要になるのですが、それ以上に息の使い方、いわゆる「ブレスコントロール」が重要です。
あと、今回の話題とは少々離れてしまうので深くは触れませんが、仮に長いフレーズを演奏する時でも、途中でブレスをしてはいけない、なんて決まりはありません。ブレスをするとフレーズが切れてしまうと思っている方は、ブレスの方法が1通りしかできないからかもしれません。この話は次回にまわします。

したがって、ダブルブレスという呼吸方法の「予め50%吸っておけば残りの50%吸うだけで量もしっかり確保でき、タイミングを合わせるのも簡単になる」という考え方そのものが音楽的、演奏的にもまったく説得力のないものになる、ということです。
では、呼吸を合わせる、演奏をスタートさせるタイミングを合わせるにはどうすればいいのでしょうか。


《吸うのは1拍前だけではない》
管楽器奏者のブレスを見ていると、非常に多くの方が(4拍子で小節のアタマから演奏する場合)「1,2,3,ブレス!」と、演奏開始1拍前で吸っています。もちろん間違いではありません。そういうタイミングもあります。問題は、なんでもかんでもこのタイミングで吸おうとしてしまっていることです。

例えばAllegroの軽快な曲を演奏する時、演奏する1拍前で吸うと出だしが揃わない(間に合わない、合わせにくい)ことってありませんか?これは、先程説明した「呼吸の一連の流れに必要な時間」よりも使っている時間が少ないからなんです。口に入って喉を通り、肺へ入ってさらに奥の肺胞でガス交換をして、来た道を戻ってくる、この一連の流れには結構時間がかかります。それでもこの流れを断ち切って(無視して)音楽のタイミング最優先に呼吸をすると、とても苦しくなり、不自然な流れ、本来であれば不必要な力(筋力)がかかってしまいます。ブレスをしていて胸が苦しくなったこと、ありませんか?痛みや苦しみは体からの警告です。そうなった時には、何か体に無理強いをしていると思って、直す意識を持って下さい。

ですから、この場合はさらに1拍前に吸ったほうが安定するのです。

「1,2,3でブレス,(4は戻ってくるのを待って)→演奏」

これで慌てることなく体にもやさしい良い呼吸ができます。
とてもテンポの速い音楽や、2/2拍子の音楽の場合、変拍子の場合など、様々な場面に合わせた体に無理のない呼吸の流れを見つけられるようにするのも練習のひとつです。

そして、もっと言ってしまうと、何も吸うタイミングをその曲のテンポに合わせる必要もありません。アンサンブルで曲の出だしのアインザッツをする人は少々難しいかもしれませんが、例えばソロ演奏の時などは、テンポと関係なく自分の呼吸の流れが一番自然でいられるタイミングで吸い初めても良いのです。
ただし、これには経験と慣れ(自分の体を理解すること)が必要で、どのタイミングで吸い始めれば、出だしがぴったり揃うのかを感覚的に理解できていないと、ただのテンポ感、リズム感のない演奏になってしまうので注意して下さい。

「音楽を理解し、体に負担のないように呼吸をする」ことが大切、ということです。


《根拠のある指導を》
今回のダブルブレスは生徒さんから聞いた話だけで書いてしまったので、実際この方法を考えた方、それを聞いて実践させるに至った経緯などをまったく把握していません。ですから、もしかするときちんとした理由があるのかもしれませんし、生徒さんが全体を理解した上で僕に説明してくれたのかもわかりません。
しかし、少なからずひとりの生徒さんがダブルブレスという不可思議な呼吸をしようとしていることは事実であり、それが部活の中でも行われていると思われる現状は納得できません。
今回のブレスの件だけでなく、多くの部活動などではまだまだありえない練習方法や解釈がまかり通っていると思われ、それらがあたかも「部の伝統」「門外不出の秘技」のような存在価値になってしまうのはいかがなものでしょうか。

ぜひ指導する側は何に関しても、それがどんな意味があるのか(根拠)や、それを追求すると何が得られるのか(結果)をまず自身が理解し、伝えられるようにして欲しいと思います。

「おなかに息を入れなさい」と言った「比喩」に関しても、きちんとした説明なしに連発するものだから、本当にお腹に空気が入っていると思う人が多発するのです。

ということで、今回はダブルブレスという不思議な呼吸について書いてみました。おすすめしているわけではありませんので、よろしくお願いします(笑)

次回も呼吸について書きます!また来週!


当ブログの写真・記事等の(全部、一部問わず)無断利用、ネット上(TwitterやFacebookなどのSNSを含む)などへの無断転載を禁止します。

at 07:31, 荻原明(おぎわらあきら), 呼吸

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安直な解決方法を優先しない








みなさんこんにちは!


さて、今回はブログ経由で頂いたご質問からお答えしようと思います(現在は質問を受け付けておりません)。


======================================
現在高2でトランペットを吹いていますが、チューニングのBbを合わせるときにいつもみんなより高めになってしまい、大げさに言うと、だいたいみんなの倍ぐらい管を抜いています(約2cmくらい)。
先輩や先生、同級生にも音が上ずっているから高くなると言われてはいたのですが、具体的にどうすればいいのか分からないのが現状です。
たぶん口の周りに力が入りすぎているのは分かるのですが、これも対処方法がわからずじまいです。

アドバイスをいただけたら嬉しいです!
(抜粋し、一部文章を修正しています)
======================================



《原因の特定より解決を優先してしまうと》




ピッチが安定せずに悩んでいる方、多いのではないでしょうか。中でもトランペットは高めのピッチになる方が多いように感じます。

ピッチが安定しないことには必ず原因があり、それを特定することが大切です。
「そんなのあたりまえでしょ!」とおっしゃるかもしれませんが、多くの方は原因を特定することを後回しにして、解決することを最優先にしているように思います。わかっちゃいるけど、、、という感じで。
例えば合奏中に指揮者や指導者から「ピッチが高い!」と言われたら、その場ですぐに何が何でもピッチを下げなければ!という焦りに頭の中が支配され、強引な行為で解決し、その場をしのいでしまうのです。

個人練習をしていても、次の合奏、パート・セクション練習、本番まで時間がなく、短時間で解決しなければと焦ると結局同じように、とにかく解決最優先となってしまうんですね。

このように原因の特定をせず、その場しのぎの解決方法を優先してしまうと、いくつもの矛盾が生まれ、楽器の成長の妨げて悪循環に陥ることが数多くあります。

限られた忙しい時間で何とか与えられた楽譜を吹けるようにしなければならないので、気持ちはわかるのですが、やはり原因が何なのかを特定することが先決ですし、それを見つけられればずっと安定した吹き方ができるのです。

とは言うものの、こうなってしまうのはしかたがないとも言えます。なぜなら具体的な改善方法を伝えず、現状や結果のみを伝え逃げをする指導側に原因があるからです。方法を教えてくれなきゃ、いくら高い低い言われても直し方なんてわかりませんからね。

こういった原因の特定や正しい解決方法に導いてくれるには的確に指導できるプロの先生による個人レッスンがやはり効果的なんです。部活だけで充分と思う管楽器奏者が多いのですが、そうではない、と思うんですよね。



《ピッチが高い低いと言う前に》
話を戻しますが、ピッチが高い(低い)からと言って、むやみにチューニングスライド(主管)を沢山抜差しするのは良くありません。
確かに、管楽器は管の長さを変化させればピッチも変化しますが、それ以上にピッチ変化に重要な部分があることを忘れてはいけません。

そもそも、ピッチが高い低いという言葉に囚われてしまうのが良くありません、要するに「不安定」なのですから、「安定」したピッチで演奏できる方法を見つけることが先決です。


《音のツボを見つける》
ということで、このブログを以前より読んで頂いている方は、もう馴染みの言葉になりました。「音のツボ」に当てることが安定したピッチを手に入れる方法なのです。

そしてその音のツボを見つけるには「舌」の存在が欠かせません。

舌の位置が変われば、ピッチも音色も大きく変化します。
では舌がどうなればどうなるのか、それは過去に沢山書きましたので参考にして下さい。

「舌」の役割 1 
※「舌の役割」は上記リンクの「1」から「7」まで記事があります。ぜひ読んでみて下さい。


結局のところ、舌の状態だけでピッチを安定させることはできると思います。
しかし、先程も書いたように、その場しのぎの解決方法を沢山してしまうと、やがてそれがクセになってしまい、成長を妨げてしまう原因になります。

今回の質問を書いて下さった方はピッチが常に高めになっているというお悩みなのですが、それも結局「クセ」=「必要のない行為」がそうさせていると思われます。
多分「音を出すために+(プラス)の行為ばかりを詰め込みすぎた結果」ではないでしょうか。

憶測ですが、音を出す時の流れがこのようになっていませんか?


 とにかく音を出さなければと息のスピードをとても速くする
 ↓
 それに耐えられるプレスが必要になる
 ↓
 それに耐えられる口周辺の力が必要になる(口角を左右に引っ張ってしまっているかも)
 ↓
 腕や肩、首に力が入る
 ↓
 大きな呼吸ができなくなる
 ↓
 常に細く、スピードが速い息になってしまう
 ↓
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この悪循環はピッチが高い人の特徴です。中学生の時の僕です。
当時僕は、トランペットは体力がいるものであり、耐えることで鍛えられ、上達するものであると信じて疑いませんでした。
そして成長しませんでした(笑)

上記すべてに当てはまらないかもしれませんが、ピッチが高いのには必ず原因があります。
その原因を自力、もしくはそれを見抜ける指導者にレッスンを受けることで、本当の解決につながります。


安直な解決をすることなく、原因を見つけ、的確に修正できるようにしたいものですね。

ということで、今回はここまで。


また来週!

当ブログの写真・記事等の(全部、一部問わず)無断利用、ネット上(TwitterやFacebookなどのSNSを含む)などへの無断転載を禁止します。

at 07:14, 荻原明(おぎわらあきら), ピッチと音程

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