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荻原 明
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2014.11.11 Tuesday
音をブレンドさせるとは
みなさんこんにちは!
吹奏楽コンクールも終わり、文化祭などのコンサートシーズンではないかと思いますが、同時に今、アンコン(アンサンブルコンテスト)の練習も頑張っているのではないかと思います。目標や目的が沢山あって今の時期も忙しいかと思いますが、曲練習だけでなく自分自身のレベルアップを図る時間を持てるように、そして毎日の練習前には必ずウォームアップを行い、コンディションを安定させられるように心がけましょう。
ということで、アンコンも近いことですし、少しの間、アンサンブル(室内楽)でも使える内容を書いていこうと思います。今回は音に関するお話です。
《音をブレンドさせるとは?》
中高生の頃、指揮者の先生が「音をブレンドさせて!」と言っているのをよく耳にしました。
「ブレンド」、聞き慣れた言葉ですよね。コーヒーとかお米とか、いくつかの種類のものを「混ぜる」という意味で使われます。
吹奏楽でもこの言葉は多用され、要するに「それぞれの楽器の音を混ぜて」ということで、きっと一度は指示されたり聞いたことがあるはずです。
具体的に「ブレンド」させるとはどうすれば良いのでしょうか。皆さんはどう考えますか?
《ブレンドの勘違い》
ブレンドと聴くと、フルートもクラリネットもサックスもホルンもトランペットもティンパニも、そこにいる楽器すべての音が個性をなくして溶け込んで、ひとつの「何か未知なる音」になることとイメージしていたら、残念ながらそれは間違いです。
コーヒーと牛乳でカフェオレという新しい飲み物になったり、ビールとジンジャーエールを混ぜてシャンディガフになるのと、音のブレンドはまったく違います。音のブレンドの場合は、それぞれの音がしっかりと主張した時に生まれます。
《パイプオルガン》
皆さんはパイプオルガンの音を聴いたことがありますか?
もう結構前になりますが、僕は2005年から5年間ほど、東京の豊洲にある「ららぽーと豊洲」というショッピングモールで毎日開催されていたパイプオルガンコンサートにソリストとして月一回のペースで参加していました。最初のうちはバロック時代に作られたオリジナルの作品などを演奏していましたが、毎月毎月演奏していくとレパートリーがマンネリ化してきてしまい、実験的にいろんなジャンルの曲を演奏していたりして、それはそれで楽しかったですね。本当に沢山の曲を演奏してきたおかげで、パイプオルガンにもかなり詳しくなりました。
しかし残念なことに、震災後中止になり、そのままオルガンを北欧の音大へ移築してしまい、今ではオルガンのあった謎の空間だけがららぽーとに残っています。
移築した後の写真ですが、これがららぽーと豊洲にありました。とても古いイギリス生まれのオルガンです。
さてここで皆さんに質問です。パイプオルガンはどんな音のする楽器でしょうか?イメージできますか?
例えば↓こんな音でしょうか?
パイプオルガンと言えばこの曲!って感じですよね。迫力ありますね。
トッカータとフーガに比べるとだいぶ落ち着いた音がします。でもこれもいかにもパイプオルガンって感じのサウンドですよね。
もしかするとこういった音を聴いたことがないかもしれませんが、これもパイプオルンガンの音です。
そうなんです。パイプオルガンという楽器は鍵盤に接続されているパイプの形状や材質により、聴こえる音が異なるので、「パイプオルガンの音とは」と質問するのはちょっとイジワルでした、ごめんなさい。
一番最初の画像を見ていると、演奏している人の横になにやら落ち着かない人が横にいますよね。この人、「アシスタント」と言って、楽譜のめくりをしているだけではなく「ストップ」といういわゆるスイッチのようなものを操作している人なんです。
ただ、近年作られたオルガンの多くは電動式になり、あらかじめ組み合わせた状態をメモリーに蓄積し、鍵盤の近くにあるスイッチでどんどん変化させることができるようになってきたので、ストップを操作するアシスタントが演奏中いないコンサートも最近では多く見られるようになりました。
この写真は、先程お話した、ららぽーと豊洲にあったオルガンです。左右にいくつもの丸い突起があるのがわかりますか?これがストップです。
ストップはオルガンの規模によって数も違うのですが、通常、鍵盤の左右にあり、引っ張ったり押し込んだりすることで、そのストップに直結しているパイプに空気を通すか決めるというスイッチです。
それぞれのストップはフルートとかトランペットなどと名前が書いてあり、音色を変えたりミックスしたりできます。また、ストップは音色だけでなく、音の高さであるフィート(オクターブ上が同時に出るなど)も同時に鳴らすこともでき、音の鳴り方を変化させることもできます。
これはまた違うオルガンですが、このように名前が書いてあります。
このようにパイプオルガンとはストップを組み合わせることによって、様々な音を出すことができる楽器なのです。
オルガンはひとつの鍵盤に最低でも一本のパイプがつながっているので、必ず鍵盤の数だけパイプが必要になります。しかし、先程も書いたように、そのひとつの鍵盤からいくつもの音を出すことができることがパイプオルガンの特徴のひとつなので、実際には何本ものパイプがつながっています。
ですから、雑な計算になりますが、一段60鍵だとしてそれが3段あれば、180鍵(本当は足にもペダルという鍵盤があります)。それぞれに10種類の音が出せるように作られていれば、180鍵×10種で1800本のパイプが組み込まれている、という計算になります。ですから、パイプオルガンは建物に組み込まれているような作りになっていますし、目に見えない奥に部屋のようになっていて、そこに果てしない数のパイプがところ狭しと並んでいるのです。
興味があればここのサイトを見てみて下さい。世界最大のパイプオルガンが写真付きで掲載されています。かなり凄いです。
《それぞれの個性を主張する》
長くなってしまいましたが、パイプオルガンはそれぞれ「独立した音」が一斉に鳴ることで、様々な個性のある音を作り上げることができる楽器と言えます。当たり前ですが、それぞれのパイプは意思を持っていませんから、「隣のパイプに似た音色で音を出そう」なんてことができるはずもありません。各自が持っている音を鳴らしている、ただそれだけです。でもそれが良いんです。
そして管楽器の演奏でも同じことが言えるのではないか、と思うのです。
要するに「音をブレンドさせる」ということは、「各楽器の持っている一番良い音色をしっかり鳴らす」ということではないでしょうか。
このブログでも僕のレッスンでもしつこく言っている「音のツボにはまったしっかり鳴る音」を出すことがトランペット奏者として大切なことです。トランペットなのか何の楽器なのかよくわからない音を出す、そういった奏者が他の楽器にも沢山いる状態で吹奏楽や室内楽をしても、それはブレンドしている状態ではありません。個性をなくして音色を接近させることをしたいのであれば、トランペットだホルンだチューバだとそれぞれ違う楽器を持たないほうが良いのです(サクソルン属の楽器だけでアンサンブルをすればよろしいのです)。
ですから、ブレンドした音を生み出すのであれば、まずがそれぞれの個性を主張することから入りましょう。
今回は、音色に関してのみ書きましたが、実際のところ「ブレンドさせる」というのはそれだけの意味で使っていないと考えます。奏者それぞれの気持ち(方向性)や、作品に対する解釈、指揮者が主張している音楽を全員が感じ取る力、呼吸。そういった様々な面が全員で共有されていることだと思います。
ということで、今回は「音をブレンドさせるためには」というテーマで書いてみました。
室内楽をしている時も、音色を溶け込ませようなんて思わなくていいんですよ!まずは主張しましょう!
それではまた来週!
吹奏楽コンクールも終わり、文化祭などのコンサートシーズンではないかと思いますが、同時に今、アンコン(アンサンブルコンテスト)の練習も頑張っているのではないかと思います。目標や目的が沢山あって今の時期も忙しいかと思いますが、曲練習だけでなく自分自身のレベルアップを図る時間を持てるように、そして毎日の練習前には必ずウォームアップを行い、コンディションを安定させられるように心がけましょう。
ということで、アンコンも近いことですし、少しの間、アンサンブル(室内楽)でも使える内容を書いていこうと思います。今回は音に関するお話です。
《音をブレンドさせるとは?》
中高生の頃、指揮者の先生が「音をブレンドさせて!」と言っているのをよく耳にしました。
「ブレンド」、聞き慣れた言葉ですよね。コーヒーとかお米とか、いくつかの種類のものを「混ぜる」という意味で使われます。
吹奏楽でもこの言葉は多用され、要するに「それぞれの楽器の音を混ぜて」ということで、きっと一度は指示されたり聞いたことがあるはずです。
具体的に「ブレンド」させるとはどうすれば良いのでしょうか。皆さんはどう考えますか?
《ブレンドの勘違い》
ブレンドと聴くと、フルートもクラリネットもサックスもホルンもトランペットもティンパニも、そこにいる楽器すべての音が個性をなくして溶け込んで、ひとつの「何か未知なる音」になることとイメージしていたら、残念ながらそれは間違いです。
コーヒーと牛乳でカフェオレという新しい飲み物になったり、ビールとジンジャーエールを混ぜてシャンディガフになるのと、音のブレンドはまったく違います。音のブレンドの場合は、それぞれの音がしっかりと主張した時に生まれます。
《パイプオルガン》
皆さんはパイプオルガンの音を聴いたことがありますか?
もう結構前になりますが、僕は2005年から5年間ほど、東京の豊洲にある「ららぽーと豊洲」というショッピングモールで毎日開催されていたパイプオルガンコンサートにソリストとして月一回のペースで参加していました。最初のうちはバロック時代に作られたオリジナルの作品などを演奏していましたが、毎月毎月演奏していくとレパートリーがマンネリ化してきてしまい、実験的にいろんなジャンルの曲を演奏していたりして、それはそれで楽しかったですね。本当に沢山の曲を演奏してきたおかげで、パイプオルガンにもかなり詳しくなりました。
しかし残念なことに、震災後中止になり、そのままオルガンを北欧の音大へ移築してしまい、今ではオルガンのあった謎の空間だけがららぽーとに残っています。
移築した後の写真ですが、これがららぽーと豊洲にありました。とても古いイギリス生まれのオルガンです。
さてここで皆さんに質問です。パイプオルガンはどんな音のする楽器でしょうか?イメージできますか?
例えば↓こんな音でしょうか?
パイプオルガンと言えばこの曲!って感じですよね。迫力ありますね。
トッカータとフーガに比べるとだいぶ落ち着いた音がします。でもこれもいかにもパイプオルガンって感じのサウンドですよね。
もしかするとこういった音を聴いたことがないかもしれませんが、これもパイプオルンガンの音です。
そうなんです。パイプオルガンという楽器は鍵盤に接続されているパイプの形状や材質により、聴こえる音が異なるので、「パイプオルガンの音とは」と質問するのはちょっとイジワルでした、ごめんなさい。
一番最初の画像を見ていると、演奏している人の横になにやら落ち着かない人が横にいますよね。この人、「アシスタント」と言って、楽譜のめくりをしているだけではなく「ストップ」といういわゆるスイッチのようなものを操作している人なんです。
ただ、近年作られたオルガンの多くは電動式になり、あらかじめ組み合わせた状態をメモリーに蓄積し、鍵盤の近くにあるスイッチでどんどん変化させることができるようになってきたので、ストップを操作するアシスタントが演奏中いないコンサートも最近では多く見られるようになりました。
この写真は、先程お話した、ららぽーと豊洲にあったオルガンです。左右にいくつもの丸い突起があるのがわかりますか?これがストップです。
ストップはオルガンの規模によって数も違うのですが、通常、鍵盤の左右にあり、引っ張ったり押し込んだりすることで、そのストップに直結しているパイプに空気を通すか決めるというスイッチです。
それぞれのストップはフルートとかトランペットなどと名前が書いてあり、音色を変えたりミックスしたりできます。また、ストップは音色だけでなく、音の高さであるフィート(オクターブ上が同時に出るなど)も同時に鳴らすこともでき、音の鳴り方を変化させることもできます。
これはまた違うオルガンですが、このように名前が書いてあります。
このようにパイプオルガンとはストップを組み合わせることによって、様々な音を出すことができる楽器なのです。
オルガンはひとつの鍵盤に最低でも一本のパイプがつながっているので、必ず鍵盤の数だけパイプが必要になります。しかし、先程も書いたように、そのひとつの鍵盤からいくつもの音を出すことができることがパイプオルガンの特徴のひとつなので、実際には何本ものパイプがつながっています。
ですから、雑な計算になりますが、一段60鍵だとしてそれが3段あれば、180鍵(本当は足にもペダルという鍵盤があります)。それぞれに10種類の音が出せるように作られていれば、180鍵×10種で1800本のパイプが組み込まれている、という計算になります。ですから、パイプオルガンは建物に組み込まれているような作りになっていますし、目に見えない奥に部屋のようになっていて、そこに果てしない数のパイプがところ狭しと並んでいるのです。
興味があればここのサイトを見てみて下さい。世界最大のパイプオルガンが写真付きで掲載されています。かなり凄いです。
《それぞれの個性を主張する》
長くなってしまいましたが、パイプオルガンはそれぞれ「独立した音」が一斉に鳴ることで、様々な個性のある音を作り上げることができる楽器と言えます。当たり前ですが、それぞれのパイプは意思を持っていませんから、「隣のパイプに似た音色で音を出そう」なんてことができるはずもありません。各自が持っている音を鳴らしている、ただそれだけです。でもそれが良いんです。
そして管楽器の演奏でも同じことが言えるのではないか、と思うのです。
要するに「音をブレンドさせる」ということは、「各楽器の持っている一番良い音色をしっかり鳴らす」ということではないでしょうか。
このブログでも僕のレッスンでもしつこく言っている「音のツボにはまったしっかり鳴る音」を出すことがトランペット奏者として大切なことです。トランペットなのか何の楽器なのかよくわからない音を出す、そういった奏者が他の楽器にも沢山いる状態で吹奏楽や室内楽をしても、それはブレンドしている状態ではありません。個性をなくして音色を接近させることをしたいのであれば、トランペットだホルンだチューバだとそれぞれ違う楽器を持たないほうが良いのです(サクソルン属の楽器だけでアンサンブルをすればよろしいのです)。
ですから、ブレンドした音を生み出すのであれば、まずがそれぞれの個性を主張することから入りましょう。
今回は、音色に関してのみ書きましたが、実際のところ「ブレンドさせる」というのはそれだけの意味で使っていないと考えます。奏者それぞれの気持ち(方向性)や、作品に対する解釈、指揮者が主張している音楽を全員が感じ取る力、呼吸。そういった様々な面が全員で共有されていることだと思います。
ということで、今回は「音をブレンドさせるためには」というテーマで書いてみました。
室内楽をしている時も、音色を溶け込ませようなんて思わなくていいんですよ!まずは主張しましょう!
それではまた来週!
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at 08:15, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習
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