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吹奏楽コンクール課題曲2014トランペット解説【まとめ】








吹奏楽コンクール課題曲2014

みなさんこんにちは!さて、先週までで今年度課題曲の解説がすべて完了しました!
それぞれの記事は2週に分けて前半は楽曲に関して全般的に、後半は曲に沿った解説をしてきたのですが、課題曲を演奏されない方にも何かしら参考になることをできるだけちりばめて書いてきました。ですので、みなさんがコンクールで演奏する課題曲以外の楽曲についても、ぜひ一度目を通して頂ければ、と思います。

以下、これまでの記事リンクを掲載しておきます。


はじめに/課題曲を聴いてみて

課題曲1 最果ての城のゼビア/中西英介
 その1 その2

課題曲2 行進曲「勇気のトビラ」/高橋宏樹
 その1 その2

課題曲3 「斎太郎節」の主題による幻想/合田佳代子
 その1 その2

課題曲4 コンサートマーチ「青葉の街で」/小林武夫
 その1 その2

課題曲5 きみは林檎の樹を植える/谷地村博人
 その1 その2


《コンクールという場での課題曲》
ご存知の通り、課題曲というのはコンクールに参加する全ての団体が演奏する作品です(演奏しない組もありますが)。5曲(4曲)から選択ができるとは言え、それぞれがまったく同じ楽譜を使うのですから、完成した先にあるものも、ある程度似たり寄ったりなのも当たり前。コンクールは他の団体よりも高い評価を受けたものが上に行けるものなのですから、できることなら自分が所属している団体が上位にいけるように結果を求めていくことになるわけです。では、その似たり寄ったりな課題曲の演奏のどこに差を求めていけば良いのでしょうか。

楽譜からは想像もつかないような表現で、他の団体と差をつけようとする行為は、課題曲として間違っています。楽譜に書いてもいないのにfpクレッシェンドをしたり、rit.をかけてみたり、トランペット1stのみのところを音量が欲しいからと全員で演奏したり。演奏会のプログラムに組み込んで演奏するのならばどんなに自由に演奏しても構わないと思いますが(編曲レベルの改変は良くありませんが)、コンクールは審査をされる立場上、課題曲はむやみやたらと味付け、色付け、加工をしてはなりません。

ですから、課題曲は「楽譜に書いてある通りの音楽を表現する」ことに終始すべきなのです。


《楽譜から見えるもの》
しかし、楽譜に書かれていることを忠実に再現すれば、それで充分なのかと言えば、それだけでは物足りません。なぜなら楽譜に書かれていることのほとんど全ては単なる「情報」でしかないのです。情報と言うのは、例えば、テンポ(時間)、それぞれの音の長さ(リズム)、音の高さ(ピッチ、音程)、おおまかに言えば楽譜にはこれらの情報が記録してある紙媒体。では、それら記録された情報をそれぞれの奏者たちが完璧に表現できた結果生まれてくるものとは、どういったものでしょう。イメージできるでしょうか。

きっと、非常に機械的なものになるはずです。

もしこういう結果を求めて演奏をしているのだったら、負担のかからないコンピューターに入力して再生したほうが良いですよね。しかし、機械的な完璧さから生まれてくる演奏だけでは評価が低くなるであろうということは誰もが感じることでしょう。

では、あと何が必要なのでしょうか。

それは、各奏者から生まれてくる音色であったり、ちょっとしたニュアンスや、音楽全体の構成、その構成から生まれてくるテーマに沿った細かな表現、音の圧力。集中力、息づかい、仲間意識、主張、楽しいと感じる心。それらをイメージすることができる人間。その人間が集まって作られたバンド全体のバランス。

これらは、楽譜を見てもほとんど書かれていない「単なる情報ではないもの」です。楽譜というものは、その作品を再現するための必要最低限の情報が記録された紙で、その楽譜を見ている我々は、作曲者のイメージした通りに再現することがまず第一に行うべきことですから、音の高さ、音の長さ、テンポ、リズムなどの情報を正確に演奏しなければなりません。しかし、楽譜という紙に直接書かれていない様々な「何か」を感じ取り、「お客さんの耳に届く音(音量という意味だけでなく)」として表現しなければ本当の意味での「音楽」にはならないのです。

これは課題曲であろうがコンクールであろうが、音楽室で黙々と合奏練習をしていようが同じです。機械のように単なる「正確な情報の再現」だけを追い求めていても意味がないのです。


《音楽を作る順序》
しかし、多くの吹奏楽部では、その「情報の再現」に多くの時間をかけているところを沢山見かけます。
きっとそれは指導している先生たちが「正確なリズム、テンポ、ピッチ、音程が表現できなければその先に進められない」と思っているからではないでしょうか。まさに今の時期、そういった合奏が多いのではなかと予測しますがいかがでしょうか。
けれど、どうでしょう。楽譜に書かれている無機質な機械的運動情報の再現や、空気の振動数を正確に一致させることばかりを最初に徹底的に叩き込んで、ある程度形になってから「音楽的表現」追加していく順序には若干疑問を感じます。これでは、塗り絵の枠線を作り続けるだけの作業になってしまい、一向に着色されないようなものです。

例えば、「空」というものを知らない人に教える時に
「大概、自分の上にある」
「広い」

こんな感じで「情報」として伝えていても、きっとピンとこないはずです。これだけだと塗り絵で言うならば、かろうじて「外枠」しか描くことができず、感情を生むための情報がありません。

ですから、例えば昼の晴れた空に限定して伝えるならば、
「青く澄みわたっている」
「太陽が明るく、まぶしく、暖かい」
「風が吹いてきて心地よい」
「心が穏やかになる、楽しい気持ちになる、ワクワクする」

夕方なら、夜なら、雨なら、雪なら、台風なら…それぞれで空は表情が変わりますが、これらの情報から色彩や心情と共に伝えてあげたほうがイメージがしやすいはずなんです。むしろ、そういったイメージで心が動かされ、明確さや正しさを生み出すきっかけを与える可能性も高いのです。

吹奏楽の練習に話を戻すと、指導者はよく「ピッチ(が悪い)!」「テンポ(が悪い)!」「リズム(が違う)!」と、そんなことばかりガミガミ言って、怒鳴る人もいます。そういう指導者は、どんな対応策を取るかと言うと、ピッチが悪い奏者にはチューナーを与え、テンポやリズムが悪い奏者にはメトロノームを与えるんですね。
「絵の外枠が上手に書けないから、それができるまではとにかく線を引き続けなさい(線を引くのが下手だから線を引く練習をせよ)」ということをさせています。

しかし、例えば音程(ピッチ)が悪い奏者は、「なぜ音程(ピッチ)が悪いのか」「どうすれば音程(ピッチ)を正しくすることができるのか」を指導者が理解して、練習方法のアドバイスと、実践方法を伝えなければなりません(これについてはのちほど詳しく)。
もうおわかりでしょうが、そこにイメージできる素材や要素がないから、頭の中で機械的に考えてしまった結果、どうしても上手く演奏できないんです。そうした奏者は、次第に演奏することが面白くなくなり、音楽そのものが嫌いになる可能性もあります。
そんな残念なことは絶対に避けたいですよね。

ですから、コンクールだから、審査される場だから、という考えをメインに持ってこないで、まずは「音楽をする」という姿勢でいられるようにして欲しいと思います。奏者全員が色彩感などの「人間味のあるイメージ」をできる限り統一して持っているほうが、方向性を掴みやすく、合奏での作品の完成度も高くなるはずです。そして、ある程度形になってきたら、楽譜に書かれた情報の正確性を高めていく、という順序でも良いと思うのです。

先程かきました「ピッチが悪いからチューナー」というのは、根本的に間違っており、それでは絶対に解決しません。それらについてはこれまでも何度となくブログに書きましたが、とにかく「音のツボ」を当てられる吹き方をマスターしていく必要があります(音のツボに当てることができない奏者は、表面上、ある一定時間ピッチを正すことができたとしても、根本的なところでピッチを正しく演奏することは不可です)。ですから、これらは課題曲を演奏するとかしないとか、そんな狭い話ではなくて「楽器を正しく吹くには、どうすべきか」を的確に指導できる力を指導者が持っていなければこれから成長する可能性を持った奏者は解決することが難しいのです。


《潰れないために》
コンクールが近くなってくると、合奏練習が長時間に渡るところも少ないないでしょう。吹奏楽でのトランペットというのは本当に大変で、バテとの戦いです。こんなことを言うと批判をくらってしまうかもしれませんが、ピアノや弦楽器、木管楽器奏者にはほとんどない「バテ」という存在がトランペット奏者の目の前に常にある状態で演奏しなければならない精神的、体力的負担は、大きなハンデだと思います。他の楽器では「バテて吹けない(音を出すことができない)」という気持ちを理解してもらえることも少なくて(わかってもらえるのはホルンくらいでしょうか)、そのハンデがあるにも関わらず「バテて音が出せなくなる(音をはずす)とすぐバレる」というハイリスクなのも関わらず、音楽的表現に関しては他の楽器と同じように求められるわけですから、こんなに大変な楽器はないのでは、と思うわけです。もちろん、どんな楽器でもバテはあります。しかし、まったく音が出せなくなるとか、休憩をいれても完全復活することができない楽器など、他に聞いたことがありません(ホルンくらいでしょうか)。

しかし、これらはトランペット奏者同士でしか理解し合えない「言い訳」です。盾にしてはいけないのです。

しかもコンクールやコンサートでは、他の楽器どころか、楽器を演奏したことのない方だって客席にいらっしゃるわけですから、その方々に「トランペットは他の楽器に比べると下手だなあ、音出なくなっちゃったの?ダメだねえ」と言われたり思われたくありませんよね。その人たちひとりひとりに言い訳をしてまわるわけにもいきませんし(みっともない)、舞台の上に「トランペットはバテやすいのでそっとしておいて下さい」とプラカードをたてかけておくのもみっともない。結局全部言い訳。

ではどうすべきか。それは「バテにくい演奏をできるようにする」ということ。これは日頃の練習から身につけておかなければなりません。以下を参考にして下さい。

「充分なウォームアップを毎日必ず行う」
「唇から離す時間、回数を(たとえ数秒でも)できるだけ多く取る」
「長時間吹き続けない」
「(バテる前に)休憩をこまめに取る」
「バテるのが当たり前だと自覚する(だからバテないための対策を取るのだと考える)」
「プレスに頼った吹き方をしない(過剰なプレスをしない)」

こういったことを常に考えて、実践して下さい。
僕は昭和の真っただ中に中高生の時代を過ごしていたので、常に「根性」「血のにじむような努力」「逃げたら負け」といった世界観の中で部活動をしていました。体育教師がヤンキーをボコボコにしていることが何も問題にならないような時代でしたからね(笑)

だから(だからじゃないが)、「バテてからが練習だ」とか「バテても吹けるようにしろ」とか、そういうことが本気で言われていた時代だったんです(少なくとも僕のいた環境ではそうでした)。今となっては笑い話ですけどね。

でも、こういった考え方のせいでコンクール前に「潰れ」てしまうトランペット奏者が続出しました。
「潰れ」というのは、音域に関係なく、トランペットそのものが吹けなくなってしまう(音が出せなくなってしまう)状態のことで、頭では理解できていても体(筋肉)が言うことをきかなくなってしまったり、感覚がわからなくなってしまって、これまでのような演奏がまったくできなくなるコントロール不能状態です。精神的な面と体力的な面の疲労が同時に溜まり、溢れてしまうと発症しますが、コンクール前はとにかく合奏合奏で、基礎練習とか、ウォームアップとかの時間すら惜しく、合奏しようとする指導者がいるところや、バテというものを理解していなかったり、休憩を取らせなかったり、練習の合奏なのに、常に本気で吹かないと手を抜くなと叱りつけたり(これ一番ダメ。こういう昭和脳指導者が多い)、吹けない奏者に対してその場で立たせてできるまでひとりで吹かせたり、逆にバンドから退場させて個人練習させたり。ただでさえ暑い夏休みなのに精神的にも体力的にもズタボロにされてしまっては潰れてしまうのも無理はないんですよね。

また、潰れてしまいやすい人のもうひとつ大きな原因は、日頃の練習不足や、練習メニューについての深い知識がないダラダラした時間とのギャップの大きさにもあります。試験勉強の一夜漬けではないのですから、急に練習量を増やしたところで何も得られません。
似たようなところで、コンクール直前に一回だけプロの講師を呼び、何とかしようと考えている部活動の顧問の先生もいらっしゃいますが、一回いきなり行ったところで「練習するきっかけ」や「練習方法」についてのレクチャーはできますが、成長を実感できるようなことは何もありません。
元々素質があった奏者が、何かのきっかけに歯に詰まっていた食べカスがとれたような、そんな成長はありますが、基本的には正しい練習を継続する結果、少しずつ成長をしていくものですから、コンクール直前に呼ぶのではなく、コンクールの本格的な練習が始まる前に一度呼ぶか、継続的に呼ぶことをお勧めします。
この時期になると動き出す特殊な力を持ったバンドトレーナーは、確かに一回だけの合奏で見違えるような成長を遂げたかのように見せる力を持っています。ただ、これはある意味マジシャンか催眠術師、もしくはメッキ職人、一番マトモな言い方をするならば、レコーディングとかで活躍されているミキサーさんなんです。バンド全体が表面的に上手になったように聴こえる加工技術であって、各自の実力が伸びた結果ではないんですよね。だからしばらくすると元に戻ります。この方々にいくら払ってますか?それでいいのか学校教育って、って思うんですよ。
実はこれが、「ラッパの吹き方」ブログを始めた理由のひとつでもあります。

結局は指導者の知識と理解ということです。


今回の記事は指導者に向けたことばかりでしたが、コンクール前になると、「音楽」をすることを忘れて「結果」ばかり追い求めてしまう大人が増えてしまうので、敢て書かせてもらいました。なんだか、学校名や指導者本人を話題にさせるための「駒」とか「客寄せパンダ」に奏者(生徒)がさせられているようで、イヤなんですよね。
音楽は心で表現し、心が成長し、心に共鳴するものです。その音楽は、「完成度」という面だけで言えば優劣を付けることができますが、楽譜に書かれていることが上手に演奏できていなくとも、心のこもった演奏をしている団体を、「下手」と言う言葉で片付けてしまうのは、違うと思うんです。例え銅賞で終わってしまった団体でも、それは人間的に「下手」だったかどうかはわかりません。

だって、幼稚園児のおゆうぎ会で器楽合奏をしているそのステージを見て、涙を流す親御さんがいらっしゃるんですから、音楽というのは情報の正確な再現だけで優劣を付けられるようなものではない、ということは誰でも知っているはずです。

ですから、コンクールだからと言って、何か特別なことをしようと企まず、日頃からの個性ある団体の演奏をそのまま評価してもらうことが本当の意味でのコンクールではないか、と思うんです。その上で、銅賞になりたくない、上の大会に行きたいと思うのであれば、日頃からの練習にすべてはあるのではないか、と思うのです。

僕自身、中高生の時のコンクールを思い返すと、どうしてコンクールだけあんなに躍起になっているんだろう大人たちは、という気持ちがあり、文化祭や定期演奏会との温度差を感じていたから余計にそう思ってしまうんですよね。

ですから、ぜひコンクールも「楽しく」演奏して下さい。
その「楽しさ」から良い音楽が生まれ、それが聴く人(審査員含む)の心に響き、高評価につながると信じています。手段を選ばず結果を追い求めるだけの手段に「音楽」が成り下がらないことを切に願います。

ということで、今回で課題曲解説を完了します。数ヶ月の間、ありがとうございました。
次週からは、また通常の「ラッパの吹き方」に戻りますので、引き続きよろしくお願いします!

それでは、また来週!


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at 06:33, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2014

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吹奏楽コンクール課題曲2014トランペット解説【3.「斎太郎節」の主題による幻想/合田佳代子】その2








吹奏楽コンクール課題曲2014

みなさんこんにちは!今回は課題曲3「『斎太郎節』の主題による幻想」の後編です。今回で、それぞれの課題曲の解説は完了となります。では早速、曲に沿って解説をしていきますね。


《冒頭/1st(全パート)》
冒頭からロングトーンでフォルテという始まり方って、結構緊張するんですよね。なぜ緊張するか。それは、出だしのタイミングを全員で揃えなければいけないというプレッシャーや、ピッチ、ハーモニーの安定に関しても不安があるかもしれませんが、何と言っても「音をはずすのではないか(ちゃんと狙った音が当たるのだろうか)」ということが一番大きいと思います。この箇所に限って言えば、2nd,3rdの音域は大して高くないのでそれほど緊張しないかもしれませんが、1stの音の高さ(五線を越えるくらい)になってくると、心理的に不安になる人が多い傾向にあるように思います。もちろん、経験年数や得意不得意もあるでしょうけどね。

では、これから出そうとする音の高さを的確に当てる時に大切なこととは何でしょうか。

 「ソルフェージュできているか(音の高さを心、頭の中で歌えているか)」
 「舌や顎が、これから出す音のセッティングになっているか」
 「音の出るシステムが崩れていないか」


これらが特に重要でしょう。
ソルフェージュ能力を高めるためには、それなりの学習(コール・ユーブンゲンやコンコーネなどの歌の基礎練習を継続して的確に指導を受けて続けている等)が最大の効果を発揮しますが、そこまで本格的でないにせよ、ピアノなどでこれから出すべき音を鳴らし、声に出して歌い、その後ピアノなしでも同じ高さを歌えるようになってから、トランペットで吹く、という流れを練習に取り入れるだけでもかなり違うと思います。やみくもに、勢いで音を出すのではなく、きちんとした基礎を持った上で冷静に音を出すということです。

そして、舌や顎のセッティングはどんな音域でも必要なことです。仮に出しやすい中音域、低音域であっても、やはり一番鳴る音、ピッチの安定した音を出すには、その音にふさわしい状態をセッティングできていなければなりません。


3つ目の「音の出るシステムが崩れていないか」については、ちょっと考えれば当たり前なのに、ついやってしまう悪いクセのようなものです。例えば、音域が高くなるにつれて、口周辺の筋肉(中でも鼻の下)を使って固めてしまったり、プレスを必要以上に強くしてしまったりというのは、音域どうのこうの以前に「音が出しにくくなる行為」ですから、まったくもって意味がありません。また、首を中心として肩や腕、手、指、胸などの必要のない筋肉に無駄に力を込めてしまうのはマイナス要素でしかありませんから、注意して下さいね。
まずは「音が鳴る状態で吹く」ということ。この当たり前で根本的なことを忘れては、何にもなりませんからね。


《3小節目/全パート》
音を伸ばしてdim.する時、多くの人が「力を抜く」行為を行います。しかしこれは間違いです。音が弱くなることと、体が弱くなることは比例しません。他にも、(こことは無関係ですが)音をなめらかに演奏することと、ピストンを滑らかに押す行為も間違いですし、高い音を出す時に体全体が上に向かってしまうのも間違いです。このような「体の反応」や「体を使って表現すること」と、実際のコントロールすべき方法が異なる、というがトランペットを吹く上で非常に多いことですので注意して下さい。
具体的にどうすべきか、と言うと、dim.していく時に大切なことは「体の支えが一定の状態でいること」が挙げられます。ピアノ、ピアニッシモで演奏する時、楽に吹くと考えるのではなく、フォルテを出す時と同じように体が必要な「緊張状態」でいることです。弱い音を維持するためにも、やはり体は支え続けなければ単に体がグニャグニャになるだけで、関連性がありません。したがって、体が動かないようにすること、息をまっすぐぶれないようにし続けること、これらを意識して、dim.をかけていくようにして下さい。
ついでに、滑らかに演奏する時もピストンは「叩く」くらいの勢いがあるように心がけます。また、高音域になればなるほど意識も息を入れる方向も下がっていく、いわゆる「反比例している」と考えて下さい。


《練習番号B 3小節前/全パート》
前回の記事でも書きましたが、この作品はトランペットパート内、バンド全体で同じ音、同じ動きのいわゆる「ユニゾン」で演奏していることが非常に多く、この部分がまさに「最初の」トランペット全員がユニゾンになるところです(多くの木管楽器もユニゾンです)。音域こそ低いのでそこまで緊張感はないと思いますが、テンポ感、ベクトル感(※テンポとは違う前へ進もうとする意思)、フレーズ感、ピッチ感、これらをできるだけ統一させて、トランペットがまるで1本で強力に演奏しているような演奏ができると良いですね。

ピッチを合わせようとすると、途端にチューナーを取り出して譜面台に乗せ、ピックアップマイクをベルに挟んで演奏を始める人がいますが、こういった練習にはあまり賛成できません。なぜなら、「ピッチを合わせるためにピッチを合わせている」だけだからです。おかしな日本語ですが、要するに発想がストレートすぎということ。考えて欲しいことは「ピッチはなぜずれるのか」「ピッチはどういった時に合うのか」という様々な角度からのアプローチによる正しいピッチを出すための方法を考えて実践することです。チューナーはピッチの正誤を正確に示してくれはしますが、それが「なぜ正しく吹けているのか」もしくは「なぜピッチがずれるのか」を教えてくれるわけでもなく、その修正方法なども導きだしてはくれません。単なる周波数を拾って視覚的にわかるように示しているだけの機械では、根本的に正しいピッチを鳴らす奏者を生み出すことはできないのです。
したがって、ピッチを合わせるためにはどうすればいいのか、どのような演奏をするべきなのか、そういったことをまず理解し、実践することで遠回りかもしれませんが、普遍的なピッチの安定を望むことができるのです。


曲解説に戻ります。この部分のピッチを合わせるための大切な要素や練習方法は上記リンク記事を読んで研究してもらうとして、ひとつ大切な指標になるものがこの場面にはあります。それが、2nd,3rdが吹き始める1小節前の1stの音です。
先に吹いている1stは、2nd,3rdが吹き始める1小節前でD音(記譜ミ音)を伸ばしています。2nd,3rdは次の小節からD音(ミ)から吹き始めます。ということは、1stが伸ばしているD音(ミ)2nd,3rdはしっかりと耳を使い、その音を受け継ぐようにピッチ、音色、音量バランスなどを意識して吹くことができれば、バラバラな音が一斉に鳴り始めるような不安定な演奏開始になりにくいはずなのです。
この箇所はちょうど1stが指標を掲げてくれましたが、どんな曲を演奏していても、吹き始める直前にどこかの楽器が何らかの参考素材を提示してくれていることは多くあります。ぜひ演奏中はすべての楽器に耳を傾けているようにしましょう。それが「アンサンブル」の大事な点です。パート譜はひとりが担当することしか書かれていませんが、合奏は大勢でひとつの音楽を作り上げています。あまりにパート譜に集中しすぎると、その単純なことを忘れて、大勢いるのに「孤独な演奏」をしてしまう(そのような精神状態になってしまう)ことは多々あることですから、ぜひ合奏中でも視野を広く持ち、「みんなで演奏してるんだ」という自覚を持てるようにしましょう。共演者は良い演奏を一緒に作る仲間です。


《練習番号B〜/全パート》
ここもユニゾン。しかも多くの木管楽器ともユニゾン。それぞれのパートに書かれているダイナミクスは「f」で、トランペットは出しやすい音域ですね。ですから、ここは吹きすぎないことが大事です。メロディだから、というだけで頑張ってしまうのはセンスがありませんよ。fひとつでこのユニゾンの厚さですから、とにかく形だけ出すようにして(スラーなどのフレージングには注意しつつ)、楽に吹きましょう。(楽に、というのはさっきも言いましたが体がグニャグニャになるようなことではありませんよ。)


《練習番号C 10小節目〜/1st》
2nd,3rdパートが休みだからと言ってsoloなわけではありません。ここもやはり木管楽器とのユニゾンです。3小節吹いたらすぐ終わりますが、その後ホルンがメロディを受け継いでいますから、吹き終わるつもりではなく、バトンを渡す意識を持っておくと良いでしょう。


《練習番号D 10小節目〜/全パート》
ここから、1stだけ→2nd加勢→3rd加勢というようにだんだんと奏者が増えます。音量が徐々に上がっていく箇所ということからも、音量を増やしたいというオーケストレーションなのだろうと思いますが、ここも全部ユニゾンです。もっとハーモニーにすればいいのに。。。


《練習番号E/全パート》
この作品を演奏する中で、一番目立ち、そして吹きにくい箇所のひとつです。簡単そうで難しい。気を抜くとはずしてしまったり、鳴りにくいフレーズがあるので、きちんと楽譜に書かれている演奏をするにはしっかりした意味のある練習をしなければなりません。まず、練習番号Eの1小節目の十六分音符2つ、この音をきちんと鳴らすのが難しいですね。テンポを落としてリップスラー、リップトリルの練習です。リズムを変えたり、反復回数を変えたり。メトロノームを使って、落としたテンポを徐々に上げていき、指定テンポよりも速いテンポでも演奏できるようになるまで、正確な反復練習が大切で、効果的です。
スラーの付き方を正確にすることも忘れず意識をしましょう。

付点四分音符を長くとりすぎると、どんどん遅れてしまうので、付点四分は早めに切り上げて、十六分音符をできるだけ長めで(時間をかけて)演奏するように心がけましょう。それでやっと客席には楽譜通りの演奏に聴こえます。聴衆とのギャップを理解した上で演奏したいですね。

そして、合奏やパート練習など、複数で演奏する時に一番なってしまいがちなのが「力が入りすぎてテンポの制御ができなくなる状態」です。落ち着いて「これでは少し遅いんじゃないか?」と思うくらい落ち着いて、ひとつひとつの音をしっかり演奏できるように心がけて下さい。

音の並びにムラができるのが一番みっともないので、とにかく「全ての音のツボにあたった状態で演奏し続ける」ことです。


《練習番号G 1小節前/1st、2nd,3rd》
和音を伸ばしている時、トランペットの2nd,3rdだけがバンドの中で動きます。ということは、とても目立つし、重要。とりあえず2ndと3rdの動くタイミングがずれないように心がけることが大切ですが、指揮者にそれぞれが合わせようと思わないようにしましょう。2つのパートがきちんとタイミングさえ合えば良いのですから、2ndがアインザッツを出して3rdと合わせられればそれで良いのです(どのくらい伸ばしてから動くか、というきっかけは指揮者ですけどね)。
dim.の中で動いていますが、しっかりと動きを見せるようにしたいので、F音(記譜上ソ)の音を吹き終えてからdim.するようにしましょう。
また、この時の1stですが、2nd,3rdが動いていることを理解しつつ、dim.しないといけません。先にdim.して音を小さくして時間を持て余すようなことにならないようにしましょう。


《123小節目/1st》
A.Saxとのユニゾンです(オプションでEb Cl.も)。なんでこんなにユニゾンなのでしょうか。
ということで、A.Saxとフレーズ感、ベクトル感、ピッチ感などを合わせたいので、一緒にパート練習をしましょう。


《129小節目/1st》
しかし、この小節に入った途端、他のどのパートも一緒の動きをしているところがなくなります(オプションでOb.はいますが)。突然の実質のsolo(soli)です。しっかり吹きましょう。スコアを見て、どのような流れになっているか把握しておくと良いと思います。あなどれないぞ、このオーケストレーション。


《練習番号 I /全パート》
この箇所の前から、先程の練習番号D 10小節目以降と同じ展開なのですが、調が違います。練習番号 I からの調は、トランペットとしてはフィンガリングがとてもやりにくいですね。もともとが吹きにくいメロディなのに更に輪をかけて吹きにくいのですから、しっかり練習して、お客さんにそういった事情(吹きにくくて難しいんだ、ということ)を悟られないようになるまでレベルアップしておく必要があります。「トランペットは吹きにくいよね、あの楽譜は」というのは奏者同士でしか共有できない話題ですから、お客さんに言い訳めいた演奏をするのはもってのほかですし、そもそもお客さんはそんな演奏者事情なんてどうでもよくて、良い音楽を聴きたいだけですからね。
そいうことで、練習番号Eと同じようにじっくり練習しましょう。特に五線下のH音(記譜上ドのシャープ)、C音(レ)のふたつは必ず3番トリガーを使ってピッチを安定させて下さい。それができないと、トランペットだけ音痴になって、ユニゾンのオーケストレーションを崩壊させてしまいますからね。


《練習番号J/3rd》
ここから1st,2ndがオクターブ上がります。こういったオーケストレーションの時、どうしてもオクターブ下を吹いているパートが埋もれてしまいがちなのですが、できるだけオクターブ下が率先して鳴らすようにして欲しいです。そうすることで耳に心地よいバランスになります。ですから、この箇所に関しては1st,2ndの足された音量の更に倍くらいの音量で3rdが吹けたら良いですね。ということは相当吹く必要がありますし、そういったバランスになることを望む1stと2ndでなければただの音量のケンカになるだけですから、パート練習で最適なパランスになるように練習して下さい。


《最後3小節間/全パート》
4.コンサートマーチ「青葉の街で」その2」の記事にも書きましたが、音を伸ばすとすぐに抜いてしまう吹き方をクセにしてしまう吹奏楽奏者が多いのですが、音を抜く行為は「特殊な指示の時にのみ行う特殊な奏法」ですから、むやみやたらに音を抜かないようにして下さい。この箇所ももちろんそうです。パイプオルガンのようにしっかりと音を伸ばしてほしいのですが、きっと音を抜きたくなる方、抜くように指示を出してしまう指導者、指揮者の方は、「他の動きをしている木管楽器の音をかきけしてしまうのではないか」という不安があるはずです。しかし、これを覚えておいて下さい。

「自分が演奏している時、他のパートの音が自分の耳に聴こえてきていればバランスは悪くない」

とりあえずはこれで充分です。


《まとめ》
ということで、本当にユニゾンばかりです。皆さんのコンクールの自由曲にもよりますが、もし大変な自由曲であるならば、この課題曲は相当手を抜いて、馬鹿正直に全員が楽譜に書かれていることを全部吹く必要はないと思います。だってユニゾンなんだもの。そうすることで、更に少人数の演奏になり、バランスを合わせやすいのではないかと思います。でも、あくまでもそれはオフレコで。課題曲は楽譜に書いてあることを全員がしっかりを再現することも得点のうちということになっていますから、規則としては書いてあるのに吹かない、というのはダメです。でもステージの現場にいる人にも事情がある。作品を壊すことなく、より良いものを作り上げ、聴く人が喜べる演奏をするということが目的であるということを忘れないようにすれば問題ないでしょう。



では、来週は課題曲についてのまとめの回、課題曲解説最終回にしたいと思います。
引き継ぎおつきあいくださいね。
それでは、また来週!

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at 08:09, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2014

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吹奏楽コンクール課題曲2014トランペット解説【3.「斎太郎節」の主題による幻想/合田佳代子】その1








吹奏楽コンクール課題曲2014

みなさんこんにちは!只今、吹奏楽コンクール課題曲トランペットパート解説を実施中です。今回からの記事が最後の作品です。ついに最後。


あと、先日「ラッパの吹き方」Facebookページを作りました!公開4日目にして100いいね!を頂きました。ありがとうございます!Facebookページでは、このブログの更新情報や、過去の埋もれてしまった記事を掘り起こしていければと思っていますので、ぜひこちらもご覧頂き、「いいね!」を押して下さいね!




それでは、課題曲3について書いていきます。


《原曲について研究する》
ご存知のように、この曲の「斎太郎節」は民謡です。ご存知でなくとも、「◯◯節」と書いてあれば大概民謡だな、と検討がつくかと思いますが、宮城県松島で歌い継がれてきた「漁師の民謡」です。

そしてスコアの作曲者による作品解説に、このように書いてあります。「(前略)原曲をよく聴きその素朴で勇壮な表現を研究して下さい。(後略)」
確かに、原曲(原曲と言われても、民謡は何が原曲なのかわからないのですが、一応三味線と歌のパターンとか…)を聴くと、力強さを感じますね。他の漁師の民謡で有名なのが「ソーラン節」です。確かにこれも力強い。男の歌って感じ。

なるほどわかりました。さて、もうこれ以上この「斎太郎節」の原曲(?)について学ぶ必要はないのでは、と思うのです。

いや、もちろんその歌の歌詞がどうなのか、とか、歴史とか、実際はどんなシーンでどんな歌われ方をしているのか、深く研究することは何も悪くありません。勉強になりますし、素晴らしいことです。

しかし、この課題曲を演奏するにあたっての情報収集は、そこまで必要のないものかな、と感じたんです。

なぜなら、この作品は、主題こそ「斎太郎節」ですが、曲の作りは完全に西洋音楽なのです。


《変奏曲(ヴァリエーション)》
しかも、タイトルに「幻想」とありますが、具体的に音楽の形式は「変奏曲(ヴァリエーション)」の形式です。「幻想曲」というタイトルの書き方をしている作品は数多くありますが、これは特に「こういった形式で作曲した」という定義はなく、作曲家が自由に書いているものなのですが、トランペットを演奏している方にとってなじみ深い「アーバン金管教本」の中にある(現在の全音から出版されているものでは完全に分離してしまいましたが)「12の幻想曲とアリア」という作品群があり、有名な「ヴェニスの謝肉祭変奏曲」が収録されています。
これも「幻想曲」という言い方をしていますが、この中の作品もすべて「変奏曲」なんです。関連性はありませんけどね。

で、変奏曲というのは「主題」と呼ばれる何かひとつのメロディが様々な形に変わっていく音楽形式のひとつで、作曲者がちゃんと「変奏曲」だと言っている作品には、変奏するごとに「Ver(ヴァリエーション).1」といったように書かれているものも少なくありません。有名なところでは、モーツアルト作曲「きらきら星変奏曲」であったり、壮大なものではエルガー作曲の「エニグマ(謎)変奏曲」などがあります。

「斎太郎節」にはVerは書いてありませんが、完全に変奏曲です。なので、課題曲解説の一番最初の記事「吹奏楽コンクール課題曲2014トランペット解説【はじめに/課題曲を聴いてみて】」にも書きましたが、J.B.チャンス作曲の「朝鮮民謡の主題による変奏曲(YouTubeにリンクします)」と、J.バーンズ作曲「パガニーニの主題による幻想変奏曲(YouTubeにリンクします)」を足してニで割って、時間かかるから半分に切ったみたいに聴こえたんです。

ですから、もし楽曲について研究するのであれば、元になっている「斎太郎節」についてより、「変奏曲」について研究したほうが良いのではないか、と思います。いろいろな変奏曲をぜひ聴いてみて下さい。


《オーケストレーション》
オーケストレーションとは、どの楽器に何を演奏してもらうように当てはめていくか、という作曲や編曲をする上でとても重要なものです。どんなに素晴らしいメロディであっても、オーケストレーションがダメダメだったら作品は活きず、台無しになります。
有名なところでは、「展覧会の絵」という作品がありますが、元々これはムソルグスキーの作曲したピアノソロ曲です。そして現在、数多くオーケストラで演奏されている「展覧会の絵」はモーリス・ラヴェルの編曲によるもので、実は他にも数多くオーケストレーションされているのですが、ほとんど演奏も録音もされていないんですね。それはラヴェルのオーケストレーションがあまりにも秀逸だから、これが一番良いとみんなが言うから、という理由です。以前、違う人の編曲した展覧会の絵を聴いたことがあるのですが、悪くないけど「何か変」と思ってしまったんですよね。ラヴェルが秀逸すぎるからなんでしょうかね。

ということで、オーケストレーションも作曲家、編曲家によって個性的であって、腕の試されるものです。
では、「斎太郎節」はどうか、というと、これも【はじめに/課題曲を聴いてみて】に書きましたが「分厚い」んですよね。とにかく全員で演奏しているところが多い。でも、吹奏楽のパートはとても細かく分かれていますから、全員が違うことを担当しているわけではないのです。したがって、同じ動きをしているパートが複数あるということをまず覚えておく必要があります。

同じ音を出している、同じ動きをしている他の楽器、違うパートがあるということは、演奏していてとても心強い反面、ピッチやフレーズの捉え方、統一感を出すことができないと、単なる「大勢で音を出している集団」になりかねないのです。

今の中高生の方は馴染みが薄いかもしれませんが、僕が中学生の頃はJ.スウェアリンジェンという作曲家が日本で大ブームでした。もう、どこの学校でも吹奏楽コンクールB組(30名くらい?)の演奏曲はスウェアリンジェン。なんでこの作曲家が人気あったのかというと、アメリカのスクールバンドでも演奏できるように、というコンセプトで書かれて作品が数多くあった、という点が一番だと思います。要するに楽器初心者の集団でも音域もメロディもリズムも演奏しやすいんですよね。易しく書かれているわりに、迫力があり(打楽器担当の人も飽きさせないように全員が叩きっぱなしだったりするせい)、メロディも覚えやすい。変な仕掛けとか、変な和音もないから教える先生も安心(だから全ての曲が同じように聴こえる)。こんな好材料ないですよね。だからどの学校も演奏していたのでしょうね。僕、好きですよ。
で、スウェアリンジェンのオーケストレーションも斎太郎節と同じように分厚いんです。誰かがミスったり、どこ吹いているかわからなくなる「落ちた」状態になったとても、演奏が止まらないでいける、というメリットがあるんですよね。

ということで、分厚いオーケストレーションのメリット、デメリットを理解した上で、どのように練習をしてけば良いのか、何を重視していく必要があるのか、ということをしっかり考えて練習して頂きたいと思います。

同じ動きをしている人たちとの特殊な編成によるパート、セクション練習が多くなるかと思います。
そして、その人たちとのピッチや音程、リズムを合わせていくことになるのですが、間違っても「チューナーを使ってのピッチ調整」だけはしてはいけません。そんなことしても意味ないどころか、本来の奏法に問題を発生させていくだけでなく、結果としてピッチは一生合いません。
ピッチはそれぞれの奏者がまず楽器の特性を理解して、その楽器の持つ「正しいポイント(音のツボ)」に当てる技術を身につけるところから始まります(これはポイントさえ把握しておけば難しいことではありません)、それができた複数の奏者が、演奏する箇所の雰囲気、ベクトル感覚を統一させ、呼吸(吸気)を合わせることができれば、ほぼ合わせることができるはずです。

テンポに関しても決してメトロノームのカチカチピッピに全員が集中し、合わせていくような練習をしないように注意して下さい。それでは一生合うことはありません。

それでは、次回は課題曲3を曲に沿って解説していきますので、引き続きお読み下さい!
それではまた来週!

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at 06:04, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2014

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吹奏楽コンクール課題曲2014トランペット解説【2.行進曲「勇気のトビラ」/高橋宏樹】その2








吹奏楽コンクール課題曲2014

みなさんこんにちは!只今吹奏楽コンクール課題曲トランペットパート解説を開催中です。前回より課題曲2「行進曲『勇気のトビラ』」について書いていきます。今回は曲に沿って書いていきます。


《拍子というもの》
みなさんは拍子というものに関して、考えてみたことはありますか?それは単なる構造や仕組み、楽譜の読み方などの方法ではなく、「その拍子の持っている力」「その拍子の持つ感覚」という意味としての「考えたこと」です。

例えば、4/4拍子の楽譜は、「一小節に4分音符が4つ入る長さ」という約束で楽譜が書かれていますが、2/4拍子はどうでしょうか。4/4拍子の半分に線(小節線)が引かれた、ということだけでしょうか。もしそうだとしたら、いちいち小節線が倍になる2/4拍子なんて、書くだけ時間の無駄ですよね。フルスコアなんて、書いてみればわかりますが小節線を手書きで引くだけでもかなり面倒な作業です。だったらもう、いっそのこと小節線とかなくてもいいんじゃね?みたいな発想になるくらい。では、なぜ音楽には「拍子」があるのでしょうか。

これには様々な考えがあるでしょうが、その中のひとつを挙げると、2拍子で一番イメージがすぐに湧くのが「マーチ(行進曲)」です。マーチは本来「軍隊が歩くために演奏する」音楽でした。「歩く」。二足歩行である私たちが歩く時には片方の足を出して、もう片方の足を次に出す、この繰り返しなわけですから、2つの動き(右と左の足)で1つのセットになったものが反復されて、「歩く」ことになりますね。ですから、歩くというのは「2拍子」なんです。その動きを楽譜に書き出したら、やはり2拍子の楽譜になるんです。

ですから、楽譜があって、それがたまたま2拍子の音楽だったから、それに合わせて歩き方を決めたわけではありませんよね。
このように、拍子というものは、何かの運動であったり、言葉遣いのリズムだったり、そういったものから決められていくこともあるんです。
もちろん、拍子を先に決めた上でそれにメロディや歌詞を合わせていく、という方法も沢山ありますけどね。
マーチは必然的に2拍子である、ということが言える、ということです。


《6/8拍子》
音大生の時にスッペの「軽騎兵」序曲を演奏する機会がありました。この作品、演奏される機会も多い有名な作品なので聴いたことある方は多いと思います。(YouTubeへのリンクです)
ある程度曲が進むと、軽い6/8拍子のリズムに載せてトランペットがメロディを担当する(この曲全般トランペット大活躍なのですが)場面があります(このリンクだと2分25秒あたりから)。その箇所を、管楽器分奏(セクションごとに分かれて合奏練習をすること)の時に吹いていたら、指導して頂いていた方から「トランペット、それじゃあ2/4拍子だよ」という指摘を受けました。

最初、言われていることがよく分かりませんでした。このメロディはできるだけはっきりとリズム感を出して、細かい動きもきちんと聴こえるように、という意識で演奏していたので、何が悪いのだろう?という疑問が残るばかり。その指導者の方から言われたのが

6/8拍子は回転するリズムだ」

ということ。

先程2/4拍子について書きましたが、楽譜を書く理論上だと、2/4に三連符で楽譜を書いていけば、それは6/8拍子と同じになる、と思っていたのですが(もちろん、演奏結果は同じように聴こえますが)、それ以上に拍子から出てくる奏者それぞれの「捉え方」をもっと意識して演奏しなけえればいけない、という指摘を受けました。

先程も書いたように2/4拍子は、行進するリズム、パン,パン,パン,パン,...と反復の動きをイメージすることができます。そして6/8の場合は、遠心力を使ってグルーン,グルーン,...と回転している運動、リズム感を持っていることが大切だと教わりました。

なるほど、それまでの僕の軽騎兵は、よりはっきり動きがわかるようにカチカチと角を尖らせた演奏をしてしたので、2/4拍子のフィールドで演奏をしていたんです。6/8拍子のフィールドで演奏する場合、もっと角を丸くした表現でなければならないのだ、ということを学びました。ですから、語弊があるかもしれませんが、当時の僕の中では、「もっとゆるいリズム感で演奏をしよう(それぞれの音形はしっかり聴こえるようにしよう)」という意識に変わり、指導者の方にもOKを頂きました。


課題曲2「勇気のトビラ」も、ご存知のように6/8拍子です。したがって、作品そのものの持つリズム感をあまりガチガチに固めないように意識しましょう。


《基本的なアーティキュレーション》
作品ごとに全体の雰囲気って絶対ありますよね。曲の流れの中で場面がおもいきり変わることもよくありますが、それぞれの場面での共通する特徴といったものは必ず存在します。この作品もそれが言えますが、とにかく元気に明るく力強く、といった印象を持ってもらう必要があるので、楽譜に何も書かれていなくてもこのような表現を心がけると良いでしょう

「八分音符はスタッカート」
「付点四分音符はテヌート」

これを必ず持ってもらいたいです。その上で、敢て書き込んであるアーティキュレーションを優先して表現して下さい。


では、冒頭から解説していきます。


[冒頭/全パート]
トランペットだけでなく、全パートがユニゾンです。珍しいですが、全員が同じことをしている、ということは「ミスしたらすぐバレる」ということです。ミスでなくても、テンポが合っていなかったり、音痴だったりしても、いきなり冒頭で違和感を覚える演奏になってしまうので、気を抜かないようにしましょう。

3小節目のアタマに向かって、音がどんどん低くなり、五線下のG音(記譜ラ)にたどり着きますが、メロディが下がってきてからのこの音をしっかり鳴らすのは結構大変で、不発音になったり、ピッチが悪くなったり、弱くしか音が出せなかったりしやすいです。それらの原因は「舌の位置と顎」にあります。舌は音域を決める最重要ポイントですから、これが動かせないような力が入っていては、広い音域をカバーすることも、しっかりと音を鳴らすことも難しいのです。ぜひ基礎練習から、この舌やそれに伴って動く顎の動きを柔軟にできるよう、練習をしてみて下さい。


[3小節目2拍目/3rd]
この箇所、スコアを見ないで演奏すると、3rdの方はびっくりしますよね。だって1stも2ndも演奏していないのですから。ようするに、金管楽器の中で一番高い音を出しているのが3rdトランペットなんです。一瞬ですがトップ奏者になっているんですね。
プロの世界ではこのような考えにならないのですが、部活動などでは1stより2nd、2ndより3rdが、より経験の浅い人が担当する「年功序列タイプ」のパート割をしてしまうところが少なくありません。そうなると、どうしても1stばかりが目立って、3rdは何をしているのかよく聴こえない、という結果を招くことが多くなってしまいます。ただ、1stはどうしてもパート内だけでなくバンド全体の顔になっているわけで、ここが崩れることはすなわちバンドが崩壊すると言っても過言ではないほど、重要なポジションであることは否めませんから、経験を積んだ上級生や一番上手な人が担当することに異論はありません。しかし、吹奏楽は「カラオケ」ではありません。メロディだけがビュンビュン聴こえてしまうことは決して良いバランスではありませんよね。「ハーモニー」「様々な楽器の織りなすサウンド」に魅力があります。ですから、可能な限り全パートが少なくとも同じレベルで音が出せるようであって欲しいと願います。
ほんの一瞬ではありますがこの一発がホール全体に響き、バンドを先導しているサウンドになること、そしてその音や自分自身が「満足」できる瞬間であることを願います。3rdだっていつもどんどん吹いて目立っていいんですよ。1stの背中をどんどん押して、可能であるなら演奏で操ってしまえるくらいの力を出して良いんですよ。


[練習番号Aアウフタクト]
先程も書きましたがこの作品を演奏する時には「八分音符はスタッカート」です。したがって、このアウフタクトもダラっとしないように演奏して下さい。ちなみに、スコアにある作曲者による楽曲解説には「E F F# G」の4つの音の並び(モチーフ、動機)が「勇気がみなぎっている様子」である、と言っています。まさしくこのアウフタクトがそれなのですが、ぶっちゃけて言うと、それが分かっていてもわかっていなくてもあまり演奏には影響がないのでは、という気がします。この先も何度もこのモチーフは出てくるのですが、とにかく濁らないようにはっきり発音する(でも6/8拍子ですよ!忘れないで!)ように心がけていれば十分ではないか、と思います。


[練習番号A〜]
この先ずっとですが、メロディの中で付点四分音符にタイで音がつながっている音符ですが、音を抜かないようにして下さい。先日、【4.コンサートマーチ「青葉の街で」/ 小林武夫】その2http://trp-presto.jugem.jp/?eid=350の記事で書いたのですが、最近の吹奏楽の傾向で、何でもかんでも「音を抜く」クセを付けてしまっている奏者、音を抜かせようとする指導者が多い気がしてなりません。
このメロディでも、付点四分音符が来たらすぐに音を抜いてしまうのではないか、というイメージが容易にできてしまい、そしてそれがとても気持ちの悪い抑揚を持った演奏として頭の中に残ります。

詳しくは課題曲4の記事を読んで頂ければ、と思いますが、ともかく、「音を抜くというのは特殊な演奏であって、通常は音を維持するもの」という認識で演奏して下さい。そうしないと、フレーズがブツ切りになってしまいます。


[練習番号Bアウフタクト〜/1st]
経験上、こういったスラーの付きかたをしていると、つい小節線を越えた音までスラーをのばしてしまう人が多くいます。僕も中学生の時によくやっていました。



楽なんですよね、舌動かさなくていいから。でも、このフレージングで吹いてしまうと、他の楽器と合わなくなるばかりでなく、だらしない演奏に聴こえてしまうんです。実際に両方を吹分けてみれば印象が違うということがわかると思います。

こうなってしまう原因は、「舌がタンギングしやすい場所にいない」ということが挙げられます。スラーが続くと、無意識に舌の奥に力が入ってきてしまい、舌が奥のほうへ引っ張られてしまいます。タンギングは舌の前方で行うものですが、引っ張られたことで舌がいるべき場所にいない、ということになった結果、タンギングしないで吹いちゃった、という流れがほとんどです。
この「スラーが続くと舌を奥へ引っ張ってしまう」というクセは、タンギングがしにくくなるだけでなく、音色やピッチに関しても不安定になってしまうので良くありません。舌は本来あるべき場所にいつづけるようにすることが大切です。そうすればタンギングをするのがめんどくさいという発想(無意識でしょうが)に至ることもないのです。


[練習番号C/全パート]
この箇所はスコアの作曲者によるコメントでも書いてあった「トランペットと木管楽器が交互に伴奏をする」ところで、バランスに注意して欲しい、とのことでした。前回の記事《反対を考えてみる》でも解説しましたが、バランスが悪い状況を一度想定してみると、自分たちがどんなバランス、意識で演奏すれば良いのか、なんとなく見えてくると思います。
何にせよ、スコアを見て、その伴奏をしていると思われる木管楽器と一緒にパート練習を重ねてバランスを良くしていくように心がけて下さい。

また、この部分は四分音符にスタッカートが付いています。このアバウトな表現をどのようにしたらいいか、こんな書き方するなら八分音符じゃダメなのか?など思っている方はぜひもう一度「スタッカートとはどんな意味のアーティキュレーションなのか」を考えてほしいと思います。


[練習番号H/全パート]
このあたりから出てくるミュートですが、一緒に演奏しているパート(同じ動きをしているパート)がどこか、を理解しておく必要があります。ちなみに練習番号H2小節前にある1stだけのミュート箇所はトロンボーンとも一緒に演奏しています。
その後はどうなっているか、と言うと、同じ動きはピッコロ、フルート、Ebクラ(Opt.)、グロッケンです。

ミュートとは一般的に「弱音器」と呼ばれますが、トランペットがストレートミュートをすると、まるで違います。音量が小さくなるどころか音が鋭利になり、固く、異質に響くようになります。ですから、バランス等考えずに吹いてしまうとフルートを無視した固いサウンドになってしまう恐れがありますし、フルート隊のほうがメロディを担当しているのですから、上手にアンサンブルできるようにパート練習を重ねるようにして下さい。
特に、フルートとトランペットは吹奏楽の中でも接点があまりない楽器同士ですから、音色や音の立ち上がりなど、しっかり特徴を理解してアンサンブルをする姿勢でいるようにして下さい。合奏中は距離も遠いですからね。


[練習番号Jアウフタクト/全パート]
ホルン、サックスとともに場面を切り替える役割のファンファーレを演奏します。ここはトランペットの存在感を十分に出していくようにしたいところですが、あくまでもfです。ffではありませんから、バランスに注意して、音色にこだわりを持つようにして下さい。この部分の音を伸ばす箇所も極端に抜かない様にしましょう。音を伸ばしている時、他の楽器がどんな音、どんな動きをしているか、自分の耳に聴こえてきていれば、バンドでのバランスは悪くありません。自信を持って自分の音を響かせましょう。


[練習番号P/全パート]
3小節目のアタマ、Des音(記譜ミのフラット)は、トランペットの中でも鳴りにくい2,3の指で出る音です。しかも、メロディとしても下に沈んできた時の音ですから、余計に聴こえづらいのです。もしも、自分の中だけで「全部の音をまっすぐ吹いているよ」と自覚して吹いていたとしても、客席にはきっと練習番号P2小節目から、そのDes音までは埋もれて何も聴こえなくなってしまう演奏になると思われます。低い音や短い音は客席に届きにくいという法則「聴衆とのギャップ」を理解し、メロディが低くなるにつれて音をしっかり張り、音量も大きくしていくように演奏して下さい。
可能であれば合奏の時に、(客席の距離くらいから)録音ができれば良いですね。そうすれば自分の自覚と客席で聴こえる演奏の大きなギャップに沢山気付けることでしょう。


[最後から3小節前/1st]
メロディに装飾音が付いています。このあたりの音域は音をはずしやすいので、適当な感じや、勢いで演奏しないように注意が必要です。若干ではありますが、この音で動く時は、リップスラー、リップトリルをするような吹き方で音を繊細にコントロールしようと心がけましょう。ですから、この装飾音も素早く演奏するのではなく、ひとつひとつの音をしっかり聴こえるように吹くほうが良いと思います。サックスやクラリネットも同じことをしているので、この場所もぜひ同じ動きの人たちと一緒い練習をして下さい。


ということで課題曲2の解説をしました。
楽譜の中に面白さ、興味深さ、ちょっとしたイタズラのような要素がちりばめられたとても面白い台本です(台本については前回の記事参照)。したがって、その作品の面白さ、楽しさを聴いてくれる人たちに確実に伝えられるように心がけて下さい。コンクールという場ではありますが、音楽は常に楽しむものであり、楽しむ気持ちが伝わることが、良い印象につながり、良い印象が良い賞につながります。ですから、単なる上手な演奏、ミスのない正確な演奏をするのではなく、人間的に、心が動かされてしまうような音楽を奏られるように練習して下さい。

それでは、次回は最後の曲、課題曲3「斎太郎節」について書いていきます。
引き続きどうぞおつきあい下さい!

また来週!

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at 07:05, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2014

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