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練習量と練習の質








みなさんこんにちは!
今回もこちらの記事に頂いたコメントのお返事をしたいと思います。

前回まで「頬が膨らんでしまう」というご質問に対して回答しました。今回は同じ まこ♪ さんからのコメントにあったもうひとつの質問にお答えしたいと思います。内容はこちらです。

======================================
(※コメント前半は前回までの記事※)
あと、毎日練習したほうがいいですよね?
私は、なぜか、毎日練習しているとだんだん吹けないようになってしまいます
大事な日に吹けないこともあります。
練習方法が悪いんだと思っています、、
どうすればよいでしょうか
======================================


「練習を1日サボると3日遅れる」なんて言葉を昔はよく聞かされてきました。今でも言うのでしょうか。
当然のごとく練習は毎日すべき、したほうが良い、という考え方で世の中の意見は一致しているように感じます。そして僕もそれに一部、賛成です。

《練習量の差》
まったくタイプの違うトランペット吹きが部活にいたとします。A君はとにかくガムシャラに楽器を吹く人で、寝ても覚めても練習一筋。休憩なんて取らないし、バテてからが練習だとも言っています。一方、B君は能率を常に重視した生活を送っていて、トランペットの練習も、限られた時間の中で効率良く結果を出せるようにしっかり考え、実践しています。

この二人、スタート時のレベルがまったく同じ(持っている感性等も同じ)だとしたら、どちらが上達すると思いますか?

僕が思うに、一日の練習時間が何時間であれ、B君のほうが上達すると思います。そして、本番でもB君のほうが良い演奏をすると思います。

練習は量より質なんです。
もちろん、長時間練習することによって見えてくる様々なことって絶対にあります。時にはヘトヘトになるまで猛烈に吹き続けることがあることは悪いとは思いません。そうした練習では集中力と精神力が鍛えられますからね。実際、室内楽の練習などで、曲数がとても多かったりすると合わせの時間だけでも何時間もかかってしまうこともあります。
しかし、上達することに焦点を当てれば、練習は質の高いものを短時間でこなす習慣を身につけたほうが良いことが沢山あります。簡単に言えば、苦手なフレーズを1万回練習して吹けるようになるより、なぜできないのか、苦手な箇所はどこなのか、何を克服したらできるようになるのか、など、頭を使った効率の良い練習を行ったほうが反復練習の回数は圧倒的に少なく、そして最も重要なことが、そうした頭を使った練習で得た技術は応用が効く(他の似たような場面、パッセージでも使える)のです。1万回練習して得たものは、そのフレーズ、その指回しに対してできるようになっただけで、単なるインプットになってしまい、応用が効きにくいのです。


《連日の練習》
練習は量よりも質、ということは理解して頂けたかと思います。
では、質が高ければ3日にいっぺん練習すれば良いか、というとそれは違うんですね。

先程の「質」というのは、あくまでも「できなかったことをできるようにする」練習目的にのみ関係してくることであって、「実力を維持する」という点では効果があまりないのです。

トランペットは「バランス」「感覚」にとても敏感な楽器です。ちょっとしたバランスのズレや感覚の違いで音色や吹き加減、コントロールが大きく変化してしまいます。これらのバランスは精神面でも大きく変化はするのですが、やはり筋力や舌の位置など、全体的なバランスを感覚的に記憶し続けることはとても大切なことです。
数日楽器を吹かないで、マウスピースを口に当てると違和感を覚えませんか?なんだか自分の口じゃないみたいな、前どうやって当てていたのか覚えてない、といった違和感を。

こうなってしまうと、感覚を取り戻すのに少し時間がかかってしまいます。しかもこの時に無理矢理吹いてしまうと、今までと違う場所や力加減でインプットし始めてしまい、自分がどうやって吹いていたのかどんどんわからなくなってしまう悪循環に陥る可能性があります。最悪、調子が戻らず、無理しすぎて潰れにつながってしまうかもしれませんので、注意が必要です。

ですから、練習は毎日行うことが大切です。効率的に短時間(30分でも)で行えれば、物理的にも可能な人は結構いるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。


《毎日練習していると調子が悪くなる》
コメントに頂いた「毎日練習していると調子が悪くなる」という点について、これはいくつかの可能性があります。

ひとつは「毎日練習していることで、とっても調子が良かった日を経験する確率も上がり、そうでない日も増えているから」
コンディションは毎日違います。絶好調!という日を経験してしまうと、どうしても毎日そうでありたいと強く願い、そのイメージを持ち続けます。これはとても良いことなのですが、比較対象がとても高いところにあるので、ノーマルな日や、調子が悪い日が、更にヘタクソに感じてしまいやすいんですね。これはある意味しかたのないことなのですが。

もうひとつは「ウォームアップの実践、もしくは質、量の問題」です。
ウォームアップがトランペットを吹く前に絶対必要で重要なことだ、というのはこのブログでも幾度となく書いてきました。ウォームアップをせずにベストなコンディションで演奏できるわけがないのです。
コメントを頂いた まこ♪ さんのウォームアップの内容や実践の仕方を知らないので何とも言えませんが、これが原因で調子にムラができているのかもしれませんね。

そして、「人間だもの、しかたがない」ということも書いておきます。
人間はどんなに体調に気を配っていても病気になる時はなってしまいます。体調って安定しないのが普通なんですよね。それに、心の調子だって一定ではありませんよね。嬉しいこともあれば悲しいこともあります。気持ちの浮き沈みがあるのは人間だからこそ。その差がトランペットに現れるのだって、当たり前のことですから、それも受け入れてあげることが大切かもしれません。
かと言って、本番に調子が悪いから、緊張しているからという理由でベストな演奏ができないのは悲しすぎますから、そこは「実力の平均値をできるだけアップさせる」ための練習を常に怠らない、ということが大切です。
プロでも本番で100点を付けられるような演奏ができる時って、(自己採点ですから何とも言えませんが)ほぼ皆無です。少なくとも僕は自分に厳しく評価したがる傾向があるのでなおさらなんですが、だからこそ、70点くらいの演奏でも、評価をしっかり頂けるように平均レベルを高くするという考え方で日々練習をしています。


《休みも大切》
毎日練習する、という表現が強制のように感じられてしまっていたら、と思ったので書いておきますが、適当に練習できる時に沢山練習するよりもレベルアップするよ、と言うことなのでお間違いなく。トランペットを吹くことが趣味の方は仕事や勉強が優先になることは当たり前です。忙しい合間を縫ってトランペットを吹いているわけでなのですから、まずは楽しんで下さい。

また、毎日練習できる環境にある方(部活や音大生など)でも、上手に休憩や休暇を作るようにしましょう。一日も休みなく体を使い続けることは、トランペットに限らず、体に悪いことです。必ず定期的な休みを自分から作る努力をすることも忘れないようにしましょう。

ということで、今回はここまで。
来週は、他の方から頂いたコメントのお返事を書く予定です。
それではまた来週!

当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。

at 07:51, 荻原明(おぎわらあきら), 練習に対する考え方

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頬が膨らむ 2








みなさんこんにちは!
今回もこちらの記事に頂いたコメントのお返事をしたいと思います(現在は質問を受け付けておりません)。


前回からのご質問はこちらです。

======================================
私は昔からのくせで左頬が少し膨らんでしまいます。治そうとおもって口を膨らまさないようにすると音がきたなくなってしまい困っています。
(中略)
この間、ある先生に「頬が膨らむのなおしたほうがいんじゃない?」と言われました。なおそうとすると音がきたなくなってしまうし、でも将来は音大に進みたいと考えているのでこのまま頬を膨らませて演奏しているといけないんじゃないか、と思っています。どうしたらいいんでしょうか!
======================================


頬が膨らむ2のコピー.png

先週の記事では、「片方の頬が膨らむ原因」について詳しく書きましたので、今回は次の「直そうとすると音色が悪くなる」原因を考えてみましょう。


《音色を作っている場所はどこか》
まずは音色というものがどこで作られているのか考えてみましょう。もちろん、楽器の質やマウスピースもそれが決まるひとつの要素です。骨格や息の入れ方もそうですし、言ってしまえば吹いている部屋、環境、温度湿度など、本当に様々なことでその時の音色が決まります。ただ、少なからずそれらの中には「耳に聴こえてくる音」が変化しているにすぎないもの(自分の音色そのものが変わったのではなく、環境によって変えられたもの)も含まれますので注意して下さい。
話がそれてしまいましたが、音色が決定される一番重要なパーツは「唇」であり「唇の状態(コンディション)」です。サックスやクラリネットなどの木管楽器で言えば私たちの唇という部分はリードということになります。このリードはお店に行くと様々な硬さに分けられ、さらに奏者は好みの硬さの中から厳選した質の良い(使える)リードを選別することになります。

しかし、トランペットはそうはいきませんね。自分の唇はひとつしかありませんから、自己責任で管理し、質を良くしていく必要があります(傷を付けたり荒れてしまわないようにケアすることは言うまでもありません)。そして、上質な唇を使って、良いサウンドを作るための吹き方をしなければならないのです。こうやって書くとなんだかとても難しいことのように感じますが、ほとんどの場合、もともと持っている唇が悪いという方はとても少ないのです。それなのに音色に納得ができない人が多いのは、「無意識に悪い音を出す方法で楽器を吹いてしまっているから」なんです。


《唇の振動が発生する仕組み》
僕が初めてトランペットを手にした中学生の時、金管楽器を吹くためにはどうすればいいのか、という説明を先輩から教わりました。どう教わったか、と言うと、

「唇をビービーふるわせることができれば、トランペットからも音が出せる」

ということ。
要するに唇を「自力で(自分の筋力で)」振動させ、それをマウスピースの中でもすればいい、ということだったのですが、こう教わった方って、とても多いのではないでしょうか。
ですから、トランペットを担当すると決まってからしばらくは、マウスピースすら与えられず「指でVサインを作り、それを唇の中央に当てて、ビービー音が出せるようになったらマウスピースを吹かせてあげる」という条件を出されたり「唇を強く引っ張り、食いしばることができなければトランペットを吹いていてもすぐにバテてしまう」ということで、アンブシュアのような形を作り、唇の筋力だけでエンピツをくわえ続けるトレーニングをしたものです。まあ、25年も前の話ですし、今は音大生やプロ奏者が沢山指導に来てくれる時代なので、ここまで嘘の情報が蔓延しているとは思えませんが、でもやはり正しい仕組みを理解している人は結構少ないように感じます。

どういうことかと言うと、トランペットを吹くための唇の振動は、正しくは「楽器とマウスピースがあって、初めて振動が開始する」のであって、振動させられる状態を自力でまず作る、ということは必要ないのです。マウスピースに上下の唇がバランス良く触れ、その間にバランス良いアパチュアが存在し、それらのバランスに合ったバランスの良い息のスピードや量が流れることで、唇の振動が自然に発生するのです。
ですから、唇の周りに過剰に力を込める必要などなく、アンブシュアというものは「バランス」を良くすることのみが求められているだけにすぎないのです。もちろん完全に力を抜いてしまっては上下の唇がバランス良く「保ち続ける」ことができませんが、それは本当にたいした筋力ではありません(振動させるだけならば)。


《音色が悪くなる原因》
トランペットから音を出している時、指先などでほんの少し唇周辺のどこかを軽く押してみて下さい。もうそれだけで途端に詰まった音が出たり、鳴らない音に変化したり、とりあえず悪い方向に変化しませんか?
トランペットの音色というのは非常に繊細なバランスによって成り立っていることがわかると思います。ですから、口周辺に自分の意思で(無意識だったとしても)必要のない力を込める行為は、それだけで充分音色を悪くしているのです。
先程書いたように、トランペットから音を出すにあたって、無駄に力を込める必要はないのですが、音の出る正しいシステムそのものを勘違いしていては、いつまでたっても音色も改善することはできません。

質問にあった「昔からのくせで左頬が少し膨らんでしまいます。治そうとおもって口を膨らまさないようにすると音がきたなくなってしまい困っています。」というのも、頬を膨らまさないようにしようと口周辺の力の込め具合を意図的に変えてしまっていると思われますから、音色が悪くなってしまうのはある意味当たり前のことだと言えます。
もし質問を書いていただいた まこ♪ さんの片頬が膨らんでしまうことが、演奏面で問題ないのだとしたら(実際に見てみないと言い切ることができませので、あくまでも仮説です)、見た目が一般的でないことだけで無理に直す必要はないと思われます。このような「その人にとってのみ、必要である条件」というのは結構あるんです(何度も言うように、頬が膨らむことが必要かどうかは見てみないとわかりませんが)。

演奏上のコントロールが問題なくできて、音色も良いのでしたら特に気にしない、というのがひとまず結論です。

それではまた来週!

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at 11:00, 荻原明(おぎわらあきら), アンブシュア

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