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どこまで妥協するか。








みなさんこんにちは!大晦日だろうが何だろうが毎週火曜日は「ラッパの吹き方」更新日ですよー!誰か見てるのかなこんな日に。

先週はなんとなく雑談をしてしまいましたが、今日は少しちゃんと書こうかと思います。


《練習ができない》
この時期、アンコンに出場する方は学校などを開放してもらって練習をされているかもしれませんが、ほとんどの場合、練習場所を確保することすら難しいのが年末年始ですよね。まあ、最近ではカラオケボックスでも楽器練習OKというか推奨しているお店も結構増えてきてるみたいですが。
それでなくとも親戚が来たり、帰省したり、大掃除やら買い物やら、とにかく何かと忙しいですよね。
どうしても楽器練習は二の次になってしまうのもしかたがないでしょう。

僕自身も実家に住んでいた頃、特に高校生の時はそうでした。とにかく家の中が慌ただしいし、いつも練習していた学校はもちろん使えないし、練習場所がない。
でも、場所がないからといって、まあ練習しなくてもいいかな、とは音大受験生としては到底考えられませんでした。その後、音大生になってもそれは変わらず(僕の出身の音大は日曜祝日や年末年始など長期休暇の時は大学に入れなかったんです)、練習できないという焦りやストレスは半端なかったですね。受験生の頃は「ほかの人は、今もきっと猛練習をしているに違いない」と思い、音大生の頃は「同期の人はこの瞬間にもテクニックを身につけているに違いない。」などと焦っていました。実際はどうだったかわかりませんが、そんな妄想は限りなく広がり、ただただ精神を押しつぶしていたんです。
毎日当たり前のようにコンスタントにしていた練習ができない、というのは不安でしかたありませんでした。今でも練習をするとかラッパを吹くとかが、すでに生活の一部になっているので、吹かないということがイレギュラーなんですよね。

みなさんはどうですか?とても活発な部活動に所属している方は、部活がない日なんてほとんどないかもしれません。それでもテスト期間はきっと部活はできないでしょう。その時期にはやはり焦りやストレスなどを感じますか?
また、社会人の方などは毎日楽器に触れることすら難しという方が大半なのではないかと思います。そういった方の場合は、むしろ週末に楽器が吹けることがストレス発散になっているかもしれませんね。


《妥協?切り替え?》
非常に個人的なことなのですが、今月のアタマに完全に遊びで沖縄に旅行に行ってきました。これまで旅行というのは出不精なのもあるのですがそれ以上に、旅行中にラッパの練習ができない!という気持ちが先立って、なかなか重い腰があがらず、結局演奏旅行など、仕事の旅行くらいしか行ったことがなかったんです。
今回の沖縄旅行もやはり少なからずそういった気持ちはあったので、意味があるのかないのかわかりませんがマウスピースだけ持参していきました。ホテルで毎朝出かける準備が整ったら5分くらいブーブー吹いてみたのですが、実際それしか使いませんでした。

というか、この旅行に行く前に心に決めていたんです

「2,3日くらい吹かなくたって変わりゃしないだろう」

と言い聞かせようと。旅行を楽しもう。ラッパのことはとりあえず忘れよう。という感じで、切り替えられる人間になろうと。
音大受験を決めた高校一年から今まで22年、ラッパを吹かないとか、仕事(音楽に関わること)を考えないという日はまずなくて、休日があってもその時間でこのブログを書いてみたり、溜まっている楽譜の編曲やらを進めてみたりと結局仕事をしていたんですね。だから心から休んでいた日なんて一日もありませんでした。でもこれって能率が悪くなるんじゃないか、切り替えができたほうが精神的にも良いんじゃかいかと考えて、この沖縄旅行を良いきっかけにしようと思ったんです。

これって妥協なのかな?やっぱり「怠けなんじゃないかな?」という気持ちは行くまではかなり強かったですね。


《今できることをすればいい》
でも旅行中はもう仕事のこと、ラッパを吹くことはできるだけ考えないようしにて、結局持っていったマウスピースもほとんど使わず、、、というか切り替えができたみたいで「大丈夫。東京戻ったらそのぶん練習すればいいや」と、かなり気楽に構えることができたんです。
そうした結果、旅行中はとても楽しく過ごすことができましたし、帰ってきてからのコンディションも大して悪くなかったんですよね。数日で取り戻せた感じです。帰ってから結構すぐ本番があったのですがそれも問題ありませんでした。

なんか、今更ですが少し音楽に向き合うという姿勢、精神面で成長できたような気がします。

練習しなきゃ練習しなきゃと焦ってばかりいても仕方がないんですよね。
練習できる時にしっかりやって、物理的に無理な時はあきらめる、、、というか今できる他のことをしようと前向きな姿勢になっていたほうがいろいろと捗るな、と。

もちろんこれは、本番がものすごく直前にあるとか、そういう時は別問題です。何を今優先すべきか、を判断して、切り替え、切り捨てができるようになることが良いんだな、ということを学んだというだけですからね。だから他のことを切り捨ててでも今はラッパの練習を最優先に考える、という選択肢があることだって沢山出てくることでしょう。


個人的なお話で申し訳ないのですが、この時期は何かとイレギュラーなことが続きます。いつも通りできないと不安やストレスを感じやすい方は、できる範囲でも切り替え、切り捨てをやってみてはいかがでしょうか。気持ちに余裕が生まれている時のほうが結果として良い方向にいくんだな、と思いました。

ということで、今年も「ラッパの吹き方」におつきあい頂き、本当にありがとうございました!
とても多くの方に毎日読んでいただけて嬉しい限りです。
来年も引き続きネタがなくなるまでは書いていくつもりですし、あまりに多くなった記事たちを掘り起こす作業もしていければな、と考えています。また、来年中には少し大きなお知らせもできるかと思いますので、ぜひご覧いただければ幸いです。

それでは、来年も皆さんにとって楽しく嬉しいことが沢山起こる一年になることをお祈りして、

良いお年を!

また来週です!


当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。

at 11:36, 荻原明(おぎわらあきら), 練習に対する考え方

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合奏練習時のマナー【補足】








みなさんこんにちは!
今から2年ほど前に「合奏練習時のマナー」というタイトルで記事を書いたことがありました。
その時は、指揮者(指導者)と奏者は合奏練習の時、どんな関係でどういった姿勢でいることがが良いのか、という点についていろいろ書いています。だいぶ月日が経過しましたが、今回もこの内容で進めていこうと思いますが、今回の記事は、合奏練習時の「奏者どうしの関係」についてがメインです。


《アイコンタクトとチラ見》
歩いていても授業中でもどんな時でもそうですが、わざわざ振り返ってチラっと見られるのって「え?なに?俺、何かした?」と不安になりますよね。音で会話をしている音楽、特に合奏時には、基本的に言葉でのやりとりはありません。ですから、日常生活をしている時とは五感の使い方が少し違います。特に聴覚と視覚がメインになり、大きいので、目で何かを感じると、それが自信や勇気になることもしばしばあります。もちろん奏者のその時のモチベーションなどにも左右されますがその逆もありますね。

「さあここからラッパのソロだ。頑張って良い演奏するぞ」という前向きなスタンスで指揮者と目が合うと、より一層の自信につながることがあります。一方、自信がない場所を吹いていて指揮者と目が合うと、何も言われていないのに「うわぁ、怒られるかなぁ、今の音、悪かったかなぁ。ピッチ悪いかなあ。。。」と何もそんなこと思われていなかったとしても、萎縮してしまうってこともありますね。

目が合うだけでこの威力なのですから、みんなで前を向いて座っている奏者がわざわざ振り返って目が合ったら(目が合わなくても振り返るという行為だけでも)そうとう意味深に感じてしまうのはあたりまえのことです。
そもそも、オーケストラや吹奏楽では、ひとつの音楽をみんなで作り上げていくものなのですから、必要のない(邪魔をしてしまうような)動きをするのは落ち着きがなく、集中できていない証拠です。
演奏中は(自分が演奏していない時、出番ではない時も)耳を最大限に使い、集中してひとつの音楽を作り上げているんだ、という意識を常に持っているようにしましょう。


《アドバイスは余計なお世話?》
吹奏楽などをしている皆さんは「アドバイス」をどう受け止めていますか?特に後輩の立場だと、いろいろな角度からアドバイスをされるかと思います。自分で気づかなかった悪いクセや、実際どう聴こえているのか、どうしたらもっと良くなるのか、などの指摘をされて、とても参考になったことがあるはずですが、一方、理解しにくい内容の指摘(要点がわからない指摘)や、理不尽な注文、自分の今のレベルでは到底できないような指摘をされて困ったこともあるかもしれません。
変な話ではありますが、信頼している先輩からの指摘は素直に受け入れられても、あまり好きではない先輩からの指摘はとても不愉快に感じてしまうこともありますよね。人間だもの。

アドバイスをする側もされる側も、とっても難しいものです。同じ内容でも講師や指揮者からのものならば受け止める(受け止めざるを得ない)はずなのですが。。。

僕自身の体験ですが、年上の方と一緒に演奏をしていた時、合奏練習でひとフレーズ吹き終わって楽器をおろすたびに「そこはもっとこう演奏しなきゃ」と毎回言われることがありました。何か言わないと気が済まないようで、「今のは良いよ」とかでも言うんです。きっと指揮者からしてみれば「うるさい(私語の多い)トランペットだな」と思われていたはずです。特に何も言われませんでしたが。この方、まさかとは思ったんですが、本番中でも言ってきてたんですよね「ちょっと音低くない?」とか「アタックはもっと強めで」とか。本番中ですよ。さすがにこれはないわ、と思いました。

で、こういうマシンガンアドバイスをした結果、良い演奏になったかというと、想像できると思いますが真逆です。
もう、音楽をすることなんて到底できず、毎回何かしら言われることのストレスと集中力の欠如から、もう音を出すことが怖くてしかたがなくなりました。次は何を言われるんだ、自分のピッチは正しいのか?という強迫観念に囚われ、ラッパからかろうじて音を出せるだけのポンコツロボットみたいな状態になってしまいました。

アドバイスをすることが悪いのではなく、その仕方やタイミング、そして量を考えないと、アドバイスも逆効果になってしまうということを先輩方はぜひ覚えておいて下さい。僕の体験談のようになってしまうと、後輩が怖がって近づかなくなってしまうかもしれません。


《アドバイスは技術的なことより精神的なことを》
本来は親切心や一緒に高まっていこうとする気持ちの表れであるアドバイスですが、薬と一緒で用法と容量を間違うと悪い結果になってしまう難しいものです。でも、何も言わないというのもそれはそれで寂しいですよね。
では、どんな時にどんな形でアドバイスをすれば良いのか、考えてみましょう。

前回の記事にも書きましたが、とにかく「客観的」に考えてると見えてくるものって結構あります。この場合も、アドバイスを「受ける側」になって考えてみれば自分がすべき行動が見えてくるはずです。

例えば、本番直前の舞台袖で「ねえ、冒頭の部分の音ってさ、ピッチ悪くない?」なんて言われてみて下さい。もう、気になっちゃって吹けませんよね。先程の曲中で何かアドバイスをされるのも、音楽や演奏に集中できません。

では、どんな時にどんなことを言われたら「参考になった」「ためになった」「勇気づけられた」となるでしょうか。
自分だったら、休憩中とか、練習が終わった後とか、そういった少し緊張の糸が緩んでいる時に言われたいです(受け入れる余裕がある時とも言えます)。これは人それぞれですから何とも言えませんが、みなさんはどうでしょうか。
そして、その時にどんなことを言われると受け入れることができますか?

先程も書きましたが、講師や指揮者から音楽的、技術的なことを言われるのはあまり抵抗がないはずです。それは、そういう立場の人だからですよね。音楽を教えてくれる人だから、何も違和感がないのです。でも、先輩であったとしても、ほぼ同じ目線で一緒に演奏をする仲間という見方を少なからずしてしまう人から、あまりに技術的、音楽的な指摘をされてもなかなか受け入れることができないのではないか、と思うんです。もちろん、アドバイスをする側も受ける側も、それぞれの立場やキャラクター、人格、立場、仲の良さ、信頼感など様々な要素がありますから一概には言えません。しかし、やはり気をつけなければならないことではあると思いますので、ぜひ先輩の方は「内容」「言い方」「タイミング」「言う量」などを考えて接していけると良いと思います。

そして一番大切なのは「アドバイスをすることで一緒に高まっていける」ということを忘れないようにして下さい。そのためには、あまり音楽的、技術的なことを言うよりも気持ちに直接訴えかけ、勇気になる言葉を投げかけてあげると良いのではないかと思うんです。ちょっとしたことですが「頑張ろう」とか「良い音出てるね」とか。否定よりも高められる言葉が良いですね。
ピッチが悪くてどうしようもない後輩には「ピッチ悪いから直して!」と言うよりも「トランペットの音をひとつにまとめていこうね」と言ってみるほうが(理解してもらえるかわかりませんが)悪い空気になることもないでしょう。


《アドバイスを受けたら》
これまではアドバイスをする側の話でしたが、ではアドバイスをされた時はどうしたら良いでしょうか。
最初から「お前に言われたくない」というスタンスでいたらそれは良くありませんね。「この人は、今よりも良い方向に行けるようにアドバイスをしてくれているんだ」という気持ちを持って下さい。ですから、前回の記事のように「ちゃんとやってますけど?」というのもNGです。
少し内容が違うかもしれませんが、過去の記事で「複数の指導者に教わる、ということ」というものを書いています。みんな良い演奏、良い音楽をしたいと思っているからアドバイスをしているのであって、崩壊させたり悪い結果を招くためにしていることではないのですから、それを持ってさえいればとりあえずは「うるさい黙れ」なんてことは思うはずありませんよね。
アドバイスをされたら、それが真理に迫っているか、納得できるかどうかは別として、自分のためを思って言ってくれているんだという気持ちを持って感謝しましょう。納得できることなら心から納得し、勇気づけられることであれば心から感謝し、そうでなければ参考程度に思っておけばいいのです。


《音楽でなくとも同じ》
結局のところ「人にされてイヤなことは自分もしない」ということです。
音楽性どうこうより前に人間性を高めていきたいものです。もちろん僕自身もそうです。まだまだ未熟者です。

そして、これも何度も言っていますが、音楽を一緒に演奏している人が例え先輩であろうが後輩であろうが、プロであろうが「一緒に音楽をしている仲間」であることに変わりありません。お客さんからしてみればその人たちの人間関係や立場なんてまったく関係がないのです。ただ純粋に良い音楽を聴きたいんです。ですから先輩だから偉いとか、後輩だから主張してはいけないとか、そんなものはまったくありません。部活動だとこれがどうしても日常身に付いてしまっていることなのでステージ上でも出してしまいがちですので気をつけましょう。

それでは、また来週!

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at 10:15, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

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音楽は結果が全て?








みなさんこんにちは!

今回は「客観的」というキーワードに沿って書いていこうと思います。


《レッスンでのこと》

〜スラーをレッスンで演奏している時のこと〜

オギ「じゃあ、このスラーのところ吹いてみようか」
 生徒さん演奏
オギ「ここはスラーがついているから、タンギングしないで吹いてみて」
生徒さん「...スラーで吹いてますよ?」

こういうやり取り、とても多いんです。
みなさんもレッスンとか、パート練習とか合奏とかで(荻原側の経験でも生徒さん側の経験でも)同じような経験をしたことがありますか?ちゃんとやってるのに「やってない」と言われたり、指摘したら反論されて困ったとか。
実は僕がレッスンを受ける立場だった時、口には出しませんでした(出せませんでした)が、しょっちゅう同じことを思っていました。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

その理由は「客観的に聴いているか」「主観的に聴いているか」、この違いです。


《結果がすべての音楽》



(こんな見出しにしたら「前回の記事と矛盾しているじゃないか!」と叱られそうですが、前回の記事では「一緒に演奏する仲間に対してどんな気持ちで接するか」というテーマでした。今回の記事では「自分の演奏がお客さんにどう評価されるのか」という点について着目しているので矛盾ではないということをご理解下さいませ。)

ものすごい荒っぽいことを書いてしまうと、「音楽は結果がすべて」です。例えば、ものすごい頑張って練習をしてバッチリ準備できていたとしても、本番ミスしたら「ミスをした人」ということになりますし、逆に全く練習しなかったけど本番でバッチリ吹けたら「バッチリ吹ける人」という見方をされるんです。もちろん、毎日練習を頑張ってしていたんだ、ということを知っている先生や友達、家族などのいわゆる「身内」はその本番までの「過程」を知っているので評価が変わる人もいると思いますが、本番の時、客席にいる人たちがみんな身内である、ということは少ないと思います。仮にそういう身内だらけの本番だったとしてもやはり身内の評価というのはとても「甘い」ものなので、それを「お客さんの声」「自分の実力」として自己評価してはいけないと思うのです。

厳しいことを書いてしまってごめんなさい。でも本当の意味での良い演奏をするためには、こういった意識を常に持っていることがとても重要になってくるので敢て書いています。

これらのことを踏まえた上で先程の僕のレッスンのやり取りに戻りますが、生徒さんが「スラーをつけて吹いている」といくら言っていても、僕自身が(いじわるではなく本当にそう聴こえたから)「スラーになっていないよ」と指摘をしたのは、申し訳ないのですが生徒さんが間違っているんですね。正直に言えば、その生徒さんがスラーで吹こうとしていたことだって、甘く聴いていればスラーにだって聴こえてはいます。でも、そんな甘い評価をしてしまって「ああ、スラーはこうやって吹けば良いんだ」と納得してしまって誰が幸せなのでしょうか。ですから、自分がどんなに納得して吹いていても、それが相手(この場合はレッスンをしている先生)に伝わっていなければ意味がない、ということを理解してもらうためにも、言うならば「100人のお客さんが100人ともそう思える演奏」を目指してほしいんです。


ではどうすればいいのか。ここで「客観的」という言葉がポイントになります。


《客観的な自分》
僕はレッスンでよく「もうひとりの自分が目の前でお客さんとして聴いているとイメージして演奏して」と言います。生徒さんが演奏した後に「今の演奏、もうひとりの自分が客席から聴いていたらどう思ったかな?」と尋ねることもあります。先生として「それは違う」とか「もっとこうして」という言葉をいきなり投げるのではなく、まずは自分自身で評価をしてみて欲しいんですね。

個人練習をしている時、完全にひとりで吹いているんだ、というスタンスだとなかなか捗らないことってありませんか?何となく集中力がなくなったり、逆に集中しすぎて「のめり込んで」しまったり。こういう状態というのは非常に「主観的」になっている時なんです。言葉を変えれば「自分勝手」な状態と言えるでしょうか。その音色、その演奏を他の人が聴いてどう感じるか、ということが冷静にイメージできていないと、どう演奏していいのかわからなくなったり、陶酔しすぎて自己満足になってしまうなど、良い練習にならないんです。

ですから、どんな時でも(ひとりでウォームアップをしている時でも)「もうひとりの自分が常に客席から聴いている」ように意識できると客観的に聴くことができると思います。今自分というプレイヤーがステージで演奏したそれは、客という立場からしたらどう感じるか、納得して「良い」と思えるか、もしくはもっと何かを要求したくなるか。そういったことを常に振り返られるように構えておくことが大切です。


《レッスンでの教える側として》
レッスンの時、生徒さんにはあまり言葉ではなくて実際の演奏で理解してもらいたい、という気持ちがあります。というか、演奏したほうが確実に伝わるし、早いんですよね。ただ、僕が「こういう吹き方してほしい」といくら思っていても、それが生徒さんに伝わらないような吹き方や誤解を招く演奏をしていてはレッスンになりません。ですから、「こういうことが言いたい!わかって!」という「念」のようなものをかなり使って伝えようとしている自分がいます。それくらいしないと生徒さんにはきちんと伝わりません。レッスンだけでなくコンサートでもこれは同じです。

音楽というのは楽譜に書かれていることをきちんと再現することだけではありません。作曲家がどんなイメージでこの曲を書いたのか、自分はこの作品にどんなイメージを持っているのか、自分はこの作品を通してお客さんに何を伝えたいのか、どんな気持ちになって欲しいのか。そういった「心」を表す行為が音楽であり、芸術です。上手な演奏をすることが目標ではなく、聴く人の心に何かを残せるかが目標でなければなりません。そのために個人練習の時も、レッスンの時も(ある意味レッスンは本番です)、パート練習でも合奏でもどんな時にも客観的に自分の演奏を評価し、良いことは良いと、良くなかった点は具体的にどう良くなかったのか、どうすれば良くなるのかを自分に問いかけて下さい。そういった緊張感のある練習をしていると、本番でも必ず良い影響が表れるはずです。

ということで、説教臭くてごめんなさい。
また来週!

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at 09:35, 荻原明(おぎわらあきら), 音楽に対する考え方

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