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吹奏楽コンクール課題曲2013トランペット解説【4.エンターテインメント・マーチ/川北栄樹】その1












>>課題曲解説についての進め方や曲を吹く前など個人練習でしておきたいことをまとめた記事【はじめに/最初にすべきこと】をお読みでない方はこちらからどうぞ。



みなさんこんにちは!
只今吹奏楽コンクール課題曲のトランペットパート解説を行っております。前回は課題曲1「勇者のマズルカ」について書きました。今回からは課題曲4「エンターテインメント・マーチ」を解説していきます。
※それぞれの課題曲解説を始める前に書いた【はじめに/最初にすべきこと】の記事にもあるように、課題曲は1から順番には行っておりません。ご了承下さい。


《スタンダードな作風》
作曲者の川北氏も作品に寄せて「若干イレギュラーなことはやっているかもしれませんがスタイルはマーチのつもりです」とおっしゃっているように、変拍子はあるにしても作風は至ってスタンダードなものになっていると感じます。とくにハーモニーの使い方やオーケストレーションがとてもシンプルです。

とは言うものの、この作品を初めて聴いた時、一度しか出てこないメロディやフレーズ、オブリガード(副旋律)が沢山あってメロディがどんどん変わっていくような印象を持ちました。スコアを見ると実際のところは同じメロディを使っているところがいくつもあるんですが...多分主旋律ではなくて他のスパイス的に使っているホルンやトロンボーンなどの動きがそう感じさせているのかもしれません。練習番号Bのトランペットとトロンボーンのバッキングなども同じですね。これも他の場面には出てきません(なんでだろう?)。
また、ブリッジという場面を切り替える時に用いる「つなぎ」が非常に多いことも作品がどんどん変化していくように感じる理由かもしれません(38小節目〜、練習番号F2小節前、練習番号H、78小節目、練習番号K2小節前)。

良く言えば変化に富んだ作品ですが、言葉を変えれば気まぐれで支離滅裂とも言えるでしょうか(偉そうなこと言ってごめんなさい)。こうなると、どんな印象を聴く人に持たせられるかは作品を作っていく演奏者と指揮者にかかっているでしょう。
そういった点では、楽譜は簡単だけれども、魅力的に完成させるのは難しい作品です。

譜面を軽く見て「お、これならできるんじゃね?」と、この作品を選択したバンドは、合奏を進めていく段階になって悩まないように気をつけて下さいね(特に指揮者さん!)。


こういった作品や、コラールのようにゆったりとハーモニーを楽しむ作品を演奏する時、もらったパート譜が見た目にとても簡単だからと、個人練習の時に飽きてしまう場合があります。そういった方は「練習=フィンガリングなどのテクニックを磨くため」というスタンスで構えている場合が多いです。では実際には個人練習とはどんなものなのか、過去に記事を書いているのでぜひ読んでみて下さい。

練習に飽きる(前編)
練習に飽きる(後編)


《ユニゾンとオクターブ多用のオーケストレーション》
この作品はオプションパートが存在している小編成に対応した作品です。
こういった作品の場合、同じ動きをしているパートが沢山あるのが特徴ではあるのですが、それにしてもこの「エンターテインメント・マーチ」の場合、ユニゾンやオクターブがあまりにも多いです(意図的とは思いますがトランペットの3パートがユニゾンで完全に同じ動きをしている部分もあります。かなり思い切ったオーケストレーションだと思いましたが、これについて詳しくは次回のブログで解説します)。

様々な楽器や同じパート内でのユニゾン(音程で言えば完全1度)、オクターブ(完全8度)で動くメロディが沢山ある場合、もしピッチが悪いと顕著に雑さが出てしまいます。
ピッチが合っていないと音同士がうねったりぶつかり合ったりするのですが、音楽に詳しくない人が聴いてもユニゾン、オクターブの場合は露骨に「なんか聴きづらい、音が合ってない」と感じさせてしまいます。この点は特に気を配りましょう。

ですので、この作品を選択したバンドは、曲作りに加えてピッチの安定にも非常に力を入れなければならないと思います。

ピッチを安定させるためには、各奏者がチューナーとにらめっこをして練習し続けたり、ハーモニーディレクターでひとつひとつの音を確認しながら合奏をしたり、、、なんてことを真っ先に思い浮かべるかもしれませんが、それはまったく意味のない行為ですし、ヘタをすると逆効果になってしまいます。

なぜかと言うと、ピッチを安定させる(安定したピッチだと聴く人に感じてもらう)ためにはチューナーの示す数値が合っているという事実以外に「息のスピード」「音色」「タイミング(テンポ感)」「音のベクトルの統一」という要素が必要になるからです。
また、合奏やアンサンブルの時だけでなく、トランペットをひとりで演奏する時にも「チューナーが示しているピッチが±0」であっても、強引に合わせた時(アンブシュア操作などでのずり上げ、ずり下げた時)のサウンドというのは曇っていて鳴らない音である場合があります。

こうならないためには発想を逆転させて「楽器が鳴っている時はピッチが安定する」と考えてみて下さい。

これらの内容について詳しくは過去の記事
チューニング1
チューニング2
チューナーとピッチ、音程1
チューナーとピッチ、音程2

ベクトル

を読んでみて下さい。


《フルスコアを使う》
先程も書いたようにこの作品では、トランペットパート内だけでなく、様々な楽器とユニゾン、オクターブで動いていることがあります。
では、どの箇所がどの楽器と同じ動きをしているのかを知るために、ぜひフルスコアを見て理解するようにしましょう。

この作品に限らず、フルスコアを読むという行為はとても勉強になりますし、作品の全体像を把握・理解するためにも必要なことです。
できれば個人個人、もしくはパート内で一冊持っていると重宝すると思います(1000円で5曲セットのフルスコアが吹連から買えます)。

そして、同じ動きをしているパートと一緒に練習をして下さい。パート練習やセクション練習というとどうしてもいつも同じメンバーで行うことが多いのですが、様々なパートと合同で練習したり、各パートのトップ奏者だけ集合してテンポ感の統一や作品についてのイメージを固めたりする時間を設け、ステップアップを図って下さい。やったことがないバンドはぜひ実践してみて下さい。この点に関しては次回の記事でも書いていきます。

関連記事
フルスコアを読もう


《2nd奏者》
先程から書いているように、この作品はユニゾンが多発します。中でも2ndトランペットは1stと同じことを吹いていると思えば、今度は3rdとユニゾンになるなど頭の切替えがとても忙しいパートです。そして3rdと同じ動きをしている時、1stのオクターブ下だったりすることも多いので、ぜひスコアをよく読んでそれぞれの部分がどんな立場にいるのかを把握するようにしましょう。


《バランスの良い編成にする》
この作品を演奏する上でのパート割にも少し気を配ると良いと思います。
スコアを見る限りでは、1stのオクターブ下の音を2nd,3rdがユニゾンで演奏している場合が多いので、例えばフォルテで鳴らした時の音量バランスが

 1st=(2nd+3rd)

になるようメンバーを決められると良いかと思います。それぞれの奏者さんの特徴(サウンド、音量等)を把握し、奏者全員が全パートを譜読みしておいて、一番良いバランスになるように様々な配置で演奏をしてみる、なんてことも面白いかもしれませんね。
「勇者のマズルカ」の記事にも書いたように「年功序列的パート割」ばかりにならないよう注意して下さい。



今回の記事で書いた「ピッチの安定」「楽器をきちんと鳴らす」ということはどうしても文章で解説しきれません。ぜひとも実際のレッスンで楽器がきちんと鳴った時にピッチが安定するのだ、ということを実感して欲しいです。
このブログを書いている荻原は、東京都文京区にある「プレスト音楽教室」というところで講師をしていますので、ぜひお気軽に体験レッスン、吹奏楽特設クラスにいらして下さい。

詳しくは「プレスト音楽教室オフィシャルサイト」をご覧下さい。

プレスト音楽教室トランペットクラスのページはこちら

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プレスト音楽教室へ行くのは距離的に難しい、という場合は学校等へ訪問することも可能です。毎年コンクールシーズンになるといくつかの学校におじゃましています。詳しくはこちらのメールフォームにご連絡下さい



ということで次回も課題曲4「エンターテインメント・マーチ」について書いていきます。
次回は楽譜に沿ったアドバイスをしますので引き続きお読み下さい。

それではまた来週!

当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。

at 07:06, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2013

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吹奏楽コンクール課題曲2013トランペット解説【1.勇者のマズルカ/三澤慶】その2











>>課題曲解説についての進め方や曲を吹く前など個人練習でしておきたいことをまとめた記事【はじめに/最初にすべきこと】をお読みでない方はこちらからどうぞ。


みなさんこんにちは!
前回の記事では「マズルカ」について詳しく書いてみました。世の中にはマズルカというタイトルの作品は沢山ありますし、YouTubeで検索すると、ホームビデオで撮ったローカルな映像もあるのでぜひ沢山観て聴いて研究してみて下さい。

今回は実際の楽譜に沿って解説していこうと思います。


《3drが難しい!》
とりあえずトランペットパート3つとも吹いてみた感想は「3drが難しい」ということ。
何が難しいのかというと、フィンガリングです。

もしあなたの部活でパート分けをする時に年功序列だけで決めているのであれば、少し考えてみたほうがいいかもしれません。
経験年数が長い人が1stを吹くとか、上手い順に1,2,3rdと決めるものと考えていた場合は、ぜひ奏者それぞれの性格やサウンドなどを考えた上でしっかり決めるようにしてみて下さい。
過去にパート決めについての記事を書いていますので詳しくはそちらをお読み下さい。

トランペット内のパート分け


《楽語を理解する》
この作品は最初から最後まで一定のテンポではなく、いくつか変化がおこる場所があります。

ところで、楽譜に書かれている文字=楽語(がくご)はみなさん理解していますか?
特に、テンポに関係している楽語というのは単に「速い」「遅い」ということだけでなく、その言葉の持つ意味が非常に関係してきます。この楽譜は新設に楽語の後ろにカッコでメトロノーム表記もしてくれていますが、メトロノームを使ってカチコチとテンポを確認してはい完了、ということにならないよう注意して下さい。

ここに楽譜にある楽語すべてを解説してしまうと親切すぎて勉強になりませんから冒頭の「Allegro con spiritoso」についてだけ書いてみます。ちなみに楽語のほとんどはイタリア語です。

「Allegro(アッレグロ)」というのは速いテンポの時に使われます(四分音符=およそ120前後〜)。どんな速さかと言うと「快活な」という意味が含まれています。もうちょっと簡単に言うと「元気の良い」「力がみなぎっている」なんて感じでしょうか。解釈の仕方はみなさんでご自由にどうぞ。

「con(コン)」というのは、英語で言う「with」です。conの後に続く言葉にくっついていて「con ◯◯」=「◯◯を持って、◯◯と共に」といった感じになります。

「spiritoso(スピリトーソ)」は「元気に、生き生きと」といった意味です。この言葉が付いていると、テンポが速くなる傾向があります。

したがって、冒頭の「Allegro con spiritoso」は、普通のAllergro以上に元気で精神も体力もみなぎっている、そんなスピード感を持った作品のイメージを楽語だけでも持つことができます。

楽語について詳しくは過去の記事「楽語1」を読んでみて下さい。
また、楽語辞典というのがありますので、もし持っていなければパート内、部活内でもいいのでぜひ一冊買いましょう。


《特徴的なリズム》
「勇者のマズルカ」に出てくる特徴的なリズムと言えば、やはり

付点休符

これですね。
もしかするとあまり出会ったことがないかもしれませんが、

付点音符

これの中が休符になった、と考えればリズムは理解できるはずです。
過去にこのリズムについての演奏方法の解説を書いたことがあるので、詳しくは「付点音符の吹き方」の記事を読んでもらえればと思いますが、この音符が出てきた時「ジャンプをする」というイメージを持っておくことが大切です。

中に休符が入っているからと言って、イメージが「止まる、止める」になってしまうと躍動感が失われてしまいます。
この作品は「マズルカ」です。マズルカはダンスの音楽。特に、ジャンプをするダンスです。

ジャンプをする時、踏切る力が必要です。その力加減によってジャンプ力(滞空時間や跳躍する距離)が変化し、更に着地した衝撃も変わります。
これを過去の記事ではこんな風に書いてみました。

付点解説

このイメージをぜひとも持っていてもらいたいんです。真ん中に休符があってもなくてもこの考え方は同じです。

「勇者のマズルカ」では、とても速いテンポの中にいくつもの連続した付点のリズムが続きます。演奏方法としてはタンギングで完全に音を止めてしまう方法で良いのですが、イメージの中では常に小さなジャンプをしていることが、この作品を活きたものにするはずです(練習番号Bなど)。
また、付点が連続している時にスラーでつながっているところ(練習番号B 9小節目アウフタクトなど)は音をはずしやすく、次の音が鳴らない音になりやすいので、テンポを大幅に落として練習しましょう。その際、こういった場合の演奏は「舌の動きによるリップスラー」を活用するとキレイにできます。

練習方法については過去の記事「ハイノート(ハイトーン)【補足3】」を読んでみて下さい。


《アクセント》
この作品には音符に「sfz(スフォルツァンド)」という記号が沢山付いています。
この記号をどういう意味に捉えますか?「アクセントを付けて」と考えますか?

では、いわゆる「アクセント記号」というのもこの作品には沢山書かれていますがそれはどう考えますか?

練習番号Aの2小節前にはその両方がひとつの音符に書かれています。

どう考えますか?

アクセントというのは単に「タンギングを強くする」という考えでは音楽が活きません。
詳しくは過去の記事「アクセント」を読んでもらえればと思いますが、ひとつ言えることは「この曲はマズルカ=ダンス音楽がベースになっている」という点です。マズルカについて沢山調べて勉強をすれば、いろいろ見えてくることがあるはずです!

マズルカの特徴は、ジャンプをし、足を踏みならす、かけ声がある...そして1拍目(音楽の基本としては強拍の位置)ではない場合にそういった行為が行われている、ということ。これに着目してぜひ動画などを観て下さい。


《その他のアドバイス》
当初、順を追ってこの作品の演奏方法などを書こうと思ったんですが、ここまでで基本はほとんど大丈夫かと思ったので、あとはポイントとなる箇所のアドバイスをどんどん書いていきますね。


[冒頭(全パート)]
このリズムも沢山出てきます。演奏方法としては以下のように考えると良いでしょう。



3連符のうしろ2つは実際の楽譜に何も書いていませんがスタッカートが基本です。タンギングを上手に使って、汚い破裂音にならないフォルテになるよう練習して下さい。また、3rdはいきなりフィンガリングが難しいのでゆっくりから練習しましょう。同じく3rdのH音(ドのシャープ)は普通に吹くとピッチが異常に高くなってしまうので必ずトリガーを使いましょう。
詳しくは過去の記事

トリガーの操作1
トリガーの操作2
トリガーの操作3

また、記事の最初にも書きましたが3rdはとにかくフィンガリングが難しいところがいくつも出てきますので過去の記事「フィンガリング練習」を読んで練習してみて下さい。


[7小節目〜(3rd)]
3rdトランペットは1st,2ndのオクターブ下を吹いていますので、出だしpではありますが、音量バランスとしては結構しっかしとした音で支えるつもりで演奏しましょう。また、3rdはユーフォニアムとのユニゾンですのでそちらにも耳を傾けられると良いと思います。ぜひ一緒に練習してみて下さい。


[21小節目など(全パート)]
この3拍目にある八分音符が先程解説をしたマズルカの特徴的なアクセントのひとつです。作品の中で何度も出てきますので、どういった演奏をすると効果的なのかを研究してみましょう。


[38,39小節目(全パート)]
28小節目最後の音から39小節目1拍目の16分音符4つの音がくっついて5連符にならないように気をつけましょう。小節線を越える時というのは、小節内の拍を移動する時よりも(音楽の意識としての)パワーがいるものです。こういった箇所はこの作品の中で沢山出てきますので、拍感を常にしっかりと持って適当に楽譜を流すことのないようにして下さい。


[40,41小節目(全パート)]
40小節目の2,3拍目の4分音符は次の小節のアタマに向けてパワーが増幅していきます。楽譜には何も書いてありませんが、意識としては40小節目から41小節目に向かってcresc.をしていくつもりで演奏すると音楽が前に向かうと思います。


[58〜60小節目(全パート)]
この部分は1st→3rd→2ndの順に入ってきます。サウンドの質や音量などが統一されたバランスの良い演奏をするよう心がけましょう。特に59小節目の1stと3rdはユニゾンなので3rd奏者は1stがどんな演奏でこの小節に入ってきたのかしっかりと耳を使って下さい。そして付点2分音符(1小節ののばし)の時はどうしても拍感が失われがちになりますので、意識的に拍を持っていられるようにしましょう。そうしないと次に入ってくる2ndとタイミングがずれてしまいます。
こういった時には他の動きのあるパート(ホルン(1,2)やユーフォニアム、木管楽器など)に耳を傾けていられると良いと思います。


[練習番号F(1st,2nd)]
出だしがC音(レ)のユニゾンからスタートです。この音は普通に吹くとピッチが高めですのでトリガーを必ず使うようにして下さい。トリガー操作に慣れていない方は先程リンクを貼りましたのでそちらを読んでみて下さい。


[練習番号F 4小節目(1st)]
練習番号Fからの流れるようなメロディは、4小節目の3拍目でオクターブ下がります。こういったスラーで演奏しているメロディの音程が大きく下がる時、その音だけが聴こえにくくなることがあります。自分ではまっすぐ一定の音量で吹いているつもりでも客席にはちがった印象を与える音の聴こえ方をする状態をこのブログでは「聴衆とのギャップ」と言っています。
この場合ではオクターブ下のF(ソ)を抜くように吹かず、圧力をかけて前に押し出すような強い鳴らし方をするのがベストです(どのくらいの加減で行うのが良いのか、というのは客観的に聴いてくれる人がいることが判断材料になります)。

詳しくは「聴衆とのギャップ」を読んでみて下さい。


[83小節目(1st,3rd)]
2拍目最後から3拍目のこの箇所も5連符になりやすいところです。気をつけましょう。


[練習番号G 1小節前(全パート)]
poco rit.は単に「テンポが遅くなる」と考えず、やはり「マズルカ=ダンス」であるという意識を持って演奏しましょう。時間の経過ではなくてジャンプ力の変化やそういった振り付けなのだ、というイメージがあると自然なrit.の表現ができるかもしれません。
他のいくつかあるrit.も同じように考えてみて下さい。


[練習番号I 1小節前(全パート)]
このフェルマータで次に演奏する練習番号Iと切り替えられる時間になるようにしましょう。「あ〜疲れた。やっと口離せるわ」とか考えている間にフェルマータが終わってしまわないように。


[141小節目(全パート)]
全パートユニゾンからの入りです。タイミングとピッチに注意しましょう。
タイミングは音の出だしを合わせようと思っても合いません。大切なのは同じサウンド、同じ息のスピード感を持った「ブレス」ができているか、ということです。
1st奏者は少しアインザッツ(せーのー、という合図)が出せると安心して演奏できるかもしれません。アインザッツについては過去の記事「室内楽(アンサンブル)4」を読んでみて下さい。

また、このあたりの音域から吹き始める時は一番ピッチが不安定になりがちです。参考までに過去の記事カテゴリー「ハイノート(ハイトーン)」をいろいろ読んでみて下さい。


[練習番号L 1小節前(全パート)]
ここはrit.ですが、1st,2ndは音を延ばしている(音も高い!)ので、自分のことに必死になりがちですが、3rdは4分音符で動いています。こういった「内声」だけが動いている時には、内声パートは主張して演奏し、それ以外のパートは動いている音をしっかり耳を傾けることが大切です。いつでも1stが音楽を作る権利を持っているとは限らない、という典型的なところです。


[練習番号L〜]
上に行ったり下に行ったりウネウネしたメロディです。先程解説した[練習番号F 4小節目]と同じように、このような時、どうしても低い音が聴こえにくく、高い音ばかりが聴こえてくる演奏になりがちです。この部分も演奏している本人はすべての音をしっかりと吹いているつもりでも、客席には高い音ばかりが聴こえてしまう「聴衆とのギャップ」が生まれやすいところですので注意して下さい。

音の上下だけでなく、「長い音は大きく、短い音は小さく聴こえてしまう」というギャップもあります。この作品の中で言えば16分音符が客席には聴こえにくいので、他の長めの音よりもしっかりと強く吹きましょう。ちょっと出っ張りすぎかな?と思うくらい強いタンギングと音の圧力で演奏して、やっと客席には普通に聴こえるはずです。

詳しくはこちらも「聴衆とのギャップ」を読んでみて下さい。


[練習番号Q〜(全パート)]
最後の追い込みをかけるコーダ部分はフィンガリングがとっても難しい(ややこしい)です。頭の中が混乱しないように、本当にゆっくりのテンポで4小節間を練習し始めて下さい。
この部分(練習番号Q〜4小節間)はヘミオラと言って、2小節を使って大きな3拍子を表現するフレーズと言えます(2拍子が6回続くと考えても良い)。

この部分からテンポが若干アップするのですが、こういったフレーズ感の場合、音楽の作りそのものが「興奮」を連れてきてくれるので、演奏者が興奮して乱雑な演奏をしてしまうのは逆効果です(しかも走りやすいフレーズです!)。
こういった時は逆に冷静になってひとつひとつの音をしっかり聴こえるように演奏したほうが作品が活きてきて、結果的に「興奮した音楽」を作り上げることができます。落ち着いて演奏しましょう。


ということでざっくりではありますが「勇者のマズルカ」について解説してみました。参考になれば嬉しいです。
ここでは解説しきれないことや、もっと深くいろいろなことを身につけたいとお思いでしたら、ぜひ直接レッスンにいらして下さい。

荻原が講師をしている「プレスト音楽教室(東京都文京区)」では随時無料体験レッスンを募集しております。また、入会金不要の短期集中講座「吹奏楽クラス」もありますので、おひとりでも、同じトランペット仲間と、他の金管楽器の仲間とレッスンを受講してみて下さい。

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それでは、次回は違う課題曲作品について書いていきますが「勇者のマズルカ」を演奏する方も参考になることを沢山書いていきますので、引き続きお読み下さい!
それではまた来週!

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at 09:20, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2013

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吹奏楽コンクール課題曲2013トランペット解説【1.勇者のマズルカ/三澤慶】その1










みなさんこんにちは!
先週から具体的に今年度の吹奏楽コンクール課題曲のトランペットパート解説を行っています。「コンクール出ないから関係ないや」という方にも参考になる合奏の基本や覚えておくと便利な内容を織り交ぜて進めていきますので、ぜひ皆さん読んでみて下さい。

前回の記事「はじめに/最初にすべきこと」を読んでいない方はそちらからぜひお読み下さい。


今回は課題曲1「勇者のマズルカ/三澤慶」について書いていきます。

この作品の作曲者である三澤さんは覚えている方もいらっしゃるかと思いますが、2006年にも「海へ…吹奏楽の為に」が課題曲に選ばれていらっしゃいます。
実は同じ大学のトランペット科の先輩で、オーケストラのお仕事などでたびたびご一緒させて頂いたことがあり、作曲だけでなくトランペット奏者としても素晴らしい演奏をされ、プライベートなところを見てもいつも「センスのある方だなぁ」感じ、尊敬しています。

で、そんな三澤さんの書かれる様々な作品は、ひとことで言うと「かっこいい」。何かこう、RPGのゲーム音楽のような、そういった印象を持ちます。今回の課題曲「勇者のマズルカ」もタイトルがなんだかRPGっぽいですよね。それでは、まずは譜面に書いてある情報を元に様々な角度から作品を理解するところから入りましょう。


《マズルカとは》
この作品だけでなくタイトルから得られる情報というのは実に沢山あります。例えば「威風堂々」と書いてあればホンワカした優しい曲じゃないだろうなと思うはずです。「悲愴」と書いてあれば楽しい曲じゃないだろうと思うでしょう。タイトルだけでも「イメージ」の幅を広げられるかもしれませんし、他にも「行進曲」「ワルツ」のような限定された音楽のスタイルを指定してくれることになるかもしれません。

それではこの作品のタイトルに書かれている「マズルカ」というのが何かご存知ですか?

マズルカというのは音楽のスタイルのひとつで、ポーランドの踊りの音楽です。では早速どんな踊りか動画で見てみましょう。



この曲、聴いたことがある方もいらっしゃるかと思います。フランスの作曲家ドリーブの書いた「バレエ音楽『コッペリア』」の1シーンです。

そして、ピアノを習っている方はご存知かもしれませんが、ポーランドの有名な作曲家ショパンはマズルカというタイトルのピアノ作品を沢山書いています。


ショパン作曲「マズルカ」作品7-1


ショパン作曲「マズルカ」作品17-4


いかがでしょうか。なんとなくマズルカがどんな音楽なのかイメージが湧いてきましたか?
では、これらの作品を聴いてみて特徴的なことをリストアップしてみましょう。

 ■踊りの音楽である(跳んだり回ったりしている)
 ■3拍子である
 ■付点音符(付点8分音符+16分音符)のリズムが多い
 ■アクセントが特徴的(な部分がある)


「勇者のマズルカ」を演奏される方は、楽譜(できればスコア)を見て下さい。上記のようなマズルカの特徴が至る所に書かれているのがわかりますか?これらの作品の特徴を実際にどう演奏すれば良いのかについては次回の記事で詳しく解説しますね。

余談ですが金管楽器の教本として有名な「アーバン金管教本」の中にある「付点8分音符と16分音符」の中の17番は「Tempo di Mazurka」と書いてあります。教本の中にある短い旋律ではありますが、単なる付点音符の練習と思って演奏するか、マズルカの特徴を理解して演奏するかではだいぶ違ってきます。ですからレッスンでそれを見落として単純作業のように付点音符を練習してくる生徒さんはすぐにわかってしまうんです。

作曲者の三澤氏は作品解説のところに「『マズルカ』としての体を保った上での音楽表現を期待します。」と書いているように、マズルカがどんな音楽なのか、どんな特徴があるのかを理解した上で演奏をしないと、この作品が活きてこない(表現ができない)と思います。


《ジャンプ》
踊りにもいろいろありますが、マズルカの動画を見てみると、ピョンピョン飛び跳ねているのがわかりますよね。
この「ジャンプ」が演奏するにあたって非常に重要なものになってきます。

飛び跳ねやすい音楽だからジャンプしまくっているのか、ジャンプしまくりたいからこういう音楽になったのかはわかりませんが、音そのものに「跳躍力」を感じることができるでしょうか。
先程掲載したのショパンの動画では鍵盤がしっかりと見えますよね。鍵盤のタッチに注目して下さい。手や指が鍵盤から飛び跳ねていますよね。
これがもし鍵盤を押し付けてベタベタ弾いていたとしたら、マズルカの音楽にはならないのは想像できるでしょう。

管楽器も同じです。楽譜に書かれている音の高さ、長さ、大きさをきちんと演奏するだけでは無機質な表現にしかなりません。これから演奏する音がどんなキャラクター性を持っているかをしっかりイメージした上で演奏して初めて「表現」というものになります。

マズルカだけでなく、みなさんがこれから演奏するどんな作品でも、その曲、その場面に合った音のキャラクターを表現できるようにイメージを広げ、必要であれば情報収集をして、まずは聴く人にその作品が本来持っているものを伝えられるように練習を積み重ねて下さい。



《踊る、ということ》
「マズルカ」だけでなく「ワルツ」「ポルカ」と言った踊りの音楽は「自分とは縁のない、昔の上流階級の人がすんごいドレスを着て踊っているもの」と思うかもしれません。
確かに、自分自身もワルツやポルカなんて踊ったことないですし、街中でそんな場面に遭遇したこともありません。

でも、音楽に合わせて踊る、というのは今も昔も関係なく世界中にありますよね。

例えば、ヒップホップやロックのライブに行ったとします。みなさん跳んだりはねたりしてません?
アキバ系アイドルのファンの人たちは、いわゆる「ヲタ芸」という高度な動きをしながら、かけ声まで出して盛り上がってますよね(どうでもいいけどあの動き、すごくないですか?)

極論かもしれませんが、マズルカだってヒップホップと同じです。音楽に合わせて楽しく歌って踊ってるんですから。


なので「これからマズルカというポーランドに昔から伝わる舞踏音楽を演奏するのだ。ムフー!」なんて堅苦しいこと考えないで、その音楽が活き活きとしたものになるよう、イメージを膨らませて楽しく演奏すれば良いんだと思います。
ただし、そのためにはマズルカという音楽がどんなものなのかを知っている必要があるんです。別に細かく分析しなくても良いですが(このブログでは若干やりますけど)。イメージが膨らんで、それが演奏に出せれば。

一番やってはいけないことは「何も考えずに楽譜を追っかけていくだけの演奏」です。これだけはどんな時も絶対にやってはいけません。「演奏」がただの「作業」になり、音楽が死んでしまいます。


ということで今回は課題曲1「勇者のマズルカ」について書いてみました。次回はこの作品を細かく分解して実際の演奏方法や練習方法などをメインに書いていこうと思いますので、まずは今回の記事を参考に、マズルカについてより深く調べ、作品へのイメージを強くしておきましょう。



また、このブログを書いている荻原が講師をしている「プレスト音楽教室」では、無料体験レッスンを随時募集しております。
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ブログについてもっと詳しく、直接習ってみたい、基礎的な部分からもう一度見直してコンクールを迎えたい、などお思いの方はぜひ一度教室までいらして下さい!

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それでは、引き続き「ラッパの吹き方『吹奏楽コンクール課題曲2013 トランペットパート解説』」をよろしくお願いします!
また来週!


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at 08:40, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2013

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吹奏楽コンクール課題曲2013トランペット解説【はじめに/最初にすべきこと】










みなさんこんにちは!

これから夏に向けて日本中で沢山の吹奏楽部、吹奏楽団の方たちがコンクールの練習に励むことでしょう。
「ラッパの吹き方」ブログでもどこまで力になれるかわかりませんが、いつものブログの調子で2013年度吹奏楽コンクール課題曲それぞれのトランペットパートの解説を作品解釈や演奏方法、練習方法などを書いていこうと思います。

今回は作品ごとの解説に入る前に、このブログでの進め方や、個人練習の初めに心がけておきたいことを解説します。


《課題曲解説の進め方》
このブログは毎週火曜日に更新しています。これまではトランペットや音楽に関係する様々な内容について書いていましたが、そのスペースを課題曲の解説にしますので、全曲の解説が終わるまで課題曲のことばかり書いていきます(7月中旬には完了予定)。
ただ、世の中のトランペット吹きで、今年度の課題曲を演奏される方はそれほど多くないはずです。その課題曲を演奏されない方々にとってしばらく必要のないブログになってしまうのは本意ではありませんから、記事の中では合奏の基本となることや、楽曲を演奏する際のテクニックなどをできるだけ織り交ぜて書いていくつもりです。ですから、例えば課題曲1をやることになった方でも、他の記事もすべて読んで頂ければ参考になることが多い記事にしていきますので、ぜひ毎週読んでみて下さいね。


特に意味はありませんが、解説を書く曲の順番はランダムにし、基本的には2週(2回分)の記事で1曲の解説を完結させられれば良いかな、と思っています。


このブログはトランペットのブログですので、内容としてはすべてトランペットパートの目線で書いていきます。ただ、吹奏楽は他の管楽器や打楽器などと密接な関係を持っていますので、様々なパートとの関わりについて書くことも多くなると思います。ですから、他の楽器の方にも参考になる内容は沢山含まれるかと思っているのでぜひ一緒に演奏されるみなさんで読んでみて下さい。
また、曲の流れとともに解説を進めていきますので、1stから3rdは分割せずにまとめて書きます。

そして、練習の時もこのブログを参考にしてもらえればとても嬉しいので、プリントアウトしてもらって構いません。

ただし、文章の一部分、全文に関わらずコピーペーストや一部改変したものを他のインターネット上、印刷物等に掲載するのはご遠慮下さい(出典不明になりたくないので)。もしどこかに掲載したいとお考えの方はその旨をこちらまでご一報下さい

それでは、今回はまず「合奏に向けて準備すべきこと」について書いていきます。


《合奏に向けて準備すべきこと》
課題曲を含め、コンクールの楽譜をすでに受け取っている方もいると思いますが、みなさんはこれまでに新しく演奏する楽譜を受け取った時、どのような練習の始め方をしていますか?
とりあえず楽譜を吹いてみる、という方が多いのではないでしょうか。確かに新しい楽譜を受け取ったらすぐに音を出してみたくなるのは当然のことです。僕も中高生の時はいつもそんな感じでした。

でも、ほとんどの方は練習時間はとても限られているはずです。効率的に練習を行うためには、いきなり吹く前にしっかりした準備をしましょう。

まず、個人練習について考えてみます。過去の記事「個人練習とは」の中では、大きく分けると

 1.ウォームアップ
 2.テクニカルな練習
 3.曲練習

と書きました。


■ウォームアップ
楽譜をすぐにでも吹いてみたいと思っても、まずその前に必ずすべきことは「ウォームアップ」です。
準備運動もなしにいきなりスポーツをするのと同様、単に吹きづらくなるだけでなく、無理な奏法が積み重なり近い将来「調子が悪い状態が基本」になってしまいます。そして最悪「潰れ」になる可能性もあります。コンクール直前にそうなってしまったら大変ですよね。
そうならないためにも、常に良いコンディションで演奏するためにも、毎日の最初は必ずしっかりとしたウォームアップを行い、そして習慣にするようにして下さい。

ウォームアップに関しては過去の記事をまとめたカテゴリ「ウォームアップ」をご覧下さい。

また、「潰れ」に関しても記事があります。ぜひ読んでみて下さい。
 「潰れ1
 「潰れ2(解決編)


■イメージを固める
楽器を吹く前にすることはまだあります。それは「イメージを固める」という作業。
楽譜を読む力が強い方は、楽譜を見ただけである程度どんな曲か理解できるかもしれませんが、それでも完成された作品の全体像がどんなものか様々な形で知ることは大切なことです。
例えば、CDを聴くこと。コンサートへ行くこと(これからの時期、沢山の団体が課題曲をコンクール前に演奏します)。

そうやってこれから自分が演奏することを客観的に聴くということはイメージを固められる作業のひとつです。

ただし、注意しなければいけないのは、CDやDVDなどの同じものを延々と聴いてしまうと「こうでなければいけない」「この音で吹くべき」「このバランスが絶対」という固定観念を持ってしまいがちなので注意しましょう。


客観的にイメージを持つことができたら、次はその作品の持っているイメージを自分なりに持ってみて下さい。「色」「情景」「物語」など何でもいいです。漠然としていて構いません。

これらの作業を実際楽器を吹く前に持っておくと、説得力のある演奏ができるはずです。
「なんだかよくわからないけど楽譜に書いてある通り吹けばいいや」「先生(指揮者)が教えてくれるだろう」みたいな考え方だと音楽は死んでしまい、単なる作業的な譜読み、練習になってしまいます。
しばらく練習を続けていると飽きてすることがなくなってしまう、という方はこういったスタンスでいるかもしれません。


■楽譜から情報を得る
もうひとつ、楽器を吹く前にすることがあります。それは「楽譜に書かれている情報を把握する」ということ。

例えば、調号も見ずにいきなり演奏して「あれ?なんか変なメロディだな」と思ったら調号付けてなかった、なんて経験ありませんか?

調号を先に見ておけばこんなことなかったのに、これでは単に二度手間で時間とスタミナの無駄遣いですよね。
そうならないためにも、まずは楽譜から得られる情報は演奏前にすべて把握することが大切です。

では何を見ておけば良いのかというと、

 ・調号(変化する箇所があるか)
 ・拍子記号(変化する箇所があるか)
 ・テンポ(変化する箇所があるか)
 ・繰り返し、コーダ、セーニョ記号の位置
 ・ミュートの有無(付けはずしの位置、ミュートの種類)
  ※参考記事「ミュート1」「ミュート2
 ・(漠然と)強弱記号などから楽曲の流れを把握する。

ぜひ音を出す前にこういった情報を把握してから練習に入るようにしましょう。


■譜読みの仕方
さて、ここまで準備できたらやっとパート譜を吹きます。まずは通してみましょう。
ただし、この時漠然と最初から最後まで吹くのではなく、吹きにくい箇所、苦手な箇所がどこなのか把握するようにして下さい。
通し終ったら忘れないうちに鉛筆で薄く印をつけておくと良いでしょう。

通して吹くのはとりあえずここで一旦終了です。

ここからは先程把握した苦手な箇所を集中的に練習します。
演奏しにくい主な原因は「音域の問題」「フィンガリングの問題」「リズムの問題」の3つです。

音域については過去の記事「ハイノート(ハイトーン)」のカテゴリ記事を、フィンガリングについては「フィンガリング練習」の記事を読んでみて下さい。

リズムが難しいところは、テンポを大幅に落として吹いてみたり、ピアノなどを使って弾いて声に出してドレミで歌ってみるなど、様々なアプローチで練習してみて下さい。タイが付くとリズムがわからなくなる方も多いので、そういった場合は一旦タイをはずしたリズムで練習をするとわかりやすいと思います。


譜読みの大切なことは「曲全体を平均的に演奏できるようにする」ことです。練習の時ってどうしても演奏しやすいところや、メロディばかりを吹きたくなってしまいますが、そこはぐっと我慢して苦手な箇所、難しい箇所をまず集中的に練習して自分の演奏すべき全てを平均的に演奏できるということを最初の目標にしましょう。



《さらに上達するには》
さて、ここまでは譜面をもらったばかりの時にすべきことを中心に書いてみました。
ある程度譜読みができるようになると、次はパート練習、セクション練習、合奏が始まると思います。それら複数での練習ではどんなことに注意したほうがいいのか、どんな進め方をすると効率的なのか、これに関しては次回からの記事で少しずつ書いていきます。

このブログをいろいろな面で参考にして頂きたいのですが、自分自身書いていていつも思っていることは「直接レッスンできたらどんなに伝わりやすいんだろう」ということ。上達するための一番最適な方法はやはりレッスンを受けることなんですね。

もしこのブログを読んで頂いている方で東京近郊にお住まいでしたらぜひ、レッスンに来てもらえればと思っています。

プレイヤーそれぞれが悩んでいること、解決したいことなどを集中的にアドバイスをしたり、そのための練習方法を直接伝えられることは上達への一番の近道です。
東京都文京区(東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅)にある「プレスト音楽教室」というところで講師をしていますので、ぜひ一度楽器を持っていらして下さい。無料体験レッスンは随時募集しておりますし、入会すると教室の練習スタジオが時間、回数関係なくに無料で借りられる特典もあります。トランペット吹きにはありがたいですよね。

この教室では個人レッスンだけでなく「吹奏楽クラス」というものもあります。これは音楽教室に入会するのではなく、短期的、集中的にレッスンを数回受けることができるクラスです。個人レッスンはもとより、複数でのグループレッスンも可能ですので、トランペットパートみんなで、金管セクションみんなでレッスンを受けられるのは更なる上達への近道です。

詳しくは「プレスト音楽教室オフィシャルサイト」をご覧下さい。

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プレスト音楽教室へ行くのは距離的に難しい、という場合は学校等へ訪問することも可能です。毎年コンクールシーズンになるといくつかの学校におじゃましています。詳しくはこちらのメールフォームにご連絡下さい


それでは、まずは今日の記事を参考にして頂いて、準備万端で課題曲練習に励みましょう!
それではまた来週!


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at 10:33, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2013

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