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自分に都合よく理解しよう








みなさんこんにちは!

先日の土日、講師をしているプレスト音楽教室発表会が行われ、その中でトランペットクラスは土曜日に全員が出演し、小学生から社会人、音大生の生徒さんが一生懸命心のこもった演奏をされていました。

次回の発表会は秋に行われるアンサンブル発表会。トランペットクラスも生徒さんが増えてきたので今からどんな編成でどんな曲を演奏しようか楽しみです。


音楽教室にレッスンに通われている生徒さんに実際レッスンをしている時にも、あたりまえですがブログのどこかに書いている内容をピックアップして言葉で伝え、実際に吹いてみているわけです。
生徒さんの中にはこのブログを真剣に読んできて、頭の中でどういった吹き方(奏法)をすべきなのか考えてきてくれる時もあります。

そんな時に「文章から奏法を導きだすのはとても難しい」と感じることがあります。

このブログに書いてあることは、もちろん自分自身が実際に行っていることや、考えていることばかりです。そしてそれらを文章化したものを読んでもらっているので近いイメージを持っていることは間違いありません。
しかし、ブログを読んでレッスン前に自分ひとりで練習してみようと思っても、なかなか上手くいかない、具体的にどうしたら良いのかわからなくなった、といった言葉を耳にすることが多々あります。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。今回はそういった「言葉で奏法を解説する」ということについて考えてみたいと思います。


《ラッパの吹き方ブログができるまで》
まずその前に、このブログがどのような流れで記事になっているのか書いてみます。

ブログを始めて5年目に突入しましたが、このブログを書き始めようと思った当時、自分の実践していること、考え方などを思いつくままメモ帳に書きなぐっていきました。その中には練習をしている時、演奏の仕事をしている時、歩いている時などにハッと思ったこととかも沢山あります。

で、ある程度量がたまってきたところでジャンル分けをした状態で箇条書きに直し、その中のひとつを毎週ピックアップして文章を広げていっています。広げすぎてひとつの記事がものすごく長くなってしまうことも多々あり、読んで頂いている方に負担をおかけしてしまっているな、と反省することもしばしばです。文章能力が高ければ良いのですが、そうもいかず。

ただ、文章が無意味に長くなっているのではないんです。簡潔に書くことはいくらでもできます。自分の頭の中にある様々な情報で補完していけば、それこそ一言で終わることだってできるのですが、そうなってしまうと読んで頂く方にはどうにも理解できないものになってしまうのでは、と考えてしまうんです。

それはレッスンの時にも感じていることです。自分の中にある「キーワード」を生徒さんに伝えても、いまいち伝わらない、理解してもらえないことというのは本当に沢山あります。また、ある生徒さんにはそのキーワードで理解してもらえたとしても、他の生徒さんに同じキーワードでレッスンをしても理解してもらえない場合というのも多いんです。

ですから、こういった奏法のことや音楽について端的に文章を書いてしまうことは、誤解を招いてしまう恐れや理解してもらえない可能性があると思い、様々な言い回し、いろんな例えを並べることで、できるだけ沢山の人がその記事について理解してもらえるようにと考えて書いている結果、このような長ったらしい記事が出来上がっているんです。


《文章にすることの難しさ》
単純に僕自身の文章能力が高ければそんなこともないのかな、とも思っていますが、それでなくても「音楽」という抽象的なもの、「奏法」という個人差があるにも関わらずひとつの方法しかないように感じさせてしまうものを文章化するのはとても難しいことです。

それが例え小説などであったとしても同じ文章を読んでひとそれぞれ感じ方、考え方が違うのは人間なのですから当たり前のこと。

例えば「脱力」という単語についても、力の強い人、弱い人、大人と子ども、ポジティブな人、ネガティブな人ではまったく違います。
その沢山の人の中には偶然トランペットを吹くのに適した「脱力」ができている場合もありますが、ほとんどの場合脱力しすぎであったり、逆に全然脱力になっていなかったり、脱力すべきポイントが違っていたりします。
実際のレッスンではそれをその場で見つけて、できる限りのアドバイスや実践をすることで僕がイメージしている脱力についてを伝え、修正ができるので安心なのですが文字を読んでもらっているだけだとそれができず不安になることもあります。


《自分の都合良く理解する》
きっとこのブログに関してだけではないと思います。他の教則本に書いてある音楽の考え方や奏法に関しての文章を読んだ時にも、おおよそ書いてあることは理解できるけれど、実際にやってみようと思うとどうすれば良いのかよくわからない、やってみたけど効果があるのかわからない。(場合によっては)奏法のことを考えすぎて今までどうやって吹いてきたのかも曖昧になって余計吹けなくなっちゃった、なんてこともあります。

実際にその吹き方が自分に合っていなかった可能性もありますが、こうなってしまうのには他にも原因があります。


例えばもし「ご飯を食べる」という行為をしっかりと文章で解説するとどうなるのでしょうか。

『炊かれた米をしゃもじを使って椀に盛り、それを利き手ではないほうの手の掌が上になるようにして包むように持ちます。次に、利き手に箸を持ちます。自分に掌を見えるように構え、箸の1本を親指の付け根に挟み、もう1本を鉛筆を持つようにすると物をつまみやすいように動かすことができます。この時、親指の付け根に挟んだほうは動かしません。
次にその箸を使って椀に盛られた米を口に入れられる適量をつまみ、口に運んで下さい。口に運ばれた米はその後、咀嚼します。咀嚼する回数はある程度多い方が甘みを感じられ、また、消化にも良いので、すぐに飲み込まず味を楽しむようにしましょう。充分咀嚼ができたら飲み込み、まだ食べられるようであれば同じ動作を繰り返して下さい』


どうですか?この難解な文章。みなさんがいつも当たり前にしている行為も文章にするとここまで面倒な説明になってしまいます。
仮にこの文章を読んで、理解し、それを思い出しながら(もしくはこれを読みながら)実践しても果たして上手にいくかは難しところです。
なぜならこの文章の中にある「米を椀に盛る」「掌を見えるように構える」「鉛筆を持つ」「親指に挟んだ箸は動かさない」「適量をつまむ」...まだまだ沢山ありますがこれらの理解は読んだ人全員が同じになることがないんです。

ちょっとネガティブな人が読むと「盛る?盛るってどのくらいの量?ちょっとグーグルで検索してくる」とか「箸は動かさない、動かさない、動かさない、、、(無駄に箸を挟んだ親指に力を込めまくる)」なんてことになる可能性もあります。


結局はトランペットの奏法に関しても同じで、解説文をそのまま実践しようとするだけではとても難解なものと感じがちになり、そして上手にいかないのです。
ですから文章を読んだ後「ある程度自分が理解しやすいように(ある程度都合良いように)文章を消化して吸収したものを実践する」という姿勢でいられると良いと思います。

先程の米を食べることの説明文だったら、ざっくりと「米を箸を使って食えばいい」と思ったほうが楽だし美味しく食べられますよね。その中で「良く噛んだ方が良いんだな」「お箸のきちんとした持ち方ってどんなんだろか?」なんてポイントを分けて後で調べたり実践してみれば良いんです。

実際、このブログの文章を書いた内容も「あ、こう吹くと上手くいくんだな」と感じたことをそのつど分析して文章化しているだけであって自分自身いつもそれらを考えて吹いているわけではありません。そんなことしたら頭の中がパニックになって、全然トランペットを吹くことが楽しくないですし、方法ばかり考えて結果を求めることができなくなってしまいます。

ですから、このブログを読んで沢山の知識を持って頂けるのはとても嬉しいことなのですが、決して「奏法マニュアル」「説明書」のようなものではない、ということを知ってほしいです。
もし文章を読んでも意味がわからないとか、その文章が実際に演奏に活かされている状態がどんなものなのか見てみたい、自分がこのブログの中で理解したと思っているのが本当に正しいのか知りたい、といった場合にはぜひ荻原のレッスンを受けてみて下さい。結局はそれが一番の近道です。

レッスンに関してはこのブログのそこらじゅうに画像などを貼付けていますが、文京区にある「プレスト音楽教室」というところで講師をしていますし、条件さえ合えばどこでも行ってレッスンしますのでぜひご一報下さい



今回の記事を読んで少し考え方が柔らかくなった状態で練習に臨めれば嬉しいです。
ということでまた来週!


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at 11:30, 荻原明(おぎわらあきら), 練習に対する考え方

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