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トランペットのカスタマイズ(改造)








みなさんこんにちは!

突然ですが、みなさんが使っているトランペット、カスタマイズ(改造)していますか?

吹奏楽部などで学校や団体が所有している楽器を借りて演奏している方には縁のないことだと思うのですが、トランペットをはじめとする金管楽器は様々なパーツを交換したり付け足しすことが可能なんです。中でもトランペットはカスタマイズがしやすいのか、カスタマイズしたい人が多いのかわかりませんが、結構多くの方が何かしら店頭に置いてあった時とは違う状態にしているように見受けられます。

カスタマイズをする目的はもちろん、より良い音が出せるようにとか、よりコントロールしやすくするためにとか、プラスになるためにしているはずです。

では最初に、トランペットで主にカスタマイズしているパーツを挙げてみようと思います。
ちなみに、写真のトランペットは僕が使っている楽器で、一切カスタマイズしていない基本中の基本のV.Bach(バック)ですので、実際の改造パーツがどんなものなのか、ある程度はリンクを貼ってみます。ただ、当ブログとは無関係なリンクですので、リンク切れ等の保証は致しかねます。

そして写真の楽器がめっちゃ汚いのは思っても口にしちゃダメです(笑)
磨くのが楽器にとってあまり良いことだと思わないので。。。


《カスタマイズされることの多いパーツ》

■マウスピース
マウスピースの改造は、こだわる人は本当にこだわります。リム(唇の当たる場所)の大きさ、厚みに始まり、カップの大きさや形、そしてスロート(筒になってるとこ)の直径や形状など。手のひらサイズのマウスピースですが、こだわり始めると細部に至るまでカスタマイズする方もいらっしゃいます。
そして、それらすべてのパーツがネジで分解できるように改造こともできます(そういった技術を持ったリペアマンなどがいれば)。
市販のマウスピースはどれも納得がいかないとか、口当たりは良いんだけど、このカップの形状は気に入らない、なんて思う方がオリジナルで作ってもらっています。
自分が納得するまでとことん追求するか、ある程度自分に合っていればまあこれでいいかと思えるか(マウスピースのせいだけにしないでいられるか)。それは奏者の性格にもよるんでしょうかね。

■重り
いつだったか、楽器メーカーのBachが「メガトーン」というマウスピースを発売しました。通常のマウスピースに比べると、カップの外側の金属量が多いのでとても重いんです。
今はもう(多分ですが)製造していません。Monette(モネ/モネット)のマウスピースもメガトーンと形状がとても似ています


なんでこんなにでっかくて変な形をしているのかと言うと、音の反応が良くなるんだそうです。実際僕自身もメガトーンを吹いたことがありますが、確かにいつものマウスピースよりメガトーンのほうがベルの更に向こうで音が鳴っている感覚を持ちました。
おお、これはすごい。と思いましたがこれを使って演奏したいとは思えず、結局普通のマウスピースを使い続けてます。

これらのマウスピースは製品自体がいわゆる金属の重りを付けていますが、自分が今使っているマウスピースに簡単に付けられる重りも売っています。
エッジフェクターと言うらしいのですが(ごめんなさい正式な名前を今知りました)、これだとリング状になっているので、マウスピースのスロートに差し込むだけで、ぐっと重くなります。

そしてマウスピースだけでなく、楽器に重量感を持たせることは、鳴らすためのプラス要素だ、という考え方を持っている技術者やプレイヤーも多くいます。


■ボトムキャップ



楽器に重量感を持たせる一番注目される部分はボトムキャップです。ピストン下のフタのようになっている部分。ここの重さが音の響きに影響を与えると言います。
ボトムキャップは3つとも替える人より、どこかひとつだけ変更する人が多いように思います。

響きが豊かになるだとか何とか。試しにやってみたことはありますが、いまいちよくわかりません。
逆に軽くしているボトムキャップもあるようです。


■ピストンボタン
ピストンボタンは、右手の指で押しているところです。ここはネジでついているのですぐに取り外すことができます。写真のピストンボタンはXO(エックスオー)のコルネットで最初に付いていたもの。



この写真のピストンボタンで演奏しようとしたところ、僕の場合ツルツルすべって演奏しにくかったので、付属品の(多分)貝がついているものに交換しました。




■ピストンのバネ(バルブ スプリング)
先程のピストンボタンと一緒に写っていたバネですが、これもXO製品の付属です。この写真だと何のことやらわかりにくいのですが、バネの強度が違うので、ピストンを押した時の重さ(指にかかる負荷)が変わるんですね。それによってどうなるかと言うとピストンアクションが軽くなったり重くなったりする、と、まあそれだけのことです。

他にも、ピストンボタンが直接当たるワッシャと呼ばれる部分や、内部のフェルトなども厚みや素材を替えることによりピストンアクションが変化するパーツが売られています。



フェルトは時間の経過(使用頻度による)と共に潰れてきてしまい、ピストンが返ってきた時のコツコツした振動が激しくなってきます。そうなったら交換したほうが良い部分ではありますが、違う素材にして何か変わるのか、という点については試したことがないのでよくわかりません。


■支柱
トランペットの支柱はチューニングスライドやその近くにくっついています。



先程「重り」について書きましたが、この支柱が付いているかどうか、何本付いているかで演奏時の音の抵抗感や響きに影響を与えると言われています。ざっくり言えば支柱がないほうが軽く吹けて、支柱が多ければ抵抗感が増す、といったところでしょうか。
初心者の楽器には(金額的な面もあると思いますが)支柱が付いていない場合が多いです。

この支柱、自分で買ってきて付けることもできるんですよね。


■マウスパイプ
マウスパイプとは、マウスピースを取り付ける一直線の管のことです。



楽器屋さんのトランペットコーナーでトランペットと一緒にただのパイプが置いてあるのを見たことがある方もいると思います。見た目に違いがわからないので、一体なぜこの部分だけが置いてあるのか疑問に思ったことありませんか?
これらは金属の材質が違うんですね。

息を入れて最初に通過するマウスパイプですから、一番影響を与えやすいということでしょう。ただ、マウスパイプを交換するには、楽器のハンダをはずして付け替える作業が必要で、技術料もマウスパイプ自体も結構お金がかかります。
試しにやってみよう、というのは難しいですね。


■ベル
マウスパイプと同じように、ベルそのものを交換することができます。様々な素材でできたベルにより、音質などが変わるということだそうですが、これも試したことがないのでよくわかりません。以前、違う素材でできた同じメーカーの楽器を吹き比べましたが、やっぱりよくわかりませんでした。
ベルも付け根からハンダを外して取り付けるため、結構な時間と金額がかかります(楽器製造メーカーによっては、オーダーメイド的にベルを選択して注文することもできます)。

メーカーによってはネジ状になってベルを交換できたり、付け根から取り外せるようになっているものもあります。




■メッキがけ
トランペットの表面は基本的にラッカー、シルバー(銀メッキ)、ゴールド(金メッキ)、まれにノーラッカーがあります。
楽器をコーティングしている素材によって音色や響きに違いがあると言われています。
メッキがけは後からでもすることが可能で、銀メッキの楽器の上から金メッキをかけることもできます。部分的に金にすることもできます。
ですが、メッキ on メッキが果たして良いものかどうかはわかりません。
これもかなりの金額と日数がかかると思われます。

マウスピースにも同じ様にメッキをかけることができます。これも部分的に(例えばリムだけに)かけることが可能です。

金属アレルギーを持っている方は、銀によってアレルギー反応が出てしまうので、そういった場合は金製品を使うことをおすすめします。したがって、楽器を購入する際は銀メッキの楽器を選ばないこと、そしてマウスピースも、最低でも唇が直接当たるリム部分が金メッキの商品を使うようにして下さい。

ちなみに、マウスピースのリムが金になると、銀に比べてツルツル滑りやすくなります。


《カスタマイズは賛否両論》
ここまで、主なカスタマイズパーツについて書きましたが、これらの改造を行うことについては賛否両論があります。
そっけない感じで解説してきたのでお気づきでしょうが、僕自身は一部を除いてあまり賛成できません。

なぜなら、自分の楽器をカスタマイズするということは、練習によっては解決できない、もしくは自分の実力をのばすことができる何かを具体的にどう改造することによって解決できるのかを理解していなければ意味がないからです。

興味本位や流行、プロ奏者がこんなことをしている、などの情報だけでカスタマイズを行い「何かよくなった感じがする」というレベルでは時間とお金の無駄だと思います。
しかも、ハンダをはずして行う大幅な改造は、万が一納得いかない結果になってもそう簡単に戻せない(見た目に直せても完全には戻らない)リスクもあります。

それでもトランペットを沢山持っていて、経済的にも余裕があってカスタマイズが趣味で特に何かを求めているわけではないDIY的、日曜大工的な感覚あれば別に構いません。そうではなく「練習することに努力や時間をかけず、カスタマイズで上達した気になってしまう他力本願」になってしまうのはとてもよくない、と言いたいんです。

ほとんどのことは練習と努力によって解決する(身につける)ことができます。定価2万円の楽器を使っても一流のトランペット奏者が演奏するとそれなりのレベルで演奏できてしまうことを目の当たりにした身としては、楽器の善し悪し、カスタマイズは練習や努力によって身につけた自分の実力、音楽性を表現しやすくできるツールかどうかでしかありません。

ま、要するに「カスタマイズしている時間があるなら練習しましょう」と言いたいだけです。カスタマイズするお金があるなら、それを個人レッスンの受講料に使ったほうがよっぽどレベルアップにはつながると思いますよ。


《市販の楽器もある意味カスタマイズしたもの》
ご存知のように楽器というのは様々なメーカーから沢山の種類が販売されています。
それら複数の楽器はパッと見ただけでもデザインやパーツの組み方が異なるものも多くあります。

なぜなら各メーカーは技術者とアドバイザー(プロ奏者)によって「この作り方が(様々な意図、目的による)トランペットのベストな設計」と考え、作り上げています。

安い楽器はコストを押さえつつ、抵抗感を少なくして初心者でも吹きやすく作っていますし、オーケストラで良い音が出せるように考えている楽器があったり、ジャズで良い音を出せるように、など。。。

これはある意味、トランペットを熟知している「技術者によるカスタマイズされた楽器」とも言えます。

自分としてはそういった様々な楽器を(技術者の考え方をできるだけ理解しつつ)自分の演奏環境や目的、奏法に合っているのか試奏して選んだほうがいいのではないか、と思うんです。というか自分はそれで充分。
だから今使っている楽器に不満がないとは言えませんが、カスタマイズしようとも思わないんです。本当に不満なら買い替えます(その前に練習ですけど)。

まあでも、楽器屋さんで何か面白そうなパーツを見つけて試させてもらえる程度なら楽しいですけどね。もしもそれが自分に本当に良さそうだと思ったら使ってみても良いかもしれません。結局は自己責任です。


《ロータリー、ピッコロトランペットのカスタマイズ》
最初に写真付きで解説したのは、Bb管やC管のピストンバルブに関してでした。
トランペットは他にもロータリー、ピッコロなどがあるのはご存知でしょうが、それら独特なカスタマイズについて簡単に書いてみようと思います。

■ロータリーのキー
ロータリーはピストンに比べて値の張る楽器ですが、さらにその中でも上位レベルの楽器には、チューニングスライドにキーがついているものがあります
これは、high CキーやAキーなどと呼ばれるもので、右手の小指の近くに押す場所があります。

このキーを押しながらhigh CやA(五線上の音)を出すと音の抜けや音色が安定するといったもの。もし、付いていない楽器にキーを付けるカスタマイズをした場合、相当な値段になります。

余談ですが、high Dの音を出す時は、ウォーターキー(ツバ抜き)を押して解放させると出しやすい裏技(?)があります。ただ、high D音と共に一緒にツバが吹き出す恐れはあります(笑)


■ピッコロトランペットのフィンガーフック(トリガーフック)



ピッコロトランペットはメーカーや製品によって形状が非常に異なります。例えば僕が使っているSchile(シルキー)というメーカーのピッコロ(P5-4)は写真のようなデザインです。この楽器を持った時の左手は「にぎる」だけの状態ですよね。普通のBb管でしたら左手は3番管のトリガーを動かす仕事がありますが、ピッコロでも同じようにフックやリングを付けて抜き差ししたいと考えるならば、カスタマイズすることもできます。
今のところ自分はそれをやっていませんが、確かにあったら便利なのかな?と思ったりもします。
実際、シルキーの他のラインナップでは最初からリングが付いています

でも一度リング付きのシルキーのピッコロを持ったとき、今の自分の持ち方とリングの位置がかなり違ったのでしばらく使ってみないと本当に良いかどうかはわからないですね。ピッコロは低音域のピッチが非常に不安定なので、そういった点ではトリガーを動かしたいと常々思っているのですが。。。


ということで、今回は楽器のカスタマイズについて書いてみました。
カスタマイズを実際に行っている方、興味を持っている方にはちょっと今回の記事はイラっとさせてしまったかもしれません、ごめんなさい。
でも楽器そのものに興味があって、更に自分のレベルアップを図るためのプラスアルファな要素である可能性は否めませんので、お金や時間に余裕がある方はぜひ技術の高いリペアマンのいる楽器店でいろいろ相談してみてはいかがでしょうか。
質問した人の回答がアバウトだったり、単に「いいよこれ!」といってパーツを売ってこようとする場合は注意しましょうね。

それではまた来週!


当ブログの写真・記事等の(全部、一部問わず)無断利用、ネット上(TwitterやFacebookなどのSNSを含む)などへの無断転載を禁止します。

at 12:46, 荻原明(おぎわらあきら), 楽器・アクセサリー・ツール

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休憩後にも軽いウォームアップを。








みなさんこんにちは!

今回もこれまでに寄せて頂いたご質問からひとつ記事を書いてみます。
ご質問等はこちらの記事のコメント欄に送信して頂いてもよろしいですし、こちらのメールフォームでも構いませんのでぜひご利用下さい。

今回はJia様より頂いた「少し長い休憩を取った後、休憩前のような状態と(感覚的に)変わってしまう」という件について。
メールフォームからお寄せ頂いたので本文のコピペなしにしてみます)


《感覚の変化》
みなさんは「吹いている感覚が変わる」という経験をしたことがありますか?

この「感覚が変わる」というのは「感覚が(悪い方に)変わる」と思って下さい。

例えば、午前中から一日楽器を吹く日があったとして、お昼休憩を挟んだ後に再度トランペットを吹こうとした時「あれ?なんか午前中と感覚が違う」という感じ。さっきまであまり奏法のことなど考えていなかったのに、なんか音が出にくくなってると感じることはありますか?

jia様のメール内容にも書いていらっしゃったのですが長い休憩の後にこういった感覚を持つそうです。

実は僕自身もこれはとても感じることが多いんです。上記のようなお昼休憩の後や、本番当日リハーサルをした後、本番までの間に仮眠と取ったり食事をしたり、要するにトランペットを吹かない時間が長い時になります。


《原因は様々》
これはトランペットをはじめとした楽器演奏者ならではのものではないと思います。スポーツでも勉強でも普段の生活の中でも起こることでしょう。寝起きは体の反応が鈍っているとか、昼食後の仕事にとりかかるペースなども同じものだと思われます。

肉体的なもの、精神的なもの、原因は様々。お腹がいっぱいになって若干ボーっとしている、午前中集中していたのが長休憩の時間で解放されてモチベーションを取り戻しきれていない等。そして、とても体力の必要とするトランペットの吹き方をしている方が一番なりやすいと思われます。

なぜなら、アンブシュアや腹筋、肩や肘、首などの上半身の筋力を必要以上に使っている場合、休憩の間にリセットされてしまうからです。
ただ、無駄に力を使って演奏していなくても同じようにリセットされてしまうのはよくあることです。


《レッスンの時のこと》
レッスンの時の話ですが、ある生徒がいかにも今教室に来たという状態で入ってきて、ケースから楽器を出してマウスピースを装着。すぐ曲を吹き始める、なんてことを目にします。
音出し(ウォームアップ)したの?と聞くと「今日はもう(他の場所で)吹いてきて、そこでウォームアップをした」という答えが返ってきました。

違う。それは違う。。。。

確かにレッスンでもこのブログでも「ウォームアップは練習の一日の最初に行う」とは言っていますが、じゃあ午前中にウォームアップをした後一旦楽器をしまい、ご飯を食べてお昼寝して、授業や仕事をして電車で移動して夕方また楽器を出した時「朝ウォームアップしたから」という理屈は自分の体に対して通用しませんよね。

その状態がOKだったら、スポーツ選手が「今朝ストレッチしたから夜の試合は準備なんてしないでも万全だ!」と言っているようなものです。

言いたいことはもうわかってもらえたと思いますが、要するに「ウォームアップはその日の練習のはじめに行うだけでなく、楽器を吹く前にはいつも(徹底的ではないにしても)感覚を取り戻す程度は必ず行うべき」ということです。

今の時期は特にそうです。家でウォームアップして寒い中別の場所まで移動した後、顔や体の筋肉がガチガチの状態で良いパフォーマンスは絶対にのぞめません。ですから、お昼休憩の後でも、リハーサルと本番の間に時間が空いている時も、演奏する前に感覚を取り戻すための軽いウォームアップを行うようにして下さい。

今回この質問をjia様から頂いた時時、本文に「下手になった」という表現をされていたのですが、この状態は下手になったのではなく、奏法面でのパフォーマンスが鈍っている状態というだけですから、心配する必要はないでしょう。ただし、先程書いたように長休憩後にいきなり曲を吹く習慣がついてしまうと「上手くコントロールできない→奏法についていろいろ考えてしまう→コンディション低下→上達しにくい」という流れになる可能性はありますから、気をつけて下さい。

休憩後のウォームアップはどんなことをすべきか、ということについては過去の記事「ウォームアップ」を読んでみて下さい。
ウォームアップメニューはそれぞれの目的に合わせた内容を決めて毎日毎回同じものを行いましょう。

ウォームアップは「準備」です。言い方を変えれば「ずれてしまったピントを合わせる作業」ですから、毎日同じメニューにすることで、今日(今)どれくらいピントがずれているのかを確認することも目的。そして何が原因でピントがずれているのかを様々なメニューの中で見つけていくのです。例えば「呼吸」「アンブシュア」「プレス」「マウスピースの当てる位置」「構え方」「精神面」など、確認項目を分けてひとつひとつ検証していくと「今日はなんだか調子良い(悪い)→でも理由はわからない」ということが少なくなっていくはずです。

ということで、その日最初に行うだけでなくウォームアップ的な音出しはこまめに行うようにして下さい。合奏練習がはじまるギリギリまで遊んでいたり休憩をしているのはパフォーマンス的にはリスクが高いので注意しましょう。

それではまた来週!


当ブログの写真・記事等の(全部、一部問わず)無断利用、ネット上(TwitterやFacebookなどのSNSを含む)などへの無断転載を禁止します。

at 12:29, 荻原明(おぎわらあきら), ウォームアップ

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美しい音色とは








みなさんこんにちは!

当ブログこちらの記事にてご質問を募集しており、今回はその中からyukipetさんからのコメントに回答していきます。(現在は質問を募集しておりません。ご了承ください。)

=============================
最近自分の周りで、美しいきれいな音と、ただ鳴っていない音の解釈を混同してしまう人がたくさんいるので、誰もが美しい音と思うような音を出すにはこうするべき。という記事を書いてみてはどうでしょうか?
=============================


yukipetさんコメントありがとうございました。
音色に関して、文章で表現するのは非常に難しいのですが、可能な限りわかりやすく書いてみようと思います。


《トランペットの音色》



人それぞれ声が違うように「トランペットの音色」というのも奏者の数だけあります。ですので、今回yukipetさんがおっしゃっているような「ただ鳴っていない音(この後の返信で「詰まっているような柔らかい音」と表現していらっしゃいました)」がその奏者さんの求め、実際に表現している「トランペットの美しい音色」と解釈した上で出しているのであれば、その方の演奏レベルは別として結構トランペット経験の長い方なのかな?と思いました。

なぜならトランペット奏者さんの中には音色についてあまり考えていない人が多くいるイメージがあるからです。
もちろん僕がそういった方に出会ったことが多かっただけなのかもしれませんが、音を出すことに一生懸命になりすぎて、テクニックやただ音を出すこと、ハイノートを当てること、ピッチ、音程のことなどを優先している方が多い気がします。


で、音色に関してですが、仮に「詰まっているような柔らかい音」イコール「トランペットの美しい音色」と解釈した上で出しているのでしたら、それは間違った解釈と言えます。

過去の記事「ハイノート(ハイトーン)へのアプローチ6」で書きましたが、トランペットのデフォルトの(元々持っている)サウンドはかなり金属的で「ビーン」と張った響きであると考えています。
楽器というのはしっかり鳴らしている状態の時の音色を基本と考えるからこそ、柔らかいサウンドも出せるんだと思っています。経験上、柔らかい音を基本にしてしまうと、金属的で張った音色を出すことは困難なんです。

それは「柔らかい音を出そうとして操作した際、意識的、無意識に関係なくツボに当たらないところを狙い、抵抗の強い吹き方をした時に出やすいから」なんです。

そういった時に出る音は、一瞬「柔らかくて少しアンニュイな(憂いを持った)印象」に聴こえなくもありません。いかにも「軽く吹いている」感じなのですが、これは単にトランペットが鳴っていないからなんですね。

ジャズでしっとりした作品を演奏しているトランペット奏者の中に、それに近い音を出していることもあるのですが、その多くは「そう聴こえているだけ」に過ぎず、やはり楽器はしっかり鳴っているように思います。

試しにやってみるとわかりやすいかもしれません。トランペットを吹く際、マウスピースの重心を下唇のほうにして、ベルを極端に下げた状態で(クラリネットを吹くような構えで)中音域を出してみて下さい。なんだか柔らかく、フリューゲルホルンのような音になりませんか?
逆に上唇への重心をより多くすると、トランペットらしい堅いサウンドになりませんか?
どっちもあまり長時間やらないほうがいいですよ(笑)


《きっかけ》
このような「楽器が鳴らないところ」を狙って音を出すようになってしまったのには何かきっかけがあるはずです。
先程も触れたようにジャズのしっとりしたトランペットの音をレコードやCDで聴いたことがきっかけかもしれません。でも実はその音源ではフリューゲルホルンで演奏していた可能性もありますね。
もしくは、先輩や先生(指導者、コーチ)がそういった音を出しているところを見たからかもしれません(しかし、常にそんな音で吹いているわけではないかもしれません)。
ひょっとすると指導者などから「こういった音を出すべき」と教わったのかもしれません。

そういったきっかけ=情報がなければ基本的には音色に関してイメージを持つことは非常に困難です。

ということは「本来のトランペットが持つ響きのある音色」というものを体験しなければ、こもった音のイメージから脱出することは難しいと思うんです。

影響力のある人が目の前で「トランペットはこう鳴らすんです」と演奏してくれることが何より一番簡単に解決する方法でしょう。

そのためにはやはり沢山のプロトランペット奏者の演奏に出会うことが大切ではないでしょうか。


《レッスン》
その中でも一番手近なものが「(個人)レッスン」だと思います。
勘違いしている音色に対するイメージを払拭するには、目の前で鳴ってるトランペットのサウンドを聴くに限ります。

コンサートホールだとステージと客席の聴こえ方のギャップや、トランペットの生音を聞くことができず(ホールが良い響きを作り出すから)、一緒に演奏するということもできませんから比較がしにくいんですね。演奏している楽曲によっても音色は変化していきますし。

でもレッスン室ですと同じ空間で自分の出している音と先生の出している音の比較が間近でできます。

僕自身も学生時代にレッスンを受けている時に師匠が吹いてくれたサウンドの印象が、音色に対するイメージを明確にしてくれました。


《音色の変化》
トランペットの持つデフォルトのサウンドを知ることができたら、まずその音が常に出せるように心がけましょう。

そのサウンドを拠点として、より激しさのある音色、輝かしい音色、柔らかい音色、弱々しい音色など、イメージのできる限り「音色の引き出し」を持てるようになるのが望ましいことだと思います。

音色の変化は、決して「根本的な奏法を変化させて作るものではなく、デフォルトとなる音色からの発展」ということを忘れないようにして下さい。

様々な音色を生み出すには、様々なイメージの元となる何か(音源やプロの演奏、他の楽器や声楽の演奏等)が必要不可欠で、さらには様々な楽曲を演奏する時に自分自身が強いイメージを持って「こういった音色でこの場所を吹く」と決めていることが絶対です。合奏で演奏する時には、指揮者のイメージしている音色や他の奏者が目指している音色の方向性を感じ取り、自分の音色のイメージを作り上げていくことも必要でしょう。

そういったメロディを美しく歌うこと、美しい様々な音色でホールに自分の音を響かせようとする練習を常日頃から行うことが大切になります。

音は色彩のグラデーションのように無限に変化していくものなのです(ただし、基本となる色が必ずあるのです)。


ということで、今回は「美しい音色」について解説しました。

それではまた来週!


当ブログの写真・記事等の(全部、一部問わず)無断利用、ネット上(TwitterやFacebookなどのSNSを含む)などへの無断転載を禁止します。

at 10:08, 荻原明(おぎわらあきら), イメージ

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