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コルネット/フリューゲルホルン 1








みなさんこんにちは!

トランペットを吹いていると、吹いている環境にもよりますがいわゆるBb管トランペットだけでなくC管やピッコロトランペットを吹く機会も多くあります。ロータリートランペットを吹くこともありますし、学生の時はEb管やらD管やら本当にいろんなトランペットを経験していました。最近は自分、BbとCとピッコロばっかりですけどね。
その中で、吹奏楽をやっている方は特に「コルネット」「フリューゲルホルン」を吹くこともあるかと思います。

自分も高校生の時のコンクールでコルネットパートを担当して、何ヶ月かトランペットをほとんど吹かなかった経験もあるんですが、実際のところコルネットやフリューゲルとトランペットって何がどう違うの?と思っている方も多いのではないでしょうか。

ということで今回はコルネットを中心にフリューゲルホルンについて書いていこうと思います。

と言っても、コルネットやフリューゲルについてどれくらい詳しいの?と聞かれると、すごい自信を持って細かく書いていくことはできません。というのもこれらの楽器を本当に専門にしているのは「ブリティッシュスタイル」と呼ばれる金管バンドで演奏されている方なんです。自分は金管バンドの経験が皆無なので、その方々に比べたら稚拙な内容になってしまう恐れもあるんですが、そこは視点を変えて「吹奏楽やオーケストラでトランペットを演奏している人」目線のいわゆる「持ち替え楽器」としての解説をしていこうと思いますのでご了承下さい。

そして、この記事ではコルネットを中心に文章を書いていきますが、フリューゲルホルンも同じ仲間の楽器ですので共通することが非常に多くあります。ですのである程度は「コルネット」を「フリューゲル」に置き換えて読んで頂いても良いかと思います。

※この記事で言う「コルネット」はBb管コルネットのことを指して解説していきます。コルネットにはEb管コルネット(ソプラノコルネット)という種類もありますが、金管バンドで使われることがメインですので、今回は割愛します。


《コルネット》
コルネット、吹いたことありますか?トランペットとの違いは何ですか?と聞かれていくつ答えられますか?

まず見た目が全然違いますよね。トランペットに比べて丸っこい。
では、その丸っこさがどんな違いを生むのか、わかりますか?

■音色
ホルンを想像してもらえると分かりやすいと思いますが、管のカーブが多いとサウンドが柔らかくなるんです。なので、トランペットやトロンボーンのように真っすぐの部分が多い楽器に比べてホルンやユーフォニアムといったカーブの多い楽器は柔らかな響きが基本のサウンドになるんですね。
従って、コルネットも管の巻きが多いぶん、トランペットより柔らかなサウンドになる、ということです。

■円錐系の管
あと、じっくり見比べないとわからないかもしれませんが、コルネットの管というのはベルに向かってほぼ円錐(えんすい)の形をしているんです。トランペットはほとんど同じ直径の管が続いてて、最後の最後、ベルに近いところで管が太くなっています。
この結果どうなるのかと言うと、トランペットよりも機能性が高くなります。例えば、Bb管トランペットで五線の中にあるBbとCをトリルで演奏しようとすると、ひっかかりやすいですよね。でも同じ動きをコルネットで吹くとかなり簡単にできてしまうんです。ざっくり言ってしまえば「吹きやすい」楽器と言えるかもしれません。結果、吹奏楽やオーケストラでのコルネットは木管楽器と同じような非常に細かいパッセージを要求されることも少なくありません。

■シャンクの違い
トランペットのマウスピースはコルネットに入りません。
マウスピースを楽器に差し込む部分のことを「シャンク」と呼びますが、このシャンク、一般的に「トランペットシャンク」「コルネットシャンク」と呼ばれています。コルネットはトランペットよりも細いシャンク径ですので、トランペットから持ち替える時はマウスピースも違うものにする必要があります。
用途や個人差はありますが、コルネットに用いるマウスピースはトランペットよりも深いカップのものを選ぶことが一般的です。それはトランペットとは求められるサウンドが違うからなんですが、これについては後述します。

余談ですがピッコロトランペットはこの両方のシャンク径の楽器があります。


《サックス?》

■サックスさん
アドフル・サックスという人物をご存知ですか?名前からも想像できるでしょうが、1800年代活躍したサクソフォンを作った楽器製作者です。この人はサクソフォンに留まらず、金管楽器も作りました。それが「サクソルン属」と呼ばれるもので、この中にはコルネットやフリューゲルホルンも含まれます。
したがってコルネットはトランペットとはまったく違う生まれ方をした楽器で(トランペットの先祖はもっともっと昔からありました)、このサクソルンの特徴というのは何と言っても同じ発想から作られた結果「高音サクソルンから低音サクソルンまで存在する」ということで、すべての音域で音色の統一が図られている、という点です。サクソフォンと同じですね。

■吹奏楽でのサクソルン
サクソルン属が開発された当時は軍楽隊が主に使用していた結果、吹奏楽に用いられるようになりました。ご存知の方も多いでしょうが、G.ホルスト作曲の「吹奏楽のための組曲」やF.シュミット作曲の「ディオニソスの祭」などはサクソルンを沢山使う編成で初版は書かれています。
以前ホルストの組曲第1番を演奏する事があってパート譜を見てみたら、トランペット、コルネット、フリューゲルの3種類のパート譜があって、1stコルネットで言えば場所によって3つに分かれてるんですよね(したがって1stだけでも最低3人いないと演奏できない)。なので、記憶が曖昧ですが最低でも10人くらいいないと成り立たなかった覚えがあります(現在は小さい編成のエディションもあります)。

■ギャルド
パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽はご存知ですか?ちょいちょい来日しているので実際に聴いたという方もいるでしょう。自分も中学生の時に初めてギャルドの「トッカータとフーガ/バッハ」の編曲版をCDで聴いたんですが(ジュリアン・ブランの時代)、「え?オルガン入ってる?吹奏楽?えっ?えっ????」と耳を疑いました。今までに聴いたことのない完全にブレンドされた管楽器のサウンドで、若干パニック。
で、このサクソルンという存在を知り、ギャルドが来日するというのでホールまで聴きに行き、当時見たこともないような金管楽器が大勢いることに驚きました。それがサクソルン属でした。
サクソルンが沢山いることによって、楽器同士の音色の調和が非常に良く、ギャルドの演奏は他の吹奏楽団にはない独特な響きでした。もちろん、それぞれのプレイヤーのレベルが非常に高い、というのもありますが。
もしギャルドの演奏を聴いたことがない方はぜひCDを手に入れてみて下さい(特に古い録音がオススメ)。聴いて損はないですよ。

■オーケストラ
吹奏楽で発展してきたサクソルンですが、オーケストラでもたびたび使われます。ロシアの作曲家チャイコフスキーやフランスのベルリオーズ、イギリスのエルガーなどはコルネットを使用した作品が多いです。また、サクソルンという範囲で言えばテナーテューバなどを用いた作品も多く、結構オーケストラの中でも出番があります。
ただ、オーケストラでのコルネットはトランペットのように激しく演奏する部分がほとんどなので、金管バンドのような柔らかくブレンドされたサウンドでは太刀打ちできないんです。ですからマウスピースもトランペットに近い浅めのものを選ぶ人が多いですし、場合によってはトランペットで代用することも少なくありません。

コルネットという楽器とマウスピースの完成については後述します。


《イギリスとアメリカ》
コルネットというのは複数の奏者で柔らかく深いサウンドを演奏する金管バンドから、トランペットに近いサウンドを求められるオーケストラといったように使い方は様々です。
これは、楽器そのものが新しいということもあって、その時代の作曲家がコルネットをどう使うのが良いのか、試行錯誤した結果なのではないか、と自分では思っています。
したがってコルネットはそれぞれの用途に、より近いサウンドを追求して作られたものがあるんです。
これらは完全に個人的な見解になりますが、イギリスの楽器メーカー「ベッソン」が作っているコルネットというのは、金管バンド向けだと思います。この楽器には例えば「デニスウィック」というメーカーのマウスピースが相性が良いように感じます。ミュートでも有名ですよね、デニスウィック。ホルンのマウスピースのようにとにかく深いものが主流です。したがって深みのある温かな音が出ます。
また、アメリカのメーカー「バック」や日本のメーカー「ヤマハ」が最近作っているコルネットは、ベッソンに比べるともっと明るくはっきりしたサウンドに感じます。これらのメーカーのほうが吹奏楽やオーケストラで演奏するには向いているのではないかと思いますし、マウスピースもトランペットに近いカップサイズで演奏することに向いているように感じます。

機会があったらいろいろなメーカーのコルネットとマウスピースの組み合わせを体験してみて下さい。

ちなみに、自分はXOというメーカーのコルネットを使っています。とても軽くて明るい音が出るのでお気に入り。マウスピースはデニスウィックも持っていますが、XOとは相性があまり良くないので、バックの1-1/2C(トランペットのマウスピースと同じサイズ)や5A(サイズは小さいけれどカップが深い)などを使い分けています。


《アーバン》
トランペット教本の中で非常に有名な「アーバン金管教本」。これはもともとコルネットのために書かれた教本です。というのも、この教本を書いたアーバンさんはコルネットという楽器を自らの演奏で世の中に浸透させた人物で、教本を見たことがある方ならおわかりでしょうが、超絶技巧的な作品を演奏し「コルネットってこんなにすげーことできるんだぜぇ。ヴァイオリンみたいだろぉ」と言ったか言わないか知りませんが、そういった経緯から未来の素晴らしいコルネット奏者育成のために書いた教本だったんです。

ですから、アーバン教本にはもともとコルネットに限らず他のサクソルンも使えるように書いてありますし、サクソルン属それぞれの音域なども書いてあるんです。


《兵士の物語》
ロシアの作曲家ストラヴィンスキーが書いた「兵士の物語」という作品をご存知でしょうか。
非常に変わった編成で、ヴァイオリン、コントラバス、クラリネット、ファゴット、コルネット、トロンボーン、打楽器それぞれ1名に、語り手、パントマイムなどがいる音楽劇です。
自分がコルネットという楽器をいろいろと経験することになったきっかけの作品で、これまで何回もの本番を経験してきました。そして毎回違うコルネットで演奏していました。先程書いたベッソンやヤマハがここまで違うのか、と実感したのもこの時です。
実はこの作品をトランペットで演奏したこともあるのですが、クラリネットやヴァイオリンとの相性があまりに良くないため(トランペットの音が立ちすぎてしまうため)ストラヴィンスキーがコルネットと指定していたのも納得できます。

とても不思議で面白い作品ですので、ぜひ聴いてみて下さい。聴くだけなら楽しいですよ。楽譜はすごいことになってますが(笑)
先日亡くなられたモーリス・アンドレ氏が演奏しているCDも出ています。


《音を聴こう》
ということでゴチャゴチャ書いてしまいましたが、ともかくブリティッシュ・スタイルの金管バンドをいろいろ聴いてサウンドを知りましょう。あとは先程書いた「兵士の物語」もぜひ聴いてみて下さい。
余裕があったら、吹奏楽曲やオーケストラのコルネットが入っている作品を探して、スコアを見ながら演奏を聴いてみると、それぞれの作曲家がコルネットとトランペットをどう使い分けていたかが見えてくるかもしれません。
吹奏楽をやってる方は演奏したり聴いたことが多い作曲家P.スパークはもともとブリティッシュバンドのために曲を書いていたものを吹奏楽に書き直している作品(ドラゴンの年、オリエント急行など)が多いですから、聴き比べてみるのも良いでしょう。コルネット協奏曲なんてのも書いてます。

また、フリューゲルホルンは吹奏楽に限らずジャズでもよく使われます。フリューゲル奏者がいるくらいです。
クラシック音楽とはまたひと味違うフリューゲルのサウンドを聴いてみるのも面白いでしょう。

ということで今回はコルネット、フリューゲルについて解説的に書きました。
次回はコルネットを実際に演奏する時、心がけてほしいことなどを書いていきます。

それではまた来週!

当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。

at 10:58, 荻原明(おぎわらあきら), 楽器・アクセサリー・ツール

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マウスピースが抜けない








みなさんこんにちは!


今日は東京スカイツリーの開業日ですね!そしてワーグナーの誕生日。さらに僕の誕生日ですヽ( ´¬`)ノ
もうあんまり嬉しいとかいう歳じゃないんですけどね(笑)


さて、中学や高校へ進学して、トランペットを始めた方はそろそろ音階が吹けるようになってきた頃でしょうか。トランペットは単純に音を出すだけでも大変な楽器ですから、もし他の人に比べて自分が遅れてると思っても焦らないで下さいね。励みにはならないかもしれませんが、自分は中学生の時に音が出せるようになるまで2週間くらいかかりました。音階吹けるようになるまでもっとかかりました。でも、なぜか夏の吹奏楽コンクールに参加させられました。コンクールが終わった頃には、なんだかわからないけど、運指表も見ずに普通に音を出してました。そんなもの。
音が出る感覚が身に付いてくるとその後は結構良い感じで吹けるようになるんです。

で、今回はそんな話とはちょっと違うんですが、初心者の方、特に小中学生のトランペット奏者の人に多いアクシデントについて書いてみます。


《マウスピースが抜けない》
練習が終わって、さあ片付けようと思ったらマウスピースが抜けなくて焦った、なんてことありませんか?多分金管奏者の誰もが一度は経験したことなんじゃないかと思います。

特に、学校が管理している古ーい楽器に、これまた結構ネンキの入ったメッキがけずれちゃってるマウスピースなんか差し込んだ時になることが多いです。

自分が中学生の時は、なんだかしょっちゅう誰かの楽器のマウスピースが抜けなくなってた記憶があります。
そんな時は男子が集まって無理矢理引っこ抜いていたんですが、こんなことしてるからまた抜けなくなってたんだろうな、と今となっては思います。


《力任せに抜かない》
金管楽器って、全部金属でできてるから何だか固くて頑丈そうに見えます。でも、実際はかなり薄い金属プレートを筒状にして作られているのでヤワなんです。とくに衝撃や圧力がかかると、すぐに凹んだり歪んだりしてしまうので、過剰なくらい丁寧に扱って下さい。
ですからマウスピースを入れる部分、シャンクも同様、丁寧に扱うようにして欲しいんです。

万が一、マウスピースが楽器から抜けなくなってしまった時には、無理に抜こうとしないよう注意しましょう。その無理な抜き方が更に抜けにくくなる状態になる可能性もありますので。

マウスピースが抜けなくなった時の対処については後述します。


《マウスピースの入れ方、抜き方》
マウスピースを楽器に入れる時には、ただ真っすぐ差し込むのではなく、ほんの少しだけ「キュッ」とひねって下さい。こうするだけで、ちょっとやそっとでは抜けなくなります。マウスピースを抜く時も同じように少しひねれば簡単に抜くことができます。

ただ差し込むだけでいるのはすぐ抜けてしまいますから、ちょっとマウスピースを下に向けた状態にしただけで落としてしまう恐れがあります(そもそも楽器を持つ時にマウスピースを下にする行為はNGですよ!)。
マウスピースは小さいパーツですから、例えばちょっとでもリム部分が凹んだり変形してしまったら口を当てる感触が変わりますし、バックボア(息が抜けるところ)が変形したら息の流れがまっすぐではなくなります。

間違っても楽器に差し込まれたマウスピースをポンポン、と叩いてみたり、どこかにぶつけてしまうことのないように注意しましょう。中学生の時、テューバやユーフォニアムを担当している人が楽器ごと倒してしまい、マウスピースの部分が抜けなくなったことがよくありました。扱いが悪いからベルは曲がるし(古い楽器でしたから現役の人だけが悪いわけじゃないんですが)、ベルが曲がるからバランスが悪くなってよく倒れるし、よく倒れるからマウスピースが抜けなくなる。。。この悪循環でしたね。

楽器は大切に。。。


《マウスピースが抜けなくなったら》
練習が終わり、片付けようとしたらマウスピースが抜けない!っていうのは結構焦りますよね。
とりあえずケースに入らないし、帰らなきゃいけないし。

マウスピースが抜けないということは、翌日の練習でマウスピースのウォームアップができないということになります!これはヤバい。ですから多少力をかけてねじっても抜ける気配がまったくない時は、それ以上のことはせずに可能ならその足で楽器屋さんに行きましょう。

マウスピースが飛び出ているので楽器ケースに入りませんから、毛布などの厚手の布でしっかりガードをして二次災害が起こらないよう運搬して下さいね。


《マウスピースが抜けない原因》
マウスピースが抜けない楽器というのは、再発する恐れがあります。
原因はいろいろあると思いますが、先程も書いたようにマウスピースを差し込む楽器の部分である主管(シャンク)自体が何らかの理由で、目にはわからないくらいほんの少し歪んでいるのかもしれません。

もしくは、シャンクの中が錆びなどの汚れがそうしているかもしれませんし、楽器ではなくマウスピースのボア部分が錆びていたり歪んでいるのかもしれません。

あと、これはトランペットではあまりないことですが、そもそもトランペットとマウスピースのサイズが合っていないのかもしれません。メーカーによってはバックボアサイズそのものが例えばロータリートランペットに適したサイズのマウスピースなのかもしれません。ロータリートランペットというのはピストン楽器よりも大きめのシャンクになっています。もちろんピストン用のマウスピースでロータリーを演奏することは可能ですが、実体験として、ロータリーの時にマウスピースが抜けにくくなって焦ったことが何度かあります。ですからその逆(ロータリーに適したマウスピース+ピストン楽器)でも同じことが起こる可能性もあります。

余談ですが、いろんなメーカーのトランペットやマウスピースが手元にもしあったら試してみると面白いのですが、楽器とマウスピースの組み合わせで入る深さが若干違うことがあるんですよ。これが抜けにくくなる直接の原因とは言えませんけどね。でもチューニングスライドを予めどれくらい抜いておくかは変わるかもしれませんね。


《ヌッキー》
みなさんは「ヌッキー」というものをご存知ですか?

これなんですが、



工場に置いてありそうな金属の塊みたいですが、名前の通りマウスピースが抜けなくなった時に使う道具です。
以前教えていた学校の吹奏楽部で、マウスピースが抜けなくなる事故が多発して、その都度楽器屋さんに行かせるのがめんどくさくなって自腹で購入したんです(笑)自分じゃ全然使わないんで、ホントに久しぶりに引っ張りだしてきました。だからすごくピカピカ。

これを使うとどんなにひどい状態でも確実に抜くことができます。

今ネットで調べたら結構いいお値段なんですね。。。でも部活でひとつ買っておくには良いのかもしれません。楽器屋さん行くよりは楽ですし。


でも、楽器そのものが原因である場合はどうしようもありませんが、マウスピースが抜けないのには扱いの悪さや手入れ不足などが原因の場合がありますから、変な角度で楽器を持ったり、ぶつけたり落としたりしないように、楽器もマウスピースも日頃から大切に扱ってあげるように心がけて下さいね!

それではまた来週!

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at 12:35, 荻原明(おぎわらあきら), 楽器・アクセサリー・ツール

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自分のイメージを注ぐ、ということ








みなさんこんにちは!


今回はちょっとだけ上級者向けになっちゃうかもしれない事を書きますが、みなさんぜひ読んでください。


《楽曲が活きるような工夫》
みなさんは演奏する作品を練習していくにつれて、譜読みができて音符以外に書かれている様々な記号や文字を理解してくると、その曲のもつ雰囲気とか、作曲家がどんなイメージを持って書いてきたのかがなんとなくでも見えてくると思います。

吹奏楽やオーケストラだと、合奏を重ねてくるとこういうのが見えてきますよね。

これは単に「明るい雰囲気」とか「暗い曲だ」とかではなく、ストーリー性や色彩感、作曲家の持つイメージや考え方などが見えてくるかどうか、ということです。

よく、オーケストラだと「ベートーヴェンらしさ」とか「フランスの作品」「古典派とは」「バロックとは」という作曲家のスタイルや時代背景、国などが影響し、演奏方法や音の出し方などを奏者自身で理解、もしくは指揮者が判断してその作品が一番活きる(と思われる)演奏をしたり、求めたりするのが普通です(日本では特に)。

トランペットでは、ドイツやオーストリアの作品(ベートーヴェン、モーツアルト、ブラームス、マーラー、ブルックナーなど)を演奏する時に日本だとロータリートランペットに持ち替えて演奏することもあり、これも同じ目的です。イタリアものでテューバ奏者がチンバッソを使うのも同じです。

その作品が一番活きる状態を再現するために、楽器や奏法、イメージなどを再構築していく作業は奏者として大切なことなんです。

これらを料理に例えて言うなら「素材が活きる調理をする」という感じでしょう。


《作品に自分のイメージを注ぐ、ということ》



ただ、プレイヤーとしてそれだけを行っていれば良いというわけではありません。上記のようなことをするだけなら、フランスの作品はフランス人に演奏してもらったほうが絶対良いわけですし、我々日本人なら演歌、日本民謡ばかりを演奏していたほうが良いわけですから。でもそれじゃ音楽の幅が狭くなる一方ですよね。

音楽を演奏する時は、これらに加えて「自分のイメージ」を注ぎ込むことで更なる化学反応を起こします。

オーケストラや吹奏楽など、大人数でひとつの作品を作り上げる場合は特に、ある意味偶然その時に集まったメンバー同士でしかできない化学反応が起こる事がとても興味深いものです。また、同じメンバーであっても指揮者が代わると大きく作品が変化することも少なくありません。

ポップスなどと違い、いわるゆクラシック音楽と呼ばれるものはこれまでも、きっとこれからも同じ曲を何度も何度も演奏しています。毎日世界中の至る所で同じ交響曲が演奏され続けることができるのは、様々な指揮者とプレイヤーでの演奏が、単なる「再演」ではなく「新しい科学反応」があるから、と言うことができます(もちろん、その作品そのものが素晴らしいから取り上げられるのですが)。

これを料理に例えるなら「作る人が代わると同じ料理でも味が違う」と言う感じですかね。もしもハンバーグが誰が作ってもまったく同じ味にしかならないのであれば、どこで食べても同じ味ですから日本に1店舗あれば済んでしまします。作る人によっていろんなハンバーグがあるから何度もハンバーグを食べてるのだし、お店も沢山あるのだ、とも言えます。


《注ぎ過ぎに注意》
自分が音大生の時、今日の話題についてものすごく考え、悩んでいました。
同じトランペット専攻の人たちがみんな上手で、自分が埋もれてしまっている焦りが常につきまとっていて、どうすればいいんだろう、と常に考えていました。

他の人と違う演奏がしたい。インパクトのある演奏がしたい。でもどうすれば良いのか具体的にわからない。

いろいろ悩んでいる時にもレッスンや授業、本番、オーディションやコンクールはあるわけで、その都度自分でもどうして良いかわからない「?」な演奏をし続けていました。奏法的なものではないスランプが長く続いていましたね。

演奏経験の少ない学生時代の自分は、引き出しも全然ありませんでした。だからどれだけ悩んでもすぐ解決できるわけもなかったんですが、それすらも気づいていませんでした。

そのうちにだんだんと「作品を加工」するようなことを始めちゃったんです。加工、というのは編曲するのではなくて「楽譜に書いてない余計なことをいろいろして、にわかオリジナリティを追求する」という感じでしょうか。

作曲家が求めてもいないのにテンポや音量を大幅に変えてみたり、大げさすぎる表現を多用したり。そうすることによって「まだ誰も演奏したことのない解釈」をした気になってたんです。

でもこの行為は作品本来の持つ良さを破壊してしまいます。メロディや和音をパクった自作曲みたいなものです。

例えて言うなら「あらゆる調味料で味付けをした食材が何なのかわからない料理」のようです。
これは極端すぎて良くありません。


ですから、クラシック音楽や吹奏楽オリジナル作品などを演奏する際、まずはその作品の持つ良さをしっかりと理解した上で、自分自身が「ここはこう演奏するともっと作品が活きるだろう」と感じたものを織りまぜていく順序とバランスが大切です。

奏者は(素晴らしい)作曲家や(素晴らしい)作品を尊重しなければならない、ということを忘れないようにしましょう。

それではまた来週!



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at 11:11, 荻原明(おぎわらあきら), イメージ

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「ラッパの吹き方bot」ができました!








【号外】

このブログもだいぶ記事が増えてきたもので、過去に書いたものが埋もれてしまってきたなーと思い、このたびTwitterで「ラッパの吹き方bot」を作ってみました!


それぞれの記事でキーワードとなりそうな部分を抜粋して、さらにそのキーワードが書いてある記事のリンクを貼ってありますので、気になるツイートがあったらリンク先を読んでみて下さい。


練習の合間にチロっと見てもらったり、移動中にチロっと見てもらったりして、ハッとしてもらったり、へ〜っって思ってもらえたら嬉しいです。


botは自動的に30分感覚でつぶやきます。
たまに荻原が編曲作品を発売してもらってるクローバーアートの宣伝もつぶやきます。ご了承を。


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よろしければついでに荻原個人のTwitterと、クローバーアートのTwitterもフォローして下さい!

それでは、また火曜日に!


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at 02:46, 荻原明(おぎわらあきら), ラッパの吹き方:Re更新情報/その他

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ベルアップ








みなさんこんにちは!
ゴールデンウィークも終わっちゃいましたね。これから夏までは吹奏楽コンクールの練習や先輩方は新入部員の指導と忙しくなるかと思います。そんな時にはぜひこのブログを参考にして下さい。

初心者の方へ向けた記事もいくつかありますし、初心者を教える先輩へ向けたものもあります。例えば
トランペット初心者への指導と自分の練習時間の確保」とか。今の時期、参考になるんじゃないかと思います。

このブログも記事が多くなってきて(200記事超えました!)埋もれちゃってるものも沢山あるかと思うので、何とかします近いうちに。とりあえず気になることがありましたら、右上にある「サイト内検索はこちら↓」でキーワード検索してみて下さい(PC版)。


ということで本題にいきます。


《ベルアップ》
ベルアップ、わかりますか?管楽器は音が出てくる「ベル」という朝顔の形をしたところが必ずありますね。その部分を「アップ=上げる」行為をベルアップと呼びます。
主にトランペット、トロンボーン、ホルンなどの金管楽器に求められるものですが、オーケストラではクラリネットやオーボエも行うことがあります。

ベルアップをする目的は「音を遠くまで飛ばすため」の行為です。楽曲が盛り上がってきた時「ここぞ」というところでベルアップをし、主張をします。

見た目にも音量にも上手に使えれば効果的な奏法と言えます。

そこで今回はベルアップについて書いてみようと思います。


《あらかじめ決めて行うもの》
ベルアップというのは、楽曲の中で「ここはトランペット(セクション)が最前面に出て演奏しているんですよ!」ということを主張する行為で、基本的には大きな音でメロディを複数で演奏する時に行います。ですからトランペットとトロンボーンでファンファーレ的な演奏をする時などは有効ですね。

ただ、トランペットというのは(特に吹奏楽では)フォルテでメロディなんてザラです。ですから「この場所もあの場所も」と、やみくもにベルアップをするのは逆効果です。

なので、ベルアップを行う場所はあらかじめ決めておき(もしくは指揮者からの指示があった箇所のみ)、その部分だけ行うようにするのが良いと思います。

また、先程「トランペット(セクション)」という書き方をしました。これはソロで演奏する時にはあまり必要ないと思われるからです。その意味は次で書きます。


《一種のパフォーマンス》
ベルアップをすると音量が大きくなる(=客席に音が届きやすくなる)からするものだ、と考えるのは少し違うかもしれません。
それは「ベルアップをしないとトランペットの音は客席に届きにくい(大きな音は出せない)」とは言えないからです。

普通に楽器を構えていたって「トランペット音量大きい!」と指摘されることも少なくないでしょう。
ではベルアップとはいったい何なのか。

それは「パフォーマンス」的な要素が含まれているんです。

ベルアップをすることで、客席からはトランペットのベルが一斉に上がり、注目が集まります。
お客さんからすると「トランペットが一斉にベルを上げた!何かあるのか?!」と、否応なしにトランペットセクションに注目が集まります。

このように耳(音量)だけでなく目でも注目を集めることができるのがベルアップの効果です。

ですから、ソロの時にベルを上げなくても、作品そのものが「トランペットのソロを目立つように」考えて書かれているのが常ですし、ソロは勝手に目立つのでわざわざキツいベルアップをする必要もないと思います(ただし、ポップスやジャズなどでソロを吹く時はベルアップに限らず目立てることをやりたいだけしても構わないと思いますが)。

そうなんです、ベルアップは奏法的にはキツい行為なんです。


《キツいベルアップ》
過去にこのブログで「姿勢について2」という記事の《腕について》にベルアップのことが少し書きました。

トランペットを構える時は「普通の状態でいること=自然な姿勢」が一番良いんです。

人間が普通の姿勢でいる時に、アゴ(視線)は若干下を見ています。また、日本人の多くの歯並びは噛んだ時に上の歯が下の歯を被るようになっています。ですから、普通にマウスピースを口に当てた時はトランペットは下がり気味になります。

ということは、ベルアップ=ベルを真っすぐ(またはそれ以上)上げる行為というのはほとんどの人は不自然な姿勢で演奏しなければならず結果、アゴが前に出て、喉が閉り、苦しいんですね。

喉が閉まった状態で演奏すると、楽器に入る息のスピードがむやみに上がり、客席へも生音が直接届くのでキツい音になりがちです。また、アンブシュアやプレスの角度も不安定になるので音をはずしやすくなります(ピッチも不安定になります)。視線に関しても、前を見ることが困難なので、指揮者や他のプレイヤーが視界に入りにくくなり、アンサンブルをするという点でも難しくなります。

これら奏法的な面からしてもベルアップで演奏する時には慎重に、そしてむやみに行うものではない、ということがおわかり頂けたかと思います。


《ベルアップを指示する方へ》
指揮者や指導者は、以上を読んで頂ければもうおわかりと思いますが、むやみやたらにベルアップを指示しないようにして頂きたいんですね。

部活動や一般の吹奏楽団の演奏を見ていると、たまにですが最初から最後までトランペット、トロンボーン全員がずーーーっとベルアップ状態で吹いている部活があります。
まあ、全員が歯並び等の状態で偶然そうなったのかもしれませんが、、、、ないか。
それにしてもみんな同じ高さに揃っていて見た目だけは迫力あります。全員生音が続くのでかなりキツい演奏になりますけどね。

憶測ですが、こういう団体は「もっと吹いて!」と言ってもなかなかトランペットが鳴らないから、じゃあベルを上げて遠くに飛ばそうという手段に出たのではないかと思います(もしくは過去にそういうことをして、トランペットというのはこう構えるのだ、と間違った伝統を保持している結果かもしてません)。譜面台を斜めに置くのと同じ理由でしょう(譜面台は合奏の時はまっすぐ前に置くものですよ!)。

ベルアップはハイリスクなんです!指示する側はそこ注意して下さい!


《マーラー/交響曲第1番「巨人」》
という曲をご存知でしょうか。
ベルアップと少し話しがそれてしまいますが、この作品の4楽章(最終楽章)のクライマックスに面白い指示がマーラー自身によってスコアに書かれています。


『ここから終わりまで、すべての音を消してしまうほどの賛美歌ふうのコラールが充分な音量に達するまで、ホルンは音を強めることが望ましい。ホルン奏者たちは、最大の音量が得られるように、のこらず立ち上がる。場合によってはトランペットとトロンボーン1本を加えてもよい。(音楽之友社版スコアより)』


実際にコンサートに行くとホルンが全員立ち上がることもありますし、ベルアップをすることもあります(指揮者がどう判断するかによる)。
でも、「すべての音を消してしまうほどの音量」というのはあくまでも比喩ですよね。無理な話だし、もし可能でもアンサンブルがなりたたない。
きっとマーラーは、ホルンセクションが一斉に立ち上がることにより聴衆の注目がホルンに集まり、この部分で一番聴かせたい「賛美歌ふうのコラール」が耳に届く効果を狙ったものだと自分は解釈しています。

今回の「ベルアップ」と同じことですよね。一種のパフォーマンス。


ということで今回はベルアップについて書いてみました。
プレイヤーの方は指揮者にベルアップをいつどこで要求されても無理な吹き方にならないように練習してみて下さいね。

それではまた来週!

※今回の記事はあくまでもステージ上などでイスに座って演奏するオーケストラや吹奏楽の方に向けて書いています。ジャズバンドやマーチング、ポップスのバンドなどでは、見栄えを良くするために意図的にベルを真っすぐする姿勢を求められることがありますので、誤解のないようにお願いします。
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at 11:43, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

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