smtwtfs
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< April 2012 >>
profile
ogiwarasite.jpg

academySMALL.jpg
recommend
トランペット ウォームアップ本 (MyISBN - デザインエッグ社)
トランペット ウォームアップ本 (MyISBN - デザインエッグ社) (JUGEMレビュー »)
荻原 明
【販売部数1000部達成!】「ラッパの吹き方」ブログ著者、荻原明 初の教則本!ウォームアップと奏法の基礎を身につけられる一冊です!
recommend
まるごとトランペットの本
まるごとトランペットの本 (JUGEMレビュー »)
荻原 明
「ラッパの吹き方」から生まれた「まるごとトランペットの本」発売中です!
プレスト音楽教室
プレスト音楽教室 当ブログ著者、荻原明が講師をしている音楽教室です。生徒さん随時受付中です!
ラッパの吹き方bot/Twitter
ラッパの吹き方bot 「ラッパの吹き方」ブログから抜粋した1400以上のことばと記事の紹介をしています。練習のお供に、ぜひご活用下さい!
ラッパの吹き方 Facebook
ラッパの吹き方フェイスブック ラッパの吹き方Facebookでは新着記事の紹介のほか、"note"でのハイノート本原稿公開の更新情報、これまでの記事を発掘して紹介をしております。
sponsored links
links
mobile
qrcode
 スマホ版表示に変更

※スマートフォンで閲覧している時のみ作動します
        
サイト内検索はこちら↓
new entries
categories




archives
others
無料ブログ作成サービス JUGEM


スポンサーサイト








一定期間更新がないため広告を表示しています

at , スポンサードリンク, -

-, -, pookmark


初見演奏2








みなさんこんにちは!

引き続き荻原編曲の金管アンサンブル楽譜を出版してもらっている「クローバーアートミュージック」さんのネットショップで「春の10%offキャンペーン」やってます!5,000円以上のご購入で送料が無料です。ぜひこの機会に!今月末までですのでお急ぎ下さい!


さて、先週から「初見」について書いています。
初見の時はミスしようが何だろうがとにかく演奏を止めないことが大切で、そのためには自信がなくても強気でいきましょう、ということをお話しました。

今回はもっと具体的に初見に強くなるために心がけることを書いていきます。
まずはリズムが苦手な人、特に注目して下さい。


《楽譜は横スクロールする》
自分は、トランペットの演奏活動以外に楽譜の浄書や編曲などを行っているのですが、パソコンで楽譜を書くと、入力したものを再生して聴くことができるんですね。


どんな感じかYoutubeにあったものをリンクしてみます。


楽譜を画面上で再生していると、(この映像では)緑色の縦線が右へスクロールしていますね。その緑の縦線がそれぞれの音符に当たった時に音が出ているのがわかりますか?

縦線の動きはテンポに合わせて常に一定です(テンポ調整をしていると変化します)。
そして楽譜というのは(きちんとした手書き以外の浄書楽譜では)、小節内でそれぞれの音符が占有している横のスペース割合が決まってることに注目して下さい。

どういうことかと言うと、例えば4/4拍子では全音符は小節内で100%占有しています。それは、全音符は「1小節内の長さぶん(4拍)音をのばす」という決まりがあるからです。他の音が入る余地がないんですよね

同じように2分音符は小節内の50%、4分音符は小節内の25%の占有。。。といった感じです。

文章で書くと難しくなっちゃいましたが、要するにトランペットを吹いている時、先程の映像のようにパソコンで再生している時と同様に「目には見えない右にスクロールする縦線があるようにイメージしてみる」と、理屈ではなく視覚的に見えてくるんです。
音を音の距離が遠ければそれだけ長く吹く、という感じです。

特に初見で吹く時にはあまりに複雑なリズムでない限り、理屈っぽくならず「見た目」で演奏するのも大切だと思います。


《最低限の情報は事前にチェックする》
リズムが視覚的にわかっただけでは解決できないものがいくつかあります。それは「音符以外の情報」です。

具体的には

 ■調号
 ■拍子
 ■テンポ表記(具体的なメトロノーム記号の時と Allegro のような楽語の場合、それらが組み合わされた場合があります)
 ■曲中に変化する楽譜(rit.やaccel.など)
 ■繰り返し記号
 ■コーダ、セーニョなどの指示

が挙げられます。こういった情報が演奏前に理解できていなければフラットやシャープを落としてしまったり、指揮者がテンポを遅くするところを見逃してしまう可能性があります。ですので、何よりも先に楽譜に書かれている最低限の情報は把握しておきましょう。
また、曲中に調号や拍子が変わることも沢山ありますから、それにも注意して下さい。


《長休符》
長休符というのは、パート譜にだけ書かれる1小節以上続けて演奏しない時に書かれる記号です。



ご存知ですよね。

書いてある数字は休む小節数を指しています。
実は、長休符のところで「どこを演奏しているのかわからなくなる」パターンて結構あるんです。
ようするに「今、何小節休んでたっけか???」となるんです。

4小節とかキリの良い休みだとそういうことも少ないのですが、オーケストラを経験されたことのある方だと、100小節以上休みみたいなすごい長休符が出てくることもあるんですよね。こうなるといったい今何小節数えたのかわからなくなることも多々あります。

しかも、練習の時(初見以外の時)って何回も演奏を止めるじゃないですか。長い長休符のところで指揮者が止めると「あ!今数えてたのに!」と若干イラっとしたりしなかったり(笑)

長休符で落ちないようにするためのいくつかの対策を書いてみますね。
※ちなみに「落ちる」とは「見落とす」のことで、どこ演奏しているのかわからなくなった時に使う言葉です。使いたくはないですが。

■数え方
4/4拍子はもちろん「1,2,3,4」と一小節を数えますね。でも「1,2,3,4」「1,2,3,4」「1,2,3,4」と言い続けていると何小節休んだかわからなくなります。そして演奏すべきところを落としてしまう。こんな経験した方いますか?
自分がしてました。。。中学1年生の時にこれをやってていつも入りそびれてたんですよね。。。。

単純なことですが、長休符を数える時は「1,2,3,4」「2,2,3,4」「3,2,3,4」「4,2,3,4」と数えるのが普通です。休みが長い時には10小節ごとに指を折っていくとか、方法を取ってみると落ちにくくなるかと思います。


■ポイントを見つけて書き込み
長休符が長くてわからなくなること以外にも、先程書いたように初見以外の合奏練習の時に指揮者が演奏を止めることは沢山あります。その度に隣のトロンボーンの楽譜を見たり「どこ?どこ?」と言ってるようでは迷惑ですし自分も困りますよね。

ですので一番最初にその曲を演奏する時、要するに初見の時に曲中のポイントとなる場所をいくつか把握して書き込んでしまうと良いでしょう。
例えば長休符8小節目でトライアングルが入ってくるとか、16小節目でピッコロが入っているとかを、長休符を分割して書いておくんです。そうすることによって、2回目以降の合奏では、その部分が目印になるので何小節もずっと数え続ける必要がなくなる、というわけです。あんまり書き込みしすぎるとわからなくなってしまいますのでほどほどにしておくと良いと思います。

また、長休符に限らず、特徴的なところがあったら軽く楽器名だけでも書き込んでおくと結構便利な時もあります。
詳しくは過去の記事「楽譜の書き込み2」の中にある《ガイド譜》を読んでみて下さい。


このようにいろいろと工夫をして長休符で落ちるようなことがないようにしましょう。
何よりも大切なことは、長休符は自分は演奏をしないけれど休憩をする場所ではない、ということです。まわりの楽器がどんなことをしているのか、自分が演奏していない間に音楽がどんな変化をしているのか、そして自分の長休符が終わって吹き始める時に、その流れの中にスムーズに入り込んでいけるように準備しておくところです!


《視野を広くする》
初見をすることが苦手な人というのは、イコール譜面を読むことが苦手な人です。

譜面を読むことが苦手な理由のひとつに「視野が狭い」ということが挙げられます。
自分の視界が、今まさに吹いている音符だけを見つめていて、次にどんな音が来るか見えていないんですね。それって、足下を見ながら歩いているようなもので、いつ曲がり角がくるのか、前から人が来ていることとかが全然見えていないから事故になりやすいんです。
ですから、楽譜を読むときにはもっと視界を広くして、今まさに出している音を中心にせめて下の段くらいまでは目に入っているようにしましょう。それだけで次にくる展開が少し予測できます。

また、視野を広くすると、指揮者が視界に入ってきますから、指揮者が演奏を止めているのに一人だけ演奏し続けている、という恥ずかしいことになりませんね。

以前、自分が指導していた部活で合奏で指揮を振っていた時、演奏を止めたのにも関わらず誰も楽器を離さないでどんどん先に進んでいくという経験をしたことがあります。全員自分の楽譜しか見ていなくて、指揮者なんて視界にすら入っていなかったんですよね。
さすがにその時は指揮者が必要なさそうだから帰ろうかと思いましたが(笑)そんな合奏じゃ何も進歩しませんよね。


《沢山の楽譜を読む》
初見に慣れるために一番大切なことは結局「できるだけ沢山の譜面を読む」ということでしょう。
楽譜って、結構どんなものでもパターンがあるものですから、沢山楽譜を見ていると過去に同じようなリズムとか出てくるんですよね。
本を沢山読んでいる人ほど漢字が強い、ってことに似てますね。

ですから、部活などで配られた楽譜だけを練習したり演奏したりするのではなく、自分たちで積極的に楽譜を手に入れて、どんなものでも良いので吹きまくってみることは決して無駄なことではありません。ソロでも教則本でも良いですし、デュエットでも金管アンサンブルでも、何でも良いですから楽譜を読むことがあたりまえに感じられるようになるためにいろいろな曲を吹いてみて下さい。


ただし、ひとつだけ注意して欲しいことがあります。
それは、ポップスや自分が良く知っているメロディを演奏する時「何となく(覚えてる)フィーリングで吹かない」ということです。

例えばミュージックエイト社のポップス楽譜などを演奏した時に、実際のアーティストが歌っているものとまったく同じリズムで楽譜が書かれていない時って沢山ありますよね。
それは歌詞がないのでアレンジャーが調整していたり、1番と2番の歌詞で若干リズムが変わっていても、吹奏楽譜では繰り返し記号で済ますことが多いからです。

ですから「自分がなんとなく覚えている感じ」で譜面のリズムをあまりよく見ないで吹いてしまうと「譜面に書いてあるリズムと違う演奏」になってしまいますから、譜読みの意味がなくなってしまいますし、他の楽器とリズムが合わなくなってしまいます。
注意して下さい。


ということで2回に渡って「初見」について書いてみました。
初見に慣れていない方は特に、沢山の楽譜を初見で演奏して譜面を読むことに強くなって下さいね!


それではまた来週!次回はゴールデンウィーク真っ最中の更新ですね。携帯でも見られますのでお出かけ先でもぜひお読み下さい。

楽しいゴールデンウィークを!荻原はほとんど仕事です!ひぃ。


当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。

at 10:10, 荻原明(おぎわらあきら), 練習に対する考え方

-, -, pookmark


初見演奏 1








みなさんこんにちは!

引き続き荻原編曲の金管アンサンブル楽譜を出版してもらっている「クローバーアートミュージック」さんのネットショップで「春の10%offキャンペーン」やってます!5,000円以上のご購入で送料が無料です。ぜひこの機会に!!!よろしくお願いします。



ここから本題。
みなさんは「初見演奏」というものをしますか?

初見演奏というのは吹奏楽の合奏や金管アンサンブル、ソロなどで楽譜を渡されて個人練習なしでいきなり通してみることを指します。めんどくさいのでここでは「初見」という言葉で書いていきます。

経験したことがある方は「初見」と聞くと気が重くなる方も多いのではないでしょうか。
逆に昔からピアノなどを習っている方の中には、そんなことないよ、得意だよ、と言うかもしれません。
自分はどちらかと言うとあまり得意ではありません。中学生の時なんかまず無理だったでしょうね。。。

初見が得意、不得意の人の差はどこでつくかというと、それは「楽譜を読むことに慣れているかそうでないか」が一番大きいです。
そして初見をする意味やメリットは何なのか、今回はまずこのことから書いてみようと思います。


《プロはほとんど初見から》
プロ奏者というのは、練習日が非常に限られています。例えばオーケストラなら本番の前に多くて3日くらいしか練習時間を確保していません。しかもパート、セクション練習というものがまったくなく、合奏だけですべてを完成させます。
その時使用する楽譜は、事前に受け取ることもありますがほとんどの場合は練習日当日に会場に行って自分の席に座った時に始めて見るということになります。

そういった流れになるのは、しっかりした組織のプロ交響楽団とかだと、本番の数が尋常ではないので毎回毎回全員分の楽譜を事前に郵送したりする作業がものすごく大変になってしまうんです。なので、楽譜が欲しければ事務所まで個別に取りに行くことが多いというのが理由のひとつ。あと、ほとんどの奏者が初見でも充分に通せる演奏ができてしまうので必要ない、ということが大きな理由です。

ですから初日の合奏はほぼ初見状態で行っている、というわけです。


オーケストラ以外でもこれは同じで、例えばアンサンブル(室内楽)では(主旨などにもよりますが)最初の合わせは初見の場合が多いです。
最近自分は金管5重奏をする機会が多く、この時は各自所有している楽譜を持ち寄ってとりあえず初見で全部やってみて、その時の本番のに合う曲やプログラムのスムーズな流れなどを考えて曲目、曲順を決める、なんてことをよくします。
先日この練習を4時間かかって20曲ほど吹き続けました。さすがにしんどかった。。。

こんな状態で最初の合奏が始まるのがプロの世界だとあたりまえだったりするんです。


《初見をする理由》
プロ奏者が初見で演奏するのは、ひとつの本番にかける時間が少ないからという理由から、初見でできてしまうから、というのはおわかり頂けたかと思います。では、準備期間が充分に確保されていることの多い吹奏楽部や一般団体だったら必要ないのでは?と思うかもしれませんが、それは違います。
初見に強くなっておくことはとても大切で、意味がちゃんとあります。

それは「楽譜を読む力をつける」ということ。

どんなに譜読みをする時間が沢山あっても、1曲にかける時間、それも譜面に書かれているリズムや音の高さと言ったいわゆる「情報」を把握したり理解することに時間がかかってしまうと、その先にある「音楽をする」ところになかなかたどり着けないんです。
「音楽をする」というのは、例えば「メロディをどう歌うと美しいか(フレージングを考える)」とか「どんな音色でこの場面を演奏すると良いか(したいか)」「他の人と息の合ったアンサンブルをする」とかを指しています。

いつまでたっても、合奏で他の人に迷惑をかけないように、間違えないようにと必死で食いついていくだけのような演奏をしていては足を引っ張ってしまい、それでは演奏しているほうも(もちろん自分自身も)、聴いてくれるお客さんも楽しめません。ですから、楽譜に書いてある「情報」はさっさと理解してしまったほうが良いんです。時間をかけるべきところは「情報の再現」ではなく「自分の音楽性を広げる」ところにあるはずです。

自信を持って合奏に臨めるように、譜読みの力はできるだけあったほうが良いということがお分かり頂けたかと思います。


そこでまたプロの話に戻りますが、先程書いたようにプロは大人数のオーケストラであってもほとんどの場合、最初は初見状態です。
さすがに演奏が止まるようなことはありませんが、結構アンサンブルに関してはバラバラだったりもします(曲やメンバーにもよります)。

しかし、そこで何か個人練習やパート練習など特別なことを行ったわけでもないのに続けて演奏した2回目の合奏(「返し」と言ったりします)はアンサンブルがグッっと向上しているんです。
なぜこんなことがおこるのか。それは初見の時に全員が「様子を伺っていた」からなんです。決して必死になって自分の譜面を追いかけていただけではないんですね。

「この場所はみんなはこんな雰囲気で行こうとしているのか」とか「指揮者はこの場面で譜面に書いてないけどrit.をしようとしているのか」「この場所は自分が先導して吹かないといけないところか」とか。とにかくいろんな場面をそれぞれがチェックしているからぎこちない演奏になってしまうだけで、だから返した時には完成度がいきなり高いんです。
初見が終わってから一度別室に移動して全員で演奏の仕方を口頭で議論しなくても、譲ることろ、攻めていくところ、息を合わせるところなどを各自が把握していくことができるので、こういう流れができるんですね。


《初見の時に心がけておきたいこと》
初見の大切さと意味がわかったところで、みなさんにも沢山初見をしてもらいたいのですが(一旦個人練習をした楽譜は初見では使えません!)、その時に心がけておきたいことを挙げてみます。

■絶対止めない
初見で一番重要なことは「どんなことがあっても止めない、止まらない」ということ。わからなくなったから一回止めてやり直し、これはすでに初見ではありません。演奏することに自信がない人ほど、ちょっとしたミスですぐに楽器を口から離してしまいがちです(このことについては後述します)。
もしもわからなくなったらもうその部分は切り捨ててすぐに復活すること、これを絶対に守るようにして下さい。だからといって、これから吹く場所が見た目に難しそうだなと思って最初から諦めて吹かないとか、そういうのはもっとダメです。ということで次↓

■弱気にならない
誰だって初見は苦手だし不安に感じています。ミスだってみんな沢山します(と、考えておけばだいぶ楽!)。

初見合奏をしている最中に間違えてしまったとして「あ、やばい!間違えた!」とか思っている暇はありません。そんなことを思っている間にも時は過ぎていくわけで、小節は先へ先へと流れてしまいます。だから間違えてもしらんぷりで良いんです。気にしない。すぐ忘れる。

弱気になったら負けです。自信がなくても強気でいきましょう。

ただし、入るタイミングを1小節間違えてずっとずれているのに気づかない、ってのはダメです。それは全体がパニックになり指揮が止めざるを得なくなってしまいます。
ですから、いくら必死で演奏しているとはいえアンサンブルをしていることには変わりないのですから、冷静さはどうしても欲しいところです。視線は自分のパート譜だけにロックオンして、耳は自分の出している音だけしか聴こえなくて、テンポは自分の中だけで勝手に決めてそれをキープして必死になっているようでは、それは初見の意味がありませんよね。
少なくとも自分が吹いているメロディが周りの出しているハーモニーと全然合ってないことや、自分の出している音が他の人と全然かみ合っていないことにすぐ気づけるくらいのは周囲を感じられるように心がけましょう。

もしも本当にどこを演奏しているのかわからなくなったら、隣りの人の楽譜を覗き込むなり、最悪、隣りに「今どこ???」って聞いても良いと思います。
トランペットがいなくなってしまうと、カラオケ状態になることも少なくありませんからね(そうなると指揮者にすぐバレる)。


とにかく、演奏することを止めない。これが何よりも大切なことですから覚えておいて下さい。


ということで今回は「初見」について書いてみました。
次回は初見の実践編です。

それではまた来週!


当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。

at 14:01, 荻原明(おぎわらあきら), 練習に対する考え方

-, -, pookmark


譜面の見た目に惑わされない








みなさんこんにちは!

引き続き荻原編曲の金管アンサンブル楽譜を出版してもらっている「クローバーアートミュージック」さんのネットショップで「春の10%offキャンペーン」やってます!5,000円以上のご購入で送料が無料です。ぜひこの機会に!!!よろしくお願いします。



これまでもこれからも沢山の作品を演奏していくと思いますが、それらの曲の中には速いテンポのものも、遅いテンポのものもありますよね。

テンポの速い遅いというのは楽譜に書かれている速度記号(四分音符=120とか)や楽語(AllegroとかLentoとか)によって判断すると思います。

ですが、この理論が感覚では変化することがあるんです。
簡単に言うと、同じテンポでも構成するリズムや伴奏形などで「速く(遅く)感じる」ということ。


《雲は白リンゴは赤/aiko》
文章で説明してもわかりにくいのでこれを聴いてみてもらえますか?

ご存知の方も沢山いらっしゃるでしょう。aikoさんの「雲は白リンゴは赤」という曲です。
(と言ってもネット上にフルコーラスでオリジナルがあるわけもなく…どなたかのカラオケを拝借させて頂きました。でも結構上手。)

イントロ〜Aメロでこの曲のテンポがわりますよね(4ビート)。サビの部分はスカになっていて(8ビート)さらにノリが良く聴こえます(若干テンポアップしたようにも感じます)。しかしBメロだけ雰囲気が違うのがわかりますか?ちょっとテンポが落ち着いた感覚を覚えませんか?なぜかというとBメロだけ大きな2拍子に感じるアレンジがそう聴こえさせているんです。

4ビートのイントロから、一旦落ち着いて、サビで一気にスカ(8ビート)になる見事なアレンジはとても勉強になります。
でもこの曲、最初から最後までテンポが変わることがありません。
このように曲の作り方で体感的にテンポが変化したように聴こえることがある、ということなんです。

演奏する側はそういった曲の流れを把握して、よりその特徴が出るよう意識することが大切です。

ですが、加えて演奏者側が陥りやすい点があります。


《譜面に惑わされる》
吹奏楽のトランペットパートだとあまり遭遇することはないかもしれませんが、例えば教則本やソロ曲などでとても16分音符が続くような見た目にとても細かいパッセージが出てくる譜面を見たことはあるかと思います。

例えばこんな楽譜。


この楽譜は、アーバン金管教本1巻の音階練習のページですが、こんな楽譜を見た時、みなさんどんな印象を受けますか?
「指をいっぱい動かさなきゃ」とか「速く吹かなきゃ」といった焦る気持ちになってしまう方、多いのではないでしょうか。

もちろん、ロングトーン練習に比べればフィンガリングも大変ですし、それ相応な練習をしなければなりません。
でも、必要以上に「急いで吹かなきゃいけない」という気持ちになってしまうのは良くありません。

先程aikoさんの曲について書いたことを思い出してほしいのですが、その曲の持っている聴いた時の印象と奏者が見ている譜面の印象とは必ずしも同じではないんですね。

見た目に細かくて大変そうな曲でも、実際演奏してみると(確かに細かい動きではあるのかもしれませんが)ゆったりした印象の作品だったりすることもあるんです。
それに、譜面上は細かい動きだとしても、実は指定しているテンポがとても遅いこともあります。♪=88とか。こんな16分音符や32分音符が連発していても、実際聴いてみるととても遅かった、ということだってあるんです。

ですから、譜面の見た目に惑わされて「一生懸命頑張って吹かなきゃ」と指がもつれるほど急いでしまうと、非常に不安定な演奏になってしまう恐れがあります。

細かい動きほど落ち着いて演奏するように心がけ、その作品のもってる雰囲気を出せるようにイメージをしっかり持っていることが大切です。

譜面に惑わされないように気をつけましょう。


《変奏曲》
みなさんは「ヴェニスの謝肉祭 変奏曲」をご存知ですか?この曲なんですが、

トランペット奏者としては一度は挑戦してみたい曲のひとつですね。
シンプルで美しいメロディ(主題)が曲が様々な形に変えられていく作品を「変奏曲」と言います。基本的にはヴェニスの謝肉祭のように後半に行くにつれてどんどん大変になっていきます。ピアノをやっていた方ならモーツアルトの「きらきら星変奏曲」を弾いたり聴いたりしたことがあるかもしれません。

ソリストのCDやコンサートではこういった作品を良く取り上げられますが、非常に速いフィンガリングと正確さを目の当たりにして「ものすごく速く演奏しなければいけないんだ」と思い込みがちです。

技術がともなって本当に素早く指が動かせればそれでOKですが、実際のところ限界がありますよね。

このような動きが細かい作品(部分的でも)を演奏する時には、雰囲気そのものが「速い」のですから、慌てずにひとつひとつの音を丁寧に、正確に吹いて並べていくほうが、自分の限界以上に一生懸命速く吹く時よりもずっと「速く」聴こえるんです。これとても大切なことです。

ですから、ソロやアンサンブルの時は特に「自分が正確に演奏ができる余裕のあるテンポ設定」で演奏をするようにして下さい。
本番の舞台で演奏する時は緊張も相まって慌ててしまいがちです。それで必要以上にテンポが上がって指がもつれて、一体何を演奏しているのかわからないグチャっとした吹き方をすると、作品そのものが崩壊してしまいますから結果「動きの細かい速い(印象の)曲」ではなくなってしまうんですね。
ですから、乱雑にならないよう、余裕を持って演奏できるように心がけて下さい。


また、吹奏楽などで指揮者がテンポを司っている場合はこの限りではありませんから、とにかくフィンガリングなどのテクニック向上に練習時間を費やす必要があります。
指揮者がどんなテンポを指定してくるかわかりませんから、メトロノームを使って最初はゆっくりから、最終的には楽譜に指定してあるテンポよりも速く吹けるところまで練習しておくと合奏の時にも余裕を持てるかと思います。

メトロノームを使った練習に関しては過去の記事「メトロノーム」を読んでみて下さい。

また、今回の記事の参考として過去の記事「走るということについて1」と「走るということについて2」もぜひ読んでみて下さい。


ということで今回は速いパッセージを演奏する時の心構えについて書いてみました。
フィンガリング練習はとても大切な基礎練習のひとつですから、みなさんも毎日少しずつでも取り入れておくようにしましょうね。

それではまた来週!


当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。

at 12:19, 荻原明(おぎわらあきら), 楽譜の基礎知識

-, -, pookmark


リハーサル








みなさんこんにちは!

春休みもそろそろ終わって新年度が始まる頃でしょうか。
吹奏楽部はこれから新入部員獲得のためのコンサートなど沢山行うことでしょう。頑張って沢山入部させて下さいね!

さて、コンサートと言えばほとんどの場合、本番当日にリハーサルを行います。

そこでみなさんに聞きたいのですが、当日のリハーサルでいつもの練習の時のようにガンガン吹いてしまい、肝心な本番がバテて上手くいかなかったなんて経験はありませんか?

自分はそんな経験たくさんあります。

例えば中学生の時の吹奏楽コンクール、この時は早朝に学校で合奏、不安だからギリギリまで吹いて(もうこの時点で暑さとラッパの吹き過ぎでバテぎみ)、その後会場に着いても音出しできる時にはギリギリまで吹いてここでもバテぎみ。ステージ上がっただけでもうバテてる。とか。

高校生の定期演奏会でもそうでした。リハーサルで頑張りすぎて本番始まる前からバテバテ。


本番当日というのは、考えてみればその日に演奏するすべての曲を最低2往復するということですよね(もちろん指揮者の判断でカットすることもありますが)。それってコンサートの規模にもよりますが結構な負担です。

私たちプレイヤーというのは、いかに本番で完成度の高い演奏をするか、が最大の目的です。
ですから、お客さんがいない本番当日のリハーサルというのは、前日までの練習とも、本番とも違う独特なものなんです。


《リハーサルで頑張らない》
本番当日のリハーサルは決して頑張って吹かないことです。大事なことは本番が上手くいくこと。

前日までの練習や本番ではもちろん全力で良い演奏をしなければなりませんが、それはその日にもう楽器を吹かなくて良いから問題ないんです。

じゃあ、リハーサルはトランペットだけ特別に参加しなければ良いじゃん、と言ったらそれはおかしいですよね。
全員で行うリハーサルとはどんな意味があるのかを理解していれば、どうすればいいかが見えてくるはずです。


《リハーサルの目的》
本番前日までの練習というのは言うまでもなく、完成度を上げるために行うものです。
しかし、リハーサルは違います。

リハーサルは「確認」をする場。ここまで来て更に完成度を上げようというのは悪あがきですし、あまりに計画性のない行為です。



曲というは最初から最後まで一本調子というわけにはいきません。テンポが変わったり、トランペットがとても目立つところがあったり、セーニョやコーダなどの楽譜上の見落としやすい箇所があったり。
定期演奏会などだと、曲順のこととか、座るイスの移動するタイミングとか、司会と演奏のタイミング、演出など確認事項が音楽以外にも沢山でてきます。

そして何よりも重要なことが「本番の会場の確認」です。

学内コンサートなら問題がありませんが、本番がコンサートホールなどいつもと全然ちがう場所だと、考えてもみなかったことが問題になったりします。

例えば、トランペットだとひな壇に上がって吹くことが多いので視界が変わります(位置が高くなる)。そうするといつもの練習時より自分の音が大きく聴こえてしまう感覚になることがあります(逆もあります)。指揮者に、本番の会場で吹いている時だけ「トランペット音が大きい(もしくは聴こえない)」と言われる可能性があるんですね。

ホールというのは練習場と違って自分達の演奏する前方に客席という広い空間があり「響きのギャップ」が生まれます。
会場にもよりますが、自分の音が吸い込まれてしまって吹いている実感が湧かないことがあります。でも実際には客席にきちんと届いているんですが、実感が湧かないのでいつもより無意識に一生懸命吹いて、すぐバテる、音量でかすぎ、なんて経験を自分自身もしたことがあります。

逆に「聴こえない」と言われたら、自分の音が「そば鳴り(近鳴り)」で吹いている可能性があります。
狭い音楽室などで練習しているとすぐに自分の音が四方八方から跳ね返ってきて安心感があります。しかし、自然と響くように設計されている音楽ホールでは、良く鳴る(響く)音で吹けば充分客席まで届けられるのに、その実感が得られなくて一生懸命吹いてしまい、結果それが「そば鳴り」で聴こえないという状態になってしまうことがあります。

「そば鳴り」に関してはこちらの過去の記事を読んでみて下さい。

他にも、練習場のサイズとステージサイズが変わることによって、配置が変わることもあります。いつもはサイドに打楽器がいたのに、本番になったらトランペットの後ろにいる、といった感じ。これってものすごいギャップを感じますし、今まで通りの感覚で演奏ができないこともあります。

そういった様々なことが本番直前に判明することだってありますから、確認を怠っては本番で良い演奏はできませんよね。


リハーサルというのはそういった様々なことを確認するために行うものだ、ということを覚えておきましょう。


《上手く手を抜く》
弦楽器、木管楽器、打楽器の人たちというのは体力的なスタミナは金管奏者ほど消耗しません。バテて音が出ない、っていうのは金管楽器ならではですよね(木管の人もバテるとは聞きますが、音が出せないというほどバテてるところを見たことがありません(笑))。更にトランペットというのはマウスピースが小さいぶん、トロンボーンやテューバに比べてもバテやすい。しかも目立つ。

でも、編成などによってはこういった金管特有のバテを理解してくれる人が少ない場合があるんです。
「トランペットがちゃんと吹いてない、手を抜いている」と言われないためにも上手く手を抜けるテクニックを持ってると便利です。ちょっと紹介してみます。

■ハイノートはオクターブ下げる
トップ(1st)を担当していると、おのずとハイノートが多く出てきます。これをリハーサルの時から正直に頑張って吹いてしまうのはスタミナを消耗するもとです。ですから、例え2nd、3rdよりも音が下になってしまってもオクターブ下げて演奏してもたいして問題ない(その作品が崩壊するような事故になることが少ない)箇所というのは沢山あります。
高い音だから吹くのをやめる、となるとメロディが消えててしまう恐れがあるのでそれは避けるべきですが、音域が下がってもメロディが聴こえていればリハーサルでは問題ありません。

■演奏しなくても事故にならない場所は極力吹かない。
例えばメロディを担当している箇所であっても沢山のパートが同じ動きをしている時や、マーチなどでホルンが担当しているようないわゆる「きざみ」の部分、そういったところは思い切って吹かないでいても演奏が止まる事故につながりにくいです。
これをするには、ある程度作品の全体像を理解していないとできないことですから、いつもの合奏練習の時から他のパートを良く聴き、可能であればフルスコアを見て確認しておくなど知識を増やしておく必要があります。
参考までに「フルスコアを読もう」の記事を読んでみて下さい。

■軽く吹く
楽譜にff(フォルテッシモ)と書いてあっても、リハーサルの時はあまり本気で吹く必要がありません。とにかく楽に出せる音量でいれば良いと思います。
ただし、先程書いたように本番の会場で、自分の音がどんなふうに客席へ届いているのか確認をするために、本番と同じバランスで吹く瞬間も作るようにして下さい。特に旋律やソロの部分だけはきちんと吹いてみましょう。バテない程度に。

軽く吹く、と文字では簡単に書けますが、常日頃から力んで吹くクセを持っている方はなかなかそうはいきませんよね。
これは一日二日で解決できることではありませんから、毎日の練習で習得できるようにしておきましょう。

■長い音は吹かない
場合にもよりますが、先程の「演奏しなくても事故にならない場所」と同様、音を長く伸ばしている箇所、例えばメロディの動きがない時とか、和音を構成している音を出している時などで、自分がいなくなっても支障がない時は、少しだけ吹いて逃げてしまうのも手です。その際、ブツっと切ってしまうのではなく、徐々に音を小さくすると周りもびっくりしないと思います。
ロングトーンというのは体力を消耗しやすいので、こういったところはできるだけ避けるように心がけると結構スタミナがもちます。
ただし、リハーサルだけですよ。本番は楽譜に書いてある長さ通りに吹いて下さいね。

《周りの理解、指揮者・指導者の配慮》
と言っても、やはり軽く吹いたり、楽譜に書いてあるところを吹かないと、多少なりとも全体の雰囲気が変わってしまうのは否めません。
上に書いたようなことをトランペット奏者がいちいち説明するというのはちょっと変です。

日頃から指揮をする人(指導をする人)が理解をして、全員がそれを理解した状態でリハーサルを行っていることが大切です。みんながわかってくれていればトランペット吹きとしてはとても安心できます。

間違っても「おいラッパ!手を抜くんじゃない!」とか「ちゃんと吹きなさい!」なんて言わないように指導者は配慮するようにして欲しいものです。


《ゲネプロ》
「ゲネプロ」とか「ゲネ」という言葉を聞いたことがありますか?これはドイツ語の「ゲネラル・プローベ」の略で、日本語では「前日の練習」「予行練習」「通し練習」といった意味で使われます(ついでに言うと「リハーサル」のことは「リハ」と呼んだりしますね)。

ゲネプロは前日練習ですから、リハーサルとは違った目的があります。
本番の会場で行う場合もありますが、前日ですからいつもの場所や練習場がほとんどです。この時はリハーサルとは違って、音楽の完成度を確認する場と思っておくと良いでしょう。



ということで、今回はリハーサルの時の心構えなどについて書いてみました。
リハーサルは体力温存を心がけ、且つ適当に吹きすぎないバランス作りができるよう、日頃から心がけておくようにしましょう。

これから本番を控えている方はぜひ実践してみて下さい!
それではまた来週!

当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。

at 11:44, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

-, -, pookmark