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1日吹かないと3日戻る【追記】








みなさんこんにちは!



《1日吹かないと3日戻る》

というタイトルで過去に記事を書いたことがあります
今回はこの事について補足的になりますが書いてみようと思います。


ところでこの「1日吹かないと3日戻る」という言葉、聞いたことありますか?自分は中学生で吹奏楽を始めた時から環境が変わっていっても常に誰かしらが言っていたので金管の(管楽器の?音楽の?)世界ではかなり有名な言葉なんだろうと思っています。

でもこれ、本当なのでしょうか。

経験的なことを言えば、あながち間違っていないと思っています。でも、3日前までに経験したことや習得できたテクニック、知識などをすっかり忘れてしまうなんてことはありえないわけで、そうなると考えられるのは「感覚的な面」に限られたことなのでしょう。

感覚というのはわかりますか?これは例えば「マウスピースを当てる感覚」とか「アンブシュアの感覚」「呼吸や姿勢の感覚」といった点のことです。


《体力面》
体力面が衰えることはないのかな?と思われている方がいらっしゃるかもしれません。しかし、これまでこのブログを読んで頂いている方でしたらなんとなくでも理解して頂けていると思いますが、トランペットを演奏する時に必要な体力なんて本当に限られています。アスリートのように鍛え上げられた者しかできないようなものは決してなく、人間が普通に生活できる力があれば充分であると考えています。

また、アンブシュアも決して筋力で作り上げられたものではありません。
もしあなたが筋力を酷使してアンブシュアを作っているのだとしたら、数日吹かないうちに今までの強固なアンブシュアを形成することが難しくなってしまうかもしれません。しかし、そもそもそういった吹き方をしてしまっていると様々な問題が起こってしまう恐れがありますので、ぜひ少しずつでもリラックスしたアンブシュアで演奏ができるよう、方向修正していくように練習してみて下さい。
参考のために過去の記事「アンブシュア1」から読んでみて下さい。

そして、腹筋も同じ。腹筋は吐き出す息を一定に保つために必要なものであって(空気の流れを変化させるという使い方もあります)、トランペットの中に入りもしないスピードの強い大量の息を押し込むために使うものでは決してなく、トランペットに適した息の量をコントロールするための腹筋は言い換えると「(楽器に流し込む息の量とスピードを)抑えるために腹筋を使っている」と表現したほうが良いかもしれませんね。これを過去の記事では「支えるための筋力」と言っています。

ですから、社会人の方などで毎週末しか楽器を吹くことができなくても筋力に関しては別段気にすることではありません。健康であれば誰でもトランペットを楽しむことができるはずです。

支えるための筋力というのがどれくらい必要なのか、これを具体的な数値で表すことは難しいですから、言ってしまえばこれも「感覚」的なことに含まれると言えます。


《感覚》
例えば車の運転とか、料理を作るとか、スポーツをするとかでブランクがあるとよく「感覚が鈍ってるなぁ」と言うことがありますよね。
トランペットに関してもこれと同じことが言えます。

トランペットを吹く時というのは、先程書いたようにマウスピースを当てる位置や角度、自然なアンブシュアがどうやってできていたかなど、文章や図では説明ができない、人それぞれの微妙な感覚、そしてそれらすべてのバランスが非常に大切で、どこかひとつでも感覚的に鈍ってしまうとなかなか調子良かった時の演奏ができないものです。

これは時間の経過だけが原因ではなく、毎日演奏していても例えばアンブシュアにちょっと疑問を感じていじってしまった瞬間に今までどんな感覚で吹いていたのか突然わからなくなってしまう、という非常に繊細なもでもあるのですが、今回はそれは置いておきます。これらについて詳しくは過去の記事「調子が悪い時1」からを読んでみて下さい。


《感覚をできる限り鈍らせないためには》
仕事や勉強で毎日トランペットを吹くことが難しい方が沢山いらっしゃると思いますので、少しでも「感覚」を鈍らせない方法をいくつか挙げていきます。

■マウスピースだけでも毎日吹く
これはベタな感じですよね。でもここで大事なことはあくまでも「感覚」を鈍らせないためにする、ということです。
要するに、今日はトランペットが吹けないからと言って、マウスピースで曲練習のようなことをガンガンやる、のではなく(これをやると逆効果)あくまでも「調子が良い時にどんなふうに当てていたか」例えば「唇に当てる角度」「プレス」「位置」「口の中の状態(舌の位置)」そうった感覚とバランスで「軽く息を入れても反応する柔軟な唇(=アンブシュア)を忘れないようにするための練習です。

■シミュレーションをする
会社や学校の帰宅中や、久々に楽器を吹く日の練習場所に向かう途中などトランペットを持っていない時でもイメージだけならいくらでもできます。
どうしても楽器を目の前にしてしまうと「すぐ音にしなきゃ」と力んでしまったり焦ってしまいがちでも、歩いている時だったら冷静に「調子良く吹いていた時ってどんな体の使い方してたかな?」と思い返せますね。これだけでもかなり違うと思います。口の中の状態、舌の位置などを実際にやってみるくらいなら電車の中でもできますし、腹筋の使い方(呼吸)などは家でテレビを見てる時でもできますね。

■ウォームアップメニューを考えておく
先程書いたように楽器を手にした瞬間「とにかく音を出さなきゃ!」と思って一生懸命吹こうとする心の状態は「焦り」です。良くありません。ですから、練習場に移動している時に、今日のウォームアップメニューを「柔軟に」組み立てておきましょう。ウォームアップというのは毎日決まったことを淡々とこなしていくためのものではなく、その時の状態で変化させていくものです。

※上記の文章が誤解を招きそうな表現でしたので補足すると、ウォームアップは呼吸、姿勢、アンブシュア、タンギングなどそれぞれのチェック項目をバラバラにしてひとつずつきちんとできているか検証していく作業と考えて下さい。
ですので例えばタンギングがきちんとできているかをチェックする際、常に同じメニュー(楽譜)をし続けなければならない、ということではありません。自分のレベルに合ったタンギングをチェックできる内容であれば基本的にはどんなものでも構わないと思います。しかし、ある程度毎日同じメニュー(同じ楽譜)を使っていることで、昨日と今日でコンディションの違いがあるか等を確認しやすくなります。ですので、ウォームアップそのもののメニューは毎日決まった事をこなしていく方法で良いと思うのですが、チェック項目のどこかにひっかかってしまった場合は解決するまでその項目に時間をかけていくことになります。したがってそれぞれの項目に費やす時間に関しては毎日変化するものと考えて下さい。(2013.2.7追記)



過去の記事「ウォームアップ4」で詳しく書きましたが、ウォームアップというのは「照準を合わせる作業」なんですね。ですから、その日のコンディションによってメニューが変わったり、何にどのくらい時間をかけるか、といったことを柔軟に対応できるようにすることが大切です。
そういった沢山の選択肢を事前にシミュレーションをしておくのはとても良いことです。

■気にしすぎない
これが一番大切なのかもしれませんね。ああだこうだといろいろ気にしすぎると、結局は焦りにつながってしまい良くありません。「楽しく吹ければとりあえず良いや!」くらい気楽に心構えできていると無理しなくて良いのではないかと思います。
自分は結構ネガティブ思考なものでなかなかこうは考えられないのですが、心配していてもしっかり意味のある練習を常にしていれば最悪の事態にはならないものなんだな、って毎日終わってから感じているんです。
だから気にしすぎないことって大事なんですよね。自分にも言い聞かせてます。


《潰れ》
吹奏楽やオーケストラでトップ(1st)を吹く機会が多い方は特に気にしておいてもらいたいのが「潰れ」についてです。
潰れる、というのはご存知の方も多いと思いますが「今までどうやって吹いていたかさっぱりわからなくなる」「良い音が全然出ない(音がかすれる)」「ハイノートどころか中音域も思うように出せない」といた状態になることです。
これらはすべて無理な奏法によるもので、ウォームアップを入念に行うことなど先程書いたようなことを心がけていれば防ぐことができます。
万が一潰れてしまうと取り戻すために結構な時間がかかってしまうこともありますので充分注意して下さい。


《戒め?》
結局のところ「1日吹かないと3日戻る」というのは「毎日サボらないで練習をさせるための誰かが作った戒め」のようなものだと思います。サボらないでコンスタントに能率良く練習をしていれば必ず上達します。ですから、深刻にならない程度に覚えておいて下さい。

ということで今回は補足的な内容になりましたが、みなさんそれぞれのペースで楽しくトランペットを吹いて下さいね!
それではまた来週!



当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。

at 10:05, 荻原明(おぎわらあきら), 練習に対する考え方

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フルスコアを読もう








みなさんこんにちは!
。。。こんばんは、ですね。演奏仕事の都合で更新が遅くなりました、ごめんなさい。


では、早速はじめますね。
トランペットをはじめとする管楽器の人が演奏するために見る楽譜というのはいわゆる「パート譜」と呼ばれていますね。
ご存知の通りパート譜というのは自分が演奏する部分だけが書き込まれている楽譜で、その譜面に書いてある情報だけでは他の人たちが何をやっているのか見当がつきません。

一度合奏をすれば自分がその場面でどんな立場なのか(トランペットしかメロディを吹いていないなど)だいたいの見当はつく人もいると思いますが、それぞれの楽器が何をしているのか細かく把握するのは非常に難しいことです。

与えられたパート譜をしっかりと読んで楽譜通りに演奏できても、一緒に演奏する様々な楽器が場面ごとにどんなことをしているのかを理解できていないとアンサンブルは完成しません。

それはなぜかと言うと、例えばあなたが演劇をすることになり、台本を渡され、自分の言うセリフをしっかり覚えてきて、いざみんなで芝居をすることになった時、相手役の人が何を言って、どんなことをしているのかを全然知らずにしかも聞いていなかったとしたら、本当の意味での会話にはなりませんよね。会話のタイミングが合っていたとしても、相手の言った言葉から反応している、という感じにはなりません。
相手のセリフや自分の言った言葉でどんな反応をし、ストーリーが進展するのかをイメージしていなければ芝居は成立しませんから、プレイヤーも同じ様に自分の出す音とそのタイミングだけを理解していても本当の意味での完成はしないんです。

ということから、更に合奏レベルを上げるためにも「フルスコア」を読むことができるようにしましょう、というのが今回のお話です。


《フルスコア》
みなさんはフルスコアを読む、という習慣はありますか?フルスコアというのは全てのパートが書いてある大きな楽譜、指揮者が見ているやつです。もしかするとちゃんと見たことがない人も沢山いるかもしれませんので掲載してみます。

こんな楽譜です。


このスコアは以前自分が指導していた学校の部活の編成に合わせて編曲したものなのでパート数は少なめですが、楽譜を見るのがあまり好きではない方は「うえー細かい。。。」「わけわかんねえ」って思ってしまうかもしれませんね。
沢山のパートを1つにまとめているのでどうしても緻密なものに見えます。でも、ただパート譜を縦に重ねてるだけですから、いつも見ている楽譜が読めればそんなに難しいものではありません。

ではそのフルスコアで何をするのか。それは先程も書いた通り「他のパートが何をしているのか理解する」のが目的です。


《フルスコアを読む》
トランペットを吹いている方は、他の楽器を吹いている人がそれぞれどんな楽譜を見ているのかご存知ですか?

例えば隣りにいるトロンボーンの人が見ている楽譜、トランペットの楽譜との違いは何でしょう。わからない方はトロンボーンの人にパート譜を見せてもらって下さい。
音域が1オクターブほど違うのでヘ音記号という音部記号で書かれています。ということは、トランペットで言う「ド」の音の位置にトロンボーンの「ド」の音が書かれていないということがわかります。

また、調号が違うのに気づくでしょう。
吹奏楽のトランペット譜は「in Bb」という移調された状態で楽譜が書かれているのに対し、トロンボーンの譜面は「in C」で書かれています。これは知っている方も多いかと思いますが、トランペットの楽譜で言う「ド」の音はピアノで弾く「ド」の音ではないんですよね。
でもトロンボーンの楽譜はピアノでそのまま弾いて同じ音が出るように書かれているんです(ピアノで弾いても同じ音が出せる楽譜を「in C」と呼ぶと考えてもらえると分かりやすいと思います)。

ただし、トロンボーンという楽器は基本、トランペットと同じ「Bb管」です。

あーややこしい。


吹奏楽で使われる管楽器というのはピッコロ、フルート、オーボエ、ファゴット以外全て移調楽器なので、スコアを見るとパートごとに調号が違うのがわかると思います。
これがややこしいんですよね。

ですから、そこまで細かくスコアを読めるようになりましょう、とは言いません。
もっと視覚的に見ればそれで充分です。


《同じ動きを見つける》
各楽器の出している音の高さがわからなくても、リズムの書き方はどの楽器でも同じ。ですから、音符を図形として見ることさえできればどのパートとどのパートが同じ動きをしている、というのはわかるはずです。

それさえわかれば自分がメロディを吹いているところで他の何かの楽器が同じことをしているとか、逆に自分以外誰もメロディやってないとか、そういうことはわかりますよね。
そうやって展開が理解できているだけで合奏時に心構えでき、安心です。

では先程のフルスコアの一部を拡大したものを見て下さい。


ホルンからトランペット1までを拡大しました。
この楽譜では自分が1stトランペットを担当しているとしましょう。そうして見てみると、ホルンの1stが同じ楽譜の書き方=同じリズムであることが視覚的に理解できるでしょうか。
音の高さがわからなくても動きが同じということが分かったのですから、合奏の時には少し遠くにいるかもしれないホルンの1st奏者と息を揃えようという意識の持ち方があるだけでかなりアンサンブルのレベルは変わります。

参考として過去の記事「電波の送受信(アンサンブル)」も読んでみて下さい。


《様々な練習方法を見つける》
同じトランペットパートだからといって、常にハモって同じ動きをしているとは限りません。
隣りで吹いている2ndトランペットが全然違う動きをしていると分からずに合奏中に「せーのー」と一緒に吹こうとしたら入ってこなくて「え?なんで?」と一瞬びっくりしてしまうと自分の演奏が不安定になってしまいます。

そうやって楽譜を図形的に見ているだけでも入ってくる情報は沢山あります。

同じ動きをしている各楽器のパートだけを集めて一緒に練習してみれば、メロディの歌い方を強化することができますし、バンド全体を支えるハーモニーだけを集中して作ることもできます。

スネアやバスドラムなどが継続的にリズムを演奏している箇所だったら、それら打楽器にも参加してもらってテンポキープを兼ねた練習もできますよね。

発見できればできるだけいろんな発展的な練習ができるんです。
個人練習、パート練習、セクション練習というものはみなさん多く行っていると思いますが、作曲者によって、作品によっては、そういった単純な「くくり」では解決することが難しい場面というのも沢山あります。

こういった視点からも、フルスコアを読めると良いですよね。


《いろいろな発見》
いろんな作曲家のスコアを見ていると様々な発見をすることができます。

例えば、フォルテとかピアノと言ったダイナミクス記号の書き方ですが、作曲家によって大きく分けて2パターンの書き方をしています。

ひとつは全部のパートを同じダイナミクスで書いている人。メロディも伴奏も盛り上がっていれば全パートフォルテだったり。

もうひとつは楽器によって変えている人。メロディは大きめに書いてあって、シンバルなどの打楽器や伴奏形はそれよりも少し小さめに書いている人。

前者は作品としてのダイナミクスで書いてあるので、奏者に微妙な音量バランスを求めている(自分は伴奏形だからメロディより前に出ないようにしよう、などの解釈を奏者に求めている)のに対して、後者は楽譜に書かれている音量を奏者それぞれが従うと、自然と立体的なバランスを(ある程度)自然と作り上げられるようになっています。


他にも、いろんな作曲家のフルスコアを沢山見ていると、その人のクセというか特徴がだんだん見えてきます。どんなふうに演奏させたいのか、とか楽器ごとの役割をどうさせたいのか、とか。

例えば吹奏楽で非常に有名なアルフレッド・リード氏の作品では、コルネットとトランペットの使い分けが非常に顕著です。あとテナーサックスとユーフォニアムの動きがかぶりすぎてるところとか。。。(笑)

オーケストレーションが作曲家によって全然違うのがわかってくると面白いですよ。


《パート譜への書き込み》
フルスコアを読んでいろんなことが理解できたとしても、自分のパート譜に全部書き込みしまくるのは良くありません。
書き込みをしてしまうと「わかった気がする」状態になってしまい、頭の中にインプットされにくいんです。書き込んで良いものはパート譜だけではわかりにくいことろや絶対はずせないポイントのようなものに限定すると良いでしょう。

この点については過去の記事「楽譜の書き込み1」「楽譜の書き込み2」を読んでみて下さい。


《フルスコアに慣れる》
吹奏楽で演奏している方はフルスコアを個別に手に入れるのは非常に難しいですよね。通常、指揮者しか持っていませんから合奏の合間にちょっと指揮台に覗きに行くとか、それくらいしかできないかもしれません。

なので、スコアを読むことに慣れるために「ポケットスコア」というものを買ってみてはいかがでしょうか。
最近、吹奏楽のポケットスコアなるものが出てきたっぽいですが、基本はオーケストラ作品です。ヤマハなどの楽譜を取り扱っているお店だととても沢山の作品が売っています。安い!

ポケットスコアは文庫本のような大きさなので、ものすごく小さくて細かいのですが、慣れると苦ではありません。
自分の好きな曲でも、聞いたことあるタイトルの曲でも何でも良いので、その曲のCDをかけながら何回も何回も繰り返し読み続けてみて下さい。
楽譜に慣れるだけではなく、先程書いたようにいろんな発見があると思いますよ。


《コンデンススコア》
フルスコアに対して「コンデンススコア」という楽譜があります。吹奏楽の楽譜にはとても多いスタイルなのですが、ものすごく音符の多いエレクトーン譜のようなものです。ミュージックエイト社のスコアはコンデンスがほとんどですね。あと、吹奏楽コンクール課題曲にはフルスコアとコンデンスの2通りがあります。

3,4段くらいの楽譜に全部のパート譜を集約している状態で、このスコアの使い方としてはハーモニーを理解しやすいことと、同じ動きをしているパートが楽譜の中に文字で書いてあるのでグループ分けしやすいメリットがありますが、やはり読みにくくて不便なのは否めません。フルスコアはやっぱりどうしても欲しいですね。


ということで、今回はスコアについていろいろ書いてみました。

スコアは縦にパートが重なっていることから、バンド全体の動きを理解する時にはたびたび「楽譜を縦に読む」という言い方をします。合奏中に指揮者から「もっと楽譜を縦に読まないとバラバラだぞ!」と言われたら、パート譜を90度回したりしないように覚えておきましょう。

それではまた来週!


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at 21:31, 荻原明(おぎわらあきら), 楽譜の基礎知識

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聴衆とのギャップ








みなさんは合奏やレッスンなどで

「そこはスタッカートだぞ!」とか
「クレッシェンドが聴こえないぞ!」

などと指摘され、

「は?ちゃんとやってるし!」

って思ったこと、あるんじゃないでしょうか。

今回はこの話です。


《ミュージカル》



ちょっと話がそれますが、みなさんは演劇やミュージカルを観に行ったことはありますか?
だいぶ昔のことですが、小学生の頃に初めて「サウンド・オブ・ミュージック」を親に連れられて観に行ったことがあります。

当時の自分は野球とゲームばかりやってる子どもで、音楽や演劇などに興味がなくあまり乗り気じゃなかったんです。
で、舞台が始まったら俳優さんたちのそれはもう大げさな表情と喋り方、歌い方に観ているこっちが恥ずかしくなりました。

ただ、いつの間にかその大げさな表現や歌い方にも慣れてきて、、、そんなレベルじゃないですね、完全にその世界に引き込まれてしまい、心の底から楽しんでいたんです。

舞台が終わった後もしばらくはそのミュージカルの世界から抜け出せず、何とも言えないフワフワした心地よさを感じていたのを今でも鮮明に覚えています。
小学生だったから余計に影響を受けたのかもしれませんが、その後大人になってから観た演劇やミュージカルでもやっぱり同じように引き込まれます。

多分みなさんの中にも同じ経験をしたことある方が沢山いらっしゃるのではないでしょうか。


《音楽も同じ》
ミュージカルに限らず演劇、落語や歌舞伎、そして音楽も、舞台からお客さんたちに向かって表現して、伝えるということには変わりありません。
でも私たち音楽をする人間は、大げさな表情で大きな動きで舞台を駆け回って転げ回って演奏することはできません。ですから、お客さんには「音」だけでメッセージや感情などを伝えていくことになります。

で、先程のミュージカルの話に戻りますが、例えばクラスの友だちが教室でミュージカル俳優みたいな喋り方で登場してきたらちょっとヤバいなこいつ、ってなっちゃいますよね。街中だったらもっとヤバい。

でも舞台だったら普通。

このギャップを知ることが音楽を知る上でとても大切なんです。


《ギャップ》
「そこはスタッカートだぞ!」「は?やってるし!」というやり取り、これがプレイヤーと聴衆のギャップです。

自分ではちゃんと楽譜に書いてあることをやっているつもりでも、聴いている人には非常に伝わりにくいのだ、ということをまず自覚しましょう。
「こんなにやったら大げさすぎじゃないかな?」「わざとらしく感じられたら恥ずかしい」というくらいで意外にも普通か、それでも普通以下なんです。

こう思っているだけで表現力に結構な差が出ますが、もっと具体的に、どのくらいやったらどのくらい伝わるのかを練習で経験しておくと本番に強くなりますよね。

練習例をあげてみますね。


《伝える練習》
今練習している曲でかまいません、その楽譜を例えば部活だったら友だちや先輩、コーチなど楽譜が読める人に渡して、遠くから聴いてもらって下さい。距離をとるのは舞台と客席という空間を作るためです。聴いてもらう人は多ければ多いほど良いです。聴く人はいろんな場所に散り散りになると良いでしょう。

演奏する箇所はどこでも良いと思いますが、スタッカートができているのか聴いてもらいたいならばそういった箇所を演奏します。数小節で良いでしょう。

自分ができる精一杯大げさに(できる限り誤解なく伝わるように意識して)演奏して、それがどのくらい伝わるのか率直に教えてもらって下さい。
逆に聴く側にもなって同じことをしてみましょう。

演奏を聴く人は正直に伝わっているのかどうなのかを指摘してあげて下さい。お世辞抜き。厳しめに、素直に言ってあげて下さい。

これをいろんな音形、いろんなフレーズで自分が思っている通り伝わるまで工夫をしながら吹いてみます。
そうすることで自分が持っている表現の幅や、苦手な(得意な)音形を知ることができます。


この練習の最大の目的は「ホールで聴いているお客さん全員に伝える、自分が伝えようと思ったことがそこにいるお客さん全員に届ける力」を養うことです。

ホールというのは大きなところだと目の前だけでなく、視界に入らないほど左右、上、奥にもお客さんが座っています。そういった広い空間にいる全員に伝えることが演奏する側には求められます。遠い人には伝わらなかった、とかダメですよね。自分がそこに座って聴いているお客さんだとしたらそんな残念なことはあって欲しくない、と思えばわかると思います。

参考までに過去の記事「響く場所、響かない場所での練習」も合わせて読んでみて下さい。


先程からスタッカートばかり挙げていますが、他にも自分の意思に反して伝わりにくいものとしては、

 ■付点8分音符+16分音符のリズム→関連(過去の記事):付点音符の吹き方
 ■クレッシェンド(ディミヌエンド)
 ■テヌート→関連(過去の記事):テヌート
 ■アクセント→関連(過去の記事):アクセント
 ■タイの長さ→関連(過去の記事):タイの吹き方
 ■ヴィブラートのかかりかた(曲や場面に適しているか)→関連(過去の記事):ヴィブラート(ビブラート)1
 ■フェルマータの長さ(が適しているか。大概短い)→関連(過去の記事):フェルマータ1
 ■スタッカート→関連(過去の記事):スタッカート
 ■その他、歌い方など

様々なアーティキュレーションやリズムで意外と自分が思っているほど伝わっていないものが沢山あるはずですのでいろいろ試してみて下さい。


練習と言うと「楽譜を間違えずに吹く」とか「テンポ」「ピッチ(音程)」の練習ばかりがメインになってしまいがちですが、それらが完璧にできても表現することを忘れていては行き着く先きは「機械的な演奏」になるだけです。

聴く人に自分が思うこと、表現したいことを確実に伝えられる力を養う練習はとても大切ですし、むしろこちらを優先すべきかもしれません。

様々な角度から練習をするように心がけて下さいね!

それではまた来週!

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at 10:08, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

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吹きたい曲を吹いてみる








みなさんこんにちは!


僕が通っていた中学、高校の吹奏楽部はあまり活発ではなかったので、休みの日もあったし、合奏の日以外はパート練習とか個人練習という名の放置プレイだったので、楽器を膝の上に置いてボーーーっとしている部員もいました(それについて何か指摘をするわけでもない)。ああ時間がもったいない。

高校生の時は音大受験のための個人レッスンを受けていたこともあり、課題をこなすのに必死で部活の練習はとても貴重な時間でしたが、中学生の時は課題もないし、合奏でやる曲もテキトーに吹けていたので(と、当時は自信満々に勘違いしてました)、何をしていたかと言うと、それはもう好き勝手にいろんな曲を吹いていました。


僕自身の当時の経験も含めて未だに不思議なんですが、吹奏楽部って与えられた楽譜や決められた基礎練習曲しか吹いてはいけない謎の空気感が漂っていませんか?
これから部活で演奏する曲が吹けていないのに全然関係ない曲ばかり吹いて遊んでいるのは当然ダメすが。


みなさんはどうでしたか?部活で与えられた曲以外に「あの曲吹いてみたい」って思いませんか?



僕は当時、ドラゴンクエストが大好きだったので、ドラクエに出てくる曲のあれこれを吹きたくて仕方ありませんでした。ドラクエってオーケストラ版のCDがあるんです。そしてそのCDジャケットの中に、全曲の楽譜が載ってるんです。楽譜があったら音を出してみたいじゃないですか。しかもトランペットを主要なメロディに使うオーケストレーションが多いのでますます吹かずにいられない。

で、吹いてました。個人練習の時とか、部活が休みの日に自主練習と称して音楽準備室にこもって。周りの部員たちにどう思われてたかはわかりませんが、楽器があって、音が出せて、楽譜があってそれが吹きたいのに我慢する理由などありません。

それはもう楽しい楽しい。吹奏楽で演奏する与えられた楽譜を吹くのも好きでしたが、吹きたい曲を好きに吹いている時ってホント楽しい。

そして吹けないんです。難しい。音域も高いし、もともとプロが吹くこと前提で書いているわけですから、中学生でも楽しく演奏できるようなものとはわけが違う。だからって「こんなの吹けないや。やーめた」とは思えず、悔しくてハイノートを出せるように必死になってみたり、CDと同じサウンドで吹きたい一心で練習してみたり、難しいフィンガリングができなくてイライラしたり。

でも「プロってすげえなぁ、俺には絶対無理だー」って当時は一度も思わず、むしろ「同じトランペットなんだから自分にだってできる」と。怖いもの知らずでした。

そういえば吹奏楽のパート譜(in Bb)と、歌やピアノ譜(in C)では聴こえてくる音が違う、どうなってんだこれ?っていう移調楽器や移調楽譜に関する謎を解消したのもこういった経験からです。

中学生の頃に好き勝手吹いていたからこそ身に付いた技術や音楽性、知識ってとても多かったです。これってすごい大事だと思います。


《曲決め》
中高生の時ってこんな感じだったせいで、部活のコンサートでやってみたい曲が多すぎて困っていました。技術的に無理とかそういうのわからないですから、例えば文化祭で何やるか曲を挙げていく時にものすごい数の無謀なリクエストをしていたり。

だから「曲を知らない」「なんでもいい」って感じの人が信じられませんでした。

だって、少なからず楽器を演奏しているということは、音楽が好きなんですよね?楽器を吹くことが好きなんですよね?自分で演奏をするという技術を持っていて、音楽が好きならもっともっといろんな曲を知りたいって思うものじゃないんですか?それか、他に楽器を吹いている理由があるのでしょうか。

で、ここが面白いのですがコンクールで演奏した曲、知らなかったけど定期演奏会で吹いた曲はどんなにマニアックでも難解な楽曲でも、最後はみんなすっごい大好きになるんです。で、またやりたい!とか言う。マニアックなのに。ということは吹奏楽曲が嫌いではないんですよね。


要するに「自分から動かない、働きかけない」ってことですよね。


ああもったいない!曲なんて探せばいくらでも出てきます。知らなかった曲を耳にして衝撃を受けるかもしれない。そして自分が求めていた作品に出会えるかもしれない。楽器の可能性を知ってもっともっと自分の楽器が好きになるかもしれない。

部活で配られた楽譜だけをただ待っているだけってのはホントにもったいない!
だからぜひCDを聴いたり楽譜屋さんに行ったり、ネットで調べたり、どんどん自分で探して聴いてみて下さい。



最後に、先輩や先生は「おまえにはまだ無理だ」とか「もっと上手になってから」という言葉を投げてはダメです。とりあえずやりたいと言うなら技術的に無理だろうが何だろうが一度は吹かせるべきです。そこから見つかるいろいろな知識や経験が糧になるものです。

ということでまた来週!


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at 10:26, 荻原明(おぎわらあきら), 練習に対する考え方

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