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トランペット ウォームアップ本 (MyISBN - デザインエッグ社) (JUGEMレビュー »)
荻原 明
【販売部数1000部達成!】「ラッパの吹き方」ブログ著者、荻原明 初の教則本!ウォームアップと奏法の基礎を身につけられる一冊です!
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2012.01.31 Tuesday
ソロトーン
みなさんこんにちは!
みなさんはオーケストラは聴きますか?プロ吹奏楽でも構わないのですが、もしもオーケストラの楽器の中で大声大会みたいな「大音量大会」なんてことをしたら、何の楽器が優勝するでしょう。
まあ、多分一番うるさいのはシンバルとかバスドラムとか打楽器でしょうね。
ざっくり言えば
(音量小)弦楽器 < 木管 < 金管 < 打楽器(音量大)
ではないでしょうか(※ただし楽器による)。
しかし、ここでイメージしてみて下さい。
プロオーケストラで全部の楽器が演奏している時(tutti)、それまで他の楽器と調和して演奏していたオーボエやクラリネットがメロディを担当した(soloになった)途端に音が最前面にグッとくる感じを経験した(聴いた)ことはありませんか?
金管や打楽器が演奏していても、弦楽器がみんなで演奏している時でも、本来は音量が小さめの木管楽器が(しかもひとりで!)一番良く聴こえることがあるんです。
他にも、協奏曲(コンチェルト)というオーケストラと何かの楽器のソリストが演奏するスタイルがありますが、例えば全ての管弦打楽器が揃っていて編成も結構大きめのヴァイオリンコンチェルトなどであっても本来管楽器に比べたら音量の小さいヴァイオリンなのに非常に目立って音が聴こえてくる感覚、わかりますか?
これらはもちろん他の楽器の人が音量を抑えているという事実もあるのですが、それ以上に大切なことがあるんです。
今回はこのことについて書いてみようと思います。
《ソロトーン》
ソロトーンという言葉が世間一般で正しい表現なのかいまいちわかりませんが、要するに自分だけ目立たせる時にはみんなで同じレベルで演奏している時とは変えている、という状態です。
一番わかりやすいのは、自分の演奏している楽譜の中に「Solo」と書いてあった時です。トランペットの吹奏楽譜ではとても良く目にする文字ですよね。「あなたのパートはこの箇所ではバンドの中でソロを務めてますよ!」って意味で書かれています。
「Solo」って書いてあると燃えますよね。ってかラッパ吹きは燃えて下さい。そしてどこまでもかっこよく目立って下さい。
みんなで同じレベルで演奏している状態からソロトーンに切り替えるための一番大切なことは、そこなんです。
具体的にどう吹くとソロトーンになるのか、という理屈以上に
「っしゃあ!俺ソロだぜ!みんな聴けー!」
っていう気持ちがまずなければソロトーンで吹くことはできません。
「ソロだ、、、どうしよう、、、失敗したら、、、ドキドキ、、、ビクビク。。。」なんて精神状態で吹いては絶対ダメです。
失敗を怖れずに吹いて下さい。そして目立つことが快感になって下さい。
引っ込み思案なラッパ吹きなんてつまんないですからね。
ちなみに「Solo」と書いていなくてもソロトーンで行くべき箇所というのも沢山ありますのでそこは演奏する作品をよく理解する必要がありますよ!
《吹き方》
目立ちたい、かっこいいところを見せたい、という強い気持ちが備わっていればソロトーンにはなるのですが、一応吹き方を解説しておきますね。
と言ってもどんな状況で(オーケストラ、吹奏楽、アンサンブル、ソロなど)、どんな作品で、という環境の違いでも変わってくるので一概には言えませんが、こんな感じでしょうか。
■音を張る
■音量のレベルをあげる
■ヴィブラート
■みんなより先手を行く
などが挙げられます。
《音を張る》
音を張る、というのは「逃げるような音の吹き方をしない」「音を抜かない」と言い換えられます。自分の経験上ではありますが吹き終わりの語尾を逃げるように(濁すように)「音を抜く」クセを持っている学生吹奏楽プレイヤーが多いように感じます。
この「音を抜く」という吹き方、「しっかりと着いた色がだんだん透明になっていく」ような印象を受けます。そうすると、透明になったところで他の楽器の色が映り込んでしまいますので、言い方が悪いかもしれませんがソロの邪魔をされてしまうことになってしまうんですね。
ですから、ソロを演奏している間は他の色がまざってくることのないように最後まで「色がしっかりついた吹き方」をするように意識して下さい。
《音量レベルを上げる》
「音量レベルを上げる」というのはわかりやすいですよね。他の人よりも大きな音を出せばそれだけ聴いている人の耳には届きやすいですから、ソロの時は有効です。
ただし、音量を上げようと思っているだけだと「そば鳴り(近鳴り)」になってしまったり汚い音色になってしまう可能性があります。演奏する時は常に美しい音色で演奏するよう心がけて下さい。
なので「デカい音を出す」というよりも「鳴る音を出す」意識を持っていると良いでしょう。
参考までに過去の記事
「そば鳴り(近鳴り、開いた音)」
「トランペットを鳴らす、ということ」
を読んでみて下さい。
《ヴィブラート》
「ヴィブラート」をかけるテクニックを持っていると、より「ソロ」な感じになります。もちろんヴィブラートをかけなければいけないわけではないですし(場合によってはかけないほうが良い時もある)、また、ソロの時だけにヴィブラートをかけるわけでもありませんが、特にポップスや演歌などを演奏する時に「Solo」と書いてあったらかっこ良くヴィブラートをかけて歌えると良いですよね。
ヴィウラートに関しても過去の記事「ヴィブラート(ビブラート)1」からを読んでみて下さい。
《みんなより先手を行く》
「みんなより先手を行く」というのは、「みんないくぞ!ついてこい!」と演奏している集団の先頭に立つ意識を持つことです。決して楽譜に書いてある拍よりフライングで演奏することではありませんよ。
このテクニックは身に付くまでに多少時間がかかるかもしれませんが、一番大切なのは上に書いたように「行くぞー!」という気持ちが強いかどうか、そして「行くぞー!」「おー!」と他の人がついてきてくれるかどうかです(これはテクニックではなく演奏している時のその人の持つカリスマ性が大事でしょうか(笑))。
詳しくはこちらも過去の記事がありますので読んでみて下さい。
「他の奏者よりも目立つ演奏」
《楽譜上の「Solo」表記》
参考までに書いておきますが、楽譜上に書いてある「Solo」という文字は全てがポップス音楽の時みたいにひとりで主旋律を吹いている箇所という意味ではありません。
吹奏楽では特に、同じパートを複数で演奏することを想定して楽譜を書いている作曲家も沢山います。例えば1st Trumpetのパート譜に「div.(ディヴィジ=分かれて吹く)」と書いてあって、音符が2つに分かれている時ってありますよね?(スウェアリンジェン作品とかホルストの組曲とか)
こういう楽譜の時って2人以上で1stを吹いてもらうつもりで作曲していますから、ひとりで演奏する箇所には「solo」と書いてあることもあります。これは単に音量を抑えてほしいからというだけでそう書かれている可能性もあります。
ちなみに「div.」で音符を分けて吹いた後には必ず「a2(ア・デュエ=2人で)」という元に戻す指示が書いてあります。a2とsoloは別ものです。
こういったように、楽譜上の「solo」はいろんな解釈で書かれていますので、フルスコアをよく読んでみたりしてきちんと調べてから演奏するようにして下さい。作曲家によっては「主旋律」というだけで書くこともあるので、同時に複数の楽器に「solo」と書いてあったりもします。
ということで、今回は「ソロトーン」について書いてみました。
これから定期演奏会を控えている吹奏楽プレイヤーの方も沢山いらっしゃるかと思います。ポップスを演奏したらトランペットは必ず出てくる「Solo」をかっこよく吹くためにもソロトーンの意識で演奏して下さいね!
それではまた来週!
みなさんはオーケストラは聴きますか?プロ吹奏楽でも構わないのですが、もしもオーケストラの楽器の中で大声大会みたいな「大音量大会」なんてことをしたら、何の楽器が優勝するでしょう。
まあ、多分一番うるさいのはシンバルとかバスドラムとか打楽器でしょうね。
ざっくり言えば
(音量小)弦楽器 < 木管 < 金管 < 打楽器(音量大)
ではないでしょうか(※ただし楽器による)。
しかし、ここでイメージしてみて下さい。
プロオーケストラで全部の楽器が演奏している時(tutti)、それまで他の楽器と調和して演奏していたオーボエやクラリネットがメロディを担当した(soloになった)途端に音が最前面にグッとくる感じを経験した(聴いた)ことはありませんか?
金管や打楽器が演奏していても、弦楽器がみんなで演奏している時でも、本来は音量が小さめの木管楽器が(しかもひとりで!)一番良く聴こえることがあるんです。
他にも、協奏曲(コンチェルト)というオーケストラと何かの楽器のソリストが演奏するスタイルがありますが、例えば全ての管弦打楽器が揃っていて編成も結構大きめのヴァイオリンコンチェルトなどであっても本来管楽器に比べたら音量の小さいヴァイオリンなのに非常に目立って音が聴こえてくる感覚、わかりますか?
これらはもちろん他の楽器の人が音量を抑えているという事実もあるのですが、それ以上に大切なことがあるんです。
今回はこのことについて書いてみようと思います。
《ソロトーン》
ソロトーンという言葉が世間一般で正しい表現なのかいまいちわかりませんが、要するに自分だけ目立たせる時にはみんなで同じレベルで演奏している時とは変えている、という状態です。
一番わかりやすいのは、自分の演奏している楽譜の中に「Solo」と書いてあった時です。トランペットの吹奏楽譜ではとても良く目にする文字ですよね。「あなたのパートはこの箇所ではバンドの中でソロを務めてますよ!」って意味で書かれています。
「Solo」って書いてあると燃えますよね。ってかラッパ吹きは燃えて下さい。そしてどこまでもかっこよく目立って下さい。
みんなで同じレベルで演奏している状態からソロトーンに切り替えるための一番大切なことは、そこなんです。
具体的にどう吹くとソロトーンになるのか、という理屈以上に
「っしゃあ!俺ソロだぜ!みんな聴けー!」
っていう気持ちがまずなければソロトーンで吹くことはできません。
「ソロだ、、、どうしよう、、、失敗したら、、、ドキドキ、、、ビクビク。。。」なんて精神状態で吹いては絶対ダメです。
失敗を怖れずに吹いて下さい。そして目立つことが快感になって下さい。
引っ込み思案なラッパ吹きなんてつまんないですからね。
ちなみに「Solo」と書いていなくてもソロトーンで行くべき箇所というのも沢山ありますのでそこは演奏する作品をよく理解する必要がありますよ!
《吹き方》
目立ちたい、かっこいいところを見せたい、という強い気持ちが備わっていればソロトーンにはなるのですが、一応吹き方を解説しておきますね。
と言ってもどんな状況で(オーケストラ、吹奏楽、アンサンブル、ソロなど)、どんな作品で、という環境の違いでも変わってくるので一概には言えませんが、こんな感じでしょうか。
■音を張る
■音量のレベルをあげる
■ヴィブラート
■みんなより先手を行く
などが挙げられます。
《音を張る》
音を張る、というのは「逃げるような音の吹き方をしない」「音を抜かない」と言い換えられます。自分の経験上ではありますが吹き終わりの語尾を逃げるように(濁すように)「音を抜く」クセを持っている学生吹奏楽プレイヤーが多いように感じます。
この「音を抜く」という吹き方、「しっかりと着いた色がだんだん透明になっていく」ような印象を受けます。そうすると、透明になったところで他の楽器の色が映り込んでしまいますので、言い方が悪いかもしれませんがソロの邪魔をされてしまうことになってしまうんですね。
ですから、ソロを演奏している間は他の色がまざってくることのないように最後まで「色がしっかりついた吹き方」をするように意識して下さい。
《音量レベルを上げる》
「音量レベルを上げる」というのはわかりやすいですよね。他の人よりも大きな音を出せばそれだけ聴いている人の耳には届きやすいですから、ソロの時は有効です。
ただし、音量を上げようと思っているだけだと「そば鳴り(近鳴り)」になってしまったり汚い音色になってしまう可能性があります。演奏する時は常に美しい音色で演奏するよう心がけて下さい。
なので「デカい音を出す」というよりも「鳴る音を出す」意識を持っていると良いでしょう。
参考までに過去の記事
「そば鳴り(近鳴り、開いた音)」
「トランペットを鳴らす、ということ」
を読んでみて下さい。
《ヴィブラート》
「ヴィブラート」をかけるテクニックを持っていると、より「ソロ」な感じになります。もちろんヴィブラートをかけなければいけないわけではないですし(場合によってはかけないほうが良い時もある)、また、ソロの時だけにヴィブラートをかけるわけでもありませんが、特にポップスや演歌などを演奏する時に「Solo」と書いてあったらかっこ良くヴィブラートをかけて歌えると良いですよね。
ヴィウラートに関しても過去の記事「ヴィブラート(ビブラート)1」からを読んでみて下さい。
《みんなより先手を行く》
「みんなより先手を行く」というのは、「みんないくぞ!ついてこい!」と演奏している集団の先頭に立つ意識を持つことです。決して楽譜に書いてある拍よりフライングで演奏することではありませんよ。
このテクニックは身に付くまでに多少時間がかかるかもしれませんが、一番大切なのは上に書いたように「行くぞー!」という気持ちが強いかどうか、そして「行くぞー!」「おー!」と他の人がついてきてくれるかどうかです(これはテクニックではなく演奏している時のその人の持つカリスマ性が大事でしょうか(笑))。
詳しくはこちらも過去の記事がありますので読んでみて下さい。
「他の奏者よりも目立つ演奏」
《楽譜上の「Solo」表記》
参考までに書いておきますが、楽譜上に書いてある「Solo」という文字は全てがポップス音楽の時みたいにひとりで主旋律を吹いている箇所という意味ではありません。
吹奏楽では特に、同じパートを複数で演奏することを想定して楽譜を書いている作曲家も沢山います。例えば1st Trumpetのパート譜に「div.(ディヴィジ=分かれて吹く)」と書いてあって、音符が2つに分かれている時ってありますよね?(スウェアリンジェン作品とかホルストの組曲とか)
こういう楽譜の時って2人以上で1stを吹いてもらうつもりで作曲していますから、ひとりで演奏する箇所には「solo」と書いてあることもあります。これは単に音量を抑えてほしいからというだけでそう書かれている可能性もあります。
ちなみに「div.」で音符を分けて吹いた後には必ず「a2(ア・デュエ=2人で)」という元に戻す指示が書いてあります。a2とsoloは別ものです。
こういったように、楽譜上の「solo」はいろんな解釈で書かれていますので、フルスコアをよく読んでみたりしてきちんと調べてから演奏するようにして下さい。作曲家によっては「主旋律」というだけで書くこともあるので、同時に複数の楽器に「solo」と書いてあったりもします。
ということで、今回は「ソロトーン」について書いてみました。
これから定期演奏会を控えている吹奏楽プレイヤーの方も沢山いらっしゃるかと思います。ポップスを演奏したらトランペットは必ず出てくる「Solo」をかっこよく吹くためにもソロトーンの意識で演奏して下さいね!
それではまた来週!
当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。
at 10:13, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習
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2012.01.24 Tuesday
音楽のTPO
みなさんこんにちは!
みなさんはコンサートでたくさんの作品を演奏する際、曲ごとの「演奏スタイル」をどれくらい意識していますか?
今回はこのことを書いてみようと思います。
《音楽のTPO》
レッスンや部活指導をしていると「どんな曲を吹いていても全部同じに聴こえる」人が多いです。
オリジナルが管弦楽編成の作品とポップス作品を吹いて、どちらの曲も「ただ楽譜に書いてあることをルールに従って吹いているだけ」の場合が多いということです。
これだと、聴いている側は面白くありません。同じようなテンション、同じような音色や表現で淡々と演奏されているのは飽きます。
これは例えるなら、学校に行く時も、友達と遊びに行く時も、デートに行く時も、登山をする時も、結婚式に参列する時にも全部同じ服装で行くようなものです。
そんなことしませんよね。その場所にふさわしい服装というものを必ず考えるはずです。
音楽を演奏する時もそれは同じ。
その作品、そのジャンルに一番ふさわしいスタイルで演奏をすることが大切です。
《曲やジャンルを知る》
「ジャズ」「ロック」「ブルース」「ボサノヴァ」「サンバ」「マンボ」「タンゴ」「演歌」。。。。
みなさんは様々な作品を演奏する上で(漠然としていて構わないので)これらのジャンルを聞いただけでどんな特徴(リズムや雰囲気など)があり、どんな吹き方をしたらしっくりくるのかイメージをすることができるでしょうか。または、何かの作品を思い浮かべることができるでしょうか。
これができるためのまず一番最初に必要なことは、沢山のジャンルの音楽や作品を聴き、知識としてストックすることです。
その作品やジャンルを知らなかったらイメージも当然持てませんからCDでもDVDでもyoutubeでも何でも良いので最初はカタログを増やす感覚でどんどん聴いてみて下さい。
《なりきる》
これから演奏する作品のイメージが湧くくらいになったら、次はそれをトランペットで表現することになります。
演奏するときは「俳優」になりましょう。
俳優は例えその俳優自身が持つ本来の性格と真反対の役であっても、与えられた役になりきって、観る人をどんどんその作品の世界へと引き込む力を持っています。前のドラマでは刑事役だったのに、今度のドラマでは犯人役をやったり。。。。本当にすごいですよね。
音楽を演奏する人も同じです。
聴いている人をその作品の持つ世界に引き込むように演奏することがプレイヤーの使命なのです。
そして何曲も様々なジャンルの作品を演奏していく演奏会では、イメージの切替えが瞬時にできる必要があります。
《まずはまねごとでOK》
自分は小学生の頃からジャズやロック、ボサノヴァなどいろんな音楽ジャンルを聴いてきましたが、結果的にそれがとても良かったんです。
実際は音大に入ってクラシックばかり演奏することにはなりましたが、それぞれの雰囲気やブラスセクションが加わっている曲も沢山聴いていたので、なんとなくわかった感じになっています。
実際のところ、それぞれのジャンルの世界で活動されているプロミュージシャンの方々が聴いたら「何もわかってない」と言われるのでしょうが、まあそれはとりあえず良いんです。
大切なのは「沢山の音楽ジャンルを知っている(聴いたことがある)かどうか」。自分の知っている範囲で雰囲気ムンムンで、まねごとで構わないから、演奏するだけで全然違うはずなんです。
演奏する側だってそのほうが断然楽しいに決まってます。
ただ、少しだけ知識は持っていたいですね。例えばクラシックや演歌などを演奏する時とジャズやロックを演奏する時のビートの捉え方の違い、「ダウンビート(4拍子なら1,3拍目が重い)」と「アップビート(2,4拍目が重い)」の感じ方を変えるだけでも全然変わってきます。これを捉えて演奏できるようになるだけでも相当変わります。
他にもポップスやジャズでよく出てくるブラスセクション特有の「バッキング(伴奏)」の鋭い吹き方などを知っているかどうかだけでも違ってきますね。ニューサウンズの楽譜などではとても良く出てきていますし、ポップスス音楽でブラスセクションが入っている作品もたくさんあります。それを知っていればイメージも湧きやすいですね。
ということで、今回は演奏スタイルの切替えについて書いてみました。
それではまた来週!
みなさんはコンサートでたくさんの作品を演奏する際、曲ごとの「演奏スタイル」をどれくらい意識していますか?
今回はこのことを書いてみようと思います。
《音楽のTPO》
レッスンや部活指導をしていると「どんな曲を吹いていても全部同じに聴こえる」人が多いです。
オリジナルが管弦楽編成の作品とポップス作品を吹いて、どちらの曲も「ただ楽譜に書いてあることをルールに従って吹いているだけ」の場合が多いということです。
これだと、聴いている側は面白くありません。同じようなテンション、同じような音色や表現で淡々と演奏されているのは飽きます。
これは例えるなら、学校に行く時も、友達と遊びに行く時も、デートに行く時も、登山をする時も、結婚式に参列する時にも全部同じ服装で行くようなものです。
そんなことしませんよね。その場所にふさわしい服装というものを必ず考えるはずです。
音楽を演奏する時もそれは同じ。
その作品、そのジャンルに一番ふさわしいスタイルで演奏をすることが大切です。
《曲やジャンルを知る》
「ジャズ」「ロック」「ブルース」「ボサノヴァ」「サンバ」「マンボ」「タンゴ」「演歌」。。。。
みなさんは様々な作品を演奏する上で(漠然としていて構わないので)これらのジャンルを聞いただけでどんな特徴(リズムや雰囲気など)があり、どんな吹き方をしたらしっくりくるのかイメージをすることができるでしょうか。または、何かの作品を思い浮かべることができるでしょうか。
これができるためのまず一番最初に必要なことは、沢山のジャンルの音楽や作品を聴き、知識としてストックすることです。
その作品やジャンルを知らなかったらイメージも当然持てませんからCDでもDVDでもyoutubeでも何でも良いので最初はカタログを増やす感覚でどんどん聴いてみて下さい。
《なりきる》
これから演奏する作品のイメージが湧くくらいになったら、次はそれをトランペットで表現することになります。
演奏するときは「俳優」になりましょう。
俳優は例えその俳優自身が持つ本来の性格と真反対の役であっても、与えられた役になりきって、観る人をどんどんその作品の世界へと引き込む力を持っています。前のドラマでは刑事役だったのに、今度のドラマでは犯人役をやったり。。。。本当にすごいですよね。
音楽を演奏する人も同じです。
聴いている人をその作品の持つ世界に引き込むように演奏することがプレイヤーの使命なのです。
そして何曲も様々なジャンルの作品を演奏していく演奏会では、イメージの切替えが瞬時にできる必要があります。
《まずはまねごとでOK》
自分は小学生の頃からジャズやロック、ボサノヴァなどいろんな音楽ジャンルを聴いてきましたが、結果的にそれがとても良かったんです。
実際は音大に入ってクラシックばかり演奏することにはなりましたが、それぞれの雰囲気やブラスセクションが加わっている曲も沢山聴いていたので、なんとなくわかった感じになっています。
実際のところ、それぞれのジャンルの世界で活動されているプロミュージシャンの方々が聴いたら「何もわかってない」と言われるのでしょうが、まあそれはとりあえず良いんです。
大切なのは「沢山の音楽ジャンルを知っている(聴いたことがある)かどうか」。自分の知っている範囲で雰囲気ムンムンで、まねごとで構わないから、演奏するだけで全然違うはずなんです。
演奏する側だってそのほうが断然楽しいに決まってます。
ただ、少しだけ知識は持っていたいですね。例えばクラシックや演歌などを演奏する時とジャズやロックを演奏する時のビートの捉え方の違い、「ダウンビート(4拍子なら1,3拍目が重い)」と「アップビート(2,4拍目が重い)」の感じ方を変えるだけでも全然変わってきます。これを捉えて演奏できるようになるだけでも相当変わります。
他にもポップスやジャズでよく出てくるブラスセクション特有の「バッキング(伴奏)」の鋭い吹き方などを知っているかどうかだけでも違ってきますね。ニューサウンズの楽譜などではとても良く出てきていますし、ポップスス音楽でブラスセクションが入っている作品もたくさんあります。それを知っていればイメージも湧きやすいですね。
ということで、今回は演奏スタイルの切替えについて書いてみました。
それではまた来週!
当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。
at 09:38, 荻原明(おぎわらあきら), 音楽に対する考え方
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2012.01.03 Tuesday
様々な音楽、芸術に触れてみる
みなさん明けましておめでとうございます!
新年みなさんどうお過ごしですか?
自分は今のところあまりお正月な雰囲気を満喫していないのですが。。。(笑)
今日あたり初詣にでも行ってみる予定です。
昨年も沢山の方々に「ラッパの吹き方」ブログを読んで頂いて大変感謝しております!今年も引き続き更新していきますのでどうぞよろしくお願い致します!
クローバーアートミュージックから出版されている荻原編曲の金管アンサンブルも、どんどん増やしていく予定ですので、こちらのほうもよろしくお願いします!
《様々な音楽に触れてみる》
さて、1日の夜にNHKのEテレで放送されたウィーンフィルのニューイヤーコンサートはご覧になりましたか?
他にも年越しに毎年生放送されているテレビ東京のジルベスターコンサートなど、年末年始は様々なことろでクラシックの公演が行われています。
クラシックに限らず、ポップスでもカウントダウンのライブをやっていたり、様々なホールでニューイヤーコンサートが開催されますので、とにかくこの時期に音楽に触れる機会が大変多いというのは実感できるのではないでしょうか。
いつもは部活やお仕事でゆっくりと音楽を聴く機会がなかなかない方も、お正月の時間のある時にだけでもじっくりと聴いてみてはいかがでしょうか。
もちろんコンサートホールに足を運べるのが一番良いと思いますが、そうでなくてもCDやDVDなどのメディアで鑑賞するだけでも良い刺激になると思います。
このブログを読んで下さっている方のほとんどは音楽を演奏する側でもあると思います。演奏する側って、結構「他の人の演奏を聴く」姿勢にならなかったりするものです。
でもトランペットの上達=トランペットを吹いている、というだけではやはり足りないんですよね。
いろんな人の演奏を聴くこと、そこから何かしらの刺激を受けること、これってとっても大切なことです。
知識が増えるし、引き出しも増える。自分になかったセンスに感化させることもあるし、共感することもある。「こんな演奏してみたい!」と感じることで目標を持つことができる。
「自分もあの舞台に上がって拍手をもらえるようなパフォーマンスをしてみたい!」と思えるかもしれません。これもとっても良い刺激ですよね。
ところでみなさんは好きなトランペット奏者、いますか?
自分は、ジャズもクラシックも演奏してしまうウィントン・マルサリスや、シカゴ交響楽団の元首席奏者、アドルフ・ハーセス(特にハーセスが現役だった頃のシカゴ響、中でもショルティ指揮の録音)、ニューヨークフィル首席奏者のフィリップ・スミス、ロシアのソリスト故ティモフェイ・ドクシツェルの演奏が特に大好きです。
別に世界的なプレイヤーだけに限らず、一緒に演奏している先輩の音が好き!とか、習ってる先生の演奏が好き!でももちろん良いのですが、そういった人たちの演奏を聴いて「自分もこんな演奏してみたい!」と感じられるかどうかって、すごく大切なことです。
また、こういった影響や刺激を受けるのは何もトランペットの音楽だけではありません。クラシックや吹奏楽だけでもありません。
自分が今まで聴いたことのないジャンルの音楽、敬遠していた音楽スタイルからも強く刺激を受ける可能性は充分にあります。
自分自身、もちろんクラシック音楽を聴くことはありますが、それ以上にポップスやジャズを聴いている時間のほうがずっと長いです。
吹奏楽でトランペットを演奏している方は実感があるでしょうが、吹奏楽って音楽ジャンルの枠を越えていろんな作品を演奏しますよね。ポップスだってジャズだって、時には演歌だってやっちゃうわけですから例えば「ジャズはちゃんと聴いたことないからわかんないや」って気持ちや姿勢で演奏するわけにいかないじゃないですか。
お客さんや聴いてくれる人がいる前で「わかんないや」とか「適当で」って雰囲気で楽器を吹くなんてあってはならないことです。
専門的な知識を得ましょう、というところまで持って行く必要はないと思いますが、少なくとも「ジャズってこんな雰囲気だよね」「この曲はこんな感じだよね」というイメージ(引き出し)があるほうがよっぽど良い演奏ができるはずです。その音楽をどんな形でも聴いたことがあって、イメージが頭の中に残っているだけで違いますよね。
ポップスでも「この曲(アーティスト)好きじゃないんだよねー」なんて気持ちでその曲を演奏するのも絶対NGです。これも同じこと。好き嫌いは良いことありません。
ですから、少しでも沢山、いろんな音楽に触れる、聴く機会を持てるようにすることも自分の演奏を上達する大切な要素なので、ぜひ時間の許す限りいろいろ聴いてみてはいかがでしょうか。
《様々な芸術に触れてみる》
だいぶ昔のことになりますが、ピカソ展に行ったことがありました。
その当時は音大生だったんですが、自分のトランペットの演奏に納得がいかなくて、でもどうして良いかわからなくて、とにかく毎日混沌としていたんです。トランペットを吹いていても全然楽しくなかったし。
で、なんとなく展覧会に行ってピカソの絵画を見ているうちに「ああ、音楽って『こうしなきゃダメ』とかトランペットって『こう吹かなければいけない』とか、そんなのないんだ」って感じてきたんですよね。固定観念ばっかりが強くなって、まわりと比べてばかりで自分らしく表現することをしていなかった自分に気づかせてくれた、といった感じでしょうか。
ピカソの絵画のいくつかはもちろん少しは知っていたけれど、時代背景だとか表現手段だとかたいして詳しくありません。そういった知識はないけれど、何か感じるものがあった、それだけで充分でした。解釈なんて人それぞれですからね。
実際、そこからトランペットを吹くことがまた楽しくなって、かなり変わることができたと思っています。
美術も含め、芸術(=その他表現すること)を見聞きするって刺激的だと思います。
例えば昨年のクリスマスにテレビでも放送していましたが、フィギアスケートなんてスポーツと芸術の両方の魅力があります。
そして音楽にとても似ています。
本番一発勝負で評価される。そのために毎日厳しい練習を行って技術を磨き、表現力を養う。
フィギアスケートに対する真剣な姿勢、技術の高さ、表現の美しさで見ている人を感動させることができる。
音楽と同じですよね。
ということで、みなさんも自分のトランペットの練習はもちろんですが、時間の許す限り音楽でもミュージカルでも演劇でも美術でも何でもいいので表現している人、またその表現した作品を見たり聴いたりしてみて下さい。
自分が気づかなかった何かを得ることができるかもしれませんよ!
それでは、今年も「ラッパの吹き方」をどうぞよろしくお願いします!
また来週!
新年みなさんどうお過ごしですか?
自分は今のところあまりお正月な雰囲気を満喫していないのですが。。。(笑)
今日あたり初詣にでも行ってみる予定です。
昨年も沢山の方々に「ラッパの吹き方」ブログを読んで頂いて大変感謝しております!今年も引き続き更新していきますのでどうぞよろしくお願い致します!
クローバーアートミュージックから出版されている荻原編曲の金管アンサンブルも、どんどん増やしていく予定ですので、こちらのほうもよろしくお願いします!
《様々な音楽に触れてみる》
さて、1日の夜にNHKのEテレで放送されたウィーンフィルのニューイヤーコンサートはご覧になりましたか?
他にも年越しに毎年生放送されているテレビ東京のジルベスターコンサートなど、年末年始は様々なことろでクラシックの公演が行われています。
クラシックに限らず、ポップスでもカウントダウンのライブをやっていたり、様々なホールでニューイヤーコンサートが開催されますので、とにかくこの時期に音楽に触れる機会が大変多いというのは実感できるのではないでしょうか。
いつもは部活やお仕事でゆっくりと音楽を聴く機会がなかなかない方も、お正月の時間のある時にだけでもじっくりと聴いてみてはいかがでしょうか。
もちろんコンサートホールに足を運べるのが一番良いと思いますが、そうでなくてもCDやDVDなどのメディアで鑑賞するだけでも良い刺激になると思います。
このブログを読んで下さっている方のほとんどは音楽を演奏する側でもあると思います。演奏する側って、結構「他の人の演奏を聴く」姿勢にならなかったりするものです。
でもトランペットの上達=トランペットを吹いている、というだけではやはり足りないんですよね。
いろんな人の演奏を聴くこと、そこから何かしらの刺激を受けること、これってとっても大切なことです。
知識が増えるし、引き出しも増える。自分になかったセンスに感化させることもあるし、共感することもある。「こんな演奏してみたい!」と感じることで目標を持つことができる。
「自分もあの舞台に上がって拍手をもらえるようなパフォーマンスをしてみたい!」と思えるかもしれません。これもとっても良い刺激ですよね。
ところでみなさんは好きなトランペット奏者、いますか?
自分は、ジャズもクラシックも演奏してしまうウィントン・マルサリスや、シカゴ交響楽団の元首席奏者、アドルフ・ハーセス(特にハーセスが現役だった頃のシカゴ響、中でもショルティ指揮の録音)、ニューヨークフィル首席奏者のフィリップ・スミス、ロシアのソリスト故ティモフェイ・ドクシツェルの演奏が特に大好きです。
別に世界的なプレイヤーだけに限らず、一緒に演奏している先輩の音が好き!とか、習ってる先生の演奏が好き!でももちろん良いのですが、そういった人たちの演奏を聴いて「自分もこんな演奏してみたい!」と感じられるかどうかって、すごく大切なことです。
また、こういった影響や刺激を受けるのは何もトランペットの音楽だけではありません。クラシックや吹奏楽だけでもありません。
自分が今まで聴いたことのないジャンルの音楽、敬遠していた音楽スタイルからも強く刺激を受ける可能性は充分にあります。
自分自身、もちろんクラシック音楽を聴くことはありますが、それ以上にポップスやジャズを聴いている時間のほうがずっと長いです。
吹奏楽でトランペットを演奏している方は実感があるでしょうが、吹奏楽って音楽ジャンルの枠を越えていろんな作品を演奏しますよね。ポップスだってジャズだって、時には演歌だってやっちゃうわけですから例えば「ジャズはちゃんと聴いたことないからわかんないや」って気持ちや姿勢で演奏するわけにいかないじゃないですか。
お客さんや聴いてくれる人がいる前で「わかんないや」とか「適当で」って雰囲気で楽器を吹くなんてあってはならないことです。
専門的な知識を得ましょう、というところまで持って行く必要はないと思いますが、少なくとも「ジャズってこんな雰囲気だよね」「この曲はこんな感じだよね」というイメージ(引き出し)があるほうがよっぽど良い演奏ができるはずです。その音楽をどんな形でも聴いたことがあって、イメージが頭の中に残っているだけで違いますよね。
ポップスでも「この曲(アーティスト)好きじゃないんだよねー」なんて気持ちでその曲を演奏するのも絶対NGです。これも同じこと。好き嫌いは良いことありません。
ですから、少しでも沢山、いろんな音楽に触れる、聴く機会を持てるようにすることも自分の演奏を上達する大切な要素なので、ぜひ時間の許す限りいろいろ聴いてみてはいかがでしょうか。
《様々な芸術に触れてみる》
だいぶ昔のことになりますが、ピカソ展に行ったことがありました。
その当時は音大生だったんですが、自分のトランペットの演奏に納得がいかなくて、でもどうして良いかわからなくて、とにかく毎日混沌としていたんです。トランペットを吹いていても全然楽しくなかったし。
で、なんとなく展覧会に行ってピカソの絵画を見ているうちに「ああ、音楽って『こうしなきゃダメ』とかトランペットって『こう吹かなければいけない』とか、そんなのないんだ」って感じてきたんですよね。固定観念ばっかりが強くなって、まわりと比べてばかりで自分らしく表現することをしていなかった自分に気づかせてくれた、といった感じでしょうか。
ピカソの絵画のいくつかはもちろん少しは知っていたけれど、時代背景だとか表現手段だとかたいして詳しくありません。そういった知識はないけれど、何か感じるものがあった、それだけで充分でした。解釈なんて人それぞれですからね。
実際、そこからトランペットを吹くことがまた楽しくなって、かなり変わることができたと思っています。
美術も含め、芸術(=その他表現すること)を見聞きするって刺激的だと思います。
例えば昨年のクリスマスにテレビでも放送していましたが、フィギアスケートなんてスポーツと芸術の両方の魅力があります。
そして音楽にとても似ています。
本番一発勝負で評価される。そのために毎日厳しい練習を行って技術を磨き、表現力を養う。
フィギアスケートに対する真剣な姿勢、技術の高さ、表現の美しさで見ている人を感動させることができる。
音楽と同じですよね。
ということで、みなさんも自分のトランペットの練習はもちろんですが、時間の許す限り音楽でもミュージカルでも演劇でも美術でも何でもいいので表現している人、またその表現した作品を見たり聴いたりしてみて下さい。
自分が気づかなかった何かを得ることができるかもしれませんよ!
それでは、今年も「ラッパの吹き方」をどうぞよろしくお願いします!
また来週!
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at 07:20, 荻原明(おぎわらあきら), 音楽に対する考え方
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