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トランペット ウォームアップ本 (MyISBN - デザインエッグ社) (JUGEMレビュー »)
荻原 明
【販売部数1000部達成!】「ラッパの吹き方」ブログ著者、荻原明 初の教則本!ウォームアップと奏法の基礎を身につけられる一冊です!
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2011.05.17 Tuesday
音をはずす 2
みなさんこんにちは!
前回、音をはずす原因について考えてみました。
では実際、音をはずさずに演奏するためにはどういったことが大切か、今回は書いていきたいと思います。
前回の記事をまとめてみると、音をはずさないためには
「いつも冷静に、音程感を持って、楽器のツボに当たる吹き方をし、テンポ、ビート、リズム感をしっかりと持ち、力まず、不自然な楽器の構え方をぜずに、集中力を切らないで演奏する」
と、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」みたいになってしまいます。これは大変。
それにこれらは何も音をはずさないということにか限ったことではなく、トランペットを上手に演奏するために必要なほとんどのことですよね。
できるんだったらやってるし!
って感じでしょう。
でも、実はそうなんです。音をはずすというのは様々要因でバランスが悪くなったときに起こってしまうんです。
大切なのはバランス。
ですから、何も今すぐ完璧になれと言ってるわけではなく、今の自分の実力の範囲でバランス良く演奏することを心がけることが大切です。
《飛び石の上の歩く》
バランスの良い演奏をわかりやすく例えるなら、飛び石を歩き続けるようなものでしょうか。
飛び石というのは、庭とかに石を並べて道になっているそれです。
この並んだ石を決まった(指定された)テンポやリズムに合わせてトントントンと歩いていくことをイメージしてみて下さい。
石の上を歩き続けている時はちゃんと演奏ができていますが、踏み外して土を踏んでしまった時、音を外してしまいます。
リズム良く石の上だけを歩き続けるには何が大切でしょうか?
大切なのは飛び石を渡り終えるまでの道のりを把握しているかということ。どこにどんな距離感で石が並んでいるか、渡る前からイメージできているかということ。
無駄にパワーを使ったところで上手に渡りきれるわけではありません。むしろ不安定なパワーバランスのせいで踏み外してしまうかもしれません。
渡りながらあれこれ考えていても混乱するだけですね。
不自然な姿勢で渡っているのも危険です。
そして疲れてバテてしまっていたら上手く飛び続けることは難しいです。
いかがでしょうか?トランペットを演奏している時に置き換えてみて下さい。
結局は全てのバランスが安定していることが大切ですよね。
自分のことを言えば昔に比べて本当に音をはずさなくなった気がします。
多分それは昔のようなパワープレイをせずにバランス良く演奏するようになったからだと思います。
ということで、皆さんもできる限りバランス良く演奏できるよう、ウォームアップの段階から良い集中力とイメージを持ってパワープレイにならない演奏を心がけてみて下さい!
それではまた来週!
前回、音をはずす原因について考えてみました。
では実際、音をはずさずに演奏するためにはどういったことが大切か、今回は書いていきたいと思います。
前回の記事をまとめてみると、音をはずさないためには
「いつも冷静に、音程感を持って、楽器のツボに当たる吹き方をし、テンポ、ビート、リズム感をしっかりと持ち、力まず、不自然な楽器の構え方をぜずに、集中力を切らないで演奏する」
と、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」みたいになってしまいます。これは大変。
それにこれらは何も音をはずさないということにか限ったことではなく、トランペットを上手に演奏するために必要なほとんどのことですよね。
できるんだったらやってるし!
って感じでしょう。
でも、実はそうなんです。音をはずすというのは様々要因でバランスが悪くなったときに起こってしまうんです。
大切なのはバランス。
ですから、何も今すぐ完璧になれと言ってるわけではなく、今の自分の実力の範囲でバランス良く演奏することを心がけることが大切です。
《飛び石の上の歩く》
バランスの良い演奏をわかりやすく例えるなら、飛び石を歩き続けるようなものでしょうか。
飛び石というのは、庭とかに石を並べて道になっているそれです。
この並んだ石を決まった(指定された)テンポやリズムに合わせてトントントンと歩いていくことをイメージしてみて下さい。
石の上を歩き続けている時はちゃんと演奏ができていますが、踏み外して土を踏んでしまった時、音を外してしまいます。
リズム良く石の上だけを歩き続けるには何が大切でしょうか?
大切なのは飛び石を渡り終えるまでの道のりを把握しているかということ。どこにどんな距離感で石が並んでいるか、渡る前からイメージできているかということ。
無駄にパワーを使ったところで上手に渡りきれるわけではありません。むしろ不安定なパワーバランスのせいで踏み外してしまうかもしれません。
渡りながらあれこれ考えていても混乱するだけですね。
不自然な姿勢で渡っているのも危険です。
そして疲れてバテてしまっていたら上手く飛び続けることは難しいです。
いかがでしょうか?トランペットを演奏している時に置き換えてみて下さい。
結局は全てのバランスが安定していることが大切ですよね。
自分のことを言えば昔に比べて本当に音をはずさなくなった気がします。
多分それは昔のようなパワープレイをせずにバランス良く演奏するようになったからだと思います。
ということで、皆さんもできる限りバランス良く演奏できるよう、ウォームアップの段階から良い集中力とイメージを持ってパワープレイにならない演奏を心がけてみて下さい!
それではまた来週!
当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。
at 11:33, 荻原明(おぎわらあきら), バテ・不調・緊張・ミス
2011.05.10 Tuesday
音をはずす 1
みなさんこんにちは!
《音をはずす》
トランペットを吹いている方で、音をはずしたことがないという方はひとりもいないでしょう。
「はずす」というのはいわゆる「音をミスする」ということです。
出そうと思った音がカスって出なかったり、違う音が出てしまったり。
...どうでもいいけど狙ったところじゃない音が出てしまう時って、なんであんなに良い音が出るんでしょうね。そんな経験ありません?
ともかくトランペットは金管の中でもホルンに続いて音をはずす率の高いリスキーな楽器です。
だからと言って、音をはずして良いわけではありません。できることならノーミスで演奏したいものですね。
ということで今回はこの「音をはずす」ということについて書いてみようと思います。
《はずす原因を考えてみる》
まずは音がはずれる原因を考えてみましょう。
■気持ちが空回りしている時
かく言う自分も実は音大に入ってしばらくくらいまではとっても良く音をはずす人間でした。
先日、自分が中学生の頃の吹奏楽コンクールの演奏テープ(カセットテープ懐かしい!)を発掘したのでおそるおそる聴いてみたんですが、まあよくはずしてて。。。しかも肝心なところで確実にはずしてる自分。音だけはでっかかったのでそれはもう目立ってましたね。恥ずかしい。
でも、自分に限ったことでなく「ここで決まればかっこいい!」ってところではずしやすくないですか?
逆に地味なところはあまりはずさないんですよね。
まあ、トランペットは音を出せば目立ってしまうので、そう聴こえているだけなのかもしれませんが。
ここぞというところで音をはずしてしまうのは「気持ちが空回りをしているから」だと思うんです。
よし、ここでかっこ良く決めてやるぜ!みたいなテンションになっている時って、実力以上のことをしてやろう、みたいな状態になっていることが多いので、冷静さを失っていることが多いんです。
■音程を感じていない時
メロディが跳躍している時がわかりやすいと思いますが、これからどんな音を出そうとしているのかわからない時にやみくもに吹いてしまうと音をはずしやすくなります。
音が跳んでいなくても、これは同じで、結局は音程感を持って吹いていないから、ということが原因です。
ちなみに音程というのは2つの音の隔たり(へだたり)ですから、チューナーで測るピッチとはまったく別物です。
詳しくは「チューナーとピッチ、音程 2」をご覧下さい。
■ピッチの悪さ(鳴る音を出していない)
ピッチというのは先程書いたようにチューナーで測る周波数のことです。
合奏前に行うチューニングというのはこの周波数をみんなで統一する行為です。
このピッチが悪い時、音をはずしやすくなります。
ピッチを良くするためには様々な訓練によってある程度は克服はできるのですが、トランペットをツボにはまった良い音で鳴らせているかどうかのほうがよっぽど重要です。
各トランペットに適した吹き方(ツボにはまった鳴る音)を出すことができれば、ほとんどの場合ピッチは良くなります。
詳しくは過去の記事「>アンブシュア 6(最終回)」「「舌」の役割2」などを参考にして下さい。
ちなみに、いつもチューナーとにらめっこをしていてもピッチは良くなりません。それ以上に音程感を持って吹くことができなくなったり、無理にピッチを直そうを不自然な吹き方をしてしまうので、どんどん悪くなっていきますから注意しましょう。
チューニングに関して詳しくは過去の記事「チューニング1」をご覧下さい。
ちなみに音程感やピッチを良くする方法にはソルフェージュの学習が有効です。ソルフェージュというのは音楽の基礎的な訓練全般を指し、例えば楽譜に書かれたメロディを声に出して美しく歌うとか、楽譜を読むための様々な知識を増やすなどと言ったものです。即効性はありませんが、こういった基礎訓練を継続することで自身の演奏する楽器にも良い影響を与えることができます。
■リズムに乗り切れていない時
合奏などでは指揮者や打楽器と一緒に演奏しているのであまり自覚がない場合が多いのですが、ひとりで練習している時というのは、リズムやテンポに関してとても甘く、あいまいになっていることが多くなります。
呼吸ひとつとっても、なんとなく吸ってなんとなく出す、なんてことをしていると最初の音がしっかり出ないことが多々あります。
曲中も、リズム感をしっかり持って吹いていないと吹きやすい箇所では走り、難しいところでは遅れるといったことが起こりやすくなり、こうなるともう音を出すタイミングがわからなくなり、音をはずしやすくなります。
個人練習の段階からビート感、テンポ感、リズム感をしっかりと持って吹くように心がましょう。
これらについて詳しくは過去の記事「テンポ/ビート/リズム」をご覧下さい。
また、テンポ感などを良くするためにメトロノームは非常に有効に思えるかもしれませんが、チューナー同様使いまくるのは良くありません。こちらも詳しくは過去の記事「メトロノーム」をご覧下さい。
■力み過ぎ(不必要なプレス、力んだアンブシュシュア)
緊張している時に多くなりますが、力みすぎることも音をはずす原因のひとつです。
体に無駄な力がかかっていると、唇にマウスピースを押し付けすぎてしまい、音質を悪くしてしまいます。
他にも呼吸、特に息を吸う時に力が入っていると空気が入らずに浅い息で吹いてしまったりと、まったく良いことがありません。
楽器を吹く時には無駄に力を使わないことが大切です。
そして、無駄な力はアンブシュアに表れている人もとっても多く見られます。
アンブシュアも力を込めて固定するようなものではありません。
これらについて詳しくは過去の記事「脱力1」「脱力2」を参考にしてもらえればと思います。
■構え方が不自然
歯並びや骨格が原因ではないのに楽器の構え方、特にベルが極端に下がってしまう吹き方をしていると音がはずしやすくなります。
アンブシュアについて考えすぎてしまったり、無理にハイノート(ハイトーン)を出そうとし続けてしまった結果、不自然な構え方になってしまう人を見かけます。
まだ充分に広い音域が出せない時期なのに、部活動で上級生になったからといきなり1stばかりをまかされた方などがなりやすいのですが、アンブシュア同様、これを急に(見た目のことだけ)直そうとすると、まったくトランペットから音が出せなくなる恐れもあるので、注意が必要です。
こういった状態の人は、まずはアンブシュアについて考えないこと、そして奏法にとらわれないで自分で出したサウンドをしっかりと(客観的に)聴き、良い音、鳴る音が出ているかばかりに集中して楽しく演奏することがまず大切です。
これらについて参考までに過去の記事「アンブシュア1」以降の記事を読んでみて下さい。
■バテている
これはもう説明するまでもないと思います。
バテている時は思った音が出せないのではずしてしまいやすいですよね。
バテを克服すること、についてはまだこのブログでは詳しく書いていませんが、ぶっちゃけ言うと「バテない人なんていない」ってことだけとりあえず覚えておいて下さい。
そして「バテ」というのは何も体力面だけではありません。「精神的なバテ」というのも存在します。
精神力がバテる、もっと簡単に言えば「集中力がなくなる」ということでしょうか。
集中力がなくなると、音楽を楽しむことも、今演奏している曲に入り込むことも、イメージすることも希薄になってしまい、はずす原因が非常に大きくなってしまいます。
集中力を高めたり、長時間持続させるためには体力的、年齢的な問題や日常に起こった様々な要因がからんでくるので一概には言えませんが、精神力は自身で何とかしなければならないことなので、せめて音楽をしている時には最後まで保っていられるように頑張りましょう。
練習の時には定期的に休憩を取ることも大切です。
ということで今回は「音をはずす」原因を挙げてみました。
次回もこの続きです。
それではまた来週!
《音をはずす》
トランペットを吹いている方で、音をはずしたことがないという方はひとりもいないでしょう。
「はずす」というのはいわゆる「音をミスする」ということです。
出そうと思った音がカスって出なかったり、違う音が出てしまったり。
...どうでもいいけど狙ったところじゃない音が出てしまう時って、なんであんなに良い音が出るんでしょうね。そんな経験ありません?
ともかくトランペットは金管の中でもホルンに続いて音をはずす率の高いリスキーな楽器です。
だからと言って、音をはずして良いわけではありません。できることならノーミスで演奏したいものですね。
ということで今回はこの「音をはずす」ということについて書いてみようと思います。
《はずす原因を考えてみる》
まずは音がはずれる原因を考えてみましょう。
■気持ちが空回りしている時
かく言う自分も実は音大に入ってしばらくくらいまではとっても良く音をはずす人間でした。
先日、自分が中学生の頃の吹奏楽コンクールの演奏テープ(カセットテープ懐かしい!)を発掘したのでおそるおそる聴いてみたんですが、まあよくはずしてて。。。しかも肝心なところで確実にはずしてる自分。音だけはでっかかったのでそれはもう目立ってましたね。恥ずかしい。
でも、自分に限ったことでなく「ここで決まればかっこいい!」ってところではずしやすくないですか?
逆に地味なところはあまりはずさないんですよね。
まあ、トランペットは音を出せば目立ってしまうので、そう聴こえているだけなのかもしれませんが。
ここぞというところで音をはずしてしまうのは「気持ちが空回りをしているから」だと思うんです。
よし、ここでかっこ良く決めてやるぜ!みたいなテンションになっている時って、実力以上のことをしてやろう、みたいな状態になっていることが多いので、冷静さを失っていることが多いんです。
■音程を感じていない時
メロディが跳躍している時がわかりやすいと思いますが、これからどんな音を出そうとしているのかわからない時にやみくもに吹いてしまうと音をはずしやすくなります。
音が跳んでいなくても、これは同じで、結局は音程感を持って吹いていないから、ということが原因です。
ちなみに音程というのは2つの音の隔たり(へだたり)ですから、チューナーで測るピッチとはまったく別物です。
詳しくは「チューナーとピッチ、音程 2」をご覧下さい。
■ピッチの悪さ(鳴る音を出していない)
ピッチというのは先程書いたようにチューナーで測る周波数のことです。
合奏前に行うチューニングというのはこの周波数をみんなで統一する行為です。
このピッチが悪い時、音をはずしやすくなります。
ピッチを良くするためには様々な訓練によってある程度は克服はできるのですが、トランペットをツボにはまった良い音で鳴らせているかどうかのほうがよっぽど重要です。
各トランペットに適した吹き方(ツボにはまった鳴る音)を出すことができれば、ほとんどの場合ピッチは良くなります。
詳しくは過去の記事「>アンブシュア 6(最終回)」「「舌」の役割2」などを参考にして下さい。
ちなみに、いつもチューナーとにらめっこをしていてもピッチは良くなりません。それ以上に音程感を持って吹くことができなくなったり、無理にピッチを直そうを不自然な吹き方をしてしまうので、どんどん悪くなっていきますから注意しましょう。
チューニングに関して詳しくは過去の記事「チューニング1」をご覧下さい。
ちなみに音程感やピッチを良くする方法にはソルフェージュの学習が有効です。ソルフェージュというのは音楽の基礎的な訓練全般を指し、例えば楽譜に書かれたメロディを声に出して美しく歌うとか、楽譜を読むための様々な知識を増やすなどと言ったものです。即効性はありませんが、こういった基礎訓練を継続することで自身の演奏する楽器にも良い影響を与えることができます。
■リズムに乗り切れていない時
合奏などでは指揮者や打楽器と一緒に演奏しているのであまり自覚がない場合が多いのですが、ひとりで練習している時というのは、リズムやテンポに関してとても甘く、あいまいになっていることが多くなります。
呼吸ひとつとっても、なんとなく吸ってなんとなく出す、なんてことをしていると最初の音がしっかり出ないことが多々あります。
曲中も、リズム感をしっかり持って吹いていないと吹きやすい箇所では走り、難しいところでは遅れるといったことが起こりやすくなり、こうなるともう音を出すタイミングがわからなくなり、音をはずしやすくなります。
個人練習の段階からビート感、テンポ感、リズム感をしっかりと持って吹くように心がましょう。
これらについて詳しくは過去の記事「テンポ/ビート/リズム」をご覧下さい。
また、テンポ感などを良くするためにメトロノームは非常に有効に思えるかもしれませんが、チューナー同様使いまくるのは良くありません。こちらも詳しくは過去の記事「メトロノーム」をご覧下さい。
■力み過ぎ(不必要なプレス、力んだアンブシュシュア)
緊張している時に多くなりますが、力みすぎることも音をはずす原因のひとつです。
体に無駄な力がかかっていると、唇にマウスピースを押し付けすぎてしまい、音質を悪くしてしまいます。
他にも呼吸、特に息を吸う時に力が入っていると空気が入らずに浅い息で吹いてしまったりと、まったく良いことがありません。
楽器を吹く時には無駄に力を使わないことが大切です。
そして、無駄な力はアンブシュアに表れている人もとっても多く見られます。
アンブシュアも力を込めて固定するようなものではありません。
これらについて詳しくは過去の記事「脱力1」「脱力2」を参考にしてもらえればと思います。
■構え方が不自然
歯並びや骨格が原因ではないのに楽器の構え方、特にベルが極端に下がってしまう吹き方をしていると音がはずしやすくなります。
アンブシュアについて考えすぎてしまったり、無理にハイノート(ハイトーン)を出そうとし続けてしまった結果、不自然な構え方になってしまう人を見かけます。
まだ充分に広い音域が出せない時期なのに、部活動で上級生になったからといきなり1stばかりをまかされた方などがなりやすいのですが、アンブシュア同様、これを急に(見た目のことだけ)直そうとすると、まったくトランペットから音が出せなくなる恐れもあるので、注意が必要です。
こういった状態の人は、まずはアンブシュアについて考えないこと、そして奏法にとらわれないで自分で出したサウンドをしっかりと(客観的に)聴き、良い音、鳴る音が出ているかばかりに集中して楽しく演奏することがまず大切です。
これらについて参考までに過去の記事「アンブシュア1」以降の記事を読んでみて下さい。
■バテている
これはもう説明するまでもないと思います。
バテている時は思った音が出せないのではずしてしまいやすいですよね。
バテを克服すること、についてはまだこのブログでは詳しく書いていませんが、ぶっちゃけ言うと「バテない人なんていない」ってことだけとりあえず覚えておいて下さい。
そして「バテ」というのは何も体力面だけではありません。「精神的なバテ」というのも存在します。
精神力がバテる、もっと簡単に言えば「集中力がなくなる」ということでしょうか。
集中力がなくなると、音楽を楽しむことも、今演奏している曲に入り込むことも、イメージすることも希薄になってしまい、はずす原因が非常に大きくなってしまいます。
集中力を高めたり、長時間持続させるためには体力的、年齢的な問題や日常に起こった様々な要因がからんでくるので一概には言えませんが、精神力は自身で何とかしなければならないことなので、せめて音楽をしている時には最後まで保っていられるように頑張りましょう。
練習の時には定期的に休憩を取ることも大切です。
ということで今回は「音をはずす」原因を挙げてみました。
次回もこの続きです。
それではまた来週!
当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。
at 00:15, 荻原明(おぎわらあきら), バテ・不調・緊張・ミス
2011.05.03 Tuesday
ベクトル
みなさんこんにちは!
前回は「外側に向かう」ということを解説しました。
なんだか漠然とした話でわかりにくいかもしれません。でも、音楽って目に見えるものではないですし、ホントにイメージの世界で作られることが音楽のほとんどですから、想像力をフルにつかって練習の段階から臨むことが大切になります。
このブログを読んで頂いている方の中には、どうやってアンブシュアを作ればいいか、とかもっと具体的なことを聞きたいと思っていらっしゃるかもしれませんが、先程も書いたように想像力あっての音楽ですから、漠然とした内容の記事が増えてしまうことをご了承頂ければと思います。
結局は、演奏の上達には能率の良い練習方法と自分自身が最適である吹き方を見つけること、そして豊かな感性=イマジネーションを多く持てることに尽きます。
ということで今回もイメージの話です。
《ベクトル》
ベクトルという言葉をご存知でしょうか。
高校生以上の方なら数学や物理などの授業で教わったかもしれません。
簡単に言えば「→」「←」といった力の方向や大きさを示す言葉です。
昔から理系がとっても苦手な自分ですが、なぜかこのベクトルの授業だけは理解できていました。多分、実生活でイメージしやすい内容だったからかもしれません。
それはともかく、今回解説するベクトルというのはこういった数学の話でも計算するとかそんな難しい話でもありません。レッスンでよく自分が使っている言葉で、
「音楽を演奏する時に感じる力のかけかた」
という意味です。
力というのは筋力のことではありません。あくまでも「感じる力」「前に進む意識の力加減」ということなのでお間違いなく。
《強い意識を持ち続ける》
自分が演奏をする時というのは、どんな曲であっても前に進むことしかしません。後退することは絶対にありませんし、仮にrit.やフェルマータがあっても前に進む気持ちがなくなるわけではありません。
ですから、音楽のベクトルというのは常に前進あるのみで、しかも可能な限り前に進もうとする強い意志を持ち続けることがとても大切になっていきます。
この強い意志があることで生きた音楽になるんです。
《テンポとベクトル》
ただ、前に進む、と言っても好き勝手にどんどん前進するわけにはいきませんよね。
それは、音楽には「テンポ」という決まりがあるからです。
イメージしやすいように車の運転に例えると、
「ベクトル」=「アクセルを踏む力」
「テンポ」=「速度制限」
と言えるかと思います。
車を運転することをイメージしてみて下さい。前に進むためには自分の意思でアクセルを踏まなければなりません。でも、好き勝手にアクセルを踏み込んでガンガンスピードを上げてしまうと事故を起こしてしまいます。そのため、道路には通常「速度制限」が指定されていますね。
「この道は40km/h」で走りましょう。とか。
音楽も同じです。テンポの指示に合わせて(完全に一致させる必要はありませんが)、それにあわせてイメージの中でアクセルを踏んでいきます。テンポの指示があるので、アクセルを踏む力加減はそのつど変化するはずです。
《意識のブレーキ》
車にはブレーキも付いています。これがないと停車することができませんが、それだけでなく速すぎたスピードを抑える役目も果たします。
では音楽でいうブレーキとは何かと言うと、こちらもやはり意識内でのことになり、「理性」という言葉で言い換えられるかもしれません。
全員ではありませんが、おおよそ自分が経験してきた中で言えば若い人ほどアクセルを強く踏みたがるように感じます。
なので、中学校、高校などの吹奏楽部の合奏ではよく指揮者から「走る!」と指摘されていることが多いんだと思います。
でも、走ってしまうというのが気持ちが抑えきれなくて「どんどん前に行きたい!」という気持ちの表れですから、決して悪いことではないんです。
この前に行きたくて仕方がない気持ちはそのまま持っていて、しかしテンポという速度制限を意識した上で「理性」というブレーキを軽く踏んでいる冷静さを持ち合わせた時に「生きた演奏」になるんだと思います。
このバランス感覚を練習の段階から常に持っていられるととても良いですね。
どうしても合奏練習や本番になると緊張感から興奮状態になってしまい、アクセルを踏む力のほうが強くなってしまいがちです。
ですので、いつでもブレーキを踏める理性を冷静に持っていられることがとても大切になっていきます。
今回は意識の話で若干漠然としていますが、みなさん自身でいろいろ考えて演奏してみて下さい。
それではまた来週!
前回は「外側に向かう」ということを解説しました。
なんだか漠然とした話でわかりにくいかもしれません。でも、音楽って目に見えるものではないですし、ホントにイメージの世界で作られることが音楽のほとんどですから、想像力をフルにつかって練習の段階から臨むことが大切になります。
このブログを読んで頂いている方の中には、どうやってアンブシュアを作ればいいか、とかもっと具体的なことを聞きたいと思っていらっしゃるかもしれませんが、先程も書いたように想像力あっての音楽ですから、漠然とした内容の記事が増えてしまうことをご了承頂ければと思います。
結局は、演奏の上達には能率の良い練習方法と自分自身が最適である吹き方を見つけること、そして豊かな感性=イマジネーションを多く持てることに尽きます。
ということで今回もイメージの話です。
《ベクトル》
ベクトルという言葉をご存知でしょうか。
高校生以上の方なら数学や物理などの授業で教わったかもしれません。
簡単に言えば「→」「←」といった力の方向や大きさを示す言葉です。
昔から理系がとっても苦手な自分ですが、なぜかこのベクトルの授業だけは理解できていました。多分、実生活でイメージしやすい内容だったからかもしれません。
それはともかく、今回解説するベクトルというのはこういった数学の話でも計算するとかそんな難しい話でもありません。レッスンでよく自分が使っている言葉で、
「音楽を演奏する時に感じる力のかけかた」
という意味です。
力というのは筋力のことではありません。あくまでも「感じる力」「前に進む意識の力加減」ということなのでお間違いなく。
《強い意識を持ち続ける》
自分が演奏をする時というのは、どんな曲であっても前に進むことしかしません。後退することは絶対にありませんし、仮にrit.やフェルマータがあっても前に進む気持ちがなくなるわけではありません。
ですから、音楽のベクトルというのは常に前進あるのみで、しかも可能な限り前に進もうとする強い意志を持ち続けることがとても大切になっていきます。
この強い意志があることで生きた音楽になるんです。
《テンポとベクトル》
ただ、前に進む、と言っても好き勝手にどんどん前進するわけにはいきませんよね。
それは、音楽には「テンポ」という決まりがあるからです。
イメージしやすいように車の運転に例えると、
「ベクトル」=「アクセルを踏む力」
「テンポ」=「速度制限」
と言えるかと思います。
車を運転することをイメージしてみて下さい。前に進むためには自分の意思でアクセルを踏まなければなりません。でも、好き勝手にアクセルを踏み込んでガンガンスピードを上げてしまうと事故を起こしてしまいます。そのため、道路には通常「速度制限」が指定されていますね。
「この道は40km/h」で走りましょう。とか。
音楽も同じです。テンポの指示に合わせて(完全に一致させる必要はありませんが)、それにあわせてイメージの中でアクセルを踏んでいきます。テンポの指示があるので、アクセルを踏む力加減はそのつど変化するはずです。
《意識のブレーキ》
車にはブレーキも付いています。これがないと停車することができませんが、それだけでなく速すぎたスピードを抑える役目も果たします。
では音楽でいうブレーキとは何かと言うと、こちらもやはり意識内でのことになり、「理性」という言葉で言い換えられるかもしれません。
全員ではありませんが、おおよそ自分が経験してきた中で言えば若い人ほどアクセルを強く踏みたがるように感じます。
なので、中学校、高校などの吹奏楽部の合奏ではよく指揮者から「走る!」と指摘されていることが多いんだと思います。
でも、走ってしまうというのが気持ちが抑えきれなくて「どんどん前に行きたい!」という気持ちの表れですから、決して悪いことではないんです。
この前に行きたくて仕方がない気持ちはそのまま持っていて、しかしテンポという速度制限を意識した上で「理性」というブレーキを軽く踏んでいる冷静さを持ち合わせた時に「生きた演奏」になるんだと思います。
このバランス感覚を練習の段階から常に持っていられるととても良いですね。
どうしても合奏練習や本番になると緊張感から興奮状態になってしまい、アクセルを踏む力のほうが強くなってしまいがちです。
ですので、いつでもブレーキを踏める理性を冷静に持っていられることがとても大切になっていきます。
今回は意識の話で若干漠然としていますが、みなさん自身でいろいろ考えて演奏してみて下さい。
それではまた来週!
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