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アーバン金管教本








みなさんこんにちは!
最近ものすごく乾燥していますが、風邪などひいていないですか?
ウチでは加湿器を必ずつけて寝ているせいか調子良いです。湿度が低い状態で寝ると朝起きた時に鼻や喉が乾燥して、あげく唇も乾燥してしまいます。こうなるとトランペットも思ったように吹けなくなるので、みなさんもエアコンやストーブを付ける時には加湿をすること、水分を常に摂取することをおすすめします。
湿度計があるともっと良いですよ!

さて、先週から「教則本(教本)」について書いています。今回からオススメの教本、定番の教本のいくつかを紹介してみようと思います。あくまでも個人的な見解と経験で書いていますので参考程度に読んで下さいね。あとは実際に販売店で中身を見てご自身で判断して下さい。


《アーバン金管教本(1)》
アーバン金管教本
実際に使ったことがなくても、トランペットを吹いている方のほとんどはこのタイトルを聞いたことがあるかと思います。
かなり時代のある教本(原典版は1800年代半ば)でそもそもはコルネット(と、サクソルン族というコルネットの仲間の楽器)のために書かれているものですが、今は関係なくトランペットでも使われています。

「アーバン」というのは人の名前で1800年代に活躍したフランスのコルネット奏者、教育者です。この頃にコルネットという楽器が開発されましたが、まだ音楽界では一般的な楽器ではなかったようです。そのコルネットをアーバンさんは「コルネットってヴァイオリン並みにテクニカルなことできるんだぜ、すげーだろ」と言ったかどうかはわかりませんが技巧的な演奏をして、コルネットはソロで充分使える楽器なのだ、ということを最初に世の中に知らしめたすごい人です。

その集大成としてか、テクニックを習得するための教本を作ったようで(当時パリ音楽院のコルネット教授だったからでしょう)、自らの演奏だけでなく教本そのものの完成度から世界中に彼の名前が残るようになり、今現在でも教本が使われ続けているのだと思います。


《アーバン金管教本の特徴》
ということで、「アーバン金管教本」は全般的に「テクニックを習得するための教本」という分類ができます。

この教本は非常にこまかく内容がわかれていて、ひとつのテクニックを徹底的に練習できるようになっています。
例えば様々なリズムでのシングルタンギング、音階、半音階、リップスラー(リップトリル)、分散和音、インターバル(跳躍)、ダブル・トリプルタンギングなど、これらがすべて分かれていくつかの短い練習曲として書かれているので、自分が苦手としている(習得したい)ところを集中して練習できるというメリットがあります。


《200ページ》
ただ、アーバンさんの音楽家としての経緯、実力やパリ音楽院の学生が使えるレベルに合わせ作った(はず)の1巻だけで200ページ弱もあるこの教本、はっきり言って難しいです。手を抜いていない。浅く広く(そしてページ数が少ないのに高額な)教本は山ほどありますが、この教本はいわば「深く広く」網羅しています。
良く聞く名前だしほぼ確実に楽譜屋さんに置いてあるから一般的に感じるかもしれませんが、吹奏楽部で活動している方がこの教本を曲練習と平行して充分に練習できるかと言えば、それはちょっと負担になってしまうのではないかと思うんです。
また、ひとつひとつが短い「曲」として書かれているために、ある程度完成させる、または完成した(=この項目ができるようになった)と実感することが難しいかもしれません。

自分がこの教本に出会ったのは、高校1年生で本格的に音楽大学を目指すためにレッスンを受けた時からです。
中学生の時は楽譜の知識もあまりないまま勢いだけで吹奏楽をやっていたために、短いながらもひとつの完成された「ソロ曲」を吹く経験はありませんでしたから(ソロなんて吹奏楽曲に出てくる1フレーズ程度のメロディしか吹いたことなかったから)、アーバンを練習するのがそりゃもう大変でした。たかだか5,6段くらいしかないとは言え、一旦吹き始めるとマウスピースを口から離せないのでとりあえずバテて最後まで吹けない。テクニック習得以前の問題でした。
まあ自分の当時のレベルが低かったからというだけなのかもしれませんが、先程書いたようにレッスンに持っていくためにそれぞれの項目をひとつずつ完成させる(ただ通せるようになっただけですけど)のが本当に大変で、しかも「本当にこれでいいのかな?」という実感のわかないまま毎回レッスンに行くような感じでした。

最終的には高1から4年後の大学1年の終わりくらいでこのアーバンを修了した(師匠に「アーバン終わり」と言ってもらえた)感じです。200ページの教本はそれだけかかるんですよね(まあその人のレベルにもよるんでしょうが…)。

吹奏楽部でやるいくつかの曲練習と、アーバンの練習を短い部活の時間で練習するのは本当に大変でした。どっちも手を抜けないし。


《レッスンで使う教本》
難しいだけあって苦労も多かったアーバンですが、やはり今の自分はこのアーバンの存在なしでは語れません。アーバンを必死で練習していたからこそ、ある程度難しい楽曲でも吹くことができるし、短時間で難しい曲を完成させるためにどういったアプローチで練習することが能率的なのか(確実なのか)、そして自分が苦手なこと、得意なことはどんなことなのかを具体的に知ることができたのもこの教本があったからです。

でも同時にこの教本を買ってひとりで練習していただけでは100%使いこなすことはできなかったと思います。一人で黙々と練習し、師匠にレッスンで1つ1つ教えてもらい、指摘され、直してOKをもらうということ(=1つの練習曲を完成したのだという実感を持てること)の繰り返しがあってこそ、自分はこの教本を使いこなせたと感じることができます。

ですから、自分自身この教本を使ってレッスンをしている生徒さんは今は音大受験生だけです。もちろんそれ相当のレベルやトランペットが上手になりたい!と思っている方にはぜひ使ってもらいたい教本ではありますが、それなりに練習量が必要なこと、どういった流れでどういった練習をすればいいのかを把握した上で使わないと、なかなか使いこなせないものであることを理解した上で練習するべき教本です。そして可能であれば客観的に指摘をしてくれる先生がいるのが望ましいですね。


《練習方法》
先程書いたようにアーバンはそれぞれのテクニックを徹底的に習得するために項目を分けて書いてあります。ですから学校の授業で使う教科書のように1ページ目から順番に練習をする、というものではありません。全般的にテクニックを上げようとするなら、タンギング、スラー、音階、跳躍…といったそれぞれすべてをひとつずつ毎日チョイスして練習すべき教本です。


《注意点》
アーバンは最初に書いた通り200年近く前に作られた教本が元になっています。200年前に常識、通例、正しいと考えられていたコルネットの奏法や楽譜の書き方そのものが今でもすべて通用するか(現代と同じ考え方で捉える事ができるか)と言えばそれは違います。ですから、この教本の中に書かれている解説文を100%正しいと思ってしまうのは若干危険です。今はいろいろな情報源がありますから判別を付けるのも(これは現代の考えとちょっと違うかな?と思えるかどうか、ということ)難しくないかもしれませんが、やはりこの点に関しても指摘してもらえる先生がいたほうが良いと思います。

そして楽譜に書かれているアーティキュレーション、特にくさび形のアクセントの存在には注意して下さい。
また、教本の前半にあるシングルタンギングの練習曲では(これは解説文にしっかりと書かれていますが)八分音符と16分音符の音価の吹き方にも注意が必要です。


《アーバン教本(2)と(3)》
実はアーバン教本というのはいくつか出版社が違うものが存在していたり新版と言われる最近出たものなどいくつかあります(後述します)。他の金管楽器のためのアーバン(中身は同じ)というのもあります。

自分としては(日本では)この記事の最初に掲載した全音が出版している黄色い表紙のものが一般的なのですが、2巻と3巻があるんです(1巻だけで200ページもあるのに!)

2巻というのは簡単に言えば「1巻で習得したテクニックを実際に使ってみましょー」という内容です。
例えば1巻にはあまり出てこない「フレージング(=歌う)」練習のための小品が150曲掲載されていたり、「トランペット2重奏」の小品が掲載されていたり、「14の特別な練習曲」というそれはもう難しい1ページ1曲の徹底的にテクニックを使わされる練習曲が掲載されていたりします。
そしてこの2巻の一番重要なものが「12の幻想曲とアリア」という作品群です。世界中のソリストのCDでもたびたび収録される「ヴェニスの謝肉祭による幻想曲と変奏曲」はこの2巻に掲載されています。みなさんだとロシアのソリスト、ナカリャコフ氏の演奏で耳にしたことがあるかもしれません。
「幻想曲とアリア」と書いていますが、実際には「変奏曲」です。ひとつのテーマのメロディ(アリア=歌曲)があって、それが様々なリズムなどに変化していくというのが変奏曲ですが、コルネット(トランペット)はここまでできるんだぜ!と言ったかどうか知りませんがアーバンさんの集大成と言える作品群です。

実際にステージで演奏するには、それこそ1巻をきちんとマスターしていないと難しい楽曲ばかりですが、その完成度は非常に高く、音大(音高)受験の課題曲としても多くの学校で使われています。

という1巻の応用編が2巻だと思ってもらって良いと思います。
そして「12の幻想曲とアリア」のピアノ伴奏譜が3巻に掲載されています。

興味があったらぜひチャレンジしてみて下さい。


《版》
先程も少し書きましたが、やはり歴史のあるアーバン教本ですから、これまでにいくつか出版し直されてきています。

ルディック版アーバン
このアーバン教本は外国の「ルデュック出版」から発売されているもので、黄色い表紙の全音出版のものとは掲載されている内容もかなり違います、というか全音出版には掲載されていない項目があります(きちんと知らないのですが多分これはアーバンさんが書いた原典版に一番近いものではないかと思います)。このルデュック版にしか掲載していない一部を荻原のレッスンでは使っています。
全音版よりも大型で高額だったと思いますが、あまり目にする機会がないアーバンかもしれません。今でも売ってるんでしょうか。。調べてないのでよくわかりませんが。

新版アーバン
そしてもしかするとこっちのほうが見たことある、と言う方もいるでしょう「新版」のアーバンです。黄色の表紙と同じく全音出版から発売されているもので、掲載している内容こそ変わりありませんが(確か)、先程触れた楽譜の書き方や解説文が現代のトランペット奏法等に合わせて改訂されています。
きっとこれからの時代はこのアーバンが一般的になっていくんだろうな、と思うと自分が歳をとったとすこし感じてみたり(笑)


ということで、今回はトランペットの定番中の定番「アーバン金管教本」について解説してみました。
次回は他の教本を紹介しますのでよろしくどうぞ!
ではまた来週!


当ブログの写真・記事等すべての無断利用、無断転載を禁止します。

at 11:39, 荻原明(おぎわらあきら), 教則本

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教則本(教本)








みなさんこんにちは!先週末あったセンター入試を初め、受験生の方は今が一番大変な時期かもしれませんね。良い結果が出ることを祈ります!

さて先週は「基礎の力を身につける」という内容を書きました。今回は具体的に基礎力をアップさせるための練習について解説しようと思います。


《教本》
基礎力をアップさせるために必要不可欠なのが教則本、いわゆる「教本」です。
個人で練習している方も部活をやっている方もきっと教本の1冊や2冊は持っているはずです。

楽器屋さんや楽譜屋さんに行くと、本当に数えきれないくらいの教本がずらっと並んでいます。先日その並んでいる教本を端から端まで見てみたんですが、もうどれがどれだか良くわからなくなってしまいました。似たような事が書いてあるんだけど、内容をよく読んでみるとちょっとずつ違うことが書いてあったりして納得できたりできなかったり。

こういった沢山の教本の中から自分に合ったものを選ぶというのは(1冊が決して安くないですし)結構大変な作業なんだなと思いました。


《教本の種類》
大切なことは「今自分がどんなことをレベルアップしたいのか」ということを明確に持った上で選ぶということです。
そのためにはまず教本の種類を見分ける必要があります。教本の種類とは例えば以下のように分けられると思います。

 ■ウォームアップをサポートする教本
 ■基礎的なテクニックを習得するための教本
 ■発展的なテクニックを習得するための教本
 ■メロディを美しく歌えるようになるための教本
 ■オーケストラで必要になる「読み替え」を練習するための教本
 (オーケストラのトランペットはすべてがin Bbで書いていないため)
 ■オーケストラスタディ(オーケストラの重要なフレーズが掲載されている楽譜)
 ■ジャズのアドリブを身につけるための教本
  etc.

なんとなく分けてもこれだけ様々な種類があります(総合的な内容の教本ももちろんあります)。ですから、今自分に何が足りていないのか、何を重点的に練習したいのかということをはっきりと持った上で教本探しをすることが大切です。


《自分に合ったレベル》
そしてもう一つ大切なのが「今の自分のレベルに合った教本であるか」を見分けることです。
あまりに難しい内容ばかりが書いてある教本では練習そのものが負担になってしまいますし、それ以前に練習にならなくなってしまいます。逆に簡単すぎる内容であっては意味がありません。ですから、じっくりと中身を見てから購入するようにして下さい。

そして教本(テクニック習得の教本に関して)というのは基本的に最初は簡単で最後は難しくなっていますから、一番最初が今の自分でも吹けると感じる内容であること、最後の方のページでは「自分が近い将来これくらいは吹けるようになっていたいな」と思える内容であることが良いかもしれません。
なんとなくでも良いので希望の持てる内容が書いてあるかどうかを判断できると良いですよね。

そしてもうひとつ大切なのが、楽譜以外の書いてある内容です。
日本人が書いた教本(もしくは日本語訳されている教本)でないと難しいかと思いますが、あまりに奇抜なこと(特に本のタイトル)が書いてあるものは内容を非常に注意して選ぶようにしましょう。奇抜というのは例えば「一週間で曲が吹ける!」とか「楽々」とかそういったタイトルの教本です。
そもそも一週間どんなに頑張ったとしても教本だけに頼って楽々と曲が吹けるかと言ったら、まず無理です(「吹ける」というのがどの程度のものなのかにもよりますが……)。トランペットはそんなに簡単に吹けるものではありません(経験者はよくわかると思いますが)。

ですから、教本を選ぶ際、タイトルだけで判断してネットで注文、なんてことは絶対に避けましょう。お店でじっくりと中身を見て、書いてある内容が少しでも自分が納得できるかを判断した上で購入するようにして下さい。


《定番》
教本というのはある程度「定番」とされるものがいくつかあります。もちろん目的やレベルでも分かれますが、もし身近にトランペットに詳しい先生や先輩などがいるのでしたら、その方からいろいろな情報を得られるかと思います。そういった情報を元に実際の楽譜を見てみるのが選ぶ上での能率も良いのではないかと思います。

そこで来週はトランッペットの「定番」とされる教本のいくつかを紹介してみようと思います。
ではまた来週!



当ブログの写真・記事等すべての無断利用、無断転載を禁止します。

at 14:20, 荻原明(おぎわらあきら), 教則本

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基礎の大切さ








みなさんこんにちは!冬休みも終わって部活も始まっている頃かと思いますが、休みの間楽器を吹かなかった時間が長かった人は調子が戻りにくいかもしれませんね。
楽器は一日吹かないと三日遅れるなんて言いますが、結構ウソじゃないと思ってます。長期間楽器を吹かなかったら最初からそれ以前のようには吹けないんだと割り切ってじっくり基礎練習をすることをおすすめします。焦ってもしょうがないですからね。


《基礎の大切さ》
自分はここ何年かずっと同じ美容院で髪を切ってもらってます。美容師さんもずっと同じ人で最近ではお客だかなんだかよくわからなくなってきてるんですが。。。(笑)
なのでいろんな話をしてまして、気が変わると髪型を少し変えてみようかなということでヘアカタログを見ながらああだこうだ相談してたりしている時にちょっと気になったことがあって、結構奇抜な髪型とかあるじゃないですか、カタログとかって。大学生とかなら良いのかもしれませんが自分、結構良い歳だし職業柄あんまりすごい髪型はできないししたくないし。で、美容師さんに「ヘアカタログ見ただけで同じようにカットできるものなんですか?」と聞いたら「どんなに奇抜なヘアスタイルでも、結局は基本のカットの応用や組み合わせ(+スタイリング)だから、基礎の技術さえ持っていればできるのよ〜」という答えでした。

なるほどな、と思いました。音楽とまったく同じですよね。

究極、教本とかを使って様々なパターンの基礎的な練習を積み重ねて身に付いていれば、どんな曲でも演奏することはできます。
基礎練習って自分も吹奏楽を始めた中学生の時からずーっと耳にしてきた言葉ですが、当初はそういった意味まで理解していなかった気がします。

先輩から「これ基礎練習の楽譜だからやっといて」とか言われてどこから持ってきたのかわからない大昔から使っていると思われる楽譜1枚2枚を毎日毎日適当にやっているうちになんとなく吹くことができるようになって、やがて飽きてそれもやらなくなった上、当時はウォームアップもホントに適当にやってて、すぐ与えられた曲を吹いてなんとなく通せるようになって結局飽きて、早く合奏やりたいな〜とか思ってた能率悪すぎる練習を毎日していました。

みなさんは基礎練習という言葉の意味をしっかりと考えたことありますか?


《能率の悪い練習》
基礎的な演奏技術が乏しいと、練習の能率が非常に悪くなります。
例えばひとつの曲を練習している時に、最初から最後まで練習して、その曲のレベルにもよりますがきっとすぐに吹けない箇所がたくさんあると思うんです。
その場所だけを抜き出して何回も何回も吹いているうちになんとなく慣れてきて、一ヶ月二ヶ月吹いているうちに指も覚えてきて感覚で吹けるようになってくるはずです。そんなことを繰り返して本番を迎えてなんとなく無難に吹くことができて、また次の本番に向けて新しい楽譜をもらった時、前回と同じように最初から最後まで吹いてみて、吹けない箇所が出てきたら何度も何度も毎日ひたすら繰り返しているうちになんとなく吹けるようになって。。。。

この練習って能率悪いですよね。


《プロの世界》
プロの世界では学校の部活のように何回も何回も合奏を繰り返して本番を迎えるという流れではないんです。その時によっても団体の方針によっても違うのですが、例えばオーケストラで演奏する作品がどんなに大曲(たいきょく)であっても多くて3日間連続の合奏をして翌日本番だったりします。
ひどい時には1日合奏翌日本番とか、レコーディングの世界では当日楽譜をもらってその場で録音とか、そんなこともあります。

でも本番の時には完成されていますよね。

もちろん、個人個人ではリハーサルの前に譜面を見て練習をしている場合も沢山ありますが、それでも楽譜が手元に届くのは一週間前とかだったりします。ですから譜読みもそんなに長時間できるわけでもありません。

ではなぜこの短時間で完成させることができるのか、というと基礎の技術がそれぞれ備わっているからなんですね。

これから演奏する曲がまったく知らない曲であっても技術と知識があれば最初から最後まで通すことができる、ということです。最初に書いた美容師さんの言ってることと同じです。


《基礎力を身につけるためには》
プロの演奏家のように譜読みがすぐにできるようになるためには、やはりそれ相当の経験と練習量が必要になりますから、今すぐ練習1回で完成させなさいと言うのはちょっと無茶な話ですが、少しでも能率の良い練習をこころがけることと、そのための基礎力を身につける毎日の練習をするのは大切なことです。

そのために必要なこと、どんな練習をすれば良いのかという具体的なお話を来週書いてみようと思いますので、どうぞおつきあい下さい。
それではまた来週!


当ブログの写真・記事等すべての無断利用、無断転載を禁止します。

at 01:32, 荻原明(おぎわらあきら), 練習に対する考え方

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唇のケア








みなさん、明けましておめでとうございます!
「ラッパの吹き方」も今年で3年目を迎えます。飽きっぽいんですがよく続いているなあと思ってたり(笑)
ともかく今年も同じペースで書いていきますのでどうぞよろしくお願いします!

さて、お正月を迎えてたくさんおいしいものを食べられる時期ではありますが、みなさんは食べ物が触れる自分の唇をどれだけ大切にしてあげていますか?
唇はトランペット奏者にとって命とも言える大切な部分です。木管楽器で言えばリードに値するというのはこれまで何度も書いてきていますね。
リード楽器奏者の方は、音の出る原点であるリードをできるだけ良いものを使おうと何十枚もの中から厳選し、さらにそれらを長く使えるよう大切にケアをしています。ただ、万が一ヒビを入れてしまったり傷を付けてしまったら取り替えることができるのもリード楽器の特徴です。
でもトランペットではこれができませんね。自分のリードは1つだけです。取り替えることはできません。

ですから自分の唇はいつも良いコンディションでいる必要があります。


《塩分》
自分の経験談なのですが、以前オーケストラのリハーサルの休憩中にご飯を食べに行ったんです。ファストフードのお店でハンバーガーやらフライドポテトを頼み、特に何も意識せず食事を終えて再度トランペットを吹こうとしたら。。。

休憩前のように音が出ないんです。唇が思うように振動してくれない。
結局その日は最後までちゃんと吹けずにショボい演奏をしてしまったという苦い経験をしてしまいました。

原因は、フライドポテトに付いている塩でした。

塩分は水分を奪ってしまうので、ポテトを食べている間にどんどん唇が収縮してしまって潤いがなくなりリードとしてはとても悪いコンディションになってしまった、というわけなんです。

これ以来トランペットを吹く前から吹き終わるまでの間は決してフライドポテトのような表面にたくさんの塩分が直接付いている食品を食べなくなりましたし、トランペットを吹いていない時にもポテトなどを食べる時はできるだけ唇に触れないように食べるクセが付いてしまいました。
そもそもあまりファストフードが好きではないので食べることも少ないんですが、友人とたまたまこういったものを食べることになった時、自分があまりに変な食べ方をしているので「何やってんの?」と笑われたこともあります(笑)細長いポテトをとりあえず一気に口の中へ強引に差し込んで食べるので。。。

塩分が強いと言えば醤油も同じです。醤油が直接唇に付いてしまうのもあまり良いとは言えません。でもまあ醤油を丸呑みする人もいないでしょうし(いたらヤバい)、あんまり気にすることもないかと思いますが。。。


《刺激の強い食べ物》
塩分だけでなく、辛い食べ物も唇にあまり良くありません。
自分は辛いもの、特に唐辛子を使った料理が好きで、七味唐辛子をジャンジャンぶっかける癖があって、唐辛子の破片が唇に付いてしまうとヒリヒリして腫れてきてしまいます。辛い料理を食べる時も少し注意しておくと良いかもしれません。

刺激が強いと言えば「とろろ」でしょう。とろろを食べた時、唇が痒くなったりヒリヒリした経験は誰にでもあると思います。
自分は恐ろしくてとろろは絶対食べないのですが(好きなのに;;)一番気をつけてほしいのは食べてかゆみを伴った時に唇を強く拭いてしまったり舌で舐め続けたりする行為です。これは後で書きます。


《栄養不足》
塩分がどうだとかとろろは食べないだとか書いていますが、自分は好き嫌いはまったくありません。唇に影響がありそうなものを(味が嫌いとかではなく)敬遠しているだけです。
ただ、やはり一人暮らしをしていると野菜をあまり食べていなかったり、食べたいものを好きなように選べるなど、栄養の偏りは否めません。

摂取している食べ物に偏りがあると肌に良くないというのは聞いたことがあると思います。唇もまったく同じで、コンディションが悪くなってしまいますし、何より口内炎になりやすくなります。口内炎になると思うように楽器が吹けませんからね。できるだけならないようにしたいものです。
口内炎の原因は食生活だけではなく、体質やストレスなど様々なものから起こってしまうことではありますが、バランスよく何でも食べる習慣を持っていればそれだけ発症する確立を下げられますからね。

そこで、自分はサプリメントを食事と一緒に取るようにしています。サプリメントの摂取は賛否両論あるかもしれませんが、食事の後に決められた量だけ毎回きちんと取っていると、やはり唇のコンディションが良いんです。逆に2,3日取らない日が続くと唇が荒れてきたり腫れぼったくなったりと異常を感じることがあります。ちなみにビタミンB,C,Eは必ず摂取しています。

それと野菜不足を補うために野菜ジュースを食事と一緒にコップ一杯飲むようにもしています。


《リップクリーム》
今の時期は特に外が乾燥していますよね。乾燥は皮膚にとってはとてもよくありませんが、唇にとってはもっと最悪な状況です。
唇というのは粘膜がむき出しになっていますので、普通の肌に比べて汗の出る汗腺や皮脂腺がほとんどなく体の機能で回復するのが遅い部分です。
ですから一旦乾燥して唇がパリパリしてしまうとコンディションを直すまでに非常に時間がかかってしまいます。もし唇が切れてしまったらまともに音を出すこともできません。これが本番前だったら、、、と思うと怖いですよね。

唇を乾燥から防ぐにはリップクリームが必需です。

リップクリームと言ってもドラックストアやコンビニには沢山の種類がありますよね。基本的に保湿ができればそれで良いのですが、自分が使っているのはUV(紫外線)カットの効果があるリップクリームを使うようにしています。

自分は使っていませんが唇のケアにはワセリンも良いと思います。


《紫外線》
唇のコンディションを悪化させる原因は乾燥だけではありません。特に夏の時期には紫外線という天敵がいます。
唇に紫外線が強く当たり日焼けをしてしまうと腫れてしまい、唇の振動が鈍くなってしまいます。
日焼け止めを唇に塗ることはできませんから、リップクリームでガードをするように心がけることが大切です。

冬だとスキーやスノボをする方もいらっしゃるかと思います。スキー場も日焼けをしやすい場所ですからリップクリームでUVカットをすることをおすすめします。

これもクセなのですが、あまりに日差しが強い時、唇に直接当たらないように丸めて口の中にしまっています。まあずっとそうやってるわけでもないんですけどね。


《唇をいじらない》
このように様々な角度から唇をいたわってあげることが一番大切なのですが、もしも唇が荒れてきてしまった時に重要なのは「絶対にいじくらない」ということです。
唇がガサついているなぁ、と舌で舐めてしまうのは一見保湿をしているようにも思えるのですが逆効果です。体の持っている保湿しようと出した成分を舌で全て拭き取ってしまっていることになってしまいます。

とろろや辛いもの、塩分の多いものを食べて唇に付いてしまったからと言って、ハンカチや手で唇を擦ってしまうのは絶対にダメです。水などで唇をすすいでからリップクリームを付けるなどをしてケアするようにしましょう。

とにかく、唇をいじくりすぎるのは良くない、ということです。

また、荒れた状態の唇で乾燥した粘膜がむけてきている途中のものを取ってしまうと大変なことになります。血がでます。痛いです。これはもうケアとかそういうレベルではなくトランペット奏者にとっては「重体」です。

でも思えば何も考えずにトランペットを吹いていた中学生の時、唇のケアもせず、乾燥しまくった唇で無理矢理楽器を吹いていた時、トランペットを口から離したら乾燥した粘膜がマウスピースのほうにくっついてきてバリっと剥がれたことがあります(ぎゃあ。今自分で書いていてなんか気持ち悪くなった;)
もちろん出血しましたよ。唇がぱっくり割れたわけですから。

でも何を考えているんでしょうか、その頃はとにかく根性根性だけで部活やってたんで「怪我しても頑張ってる俺がカッコイイ」みたいな心境だったんでしょうか(笑)全然かっこよくないのにね。。。
指導してた先生から「もう吹くな」と言われても唇から血を流しながら吹き続けて、そりゃもう大変なことになってましたよ、唇。治らない。

みなさんはこんなこと絶対しちゃダメですよ。本番の日だとかよっぽどのことがない限り、唇に異常を感じたら吹くのをやめて下さい。治らなくなるんで。


《数日吹かないと》
これだけ毎日気をつけて生活しているから、というのもあるんでしょうがここ数年は唇が荒れたことがないんですね。

理由がはっきりしないのでよくわかっていませんが、まれに2日3日ほど楽器を吹かないことが過去あった時(そういうことがめったにないのですが)唇が急激に荒れてくるという経験をしています。
これはもしかすると楽器を吹いていることそのものが唇のコンディションを良くしているのかもしれない、と思っているのですがどうでしょうか。

管楽器奏者以外の世の中のほとんどの方は唇を喋る時と呼吸する時と食べる時くらいしか使いませんよね。でも特に金管楽器は唇を「振動させる」という特殊な使い方をしているおかげで血流が他の人より良かったり、マウスピースという金属が長時間触れているおかげで粘膜が強くなっているのでは?と。。。
誰か知ってたら教えて下さい。


《銀メッキ》
以前にも同じことを書きましたが、まれに金属アレルギー体質の方がいらっしゃいます。その方は銀メッキのマウスピースを唇に当てていると荒れてきたり腫れてきたりしてしまいます。銀のアクセサリーなどを身につけたりして初めて気づくことが多い金属アレルギーは他のアレルギーに比べて若い時には気付きにくいものです。ですから、もしマウスピースを当てている周辺に異常を感じたら皮膚科のお医者さんに見てもらうことをおすすめします。
そして、金メッキのマウスピース(症状が手にも出てしまう場合には、プロテクターをするか金メッキのトランペットを使う)に変更するようにして下さい。


ということで今回は唇のケアについて書いてみました。先週の水分摂取と一緒に読んで頂ければありがたいです。
それではまた来週!



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at 11:31, 荻原明(おぎわらあきら), ケア

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