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荻原 明
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2009.04.07 Tuesday
響きのギャップ
みなさんこんにちは!
学生のみなさんは春休みもそろそろ終わって新学期が始まった頃かと思います。
吹奏楽部に所属している方は新入生獲得に試行錯誤しているかもしれませんね。頑張ってください!
さて、今回のお題は「自分の出している音が間近で聴くのと客席で聴く時のギャップ」です。
というか、そもそもそういうことが演奏で起こっているのを知っていましたか?
簡単に言えば、音は発信源の場所から遠くへ行けば行くほど弱く、はっきりしないものになるということです。
こういうことは経験したことがありますよね。目の前で会話するのと、遠くの人に声を届けるのとでは全然違うということを。
トランペットは声に比べて非常に大きな音が出せる楽器ですが、大きな音が出せてもやっぱり目の前と遠くにいる人とでは聴こえがかなり変わってきてしまうのは同じです。
《音のギャップ》
トランペットを吹いている時、どうしても主観的な判断だけで演奏をしてしまいがちです。
どういうことかと言うと、例えば「柔らかい音」を出そうとする時、自分の耳に聴こえてくる柔らかい音を基準として演奏してしまうということです。「スタッカート」を演奏する時、自分の判断を基準にしてしまいがちです。
この時、自分の音はすぐ近くで鳴っていますから自分の耳に聴こえてくる音はイメージ通りのものなのかもしれません。
でも音楽というのは客席にいる人へ自分の音を届けなければ意味がありませんね。
目の前で鳴っている自分の音が客席では想像以上にアバウトな音に聴こえていることを知っておくべきです。
ということは、自分で良いと思った「柔らかい音」は、必要以上に柔らかい音として客席に届いているわけで、結果として自分が届けたい音ではなくなってしまっているのです。
「軽いスタッカート」で演奏したはずの音は、自分が想像したものよりもモヤっとした音に聴こえてしまいがちです。
まずはこういった「ギャップ」があるということを知っておきましょう。
《解決策》
自分が演奏している音をその瞬間客席で聴くことは絶対にできないので実感する機会がなく難しいところではありますが、同じパートに仲間がいるのでしたら、その人の音を遠くから聴いてみて下さい。
いつも近くで聴いている仲間の音ですから、どのくらいギャップがあるのか知ることができるはずです。
もうひとつは、仲間に自分の音を遠くから聴いてもらう方法です。
人によって表現が様々ですから納得のいく答えが得られるかはわかりませんが、参考にはなると思います。プロの奏者など音楽家に指摘してもらえるのが確実かもしれませんね。
また、録音機材があるのでしたらそれを使っていろいろなフレーズ、音型を録音して聴いてみましょう。
ただしこの時、録音レベルを調整できる機材でなくては意味がありません。ここではあまり詳しく書きませんが、録音機材によっては小さい音を大きく、大きい音を小さく自動で調節してしまう機能があるので、実際に遠くで聴こえている音とは違って録音されてしまうことがあります。
録音レベルをマニュアルで録れるものでやってみて下さい。
《どう演奏するべきか》
では実際どう吹いたら良いか、ということですが、客席では音がアバウトに聴こえてしまいがちですから簡単に言えば「自分が思っている以上に明確に吹く」ことが大切です。
具体的に言うと
■柔らかい音であってもクリアに吹く
■スタッカートは想像以上にはっきりと短く吹く
ということです。
また、客席には「長い音よりも短い音のほうが聴こえにくい」という特徴があるので、例えば付点(付点8分+16分音符)のリズムでは後ろの16分音符のほうが聴こえくくなってしまいます。ですので16分音符は前の音よりも強くはっきり明確に演奏すると良いでしょう。目の前で聴いていると16分音符が必要以上に大きく強く聴こえているかもしれませんが、客席では意外にも普通に聴こえています。
ということで今回は自分に聴こえてくる音と客席に聴こえる自分の音のギャップについて書きました。
響きの良い場所やコンサートホールで吹く時は、これが顕著に現れるのでいつもは響きのない音楽室などで練習していて、吹奏楽コンクールや定期演奏会の本番で響きのギャップに驚かないよう、いつも練習の時から想定して練習しておくようにしましょう。
ということで、また来週ー。
学生のみなさんは春休みもそろそろ終わって新学期が始まった頃かと思います。
吹奏楽部に所属している方は新入生獲得に試行錯誤しているかもしれませんね。頑張ってください!
さて、今回のお題は「自分の出している音が間近で聴くのと客席で聴く時のギャップ」です。
というか、そもそもそういうことが演奏で起こっているのを知っていましたか?
簡単に言えば、音は発信源の場所から遠くへ行けば行くほど弱く、はっきりしないものになるということです。
こういうことは経験したことがありますよね。目の前で会話するのと、遠くの人に声を届けるのとでは全然違うということを。
トランペットは声に比べて非常に大きな音が出せる楽器ですが、大きな音が出せてもやっぱり目の前と遠くにいる人とでは聴こえがかなり変わってきてしまうのは同じです。
《音のギャップ》
トランペットを吹いている時、どうしても主観的な判断だけで演奏をしてしまいがちです。
どういうことかと言うと、例えば「柔らかい音」を出そうとする時、自分の耳に聴こえてくる柔らかい音を基準として演奏してしまうということです。「スタッカート」を演奏する時、自分の判断を基準にしてしまいがちです。
この時、自分の音はすぐ近くで鳴っていますから自分の耳に聴こえてくる音はイメージ通りのものなのかもしれません。
でも音楽というのは客席にいる人へ自分の音を届けなければ意味がありませんね。
目の前で鳴っている自分の音が客席では想像以上にアバウトな音に聴こえていることを知っておくべきです。
ということは、自分で良いと思った「柔らかい音」は、必要以上に柔らかい音として客席に届いているわけで、結果として自分が届けたい音ではなくなってしまっているのです。
「軽いスタッカート」で演奏したはずの音は、自分が想像したものよりもモヤっとした音に聴こえてしまいがちです。
まずはこういった「ギャップ」があるということを知っておきましょう。
《解決策》
自分が演奏している音をその瞬間客席で聴くことは絶対にできないので実感する機会がなく難しいところではありますが、同じパートに仲間がいるのでしたら、その人の音を遠くから聴いてみて下さい。
いつも近くで聴いている仲間の音ですから、どのくらいギャップがあるのか知ることができるはずです。
もうひとつは、仲間に自分の音を遠くから聴いてもらう方法です。
人によって表現が様々ですから納得のいく答えが得られるかはわかりませんが、参考にはなると思います。プロの奏者など音楽家に指摘してもらえるのが確実かもしれませんね。
また、録音機材があるのでしたらそれを使っていろいろなフレーズ、音型を録音して聴いてみましょう。
ただしこの時、録音レベルを調整できる機材でなくては意味がありません。ここではあまり詳しく書きませんが、録音機材によっては小さい音を大きく、大きい音を小さく自動で調節してしまう機能があるので、実際に遠くで聴こえている音とは違って録音されてしまうことがあります。
録音レベルをマニュアルで録れるものでやってみて下さい。
《どう演奏するべきか》
では実際どう吹いたら良いか、ということですが、客席では音がアバウトに聴こえてしまいがちですから簡単に言えば「自分が思っている以上に明確に吹く」ことが大切です。
具体的に言うと
■柔らかい音であってもクリアに吹く
■スタッカートは想像以上にはっきりと短く吹く
ということです。
また、客席には「長い音よりも短い音のほうが聴こえにくい」という特徴があるので、例えば付点(付点8分+16分音符)のリズムでは後ろの16分音符のほうが聴こえくくなってしまいます。ですので16分音符は前の音よりも強くはっきり明確に演奏すると良いでしょう。目の前で聴いていると16分音符が必要以上に大きく強く聴こえているかもしれませんが、客席では意外にも普通に聴こえています。
ということで今回は自分に聴こえてくる音と客席に聴こえる自分の音のギャップについて書きました。
響きの良い場所やコンサートホールで吹く時は、これが顕著に現れるのでいつもは響きのない音楽室などで練習していて、吹奏楽コンクールや定期演奏会の本番で響きのギャップに驚かないよう、いつも練習の時から想定して練習しておくようにしましょう。
ということで、また来週ー。
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at 16:05, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習
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