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他の奏者よりも目立つ演奏








みなさんこんにちは!
前回は音量のバランス作りについて解説しました。その記事の中で、自分が高校生の時にどれだけ頑張っても他の人の音にかき消されて自分の音が聴こえなかった、ということを書いたのですが、なぜこのようなことが起こるのかを今回の記事で書いていこうと思います。今だからわかったこの事実。。。みなさんも同じ様な経験をされたことがあるかもしれません。

特に吹奏楽ではシンバルのようなピッチや音律がはっきりしない打楽器の強打と同じタイミングで音を出す時など、自分の音がかき消されてしまい、果たして客席まで音が届いているのかわからなくなる瞬間というのが多く出てきます。
まあ、実際のところ音律のない打楽器は他の音よりも目立つし、音量も楽器の中で一番大きく出せるのでかなわないと言ってしまえばそれまでなんですが。。。それではアンサンブルになりませんよね。

ということでちょっとしたコツをひとつ。

《他の奏者より目立つためには》
例えば、自分も含めた大勢の人間が横一列に並んでいたとします。その中で自分だけが目立つためにはどうしたら良いでしょうか。
他の人より目立つ格好をする、大声を出す、暴れる。。。
まあこれでも良いかもしれませんが、これをアンサンブルに置き換えると、他の人も音を出しているので大声を出すってのはみんながやっているので無理です。暴れるというのもアンサンブルではちょっと無理です。怪我人出ます。目立つ格好をするというのは、ある意味シンバルなどの打楽器のほうが音が目立ってしまうので勝てないですね。

実はもっと簡単な方法があります。
それは「他の人より一歩前に出る」ということです。
これだけで視線は一点に集まることができるはずです。アンサンブルで言うなら、音を出すタイミングのことと言えるでしょう。

合奏のというのは全員でタイミングを合わせて前へ前へと歩んでいきますが、その最初の一歩を踏み出すタイミングを自分が率先すれば他の人よりも目立てるということなんです。

アンサンブルをする時「みんなで出だしのタイミングを揃える」ことが大切なのは誰でも知っていることですが、全員が全員寸分の狂いもなくぴったり揃えているわけではないのです。もちろん一拍飛び出たらそれはフライングです。そうではなく先程も書いたように「率先して、先頭に立って一歩目を踏み出す意識」を持っていることが自分の音をしっかりと聴こえさせる技術なのです。

他の人が一歩前に踏み出したそのタイミングで自分もなんとなくそれに合わせていると、自分の音は完全に混ざってしまいます。しかも一度音が出てしまってからでは、その後どれだけ大きな音を出そうとしてもすでに周りの音と紛れてしまっているので目立たせることはなかなかできません。
ですので、「音の出だし」にこだわる必要があるのです。出だしのタイミングで音が目立つと聴いてる人にとってはその「目立った音」を無意識に耳で追う傾向がありますから、その後あまり頑張って吹かなくても良いというメリットもあります。

高い音から始まるとか、苦手なフレーズだとか、そういった奥手になりやすいモチベーションの時というのはどうしても他の人の音に紛れ込ましてごまかしがちです。でもそんな時、音をはずすことや失敗を恐れずに一歩前に出る気持ちを持っていることが大切です。

ことわざで「出る杭は打たれる」というのがありますが、アンサンブルの時は「出る杭」になったほうが良いことも多いのです。
日本人は特に奥手な傾向があるのでこんなことわざが存在しているのだと思いますが、奥手になっては音楽はできませんよ。

どの程度他の奏者よりも前に出れば良いのか、というのは編成や人数、曲によっても違ってきますので具体的なことは言えないのですが、それよりも「自分の意識の問題」だと思って下さい。

自分が音の出だしのリーダーになること、この技術を手に入れれば合奏もかなり楽になると思います。


さらにこれに加えて「立ち上がりの音(アタック)」にもこだわりを持つようにして下さい。
どれだけ他の人よりも一歩前に出ることができても、フニャフニャした音の立ち上がりではみっともないだけです。
曲や場面に合わせたサウンド、アタックなどがコントロールできるように日頃から個人練習で様々なスタイルの演奏ができるようにしましょう。

ということで今回は合奏で目立つためのちょっとしたコツを書きました。
注意して欲しいのは、いつもトランペットが一歩前に出れば良いとわけではないということ。
他の楽器が一歩前に出て、トランペットがそれに続いていくなんて場面も数多くありますから、「今こそ自分が一歩前に出るところだ!」とわかっていなければ単なる目立ちたがり屋さんになってしまいます。
曲を知ること、スコアを読めることも必要になりますから、いろいろな角度から勉強してみて下さい。

それでは、また来週!



当ブログの写真・記事等すべての無断利用、無断転載を禁止します。

at 05:32, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

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アンサンブルでの音量バランス








みなさんこんにちは!

さて、前回まではそれぞれの割り当てられたパートでの役割について解説しましたが、今回はトランペットパート全員が覚えておいてほしい内容、「合奏での音量バランス」について書いていきます。



《音量バランス》
トランペットを吹いている方のほとんどは吹奏楽やオーケストラ、室内楽など、複数の人とのアンサンブルを経験されているのではないかと思います。ピアノの伴奏でトランペットを吹く時もある意味アンサンブルと言えます。
そういったアンサンブルをしている時「トランペットの音が大きすぎる」もしくは逆に「トランペットの音が小さい、聴こえにくい」といったことを指摘されたことはないでしょうか。
自分の関わっている演奏の録音などを聴いて、音量のバランスが悪いと気づいた経験もあるかもしれません。

自分がまさしくそうでした。
中学生の頃吹奏楽部に入っていて、なんだかよくわかりませんが音量ばかり異常に出せた自分は、大きな音を出そうと思っているわけでもないのに、吹奏楽コンクールの音源を聴いてみたらものすごいでっかい自分の音がいて、しかもそれがかっこよければまだしもミスしまくってピッチも悪くて、ガサツな演奏に恥ずかしくなったりしてました。
高校生の時には逆にものすごい音量を出す先輩たちが多く、自分も負けじと大きい音を出してやろうと力一杯吹いているのになぜだか音が飛ばなくて悩んだこともありました。

トランペットをはじめ金管楽器は、他の楽器に比べると非常に大きい音量が出せるのが良くも悪くも特徴のひとつと言えます。
クラシックなどの音楽で、プロの生演奏をライブで聴いたことがある方はここぞというところでオーケストラや吹奏楽の先頭に立って、かつ他の楽器の邪魔をしないで、でもガンガン演奏しているシーンや他の楽器とバランス良く調和させてアンサンブルしているところを耳にしたことがあるかと思います。

バランスの良い音量で演奏をする、というのはトランペットに限らずすべての楽器に課せられた課題であると言えますが、これができるようになるためにはある程度のテクニックが必要です。

どんなテクニックかと言うと、簡単に言えば『自分が演奏をしている時に他の楽器の音が聴こえている状態を保つ』ということ。
しかしこれはそんなに難しいものではありません。音量バランスが悪い時というのは、他の人の音を聴かないで好き勝手に吹いてしまっている時なんです。要するに耳を使ってアンサンブルをしていない状態です。


楽譜にはfやpなどの強弱記号が書かれていますね。以前このブログでも強弱記号について書いたことがあります(こちらをクリック)。この記号を「主観的」に捉えて演奏をしていると音量バランスが崩れてしまいます。

例えばf(フォルテ)が書いてあるからと言って自分の勝手な基準で「でっかい音」を吹いてしまうようでは、フルートやオーボエと肩を並べてアンサンブルをするのは難しくなります。明らかにトランペットのほうが大きな音が出てしまうからです。そうではなくバンドやオーケストラ全体で作り出すフォルテのサウンドを作らなくてはならないのですから、すべての楽器がしっかりと聴こえる音量=自分の音で他の楽器をかき消してしまわないようにバランスを作ることが重要になります。
自分が演奏している時に、自分の耳で他の一緒に演奏している楽器の音が聴こえる状態であれば、基本的にはバランスは保てていると思って大丈夫です。

しかし全員で調和のとれたフォルテのサウンドを作り出すシーンばかりではないので、場面によってはファンファーレなどトランペットが思い切り吹いた方がふさわしいと思われることもありますし、一概に上記のようなバランス感覚で演奏するべきではないとも言えますが、やはりそんな時でも他の演奏しているすべての楽器に耳を傾ける力を持ってなければどのくらいまで音を出しても大丈夫なのかわからなくなり、結果的に良いバランスでのアンサンブルは難しいでしょう。

もちろんp(ピアノ)の時も同様です。ピアノと書いてあるからと言って、小さい音量を出せば良いわけではありません。他の楽器とのバランスを作ってこそのピアノです。
この場合、例えば金管楽器だけでコラールのようなハーモニーをpで演奏する時と、ソロクラリネットとソロトランペットで同じメロディを演奏する時とでは音量はだいぶ違うことはわかると思います。
注意して欲しいのは音量バランスのことだけでなく、音質にもこだわりを持っていなければ調和のとれた響きを作ることはできませんので、この点に関しても自分の耳をフルに使って演奏するようにして下さい。他の人の音色にも耳を傾けると、よりバランス良いアンサンブルをすることができると思います。

主観的な音量だけで演奏をしない、ということを心がけてアンサンブルを楽しんで下さいね。

《音量とピッチの関係》
先程音質にもこだわりを持ちましょう、と書きましたが、音量というのは決してオーディオのボリュームを変化させたような単純な大小というわけではありません。
pと楽譜に書いてあっても、固い粒が並ぶスタッカートで演奏する場面もありますし、息絶えてしまいそうな弱々しいサウンドを求められる場面もあるでしょう。ですから、そういった点での統一も必要になりますが、他にも安定したハーモニー、安定したピッチで全員が演奏をすることも非常に重要になります。

音量や音質のバランスが良くても、ピッチが安定していなければ音が客席まで届かないのです。

中学生の時、音楽室の中で部員全員が個人練習を行うということがよくありました。
様々な楽器が様々な曲を一斉に吹いている状態です。この時、自分が何を吹いているのかさっぱり聴こえないことが多かったんですね。こういった経験をしたことがある方は多いかもしれません(人数が多い部活や、練習をして良い場所を限定されている学校などでは、自分だけの音をしっかりと聴ける練習スペースを確保することは難しいですよね)。
ひとりひとりは真剣に音楽をしているけれど、その曲も内容もバラバラで統一感のない状態は全員の音量がそれほど大きくなくても、とてもうるさく聴こえてしまいます。「騒音」のひとつです。
繁華街などの人が沢山いる中で喋ると自分の声が聴こえにくいのと同じです。

まあこれは極端な状態ですが、合奏であってもハーモニーが合っていない状態というのは、「偶然全員が同じ楽譜の同じ場所を吹いている」だけにすぎないのです。なんだかやかましい音楽に聴こえてしまう時、全員の縦の線(音の出だしや処理などを指す言葉。指揮者が見ているフルスコアが全パートの楽譜を縦に積み重ねて書かれているのでこう呼ばれます)を合わせようとするだけでは音量バランスを安定させることは難しいのです。


ということで、今回はアンサンブルでの音量バランスについて書きましたが、結論を言うとバランスは音量そのものだけに注意をしていても解決しないということが理解できたのではないかと思います。まあ、これを言い始めればすべてのテクニックをしっかり持ち合わせてなければいけない=プロ級にならなければいけない、みたいなことになりかねないので、まずは「自分だけの世界観で音量を決めない」「自分が演奏している時、自分の耳に他の全ての楽器の音が聴こえてくる状態を保つ」ということに注意して演奏をしてみて下さい。
それだけでもかなり上質なアンサンブルに変わってくると思いますよ!

それではまた来週!



当ブログの写真・記事等すべての無断利用、無断転載を禁止します。

at 10:35, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

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2nd以下の役割








みなさんこんにちは!
前回は1st、トップ奏者について書きましたので、今日は2nd奏者、もしくはそれ以下のパート奏者について書いていきますね。

前々回の記事でも触れましたが、2nd以下を演奏している人は絶対に「1stよりも立場が下のプレイヤー」という意識でいてはいけません。2nd以下のパートが存在するからこそ1stが活きてくるということを忘れないで下さい。
ドラえもんのジャイアン(1st)とスネ夫(2nd以下)みたいに、いつも1stの後ろからついていくようではアンサンブルは成立しないのです。

ただし、2nd以下の人には1stに合わせて欲しいことと主張して良いことが分かれます。

《1stに合わせて欲しい内容》
1stトランペット奏者はパート内、場合によってはバンド、オーケストラ全体の「顔」になる立場のプレイヤーです。1stが引き立つようにサポートするのも2nd以下の仕事のひとつです。
なので、1stが(音楽的にも精神的にも)自由に演奏できる舞台をセッティングしてあげることが必要になってきます。

まず大切なのが「音色の統一」です。トランペットパートがひとつの統一されたサウンドを持っていないと、どんなに安定したピッチであってもバラバラな演奏をしている印象を持たれてしまいます。1st奏者の力量にもよりますが、きっと演奏するジャンルやその場その場のスタイルに合わせて様々なサウンドを作ろうとするはずです。2nd以下の人はそれを受け止めて、音色を統一することが必要です。
音色というのは具体的にどこをどう変化させたらどんな音が出る、ということは言えません。あくまでも自分自身の持つイメージが先行して決まるものです。様々なシーンに合ったサウンドをイメージするためには、様々な音楽を聴かなければできないことです。そしてそのイメージを具体的に音として出すためには楽器を吹いている時にいつもサウンドに対するこだわりや柔軟なイメージを持ち続けているかどうかが重要になってきます。音色に関してはまた後日詳しく書いていこうと思っています。

次に大切なのは「ブレスのタイミング」です。
ブレスと言うと演奏している途中の「息継ぎ」と考えてしまうかもしれませんが、それだけではなくて音の出だしもしっかりと意識して欲しいものです。これもアンサンブルをする上では大切なことですよね。音の始まりがバラバラだったらみっともないです。
「音の出だしを合わせなさい」と言われた時、本当に音が始まるまさにその瞬間を合わせようを意識してしまう人が非常に多い印象を持っていますが、点と点を合わせるような神経をすり減らす作業をするのではなく、息を吸うタイミングを揃える意識を持っていれば自然と出だしのタイミングは合ってくるものです。
例えば、二人で重い家具を持つ時、一斉に持ち上げたいために「せーのー」とか言いますよね。それと一緒で、奏者同士が音そのものが出る瞬間を探り合っているようではタイミングが揃うはずもなく、出だしを揃えるためには呼吸によって「せーのー」的な準備段階で揃えることが必要なんです。逆に言えば音の出だしそのものを揃えようと意識しなくても、呼吸や準備の段階で気持ちが揃っていれば自然と縦の線は揃ってしまうものです。
誤解がないように書いておきますが、ブレスのタイミングを具体的に「ここは2拍前からブレスを取ろう」とか1st奏者と決めておく必要はありません。ブレスを始めるタイミングは人それぞれで良いのです。自分自身が拍のアタマからしっかりと音が出せるブレスの量やタイミングであれば、そこはバラバラでも問題ありませんよ。そこは自己責任ということで。

もう一つはアーティキュレーションです。
アーティキュレーションとは、アクセントやテヌート、スタッカートなどの発音のスタイルのことです。
1st奏者がテヌート気味に吹いているのに2ndがスタッカートで吹いていたら、アンサンブルにはなりませんよね。1stが場面場面でそういうスタイルの演奏をしようとしているのかを把握しておくことが必要です。

これらはパート内で統一して欲しいことです。上記の内容がパート内で揃ってないと「あー、このバンドのトランペットは仲悪いなあ」なんていう印象を持たれてしまいます!音楽をする以前の問題になってしまいますよね。

また、これらのことを「1stのモノマネをする」という意識で演奏するのは良くありません。あくまでスタイルを合わせるのであって、例えば山登りに行くから、それにふさわしい格好をみんなでしよう、ということですよ。1stと同じ服を着て、同じ歩幅で山登りしていたらちょっと気持ち悪いですよね。自分は自分ですから、そこは個性を隠す必要はありません。そうではなくて「山登りにドレスを着てきちゃ変ですよ」ってことです。
そのためには「1stの気持ちになってみる」ことが大切です。「相手の気持ちを考える」というのは音楽だけではなく生活全般でも非常に大切なことですが、「1stはきっとこのシーンではこんなイメージを持っているんだろうな、だからこういう音を出そうとしているんだろうな」と意識しているだけでもアンサンブルはかなり変わってきます。1stから受信をして、耳と心で『聴く』ようにしましょうね。


《2nd以下の奏者として主張して欲しいこと》
スタイルを合わせることはトランペットパートを統一することとして大切なことです。でもそれだけではちょっと足りません。2nd以下は2nd以下のパートして「ひとつの確立された立場である」という意識は必ず持っていて欲しいものです。また、1stが自由に演奏できるように、1stが、より引き立つようにサポートしてあげることも大切です。

例えばクレッシェンドをする場面があった時、1stの後ろを追いかけるように後からクレッシェンドをかけていくのでは1stがいつも引っ張っていかなきゃ、という気持ちになって、そんなことがずっと続くようでは1stが体力的にも精神的にも疲れてしまいます。
このような時は2ndが率先してクレッシェンドをかけていくほうが良いのです。
例えるならお父さんが子どもを肩車してあげるような感じでしょうか。下から力強く持ち上げてあげることで、1stは無駄な力を使うことなく目立つことができます。

クレッシェンドと同様に音量も常に意識して下さい。
よく勘違いされているのが、1stを引き立たせるためには2nd以下は控えめな音量で吹かなければいけないと思っている人がいますが、管楽器の演奏は逆です。前々回のブログで書いたように、1stが自由に飛び跳ねたり動いたりできるような広くて安定したフィールドを作ってあげることが2nd以下の役割のひとつです。そのためにはショボい音で1stの影に隠れているようでは成り立ちません。
むしろ逆で、下のパートが音量をしっかりと出して1stを支えてあげるように意識してい吹くようにしましょう。
ただし、息のスピードが速すぎて1stがついてこられないような無茶な吹き方をするのではなく、その点はあくまで1stを聴いて場面に合った範囲内で行うようにしましょう。


ハーモニーがあって初めて音楽が成り立ちます。メロディだけが流れている音楽は魅力が半減してしまいます。ですから「ハーモニーを作っている重要な立場だ」という意識をしっかりと持って2nd以下の人たちもその音楽に積極的に参加するようにして下さいね。
決して1stよりも下っ端の立場だなんて思わないで下さい。

ということで今回は2nd以下のパートについて書いていきました。
全部のパートをまんべんなく演奏できる環境なのが一番わかりやすいと思いますが、とにかくどのパートになっても自分が今どういった立場でアンサンブルに参加しているのか、ということを理解した上で演奏をすると良いかと思います。

それではまた来週!



当ブログの写真・記事等すべての無断利用、無断転載を禁止します。

at 10:01, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

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トップ奏者、1st奏者の役割








みなさんこんにちは!
前回までの記事を更に具体的に書いていきますね。
この記事から読んで頂いている方はぜひ前回、前々回の記事から読んで下さい。

《トップ奏者の心構え》
吹奏楽の場合や部活動で演奏している場合、トップ奏者を固定しているところはかなり少ないかと思いますが、みなさんこれまで、もしくは今後必ず1stパートを演奏する機会が出てくるかと思います。トップの立場になった時に持っていて欲しいこと、それは

「積極的にパート全員、オーケストラ全体を引っ張っていく力」

です。
トランペットは吹奏楽でもオーケストラでもとにかく目立つ楽器ですよね。音がでかいというのもありますし、サウンドとしても音域としても聴く側の耳に入りやすいという特徴を持っています。
ショボい演奏をしてもかっこいい演奏をしても、それがオーケストラ全体の印象になってしまうというハイリスク・ハイリターンなパートなんですね。


オーケストラという集団の先頭に立って全体を引っ張っていくということは、意思をしっかりと持って突き進んでいく力はもちろん必要です。しかし、他のプレイヤーがついてこられないようなすごすぎる勢いであったり身勝手な立ち振る舞いをしてしまうようではリーダー失格です。むちゃくちゃな演奏をしてオーケストラ全体を混乱させてしまい、音楽を壊してしまいます。
ですから、

「合わせようをする意思を強く持つこと」

も同時になければいけません。
同じトランペットパートの人たちや、他のパートの人たちが「この人(トップ奏者)はこういう演奏をしようとしているのだな」と明確な意思を持っている必要があるのです。

意思を強くもったり、みんなが理解できる明確な演奏をするためには、これから演奏しようとしている作品のスタイル、ジャンルなどの知識がある程度なければできないことです。モーツアルトの音楽をジャズ風に演奏したらみんなが困惑してしまいますよね。ですからその作品にふさわしい曲作りをするためにも、トップの人は他の人以上に「作品ごとに自分なりの(勉強した結果の)演奏スタイル」をしっかりと持っていることが不可欠です。適当じゃダメなんですね。

《パートのトップは中継地点》
みなさんはオーケストラ(管弦楽)の演奏をホールなどで見たことがありますか?
中央にいる指揮者のすぐ隣り(客席から見て左側)にひときわアクションの激しいヴァイオリン奏者がいるのをご存知でしょうか。あの人は「コンサートマスター(女性の場合はコンサートミストレス)」と呼ばれる役職の人で、決して異常な目立ちたがり精神を持っているからああいう演奏をしているというわけではありません(そういう性分の人もいるでしょうが(笑))。
簡単に言えばオーケストラ全体に指揮者の意思を伝える「発信基地」をする人なんです。
ヴァイオリンは長い弓を使って演奏をするのでどのタイミング、どんな勢いで音を出すかというのが視覚的にもつかみやすい特徴を持っています。ですので、例えばテンポが変化していく時もコンサートマスターの弓や体の動きを見ていると非常によくわかります。

吹奏楽部や一般のオーケストラなどでは指揮者から直接演奏の指示を受け取ろうとみんなが指揮者ばかりに注目してしまいまいがちですが、指揮棒の動きというのはテンポや音の勢いだけを指示するわけではありませんし、なによりも空中を漂っているので正確性にはどうしても欠けてしまいます。指揮者は、どちらかと言うとそういった具体的なテンポなどをプレイヤー全員に伝えているというよりは、演奏している作品全体をどう作り上げていくかという「曲想」の面でのウエイトが重いのです。
何よりも指揮棒というのは楽器ではありませんから音は出ません。ですからここで第二の指揮者=コンサートマスターが必要になってきます。

オーケストラの中にいる奏者は、音が出るタイミングや音の質、勢い、音の処理のタイミングなどアンサンブルをするために必要不可欠な要素をコンサートマスターの動きや合図に合わせるのが普通です。
ですが、全員が一人のコンサートマスターの動きに合わせるというだけでは少し情報が足りませんし、トランペットパート内でのアンサンブルは希薄になってしまいます。やはりそれぞれのパート内でのアンサンブルがあってこそのオーケストラですから、ここは「中継地点」が必要になってきます。

そこで活躍するのが「トップ奏者」です。

オーケストラでは、指揮者の意思を確実にコンサートマスターが感じ取り、それを奏者全員に発信しています。この電波を各パートのトップ奏者がしっかりと感じ取り、同じパートのメンバーに発信します。これが基本的なオーケストラでの「送受信」です。

地上波テレビ放送と同じですね。発信基地である一番大きなテレビ局が番組を全国に届けるために、いきなり各家庭に強力な電波を送っているわけではありません。まずは東京タワーやテレビ塔という中継基地が様々な場所にあって、そこから映像を送っています。

 指揮者=テレビ局
 東京タワー=コンサートマスター
 テレビ塔=各トップ奏者
 各家庭のテレビ=その他の奏者

なんて言えるかな?と。すべてがこれに当てはまるわけではありませんが、まあイメージしやすいということで。
もちろん、前回までの記事に書いたように、どんなパートにいようがプレイヤーというのは受信だけでなく送信もしなければいけませんよ。その点では、従来の地上波テレビというよりは、次世代の「視聴者参加型」にシステムは近いのかなー?とも思いますが。。。

ということなので、トップ奏者というのは同じパートの人たちへコンサートマスターから受け取った情報をしっかりと送信する役目も持っている、ということです。だから身勝手な演奏をしてはいけませんよ、ということにもつながります。時にはトップ奏者もコンサートマスターのようにアインザッツ(動きなどで音の出だしを合図すること)をすることも出てきます。
また、他の楽器のトップ奏者との意思の疎通も大変重要です。パート内でアンサンブルをすると同時に他の楽器のトップ奏者ともアンサンブルをしているという意識を持っていることが大切です。
オーケストラなどでは、ステージの中央にトップ奏者が集中して、そこからステージ横へと下のパートが広がっているのが基本的な並び、というのもこの理由があるからなんですよね。


《休める時は休む》
吹奏楽では特に、トランペットはずっと吹き続けるという過酷さを強いられることが多々あります。言ってみれば短距離走のような走りで2000m走り続けるような状態です。
しかし人間ですから、どんなにスタミナがある人でも限度はありますよね。

トランペットパートに人数が充分にいる団体なら、「アシスタント」という立場の奏者をとなりに置いて、重要な(メロディやソロ等の)箇所はトップ奏者が、そうでもない箇所はアシスタント奏者が受け持つということをプロの世界ではよくやっています。
吹奏楽なら同じパートに各2人以上いて、交互に演奏をしたり、強烈なフォルテシモで吹く場面では全員で協力して演奏をすることも多々あります(オーケストラでもやります)。

ですが、人数の少ない吹奏楽部などではそれが難しいですから、こういった場合は「休める箇所を見つける」ということも時には必要です。本来、作曲家や編曲家は「必要だからこのパートに書いている」とは思うのですが、楽譜に書いてある音すべてを演奏し続けるのは非常に難しいことです。

例えば、マーチ王と呼ばれているスーザの作品の数々。トランペットやコルネットのパートに長休符なんてめったにありません。
ソロコルネットパートは、ずーーーーっとクラリネットと同じ主旋律が書いてあるし、トランペットパートはホルンやスネアドラムと同じリズムを刻み続けています。
こういった楽譜の場合、もちろん全部吹けるのであれば良いのでしょうがそうも言っていられませんよね。ですから、例えば繰り返しがある箇所の1回目はメロディをクラリネットに任せてしまって、2回目から一緒に吹くとか、Trio(中間部)の静かなところは全部休んでしまうとか。(※スーザ作品の場合、暗黙の了解でそういったスタイルが定着していることも多々ありますし、指揮者が実際にそういった指示をすることもあります)
トランペットパートの刻みのリズムもスネアやホルンが演奏しているので、コルネットのようにpの箇所は休んでしまうとか。

結構探せばいろいろできてしまうものです。

大切なのは、どこが重要でどこが抜ける場所なのかを知っていることです。
ですから曲全体を把握していなければこれはできませんし、スコアをしっかりと読んでおく必要もあります。
適当に「疲れたから休んじゃえ」というのは良くありません。

ということで、今回はトップ奏者(1st奏者)の役割と心構えについて書いていきました。
楽譜に書いてある通りに正しく読めて、正しく演奏できるだけではトップは務まらないということがわかりましたか?
実際に自分がトップになった時、みんなを引っ張れる演奏上のリーダーになれるように頑張りましょう!

ではまた来週!


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at 11:03, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

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トランペット内のパート分け








みなさんこんにちは!
今週も合奏に関する内容を書いていきますね。

《トップ奏者/上吹き/下吹き》
吹奏楽部などではあまり使われない言葉かもしれませんが、通常トランペットという楽器は吹奏楽でもオーケストラでもいくつかのパートに分かれていますね。吹奏楽ならだいたい3パート〜4パート(コルネットとトランペットを分けて、もっと多くのパートが書かれている作品もあります)、オーケストラは時代や作品の規模によってまちまちですが2パート以上といった感じです。
で、プロのオーケストラには通常「首席奏者」という位置づけがあります。要するに1stを吹く人。トランペットパートの顔になる人。首席奏者以外の団員は2ndや3rdを通常担当します。この首席奏者、もしくは1stを担当する人のことを「トップ」と呼びます。

吹奏楽ではオーケストラに比べてトランペットやコルネットパートは吹きっぱなしにさせる作品が多いので、1つのコンサートでひとりの人間だけが1stを吹き続けるということは少ないのですが、それでも1stを主に担当する人とそうではない人というのがなんとなく分かれているのが現状です。

トランペットではありませんが、ホルンはオーケストラでも「上吹き」「下吹き」という位置づけが暗黙の了解(?)で行われていることが多く、1,3番パート(上吹き)、2,4番パート(下吹き)でおおよそのパート分けをしていると聞きます。ホルンは金管楽器の中で非常に音域の広い楽器ですから1stと2ndでは2オクターブくらい音程が離れることもあります。もちろん、プロの人はどんな音域でも吹けるのですが、高音域が得意な人と低音域を響かせることが得意な人というキャラクター性がはっきりしている楽器なんですね。
トランペットではあまり「上吹き」「下吹き」という言葉は使いませんが、なんとなくそういったキャラクター性をみなさん持っているような感じです。ここで「キャラクター」と言っているのには訳があります。それは後ほど。

さて、話を部活動の吹奏楽に戻しますが、自分が中学生で吹奏楽をやっていた頃、暗黙の了解のうちに


 中3→1st
 中2→2nd
 中1→3rd


という固定パートでした。当時は吹奏楽に関しても他の学校や、ましてやプロの世界ではどんなパート分けをしているのかなんてまったく知らなかったので、この状態に疑問を持つ事すらありませんでした。そういうものなんだろうなあ、といった感じ。
でもどうなんでしょうか、このパート分け。安直すぎやしませんか?
確かに、中学校だと中1で初めてトランペットを始めたという人も多いですし、先輩のほうがハイノートも出るだろうし技量、経験年数でも確実に先輩が数段上であるでしょうから絶対におかしい、とは言い切れませんが、、、、
トランペット初心者だった当時でも「3rdが弱すぎる」「1stばっかり聴こえる」ということは感じていました。

パート分けってそんなに安直に決めていいのかな?と思ったりもします。みなさんの部活はどうですか?どうでしたか?

《1stというパート》
先程も書きましたが、吹奏楽のトランペットパートというのは本当にヘトヘトになるまで吹きっぱなしにさせる作品が多いです。管弦楽作品の編曲モノのコルネットなんて、絶対意味ないじゃん!って言うくらいクラリネットとまったく同じパッセージを延々を吹かせるものも少なくありません。そんなキツい曲たちを例えば2時間のコンサートで吹き続けなければならないというのはちょっと殺人的です。
トランペットパートに何人もいて、演奏箇所を分けたりお互いをサポートできる環境であれば固定パートでもいいかもしれませんが、今のほとんどの吹奏楽部ではそうも言っていられないのではないかと思うのです。スコアに書いてある全パートを網羅できるほど人数がいる部活って、最近かなり減ってきてますよね。

1stトランペットは特に主旋律を担当したり、金管特有のファンファーレ的なパッセージを演奏する時などは金管セクションだけ、ヘタするとトランペットパートだけになったりします。ポップスのアレンジものなどではソロも沢山出てきます。
そういった楽曲が多い中で、1st奏者がコンサート中にバテてしまって音が出なくなったそのタイミングでソロやら大事な箇所に来てしまったら、吹奏楽全体が崩壊してしまう恐れがあります。

実際に自分が中学1年〜2年生の時、1stを吹いている先輩が途中でバテてしまって下のパートを吹いている自分はどうすればいいかオロオロしたことがよくありました。でも、後輩である身分で先輩がバテて吹けなくなってしまったからと言って、先輩のソロを奪って吹いてしまったら、その先輩から何を言われるかわかんないし、他のパートの先輩に呼び出しさせて「お前ナマイキなんだよ、ソロなんて吹きやがって」とか言われるに違いないと思って(←上下関係だけが異常に厳しい部活でした;まあ時代が時代だったんでね(笑))結局その部分はカラオケみたいに伴奏だけが流れるという事態になったこともあります。
でもそういう部活内部の状況なんて、演奏を聴いてくれている人たちにはまったく関係ありません。みんなでひとつの作品を良い形で作り上げることを最優先で考えるならば、やはりここはソロだろうが何だろうが柔軟に誰かがサポートをすべきだったと思います。と言ってもそこまで頭がまわるような賢い中学生ではなかったですけど、自分。
仮にその時に自分が指導者の立場だったらなんとか良い方法を考えていたとは思いますね。先輩だから1stばっかりとかは言わなかったでしょうし、ソロのところだけは確実に先輩を目立たせてあげられるよう、バテさせない配慮ができたと思います。

《2nd以下のパート》
1stパートが主旋律ならば2ndパート以下はそのメロディにハーモニーを付けるのが一番多い形です。(オーケストラでは、古典派と言われる時代、ベートーヴェンやモーツアルトの管弦楽作品はトランペットは通常2パートで、だいたいがオクターブかユニゾンで動いています。ここでは詳しくは書きませんが、当時のトランペットがバルブシステムが開発される前だったことが要因です。)

自分が中学生の時は下のパートを後輩が受け持っていましたが、その当時は「目立たないパート」という意識でしかありませんでした。
でも実際は全然違います。1stがバンド全体の要(かなめ)になれるかどうかは、2nd以下のパートが決定付けているのです。

例えるなら下のパートは1stが自由に飛び跳ねたり走り回ったりすることができる「フィールド」をできるだけ安全に、かつ広く作り上げていく役割と、1stがケガなどをせず(バテてしまったり、バンド全体に迷惑をかけてしまうような演奏上の行為)、元気でいられるように見守ってあげたり、いつでも演奏で手を貸せるようにうかがっているお父さんお母さんのような役割を持っていると思います。時には1stが危なくならないように下のパートの人が(強制的にでも)安全地帯へ連れていってあげることも必要かもしれません。演奏上でも精神的な面でも1stを包み込んであげるのが下のパートの大切な役割です。

「縁の下の力持ち」

なんて言葉で例えられますが、「縁の下」だなんて目に見えないところにいると思ってはいけません。少なくともプレイヤー自身がそう思って演奏するのは間違っていると思います。

ハーモニーを作っている時、その和音の重要な「根音(こんおん)」を吹いているのは主に下のパートですし、長和音なのか短和音なのかを決定付けるのも主に下のパートなのです。和音についてここでは詳しく書きませんが(興味のある方は「楽典」や「和声学」の本を読んでみてください)、1stはあくまでメロディを吹いているのであって、そのメロディを輝かせるためにはハーモニーがしっかりしていなければ成り立たないのです。

具体的に言えば下のパートが音量も音の厚みも1stよりもしっかりと出さなければハーモニーは作れません。よく、「下のパートだから」「メロディじゃないから」と言って1stよりも弱く吹いたり、コソコソしていたりする人がいますが、まったくの逆効果です(楽器のピアノの独奏では和声よりもメロディを一番鳴らすように演奏されることが多いので、もしかするとそこから管楽器のアンサンブルでも同じように演奏させようとした人や情報が入ってきたのかな?なんて思ってみたりもしますが、真偽の程はわかりません)。なぜなら、フィールドが貧弱で小さいものだったら1stも自由に歌ったり踊ったりすることはできません。下のパートは1stの「手下」ではないし、1stが偉いわけでもなんでもないのです。それぞれが持つキャラクターがあるだけです。

ということで、曲にもよりますが、それぞれのパートの特性として、こんな風に言えるかと思います。


■1stは自由奔放で自分が表現したいことをしっかりと主張できるキャラクター。ただしどんなことをしても良いわけではなく、下のパートや他の楽器すべてに配慮ができる信頼されるリーダー格。電波の送受信(前回の記事参照)の力が強く、また、バランス良く持てる人。

■2nd以下のパートは1stが自由に歌えるフィールドを作ってあげられる保護者的な役割。1stのキャラクターを理解して音色やサウンド、雰囲気を合わせられる人が向いている。ただし、影に隠れているのではなく、しっかりと主張もできて(時には1stへ影響を与えられる程に)1stを包み込める包容力がある人。


こんな感じでしょうか。言葉で言うのは簡単ですけどね(笑)
ですから、パート決めをする際に単に先輩後輩だからということだけではなく、それぞれが(演奏するジャンル等も考慮した上で)向いていると思われるパートの振り分けをするべきではないかと思うんです。先輩だからソロが吹きたいから、ということなら別に2ndがソロだけ持っていっても良いと思います。ビッグバンドジャズでは2nd奏者がソロを務めることも少なくありませんし。
楽譜に100%忠実に合わせる必要も別にないわけですから(作・編曲者には失礼かもしれませんが)。

まあでも中高の吹奏楽部では全員が全部のパートを吹くようにまわしていくのが一番バランス良いと思います。後輩が3rdばかり吹いていると、学年が上がっていきなり高い音ばかりの上のパートを吹くようになった時にハイノートが出せず、無理な演奏を続けた結果ダブルアンブシュアになってしまう人も少なくありません。

パート決めは年功序列ではなくいろいろな角度から考慮して決めていって下さいね。

ということでまた来週!


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at 13:45, 荻原明(おぎわらあきら), 本番・合奏練習

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