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アーバン金管教本


















みなさんこんにちは!
最近ものすごく乾燥していますが、風邪などひいていないですか?
ウチでは加湿器を必ずつけて寝ているせいか調子良いです。湿度が低い状態で寝ると朝起きた時に鼻や喉が乾燥して、あげく唇も乾燥してしまいます。こうなるとトランペットも思ったように吹けなくなるので、みなさんもエアコンやストーブを付ける時には加湿をすること、水分を常に摂取することをおすすめします。
湿度計があるともっと良いですよ!

さて、先週から「教則本(教本)」について書いています。今回からオススメの教本、定番の教本のいくつかを紹介してみようと思います。あくまでも個人的な見解と経験で書いていますので参考程度に読んで下さいね。あとは実際に販売店で中身を見てご自身で判断して下さい。


《アーバン金管教本(1)》
アーバン金管教本
実際に使ったことがなくても、トランペットを吹いている方のほとんどはこのタイトルを聞いたことがあるかと思います。
かなり時代のある教本(原典版は1800年代半ば)でそもそもはコルネット(と、サクソルン族というコルネットの仲間の楽器)のために書かれているものですが、今は関係なくトランペットでも使われています。

「アーバン」というのは人の名前で1800年代に活躍したフランスのコルネット奏者、教育者です。この頃にコルネットという楽器が開発されましたが、まだ音楽界では一般的な楽器ではなかったようです。そのコルネットをアーバンさんは「コルネットってヴァイオリン並みにテクニカルなことできるんだぜ、すげーだろ」と言ったかどうかはわかりませんが技巧的な演奏をして、コルネットはソロで充分使える楽器なのだ、ということを最初に世の中に知らしめたすごい人です。

その集大成としてか、テクニックを習得するための教本を作ったようで(当時パリ音楽院のコルネット教授だったからでしょう)、自らの演奏だけでなく教本そのものの完成度から世界中に彼の名前が残るようになり、今現在でも教本が使われ続けているのだと思います。


《アーバン金管教本の特徴》
ということで、「アーバン金管教本」は全般的に「テクニックを習得するための教本」という分類ができます。

この教本は非常にこまかく内容がわかれていて、ひとつのテクニックを徹底的に練習できるようになっています。
例えば様々なリズムでのシングルタンギング、音階、半音階、リップスラー(リップトリル)、分散和音、インターバル(跳躍)、ダブル・トリプルタンギングなど、これらがすべて分かれていくつかの短い練習曲として書かれているので、自分が苦手としている(習得したい)ところを集中して練習できるというメリットがあります。


《200ページ》
ただ、アーバンさんの音楽家としての経緯、実力やパリ音楽院の学生が使えるレベルに合わせ作った(はず)の1巻だけで200ページ弱もあるこの教本、はっきり言って難しいです。手を抜いていない。浅く広く(そしてページ数が少ないのに高額な)教本は山ほどありますが、この教本はいわば「深く広く」網羅しています。
良く聞く名前だしほぼ確実に楽譜屋さんに置いてあるから一般的に感じるかもしれませんが、吹奏楽部で活動している方がこの教本を曲練習と平行して充分に練習できるかと言えば、それはちょっと負担になってしまうのではないかと思うんです。
また、ひとつひとつが短い「曲」として書かれているために、ある程度完成させる、または完成した(=この項目ができるようになった)と実感することが難しいかもしれません。

自分がこの教本に出会ったのは、高校1年生で本格的に音楽大学を目指すためにレッスンを受けた時からです。
中学生の時は楽譜の知識もあまりないまま勢いだけで吹奏楽をやっていたために、短いながらもひとつの完成された「ソロ曲」を吹く経験はありませんでしたから(ソロなんて吹奏楽曲に出てくる1フレーズ程度のメロディしか吹いたことなかったから)、アーバンを練習するのがそりゃもう大変でした。たかだか5,6段くらいしかないとは言え、一旦吹き始めるとマウスピースを口から離せないのでとりあえずバテて最後まで吹けない。テクニック習得以前の問題でした。
まあ自分の当時のレベルが低かったからというだけなのかもしれませんが、先程書いたようにレッスンに持っていくためにそれぞれの項目をひとつずつ完成させる(ただ通せるようになっただけですけど)のが本当に大変で、しかも「本当にこれでいいのかな?」という実感のわかないまま毎回レッスンに行くような感じでした。

最終的には高1から4年後の大学1年の終わりくらいでこのアーバンを修了した(師匠に「アーバン終わり」と言ってもらえた)感じです。200ページの教本はそれだけかかるんですよね(まあその人のレベルにもよるんでしょうが…)。

吹奏楽部でやるいくつかの曲練習と、アーバンの練習を短い部活の時間で練習するのは本当に大変でした。どっちも手を抜けないし。


《レッスンで使う教本》
難しいだけあって苦労も多かったアーバンですが、やはり今の自分はこのアーバンの存在なしでは語れません。アーバンを必死で練習していたからこそ、ある程度難しい楽曲でも吹くことができるし、短時間で難しい曲を完成させるためにどういったアプローチで練習することが能率的なのか(確実なのか)、そして自分が苦手なこと、得意なことはどんなことなのかを具体的に知ることができたのもこの教本があったからです。

でも同時にこの教本を買ってひとりで練習していただけでは100%使いこなすことはできなかったと思います。一人で黙々と練習し、師匠にレッスンで1つ1つ教えてもらい、指摘され、直してOKをもらうということ(=1つの練習曲を完成したのだという実感を持てること)の繰り返しがあってこそ、自分はこの教本を使いこなせたと感じることができます。

ですから、自分自身この教本を使ってレッスンをしている生徒さんは今は音大受験生だけです。もちろんそれ相当のレベルやトランペットが上手になりたい!と思っている方にはぜひ使ってもらいたい教本ではありますが、それなりに練習量が必要なこと、どういった流れでどういった練習をすればいいのかを把握した上で使わないと、なかなか使いこなせないものであることを理解した上で練習するべき教本です。そして可能であれば客観的に指摘をしてくれる先生がいるのが望ましいですね。


《練習方法》
先程書いたようにアーバンはそれぞれのテクニックを徹底的に習得するために項目を分けて書いてあります。ですから学校の授業で使う教科書のように1ページ目から順番に練習をする、というものではありません。全般的にテクニックを上げようとするなら、タンギング、スラー、音階、跳躍…といったそれぞれすべてをひとつずつ毎日チョイスして練習すべき教本です。


《注意点》
アーバンは最初に書いた通り200年近く前に作られた教本が元になっています。200年前に常識、通例、正しいと考えられていたコルネットの奏法や楽譜の書き方そのものが今でもすべて通用するか(現代と同じ考え方で捉える事ができるか)と言えばそれは違います。ですから、この教本の中に書かれている解説文を100%正しいと思ってしまうのは若干危険です。今はいろいろな情報源がありますから判別を付けるのも(これは現代の考えとちょっと違うかな?と思えるかどうか、ということ)難しくないかもしれませんが、やはりこの点に関しても指摘してもらえる先生がいたほうが良いと思います。

そして楽譜に書かれているアーティキュレーション、特にくさび形のアクセントの存在には注意して下さい。
また、教本の前半にあるシングルタンギングの練習曲では(これは解説文にしっかりと書かれていますが)八分音符と16分音符の音価の吹き方にも注意が必要です。


《アーバン教本(2)と(3)》
実はアーバン教本というのはいくつか出版社が違うものが存在していたり新版と言われる最近出たものなどいくつかあります(後述します)。他の金管楽器のためのアーバン(中身は同じ)というのもあります。

自分としては(日本では)この記事の最初に掲載した全音が出版している黄色い表紙のものが一般的なのですが、2巻と3巻があるんです(1巻だけで200ページもあるのに!)

2巻というのは簡単に言えば「1巻で習得したテクニックを実際に使ってみましょー」という内容です。
例えば1巻にはあまり出てこない「フレージング(=歌う)」練習のための小品が150曲掲載されていたり、「トランペット2重奏」の小品が掲載されていたり、「14の特別な練習曲」というそれはもう難しい1ページ1曲の徹底的にテクニックを使わされる練習曲が掲載されていたりします。
そしてこの2巻の一番重要なものが「12の幻想曲とアリア」という作品群です。世界中のソリストのCDでもたびたび収録される「ヴェニスの謝肉祭による幻想曲と変奏曲」はこの2巻に掲載されています。みなさんだとロシアのソリスト、ナカリャコフ氏の演奏で耳にしたことがあるかもしれません。
「幻想曲とアリア」と書いていますが、実際には「変奏曲」です。ひとつのテーマのメロディ(アリア=歌曲)があって、それが様々なリズムなどに変化していくというのが変奏曲ですが、コルネット(トランペット)はここまでできるんだぜ!と言ったかどうか知りませんがアーバンさんの集大成と言える作品群です。

実際にステージで演奏するには、それこそ1巻をきちんとマスターしていないと難しい楽曲ばかりですが、その完成度は非常に高く、音大(音高)受験の課題曲としても多くの学校で使われています。

という1巻の応用編が2巻だと思ってもらって良いと思います。
そして「12の幻想曲とアリア」のピアノ伴奏譜が3巻に掲載されています。

興味があったらぜひチャレンジしてみて下さい。


《版》
先程も少し書きましたが、やはり歴史のあるアーバン教本ですから、これまでにいくつか出版し直されてきています。

ルディック版アーバン
このアーバン教本は外国の「ルデュック出版」から発売されているもので、黄色い表紙の全音出版のものとは掲載されている内容もかなり違います、というか全音出版には掲載されていない項目があります(きちんと知らないのですが多分これはアーバンさんが書いた原典版に一番近いものではないかと思います)。このルデュック版にしか掲載していない一部を荻原のレッスンでは使っています。
全音版よりも大型で高額だったと思いますが、あまり目にする機会がないアーバンかもしれません。今でも売ってるんでしょうか。。調べてないのでよくわかりませんが。

新版アーバン
そしてもしかするとこっちのほうが見たことある、と言う方もいるでしょう「新版」のアーバンです。黄色の表紙と同じく全音出版から発売されているもので、掲載している内容こそ変わりありませんが(確か)、先程触れた楽譜の書き方や解説文が現代のトランペット奏法等に合わせて改訂されています。
きっとこれからの時代はこのアーバンが一般的になっていくんだろうな、と思うと自分が歳をとったとすこし感じてみたり(笑)


ということで、今回はトランペットの定番中の定番「アーバン金管教本」について解説してみました。
次回は他の教本を紹介しますのでよろしくどうぞ!
ではまた来週!


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at 11:39, 荻原明(おぎわらあきら), 教則本

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