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音楽的なチューニングをするために大切なこと 4(チューナーの正しい使い方)

みなさんこんにちは!

先日「note」というサービスに登録しました。文字や映像などを掲載できるブログのようなものですが、「ラッパの吹き方」を発展させたより核心に迫る内容をこちらで展開していく予定です。詳しくは具体的な方針が固まってからお伝えすることになりますが、通常のブログと違い、フォローしていただくことでコメントを残せたり読める記事が増えることがあります。
登録はすぐにできますので、お手数ですがよろしければぜひフォローをお願いします!
"note"のラッパの吹き方 Ver.2.0はこちら

さて、地域によって開催日が全然違うと思いますが、全国的にはコンクールシーズン到来って感じでしょうか。
毎回ですいませんが、課題曲に関する記事一覧を以下に掲載していますので、ぜひ読んでみてください。課題曲を演奏しない方も参考になる内容ばかりです。

==============================
吹奏楽コンクール課題曲トランペットパート解説2017 全作品の記事リンク


課題曲1「スケルツァンド」/江原大介 前編
 演奏者はツアーガイド/楽譜を読む、ということ(テンポ、リズム、音の高低)

課題曲1「スケルツァンド」/江原大介 後編
 合奏は演奏者全員の個性を持ち寄る場/音をブレンドする?

課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 前編
 パート譜について/行進曲という音楽について

課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 後編
 拍のウラから入るときの吹き方/テンポが走ってしまう原因/ユニゾンを合わせるために大切な3つのこと

課題曲3「インテルメッツォ」/保科洋 前編
 「うた」ってなんだろう/うたいかた

課題曲3「インテルメッツォ」/保科洋 前編
 自分の思う音楽を作り上げよう/指揮者との関係

課題曲4 マーチ「春風の通り道」/西山友宏 前編
 音の推進力/音量バランスを整える

課題曲4 マーチ「春風の通り道」/西山友宏 後編
 アーティキュレーションの表現方法/強弱のつけかた

課題曲5 メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕 前編
 現代曲ってなんだろう/楽譜とのジレンマ(異質なところを見つけよう)

課題曲5 メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕 後編
 楽譜の「見た目」から得られる印象


課題曲解説をまとめてご覧になる場合はカテゴリー「吹奏楽コンクール課題曲2017」からお入りください(こちらをクリック)

==============================

それでは、今週もチューニング、ピッチに関して進めてまいります。

《チューナーは使い方を考えて》
僕はブログやレッスンでチューナーをあまり使わない、という話をよくしていますが、これは決してチューナーの使用を否定しているわけではありません。
音楽をする上で安定したピッチは大切なことですし、その目に見えないものを可視化できるチューナーはとても便利なものです。

僕が否定的になっているのは、吹奏楽部の部員全員がチューナーを自分の前に置き、ピックアップマイクで自分の発するピッチを常に計測しているあの姿に対してです。

チューナーのスイッチをずっとONにしておいて、自分の発した音をすべて拾ってしまうと、意識はチューナーの画面に向けられてしまいます。そのときの結果が常に±0であればいいですが、普通はそんなことにはならず、ちょっとでも針が傾いてしまえば、まるでテストで×をつけられたような感覚になり、それではマズい、修正しようと体が無意識に反応してしまいます。

しかし、発した音というのはすでに投げてしまったボールのようなもの。飛び方がまっすぐでなかったからと、飛んでいる最中にああだこうだと方向を変化させることが現実で起こればそれは非常に不自然であり、実際に演奏ではあってはならないことです。
しかも音を出してからピッチを変化させようとするその体の使い方は、いわゆる奏法を不安定にさせてしまいます。

それが習慣になると、楽器を構える段階からすでに正しいピッチを出すことばかりを意識してしまい、本来の楽器を吹く目的、音楽をする目的を完全に見失った不自然な状態になり、調子を崩してしまいかねません。

何よりも、それは音楽ではありませんから、楽しいわけがありません。演奏していても、聴いていても。

そもそも、音楽をしているときに、奏者の意識がチューナーの表示に支配されると、相手の出している音などまったく耳に入らなくなります。音楽は人間同士が生み出すものであるはずなのに、そんな状態では作品を完成させることなど不可能です。


では、チューナーはどのように使うと効果的なのでしょうか。


[チューナーは確認をするもの]

ということです。

チューナーは、音を出したそれがどうだったか確認のために見るのです。

そして、そのときの結果がどうあれ、そのまま受け止めます。
この時点では良い悪いということはありません。

[理由と結果をリンクさせる]

次に、「そのときどういったアプローチで音を出したのか」

といった理由と結果をリンクさせる「研究」をします。
※これまあくまでも「研究」であり、安定したピッチで演奏するための準備段階です。研究の成果を実際の演奏に反映させる、という順序を踏むことはどんな技術に対しても重要なことです。

こんな吹き方、こんな構え方、こんな体のバランスで吹いた結果、ピッチがこうなった(こうなる傾向になりやすい)。といった感じ。

音を出す前にいろいろと考えておき、実践してみる。
そうした「研究」によって傾向が見えてくれば、自分の音を出すときのクセも見つけることができますし、結果を求めるだけのやみくもな吹きまくり時間はなくなり、効率良く成長につながります。


[ピッチに直接影響を与える部分を理解する]
では、実際にピッチに影響をあたえる部分を見つけてみましょう。以下をひとつずつ操作したりいろいろな変化をさせてみてください。

・アパチュア(口周辺)
・マウスピースの角度(楽器の構える角度)や支点、当てる位置
・楽器の角度
・舌の形
・舌の位置(上アゴや歯との位置関係)
・姿勢
・吸気量
・お腹(腹圧)
・肩や喉
・楽器の持ち方
・音に対するイメージ
・部屋やその部屋にあるもの
・演奏している曲、部分
・譜面台の位置や角度


また、

体調(睡眠、精神状態、ストレス、食事量、食事内容、疲労など)
ウォームアップ内容、ウォームアップにかけた時間

についても時間をかけて調べてみましょう。

上記の研究はピッチを安定させるために、まずは「変化する場所を理解する」段階ですから、強引にピッチを合わせにいくようなことは避け、素直に受け止めましょう。

これらの研究は、何をどう使うと良いとか悪いとか、そういうことではありません。こんなにも様々なことがピッチ変化に影響をあたえているのか!という発見をしてほしいのです。


《一番大切なこと》

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みなさんはボールを投げたことがあると思います。

投げたボールの飛び方や距離は後から修正できません。なぜなら、「投げる前にすべてが決まっているから」です。

ボールの持ち方やフォームなどの体の使い方で結果が変わります。

トランペットで安定したピッチを出すのもこれと同じで、「音を出す前にすべてが決まっている」ことをまず覚えておいてください。


[方法よりも大切なもの]
ボールを投げるときに無計画に投げることはあまりないと思います。
あまり意識したことはないと思いますが、実際にはバッターに向かって投げるとか、キャッチボールの相手に投げるとか、「ボールとってくださーい」と言われて投げ返してあげるとか、どんな場面でどうやってどのくらいの力で投げるのか、具体的なイメージを持ってから投げようとしています。

しかし我々はロボットではありませんから、目標に向かって腕の筋肉を何kgかけ、手首のスナップを何度から何度へ時速何kmのスピードで北北西12.5m先の…なんてことは考えませんし、考えられません。それなのにイメージは、それを現実のものにできる力を持っています。体のパーツをどう使っているのかなどわからないのに。

トランペットで安定したピッチを出すこともこれと同じで、まずは何よりもイメージが一番大切です。

しかもそのイメージは、正しいピッチを頭の中に浮かべるとか、声に出して歌えるとか、そういう直接的なことだけではありません。

「音色」「響き」「音量」「テンポ感」、メロディならば「フレーズ感」「アーティキュレーション」「うたいかた」「伝えたいメッセージ」など、音楽をする上で大切なものが、すべてピッチにも影響を与えます。

どちらかというと、そういった総合的なイメージの中に「ピッチ」も含まれている、と言ったほうが正しいでしょう。
素晴らしいイメージが強ければ強いほど、ピッチも安定してくるものです。

ということは、素晴らしいイメージができる知識や経験が必要になる、ということですね。

チューナーを前に置いて、その針がどこを指すかなど、素晴らしい音楽のイメージには含まれていません。
安定したピッチを得るために今、始めるべきこと、見えてきましたか?

コンクールで慌ただしい時期ではありますが、夏休み、いつもよりも時間がとれる方は、ピッチを安定させるための「素晴らしいイメージ」を育む研究をしてはいかがでしょうか。

それでは今週はここまで。
次回の記事では、実際に安定したピッチを鳴らすための方法を解説していきます。


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at 07:17, 荻原明(おぎわらあきら), ピッチと音程

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