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音楽的なチューニングをするために大切なこと 3(音程とピッチの関係)

みなさんこんにちは!

先日「note」というサービスに登録して、課題曲解説記事をこちらのブログから転載してみました。
まだ試験的ですが、今後は「ラッパの吹き方」を「note」に移行して続けるのはどうかな、と少し考えていまして。

いかがでしょうか。ぜひ一度ご覧になって、ご意見をいただければ幸いです。また、よろしければフォローもお願い致します。

ラッパの吹き方のnoteはこちらからご覧いただけます


さて、そろそろコンクール本番!という地域も増えてきているかと思います。心から音楽を楽しんで、その楽しい!という気持ちを聴いてくれる人たち(もちろん審査員も!)に届けてくださいね。

課題曲を演奏する方もそうでない方も、先日書き終えた課題曲解説をぜひご一読ください。合奏に関して参考になる内容です。


==============================
吹奏楽コンクール課題曲トランペットパート解説2017 全作品の記事リンク


課題曲1「スケルツァンド」/江原大介 前編
 演奏者はツアーガイド/楽譜を読む、ということ(テンポ、リズム、音の高低)

課題曲1「スケルツァンド」/江原大介 後編
 合奏は演奏者全員の個性を持ち寄る場/音をブレンドする?

課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 前編
 パート譜について/行進曲という音楽について

課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 後編
 拍のウラから入るときの吹き方/テンポが走ってしまう原因/ユニゾンを合わせるために大切な3つのこと

課題曲3「インテルメッツォ」/保科洋 前編
 「うた」ってなんだろう/うたいかた

課題曲3「インテルメッツォ」/保科洋 前編
 自分の思う音楽を作り上げよう/指揮者との関係

課題曲4 マーチ「春風の通り道」/西山友宏 前編
 音の推進力/音量バランスを整える

課題曲4 マーチ「春風の通り道」/西山友宏 後編
 アーティキュレーションの表現方法/強弱のつけかた

課題曲5 メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕 前編
 現代曲ってなんだろう/楽譜とのジレンマ(異質なところを見つけよう)

課題曲5 メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕 後編
 楽譜の「見た目」から得られる印象


課題曲解説をまとめてご覧になる場合はカテゴリー「吹奏楽コンクール課題曲2017」からお入りください(こちらをクリック)

==============================

現在、「チューニング」に関して様々な角度から解説をしております。
前回、前々回で音程とピッチについて触れましたので、今週はその2つがどのような関係になっているのか、書いていきます。


《音程は距離》



音程とは、2つの音の隔たりのことです。
これは例えていうなら、メジャーや定規で計測した距離のようなものと言えます。

どこにいようが、どこから測ろうが、10cmは10cm。5mは5m。距離は同じです。

ですから、その距離をしっかり確保し続けて進んでいれば、見ている人にとっては違和感を覚えません。

しかし、これが複数人だったらどうでしょうか。


[スタートラインを揃える]



みんなが5mを測って正確に進んでいたとしても、計測し始めた位置(最初の立ち位置)がバラバラだと揃っては見えません。
ですので、スタートラインを決めて、そこから全員計測する必要が出てきます。

これが音楽だと、「スタートライン=基準ピッチ」ということになるわけです。
基準ピッチについてはこちらの記事をご覧ください


《ピッチはスタートラインを決めるに留める》

スタートラインを決めて、みんながそこに揃って立っている状態になること、これが音楽で言うところの「チューニング」です。

上にある写真の陸上トラックのように明確なスタートラインが引いてあればいいのですが、音は目視で判断できません。そこでスタートラインを正確に確認するために「チューナー」という周波数測定器を用いるわけです。


スタートラインが決まり、全員が同じ立ち位置から一斉に○m進めば、○m先で横一列に揃っています。音楽で言うならこれはユニゾンで演奏している状態。スタートラインという基準ピッチが同じで、その先も全員が正確な距離をずっと保ち続けられれば(=正確な音程で演奏できれば)不安定な音程の演奏にはならない、というわけです。

しかし曲を演奏するのはこんなに単純ではありません。半音もあればオクターブもあり、各パート、各奏者に割り当てられたものが違いますから、テンポとリズムに合わせて次々と距離(音程)を変えながら進むことになります。

その複雑に連続する距離を、ずっと計測していきますか?計測し続けられますか?


[音程は書道のようなもの]

もしも頑張って与えられた楽譜の音程をひとつずつ計測し、正確な距離で演奏ができたとしても、それに何の価値があるでしょうか。

ずっとチューナーを見ながら演奏をしているというのは、そういうことを求めているようなものです。


僕はメロディは「書道」のようなものだと思っています。



書道ーー文字というのはいくつもの角(かく)が様々な角度や長さ、強さや速さの流れや動き、そしてそれらが連続して作られた「線の集合美」です。

書が美しいと感じるかの判断基準はもちろん人それぞれですが、そこには「バランス」の要素が強く関係しています。

太い筆で力強い流れを生み出したものも、細く繊細な線によって生まれたものも、それぞれがバランスよくなっていれば美しさを感じます。

そこには「第一角の距離は○cmでなければならない」とか「第一角と第二角のバランスは絶対に1:2である」とかそういう決まりはありません。

描いた人が感じている「美」の感覚によって生み出された「人間味」のある文字だからこそ、それに心を打たれ感動するわけです。

逆に、定規やコンパス、分度器などを駆使して、文字を書いてみたらどうなるでしょうか。
まるでそれは人間味なく、場合によっては脅迫状のような恐怖すら感じるものになってしまうと思うのです。

これが音楽、音程だったら…。イメージしてみてください。

前回の記事で書きましたが、人間がグッとくる音程感は「その音楽を感じ、心豊かにうたった人」から生まれてくるものです。正確な距離感を計測し続けるだけの機械的な作業だけで生まれた音程は、人の心に訴えかけることはできません。


[人間味あふれる技術の習得を]
もちろん、正確な音程を歌える技術やそれを楽器で演奏できる技術は必要です。しかし、それが最前面に位置していたり、それが全てを支配してしまうのは絶対に避けるべきです。

美しい音程感でうたえる技術もまた、人間味あふれる訓練や学習によって習得していくべきです。チューナーを見ているだけでは絶対に音程感は養えません。
大好きな歌を心からうたおうとする気持ち、楽譜を機械的ではなく「音楽」として捉える意識。そうした姿勢から生まれてくるものですから、とにかく、チューナーという機械に頼りすぎないことです!

チューナーばかり見ている人は、一旦機械のスイッチOFFにして、顔をあげて視界を広くとってみてください。そこにはあなたの音を響かせる空間が広がっています。同じ音楽を作り上げる仲間がたくさんいます。あなたの奏でる音楽を楽しみに待ってくれている人たちがたくさんいます
音楽はそうした人と人を繋げてくれるものであって、あなたはプログラミングされたロボットになるために楽器を演奏しているのではありません。

まずは音楽を楽しむこと!楽器の演奏を楽しむこと!

コンクールだろうが何だろうがこれは絶対に忘れてはいけません!


チューニングに関する話題は来週以降も続けますので引き続きおつきあいいただければ幸いです。
それでは!


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at 06:14, 荻原明(おぎわらあきら), ピッチと音程

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