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メトロノームは練習に必要か 2


















みなさんこんにちは!

先週から「テンポ」について、とくに「メトロノーム」とテンポの関係について書いています。
先週分をご覧になっていない方は、ぜひ前回から続けてご覧いただければと思います。(先週分はこちらから


《音楽的テンポ感》



正確なテンポを刻むためにメトロノームを常にカチカチさせて演奏している方にお聞きしたいのですが、「やりにくい!」と感じたことありませんか?

技術的なことではなく、「なんか納得いかない」「体がそう反応してくれない」といったストレスを感じるようなやりにくさです。

「でも楽譜のテンポ指示はこの数値だから、しっかりはめこまなきゃ!…なんかやりにくい!」

と葛藤する。

これは、あなたの中に持っている「音楽的テンポ感」が邪魔をしているからです。
言い方を変えれば「歌心」、あなたの音楽的センスと言えるでしょう。

音楽というのは(レコーディングされたポップスや映画音楽作品等の商業音楽を除いて)、正確なテンポをキープしている作品はほとんどありません。
ためしにウィーンフィルでもベルリンフィルでも、どこでもいいですが、テンポが一定であろう部分をメトロノームと合わせてみてください。
全然合わないはずです。

では、その録音をメトロノームなしで聴いて、「テンポが不安定だ!ダメな音楽だ!」とか「こんな正確じゃないテンポで金賞は取れないよ!」などと思えるでしょうか。

そうは思わないはずです。

人間は、音楽に正確なテンポを求めて聴いているわけではありません。
メロディやその作品の持っている個性に、より合った(と、奏者等が感じている)演奏、人間的な心から発せられる歌から生まれるテンポを求めて聴いているのです。

それを「音楽的テンポ」と呼んでいます。


奏者は何よりもこの音楽的テンポ感を大切に演奏しなければならないと思っています。


《音楽的テンポ感はだれにでも備わっている》
世の中にテンポ感の悪い人はほとんどいません。
「いや、テンポ感が悪いんです!先生によく怒られるから」と一生懸命メトロノームにテンポをはめこむ練習をしている方、あなたもテンポ感は実は悪くないのです。

みなさん、友達と横に並んで一緒に歩きますよね?一緒に歩こうとしているのにどんどん先に行ってしまうとか、一緒に買い物に出発したのに、気づいたら友達より5分も早くお店に着いちゃったとか、そんなことありえませんよね。「歩調を合わせる」と言いますが、これはテンポ感の一種です。

テンポを合わせる=一歩一歩の足の動かし方も、その距離感も完全に一致させるだけが合わせることと思わないでください。


友達が、お互いのよく知っている曲を突然口ずさんだとしましょう。あなたも一緒に歌ったとします。気づいたら先に歌い終わっていた、なんてこと絶対ありませんよね。
その歌が、メトロノーム的、機械的な正確さとしては合っていなかったとしても、二人が「一緒に歌おう」と思っていれば、一緒に最後まで歌い続けることは簡単なことです。
それがメトロノーム的テンポとは合っていなかったとしても、そんなことは関係なく「一緒に歌ったこと」が嬉しくて、楽しくて、充足感を得られるはずです。

これが人間の心の中に持っている「音楽的テンポ感」です。

一緒に歩いたり、歌を口ずさんだりするのと同じようにトランペットでも友達と音楽的テンポ感を合わせることは決して難しいことではありません。


走ってしまったり安定しないのは、テンポ感が悪いのではなく、例えば楽譜を読むことに気を取られすぎていたり、フィンガリングが難しくてそれどころじゃなかったり、緊張していてテンポに対する意識を持てなかったりする「テンポ以外のこと」が原因である場合も非常に多いのです。



《呼吸とメトロノーム》
メトロノームを鳴らしっぱなしで演奏していると、曲中の「呼吸」がうまく取れなくて困りませんか?

もはやブレスしないで最後まで吹ければ、こんな乱れないのに!こうなったら循環呼吸の練習だ!みたいな発想になっていたら危険です。

曲中のブレスが苦手としている方、または自覚がないけれど、本来の呼吸とは違う空気の吸引が当たり前になっている方は管楽器の世界では非常に多いのです。曲が進み、ブレス回数が増えれば増えるほど息苦しくなり、演奏できる長さがどんどん短くなってしまう方、その元凶はメトロノームを使った練習にあると思います。


コンピュータが演奏している音楽って、すぐ「人間じゃないな」とわかりますよね。最近のCG(コンピュータ・グラフィックス)技術は飛躍的に進歩していて、パッと見では実際の映像と判別がつかないことも増えてきましたが、コンピュータ音楽に関してはまだそこまで到達しているようには感じません。
あの有名な初音ミクも、人間が歌っていると思って聴いている人はいないと思います。作品の善し悪しではなく、やはりコンピュータからの電気信号にしか聞こえません。存在否定はしていませんよ。

逆にPerfumeのように人間の声を電気的に変換していても「元は人間が歌っているんだな」とわかりますよね。

これらの理由のひとつが「呼吸」の存在です。

人間は、呼吸を感じられない存在を「生命」として認識しづらいものです。呼吸は単なる生命維持のためのガス交換だけが目的ではなく、話し方や体のうごき、思考など様々な面で呼吸が関係しています。

当たり前ですがメトロノームは呼吸をしていません。ですから、メロディの合間に呼吸を必要とする、なんて理解はをしてくれるわけもなく、単なる物理的な正確性を貫いているだけです。
その機械と人間が、音楽に込められた「生命力」や「心」を表現するためにある音楽で共存できるはずがないのです。必ずどちらかがある程度妥協するしかありません。

管楽器における呼吸は、絶対に必要です。
そして、音楽においても呼吸は絶対に必要です。

音楽は呼吸をしています。無機質に音がタイミングよく羅列したものを芸術、音楽とは呼べません。

僕はレッスンで、呼吸をできるだけ音符の羅列を乱さないように、もしくは人間の体の構造を無視した「偽物の呼吸」をしている生徒さんには、一旦それらをリセットしてもらい、メロディ間の呼吸に、充分時間をかけ、尊重してもらうようにお願いします。結果的に楽譜にない空白の1拍が生まれてもまったく構いません。

その瞬間、楽譜通りではなくなりましたが、音楽と人間の自然な呼吸が共存します。

これをスタート地点として、その作品が、きちんと作品として活きてるように、正しい呼吸の方法を素早くできるようにすることを課題とします。

そうすると不思議なことにメトロノームには全然一致しないのに、聴いていて何も違和感のない、むしろそちらのほうがテンポが流れている美しい音楽と感じられる演奏になるのです。
呼吸がいかに音楽にとって大切なことか、理解できる瞬間ではないか、と思います。

これは管楽器だけの話ではありません。打楽器も弦楽器も鍵盤楽器も指揮者も、すべての音楽を表現する人たちには「呼吸」が大切であり、必要なのです。


《アンサンブル》
アンサンブルやパート練習のとき、指揮者がいないからと自分たちの前にメトロノームを置き、それに合わせて(部分的にでも)曲を通す、という光景を何度となく見かけますが、これまでの話からすれば、この行為が音楽的には悪い方向に進んでいると理解できることと思います。

アンサンブルを作り上げているのは、演奏者全員の、それぞれの中に持っている音楽的テンポ感、音楽的呼吸、作品のイメージ、どのように表現するかのある程度共通したイメージ、そしてフレーズ感など、様々な要素によって音楽は作り上げられていきます。

もうひとつ、「ある程度のビート感」も必要です。メトロノームで確認した均一なビートを持ち続けることは大切ですが、しかし、それに最初から最後まで合致させる必要はないし、それをやってしまうと人間味、芸術性が失われてしまいます。


《メトロノームの効果的な使い方》
では、メトロノームなど必要ないのか、使い道などないのか、というとそうではありません。
正確なテンポをキープできる機能を生かして、自分を成長させてくれる使い方がいくつかありますので紹介します。


[おおよそのテンポ(ビート)を理解する]
これはすでにお話した通りです。その作品の持つテンポがどのくらいなのかを正確に知ることができます。


[フィンガリング練習]
難しい指づかいがあるときに重宝します。強制的なテンポが存在していると、そこの中にすべての音を存在させなければならないので、解決方法を模索するきっかけになります。
手段を選ばずにやみくもに指を一生懸命並べていても苦手なフィンガリングはほとんど改善されませんが、手助けになる存在です。


[奏法を強化するとき]
音の跳躍(インターバル)や、幅広い音域のリップスラー、リップトリルなどの「(場合によって)奏法を優先してしまいがち」なテクニカル練習時に役立ちます。
例えば跳躍練習で、一生懸命広い音域を移動しようとすると、大きな体のうごきが必要と勘違いしがちで、時間をかけてしまう場合があります。しかし、それは奏者の都合であり、音楽的にも、その演奏を聴く人にも必要のないことですから、そういった意味で技術を磨くためにメトロノームを使うことは非常に有効です。
しかしこれも、手段を考えずにやみくもに練習するのは意味がありません。

また、ヴィブラートをかける練習にも使えます。


[呼吸を音楽的に使うための練習]
先ほどの呼吸とは違い、曲頭や長い休みがあった後の吹き始めです。
人間の正しい呼吸のシステムを無視して管楽器を演奏することはできません。管楽器用の特殊な吸気(空気が体内に入る行為)など存在していませんから、「応用」するしか方法がありません。
そのとき、からだのシステムと、音楽的(拍のアタマから正確に入るなどの)要素を合体させるときに有効です。

他にもあると思いますが、こういった便利な使い方は沢山ありますので、用法用量をしっかり決めた上で、正しく使いたいとこです。薬みたい。

ということで、2週に渡ってメトロノームについて書いてみました。
ぜひ参考にしてみてください!



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at 07:21, 荻原明(おぎわらあきら), 練習に対する考え方

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