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吹奏楽コンクール課題曲2016トランペット解説【2.スペインの市場で / 山本雅一】前編


















みなさんこんにちは!


先月より、今年度の吹奏楽コンクール課題曲のトランペット解説を行ってまいりましたが、やっと最後の曲解説に入りました。最後は課題曲2「スペインの市場で」です。
現在、課題曲2を残してすでに掲載を終えています。これまで書いてきた課題曲解説の本文をご覧になりたい方は以下をクリックしてください。

課題曲4.マーチ「クローバー・グラウンド」前編
課題曲4.マーチ「クローバー・グラウンド」後編
課題曲5.焔 前編
課題曲5.焔 後編
課題曲3.ある英雄の記憶 〜「虹の国と氷の国」より 前編
課題曲3.ある英雄の記憶 〜「虹の国と氷の国」より 後編
課題曲1.マーチ・スカイブルー・ドリーム 前編
課題曲1.マーチ・スカイブルー・ドリーム 後編


この作品を演奏しない方も、そもそも課題曲とは無関係の方にも参考になることをできる限り書いておりますので、ぜひ一度目を通してみてください。

今回のお話を読む前に、この作品の演奏をまず聴いてください。YouTubeで検索するといろいろ出てきます。
とっても聴きやすく、明るく爽やかな印象を受けるかと思います。個人的には冒頭が「魔女の宅急便」の「海の見える街」の後半に聴こえます(笑)

スペイン風の音楽って、日本人になじみやすいのでしょうか。カルメンが人気だったりするのも何か共通する点があるのかもしれませんね。


では、曲を聴いた後、この作品の楽譜、できればスコアをご覧になってください。多分この作品を演奏される方みなさんが直面したことだと思いますが、聴いてるのと楽譜を読むのとではだいぶ違う印象、言うならば読みにくさを感じませんか?

それはなぜか、そしてどうすれば読みやすくなるのか考えてみましょう。


《書き方は何通りもある》
楽譜というのは、同じ演奏を再現するための書き方が何通りもあります。

例えば、4拍子の曲を2拍子に書くこと、可能ですね。小節線の数が倍に増えます。
12/8拍子を4/4拍子にすることも可能です。1拍を3連符ににすればいいのです。

「2/4 + 1/4 + 1/8 + 1/16 + 1/16」という変拍子を書いても、これらを合計すると結局は1小節内に4分音符が4つ入っていることと同じですから、聴いてる人には普通の4拍子だと感じさせることもできます。ストラヴィンスキーが、こんな手法を使っていることがありますね。

ということは、この作品に出てくる「3/4拍子と6/8拍子は1小節の中の音価が同じ(8分音符6つ分)」なので、どちらの拍子でも書くことができる、ということになります。

この作品のスコアを再度見てみると、3拍子と6拍子が時折変わっています。しかし、最初に聴いてもらった時の印象を思い出してもらうとわかるように、聴こえ方は変拍子のようにトゲトゲした違和感は全くなく、スムーズに流れています。


《捉え方が違う》
では、拍子が変わると何が変化するのでしょうか。
一番大きな変化は、カウントの仕方です。「1,2,3」と4分音符を1拍とし、3つカウントすれば3/4拍子になり、「1トット、2トット」もしくは8分音符を1拍として「1,2,3/4,5,6」とカウントすれば6/8拍子です。これらは、メロディやリズムがどちらのカウントの仕方をするとしっくりくるか、という感覚によって変化します。

しかし、この作品の面白いところ(複雑なところ)は、一概にメロディ、ハーモニー、ベースすべてのパートが、一斉に3拍子または6拍子に変更されているわけではなく、メロディだけが3拍子になるなどの、いわば「カラクリ」のような箇所がいくつも出てくるのです。「会報すいそうがく」に作者が寄せているコメントの中に出てきた「仕掛け」というのはこのことだと思います。

こういった音楽はよくあります。作曲者によっては、パートごとに拍子を変更していることもあり、レスピーギはその手法をとっています(6/8と2/4が混在しているなど)。この作品の場合は、そういったことをせずに、そのまま楽譜を書いていることが、「楽譜の読みにくさ」の原因なのです。

実際に、この作品の33小節目の1stトランペットの楽譜を見てみましょう。



何だかとても読みにくい楽譜ですよね。この部分、聴く側として3/4拍子に聴こえるので、本来スマートに楽譜を書くとするなら、こうすべきです。



結果的に耳に入ってくるものは同じでも、書き方はこのように変えられる、というのが楽譜の特徴でもあります。

したがって、この作品を演奏していて「なんか吹きにくい!リズムがとりにくい!楽譜が読めない!」となった時、ぜひ3拍子と6拍子を変更して書き直して(捉え方を変えて)みてください。例えば38小節目のトランペットは6/8拍子にしてみると「なるほど!」と吹きやすくなると思います。この小節は、前から続いている木管のメロディ以外は6/8拍子で構成されていますので、他のパートも全部6拍子で捉えます。したがって、ベースライン(低音楽器)の奏者が楽譜に書いている通りの3拍子と捉えて演奏してしまうと、「(3/4拍子としての)楽譜上2拍目ウラの音」を強く吹いてしまいかねません。しかし、音楽としては6/8拍子ですから、この音は(1小節内が付点4分音符2つと捉えた場合の6/8拍子の)「1拍目のウラ(3つ目の音)」なのです。
こういった「カラクリ」を理解し、本来持っているメロディや音楽の持っている形を表現しようとしない限り、この作品を完成することはできません。書いてある楽譜(拍子、音符、音価、連桁)をそのまま無理矢理読もうとせず、自然に歌えるリズム感を優先し、尊重して柔軟に読み替えられるようにしてください。

指揮者がどう振るか。それにかかってくる部分も大きいですね。


《ジャンプ力の違いと捉える》
今回の記事は楽典的、楽譜の基礎みたいな話になっておりますが、演奏者は楽譜を読むことが使命ですので、今は少し大変でもこの機会にぜひ柔軟に楽譜を読む力を身につけられるチャンスだと捉え、頑張ってください。

しかし、楽譜は所詮楽譜です。記号を印刷した単なる紙でしかありません。その紙には、作品を演奏するすべての情報が書いてあるわけでもなく、ましてや作者の思いがすべて込められているわけではありません。なぜなら楽譜の表記にはルールがあり、作曲者はそれに従って書く必要があるわけで、「妥協(しかたなくそう書いている部分)」が必ず含まれていることを演奏者は忘れてはなりません。


したがって、演奏者は「楽譜に書かれている少ない情報から、作曲者がどう表現して欲しいのかを感じ、読み取り、そして自分はどう表現したいのかも含めて演奏という耳に聴こえる形にしなければならない」のです。


ですから、この作品に話を戻して、「拍子を捉える」ということに関しても、単に「1,2,3!1,2,3!」「1トット!2トット!」と楽譜を一生懸命に見て吹くだけでは表現したとは言えません。拍を感じるためのイメージが必要です。


そこで一番わかりやすいのが「跳躍(ジャンプ)のイメージ」です。


トランポリンをやっている人を想像してください。その人は常に同じ高さのところまで跳ぶことを繰り返しています。

それを見ているうちに、トランポリンのマットに着地するタイミングが「感覚的」にわかってくると思います。

なぜわかるか。それはトランポリンで跳躍をしている人の「軌道」を見ているからです。

それが「テンポ」や「拍子」なのです。

音楽における拍も、光の点滅のようないつくるかわからない拍のアタマを何の情報もなく、いわば賭けのように根拠のない感覚でカウントしているのではなく、トランポリンのように拍と拍の間に「軌道」「動作」が必ず存在しています。その運動をイメージした結果、着地する確固たるタイミングが見えてくる(強く感じられる)ようになることが音楽において大切です。

この作品でいうなら、3/4拍子と6/8拍子は、1小節内の音価(音符の数)=1小節にかかる時間は同じなので、その中をどう分けるか(カウントするか)だけの違いになります。

要するに、トランポリンで高く飛んでいるその間に「1,2,3」と均等に捉えればそれは3/4拍子になり、「1トット,2トット」もしくは「1,2,3/4,5,6」と捉えればそれは6/8拍子になる、ということです。
大切なのは、同じ時間をかけて1小節を大きくジャンプしているイメージを持った上で拍を数えたか、という点です。

これは小節単位に限らず、1拍という範囲でも同じですし、4小節とか8小節という大きな範囲の「フレーズ」でも同じです※。「イメージの基本はまずは跳躍」と捉えてください。

この感覚を常に持って演奏することができれば、例えば「走る(テンポが速くなる)」演奏がしにくくなります(ジャンプしているイメージの最中に次の拍を感じることができないから)。


※フレーズ感など、音楽の「流れ」を感じさせるためには、同じ場所を繰り返しジャンプしているだけのイメージだけでは本当は難しく、例えば均等な感覚で配置された複数のトランポリンからトランポリンへどんどんジャンプして進んでいくような、そういった「前に前に絶えず進んでいく躍動感」を感じ、表現する必要があります。


《メトロノームでの通し練習はしない》
そこでひとつ提言したことがあります。このブログで何度も言っているのですが、

「メトロノームのクリック音に合わせてメロディを演奏しない」

という点です。
これまでの話を理解してもらえればもう説明する必要もないのですが、メトロノームというのはあくまでも「点」(トランポリンでいうところの「着地の瞬間」)を教えてくれているにすぎません。しかも、動きや軌道がそこにはない(少ない)ため「いつくるか明確にわかりにくい」要素が相まって、結果的に「拍のアタマを『狙う』」意識にどんどん変化してしまうのです。

これでは、躍動感はおろか、人間的で自然的なテンポ感を維持し続けること、そしてそういった演奏をすることなど不可能です。

しかも「拍のアタマが合えばそれでいい」という感覚に陥る可能性が高く、「音符(音楽)の推進力」「フレーズ感」がまったく育ちません。

メトロノームは呼吸を考慮してくれるわけもないので、「ブレスはしないほうがスムーズ」という感覚に陥ることもあるので、呼吸が乱れ、結果的に管楽器を演奏する上で一番重要な「ブレスコントロール」がおそろかになってしまいます。音色が悪くなり、力で演奏するクセが出てきてしまうので、バテやすい、タンギングが上手にいかない、演奏できる音域が狭い、ダブルアンブシュアになってしまう、音圧のコントロールができないなどの様々な弊害が出てきてしまいます。

よって、メトロノームに合わせて曲を吹く、ましてや曲を通すなんてことは音楽の練習にはまったくならない、ということを理解して欲しいと思います。
吹奏楽部などの個人練習やパート練習だけにとどまらず、合奏の時までもメトロノームを濫用することに僕は猛烈に反対します。


ではメトロノームは何のための道具か、と言いますと、

「おおよそのテンポを瞬時に理解するため」
「反復練習のオトモ」

以上です。これ以上に使い道がありません。
しかし、現代音楽を演奏するならまだしも、おおよそのテンポを理解するためにわざわざメトロノームなどを出してくる必要もないと思います。ちかくに秒針のある時計があれば120と60は容易に割り出せますし、80程度のテンポの音楽を覚えておけば、それに合わせて40と160も割り出せます。
それだけ感覚的に持っておけば、だいたいのテンポはすべてわかります。

したがって、フィンガリング練習などの反復練習時に使うくらいしかメトロノームの必要性はない、と僕は考えます。(レコーディングやポップスの世界の話には言及しておりませんのでご了承ください)


ということで、今回は楽譜の読み方、解釈の仕方、拍子のイメージの仕方、メトロノームについて書きました。
この作品を演奏される方はまず、楽譜の読みにくいところは、その場面の音楽が持つ拍子としては3拍子か6拍子のどちらなのかを理解してください。それに合わせて拍子を書き直してみるのも勉強になるかもしれません。

では次回は曲に沿って解説をしていきます。
この作品を演奏されない方も、課題曲とは無関係の方も参考になることをたくさん書きますので、来週も引き続きご覧ください。

それではまた来週!


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at 06:53, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2016

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