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吹奏楽コンクール課題曲2015トランペット解説【3.秘儀III ー旋回舞踏のためのヘテロフォニー / 西村朗】前編



















みなさんこんにちは!

今回より課題曲3について解説を進めたいと思います。が、例によって今回の前編ではこの作品を演奏しない方にも参考になる内容をたくさん書いていきますので、関係性はあるけど曲解説ではなくなるかもしれません。ご了承を。


《2度でぶつかりまくる作品》
この作品を聴いた方は多分全員思ったと思います。「ハーモニー気持ち悪い!」と。よくあるドミソ〜みたいなハーモニーではなく、隣り合う音がぶつかりあっている瞬間がとても多いです。だから聴いていてギョっとする。

そもそも、単にそういったハーモニーを持ったメロディを作っているわけではなく、同じ(ような)メロディの動きや語尾が少しずつ異なっていることが結果として「ずれ」を生み出している、と言ったほうが良いと思います。

吹奏楽を演奏していると、例えばわたしたちトランペットパートは、1stが主旋律を演奏して、2ndや3rdはほぼ同じ動きを違う音で演奏した結果「ハーモニーを伴ったメロディ」を担当していることがとても多いですよね。メロディでなくても、トランペットみんなで同じタイミングで吹き、ハーモニーを作っています。

しかし、この作品はそのような部分がほとんどありません。同じトランペットパートの中だけ見ても、似てはいるけれどそれぞれ担当していることが違うのです。このような曲を「ヘテロフォニー」と呼びます。ちなみに、主旋律があって、ハーモニーの伴奏がある形のいわゆる「よくある曲」を「ホモフォニー」と呼びます。


《ハーモニー練習ではなく》
ですから、きっとみなさんのバンドもよく練習している「ハーモニー練習」をこの作品を使ってすることはほぼ意味のない行為だということです。いつもなら、ハーモニーディレクターとかギョウギョウしい機材を持ち出してきて「練習番号◯◯の3拍目の音の縦の響きを合わせよう」なんてことを何十分もかけて練習しているかもしれませんが、それが通用しないのがこの作品です。
そもそも、あのハーモニーディレクターとかいうものが本当に意味のある練習なのか疑問でしかたがないのですが、まあその話は置いておくことにして、トランペットパートや金管セクション、バンド全体のハーモニーについてああだこうだする時間を取るのではなく、ぜひ各自の「音程」と「ピッチ」に注目し、強化するよう心がけてほしいと思います。


《音程とピッチ》
みなさんは「音程」と「ピッチ」の違いについて説明できますか?

音程というのは「2つの音の隔たり」のことを言います。例えば「ド」と隣の「レ」だったら「2度音程」、「ド」と上にある「ソ」だったら「5度音程」というように、2つの音の距離を指す言葉です。

そして「ピッチ」は「周波数」のことを指します。周波数は空気の揺れのことで、「ヘルツ」の単位で表現しますが、要するに「チューナーが示している数値」です。音楽的に言うなら、それぞれの音が高かったり低かったりしないよう、正しく演奏することです。

この作品では演奏者各自が、美しい音程感と正しいピッチで演奏できることが大切です。たとえぶつかり合う音どうしであっても、それがピッチが悪くてぶつかりあっているのと、とても美しい短2度(半音の音程)でぶつかっているのでは聴こえ方が全然違います。ですから、まずは個人の技量を少しでも上げることが重要と考えます。


《ピッチの練習 〜チューナーとのにらめっこ練習はNG!〜 》
じゃあピッチを良くしよう!チューナー持ってこい!

これではいくらたっても演奏レベルは上がりません。安直な練習は結果を生み出しにくいのです。

例えば、タンギングを上手にできるようにしようと思ったのでタンギング練習をします、とかハイノートを出せるようになりたいから高い音をたくさん吹きますとか。こういった練習は時間と体力を無駄にするばかりです。

ピッチに関しても音程に関しても、もっと様々な角度からアプローチをしかけて、じっくりと確実に成長できる練習方法を身につけましょう。

チューナーを使うことが悪いわけではありません。どう使うかが問題なのです。
チューナーを目の前に置いて音を出すと、出した音が高いのか低いのか、または合っているのか結果が出ます。その時、チューナーの針を±0にしなければと意識し、ついつい何かしらの方法でピッチコントロールをしたくなり、ずり上げたり下げたりしてしまいます。この行為が非常に意味がなく、良くありません。なぜならそれはチューナーに自分のピッチを「強引に寄せた」だけで、「低かった/高かった/合っていた」原因を見つけたわけではないからです。
したがって、もう一度音を出しても、結局同じことが起こるのです。何度も同じことが起こるから、いつもいつもチューナーを使っているんですよね。毎日毎回いつもいつも、下手したら合奏の時にまでチューナーを見て吹いてしまっています。そんなこと意味があるわけがありません。

ピッチが悪いので、ピッチを良くします!
こんな安直な発想ではいくらたっても良いピッチで演奏することはできません。

そもそも、ほとんどの人間は周波数がどのくらいかなんて耳だけで理解することなどできません。「ああ、今の音はA=440とした場合、0.5ヘルツくらい低いね」なんて言える人間がどのくらいいるでしょうか。

ピッチを正しくするには様々な要因や条件があります。いくつか挙げてみます。

 ・楽器の持っている「音のツボ」に当てているか
 ・口の中の状態(舌の形状や位置)
 ・息のスピードコントロール(体内の空気圧バランス)
 ・気温、湿度
 ・姿勢、力のかけ方とその場所
 ・マウスピースの唇へのプレス
 ・アンブシュア
 ・楽器、マウスピースのコンディション(管内の状態、よごれ、へこみなど)
 ・チューニングスライドの状態

ピッチが悪いとチューニングスライドを伸ばしたり縮めたりすることを真っ先にする方が多いと思いますが、はっきり言ってよほど抜いたりしなければ目に見えて(耳に聴こえて)の変化はありません(チューニングスライドの使用はミュート時のピッチバランスを安定させるために使用する程度です)。それよりも「ツボ」や「口の中の状態」「正しい発音」のほうがよっぽど影響力があります。ぜひ多角的に確認をしてみてください。

チューナーは矯正器具ではなく、確認するためのアイテムなのです。


《音程感を持つには》
そして、音程に関してです。正しい音程、美しい音程感は、まず何よりも正しいピッチで演奏することができなければ実現できません。調律をまるでしていないピアノで演奏しても良い音程にはなりませんよね。
そして、もうひとつ。音程感をよくするには「今の変な音程!」と気付ける力を持つことが先です。例えば自分の演奏を録音して、聴いた時、変な音程があったかどうか、それは具体的にどこなのか理解する力です。悪いと思えれば良くしようと思えることにつながります。
そのためには、次に「正しい音程感を持つ」ことが大切です。楽器で演奏するのではなく、自分自身が声に出して理路整然とした音程感で音階や半音階、インターバル(跳躍)や様々な分散和音などを歌えるかどうかです。そのためには、しっかり調律されたピアノを使って様々なパターンをたくさん歌ってください。できればこれも録音してみて自分で確認したいところです。

そして、ピアノと一緒にトランペットを吹いてください。ピアノが奏でる和声(ハーモニー)と自分の音がしっかりと調和されているかどうかを確認しましょう。ものすごく簡単なメロディに伴奏をつけてもらえれば確認しやすいと思います。

あと、これがよく勘違いされるのですが、何もピッチがすべて均一で正しい状態だからと言って「美しい音程」になるとは限りません。チューナーで表示された音程が正くなくても、その時の響きとして、作品として、場面として、個性として、楽器として美しいと感じる音程感というのが様々にあります。もちろん正しいピッチで演奏できることが前提になるのですが、「このソリストの演奏、チューナーで図ったらピッチ悪い!だから二流!」なんて言うのはセンスありません。吹奏楽コンクールの全国大会の演奏が若干の違和感を持つのは、このピッチを正確に正確に出そうとしていることからなのかもしれません。
ピッチや音程だけでなく、テンポに関しても同様です。マーチだから機会的な均一テンポというわけではありません。

ということで、一流の音楽家の様々な演奏(トランペットに限らず)を沢山聴き、「素晴らしい音程感」や「美しい響き」を感じとってください。


《音価通りに演奏する 〜音を抜くクセをなくそう〜 》
こうして良いピッチで、良い音程感で演奏できる奏者が揃ったバンドであれば、この曲の魅力をかなり出すことができてくるのでは、と思います。

そしてもうひとつ、「それぞれの音価通りに演奏する」「楽譜に書かれたアーティキュレーション通りに演奏する」ことも重要です。音価というのは「四分音符」とか「全音符」のことで、アーティキュレーションというのは、音符に付いている記号やスラーなどのことを指します。なんだそんなのあたりまえじゃないか、と言うかもしれません。しかし、日頃のクセや、良かれと思った演奏表現、自分の都合で音価通りに演奏してない(できていない/できない)箇所って結構多いものです。

例えば「音を抜くクセ」を持っている方、音の語尾が痩せてしまうので、聞いている人には音価よりも短く聴こえがちです。なぜか非常に多くの吹奏楽を演奏している方が、むやみやたらに音を抜く吹き方をしていることが気になります。以前、まったく残響のない練習室で合奏練習をしている吹奏楽部を見学させていただいたら、わざと音を抜いて、まるで残響があるかのような演奏をしていたことに驚愕したことがあります。なぜそのようなことをしているのか甚だ疑問でしたが、響きというのは楽器ごとに持っているものであり、演奏空間によって変化するのが当たり前です。レコーディングでサスティン効果をつけたような生演奏は決して良いものとは思えませんでした。そういったことが影響しているのかわかりませんが、本当に多くの奏者が残響効果のあるように音を抜く演奏が「クセ」になっているようで、非常に気になります。気弱な人が主張できないでモゴモゴと語尾にむかってしぼんでしまう喋を聴いているようで、良い印象は持てません。
フレーズの最後にデクレッシェンドが書かれているとかであればそういう演奏をするべきですが、何も書かれていない時は、その音に与えられた時間はまっすぐ演奏しなければならないのを常識と捉えてもらえればと思います。

この作品のスコアにある作曲者本人の解説にも「主旋律線と同時に、主旋律をなぞって音程的にずれた多数の不協和旋律が奏され、全体として一元的で厚みのある太い旋律線が生まれます。不協和な音程のぶつかりのなかに、東アジア的な響きと旋律の生命力を熱く描出していただければ幸いです。」と書かれています。音の抜いたらこういった演奏はできませんよね。

また、上記のことと通じますが、アーティキュレーション通りに演奏する、というのは、アクセントやテヌートをつけましょうというだけでなく「アーティキュレーションが何も書かれていない時の演奏」にも気を使わなければなりません。何も書かれていない「普通の音符」をどう表現するか、きちんと聴く人に伝わるように吹いているか、それがとても大切です。


そういった基本的なことを守って演奏することで、楽譜の持っている特徴や良さを発揮することができます。

この作品に限ったことではなく、吹奏楽やオーケストラに限ったことでもなく、まずは楽譜に書いてある通りに演奏することを心がけ、そこから「自分なり」の表現や主張を持たせていけると、今何を練習すべきかが見えてきて効率良いと思います。

ということで、今回はピッチ、音程、音価といった非常に基礎的な点について触れてみました。
次回の記事では曲について書いていきます。

それではまた来週!

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at 06:45, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2015

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