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吹奏楽コンクール課題曲2014トランペット解説【5.きみは林檎の樹を植える/谷地村博人】その2


















吹奏楽コンクール課題曲2014

みなさんこんにちは!今回は課題曲5「きみは林檎の樹を植える」の2回目です。今回は曲に沿って解説をしていきますが、その前に2つ、この作品のポイントとなることを書いておきます。


《ダイナミクスと音のリレー》
この作品の金管楽器の役割の特徴として、「一つの大きなフレーズをリレーのように演奏する」という点です。言葉にするとわかりにくいのですが、各パートが、少しずつ吹き始めるタイミングがずれているという点、そして、それらの吹き始めがずれている金管奏者が楽譜通りに演奏すると、ダイナミクス(強弱)はひとつの大きな山の状態になっている(フレーズごとに頂点がある)という点です。スコア(下の写真)を見るとわかりやすいと思います。まるで模様のようですね。

きみは林檎の樹を植える
※画質を落としています。


この場所は5小節目4拍目ウラから始まる金管セクションの動きです。こういった形がいくつも出てきます。

ダイナミクスについて、鉛筆で書き込んだので若干読みにくいかもしれませんが、この箇所ではpからクレッシェンドをして6小節目の後半でピーク(ff)になり、7小節目でデクレッシェンドしてpに戻ります。しかし、それらは各パートによって吹き始めも吹き終わりも違うため、クレッシェンドをする人もいれば、デクレッシェンドをする人もいる、ということです。結果的に、全員で演奏すると、高音域(トランペット)から弱奏で演奏をし始め、徐々に低音楽器に受け継がれていくと同時に、それとは別にクレッシェンド→デクレッシェンドが行われています。まるでジグソーパズルのようなオーケストレーションです。

こういったオーケストレーションの楽譜を演奏する際「フレーズの頂点が具体的に何小節目の何拍目なのか」を予め全員が理解して、(各パートごとに吹き始めのタイミングは違えども)フレーズの頂点に向かってクレッシェンド、そして終息していくデクレッシェンドをはっきりと表現することが大切です。

こういった手法を求められることはめったにないので、まずはスコアを読み、完成した状態がどうなっているのかを理解しておくこと、そしてこのオーケストレーションに慣れることが大切です。


余談ですが演奏開始のタイミングをパートによってずらした効果的なオーケストレーションのひとつに「ベルトーン」があります。これは、ハンドベル演奏のように、ひとりがひとつの音のみを担当し、リズムに合わせて次々と入り、聴く側はメロディが積み重なって聴こえるという独特な手法です。



こちらは吹奏楽や室内楽をやっていると、たまに出てきますよね。
で、この課題曲に出てくるものも、ある意味ベルトーンと言えるのでしょうが、ただ音を伸ばしているのではなく、(同じ音が)細かく刻まれたリズムをそれぞれが担当し、それが積み重なっています。この「リズムが細かい」という点、そして楽器によって2の倍数のリズム(16分や32分音符の同じ音の連続)と3の倍数(3連符の同じ音の連続)が同時進行しているという点、結果としてリズムがきちんと噛み合ない状態が起こっている(でもフレーズが作られる)、ということを知っておかなければなりません。

ただ、楽観的なことを言えばこの作品、金管セクションはこのリレーのような演奏パターンばかりなので(ダイナミクス変化やフレージングはどんどん変わっていきますが)覚えて、慣れてしまえばそれほど大変な楽譜ではない、と感じます。ちょっとパズル的な感覚ですから、形になってくると演奏していて面白いと思います。ちなみに木管楽器はいろいろと動きもややこしく、個人プレーも多くて大変そうですね。


《ブレない音、揺れない音》
スーっと抜けていったり、同じ音でグイっとクレッシェンドしたり、そういう演奏ばかりを求められていますから、こういった作品では「表情豊かにヴィブラートをかけて...」なんてことはするべきではありません。
バロック時代の弦楽器のように、まっすぐに音を伸ばせられる演奏ができることが大切です。完成度の高い紙飛行機がブレることなく、まるで空気をまったく揺らさないで飛んでいるような、あのイメージで音がのびているように吹きたい、と僕は感じています。よって、いかに日々の基礎練習を意味のあるものとして行い、結果を出せているかによって作品の完成度は左右されてしまう、ということです。この作品、別段特殊な奏法も難しい技術も求めてはいません。作品が「いつもの」と違うから、特別な曲のように感じず、基礎的なことが必要(なだけ)と思って下さい。

音をまっすぐに吹く、というのはこの作品に限らず、管楽器奏者には常に求められていることですよね。ロングトーンを練習する際にも、そういった目的も含まれているのではないか、と思います。
その反面、音がブレてしまいやすい人が多くいるのも事実です。なぜそうなるのか、という原因のひとつに「押さえ込みの力をかけてしまう」吹き方があると考えます。音が揺れる→更に力をかけて抑えている。この状態ではどこまでも力を加えていくので、負担ばかりがかかってしまいます。そもそも、力を加えるからこそ筋肉や体のパーツはプルプルと震えてしまうのです。重い荷物を持った時のことを想像すればわかりますよね。
ですから、「余計な力がかかっていないからこそ、その体勢を保っていられる」ということを忘れないようにして下さい。例えば寝ている時、リラックスしている時(悪い姿勢でダラっとしているのは違います)、健康な成人であれば、チワワのように体がプルプルと震えたりしませんよね。

トランペットを演奏する、ということそのものが「力を加える作業」と無意識にでも思い込んでいる方が非常に多く感じます。だからと言って「力を抜こう」と努力するその姿勢も、ある意味「力を加える作業」です(力を抜こうと力をかけている可能性が高い)。ですから、「姿勢やセッティングというものは力をかけて作り上げるものではない」という状態とはどういった状態かを見つけることが大切です。難しいような簡単なような、簡単なようで難しいような。。。

では、曲に沿って解説していきます。5〜7小節目はすでに書きましたので、その後から続けますね。


[11小節目〜/全パート]
音のリレーはここでも行われます。トランペットパートに限定して、更にダイナミクスに着目して書くと、以下のようになります。

11小節目 p < mf
12小節目 mf < f
13小節目 f < ff

というように、3つのリレーが繰り広げる中、強弱の基準が小節ごとに大きくなっていきます。この基準を作るのが1stトランペットです。金管の人たちがそれぞれの音をきちんと聴ける力と姿勢を持っていることが大前提ですが、「1stトランペットがどのくらいの音量で吹き始めたのか」、これを基準にして、その後に続けていかなければ、このアンサンブルは成立しません。ですから、1st奏者は特にダイナミクスについて、慎重かつダイナミックにお客さん全員がわかるレベルで音量差をつける演奏を心がけて下さい。他のパートの人は1stがどういった音量で入ってくるのかを常に聴くようにしましょう。
また、強弱というのはデジベル的要素(音量)だけでなく「音質」「響き」にもこだわりを持った上で演奏すると、より差を出しやすいです。

「質を変化させる」というのは、pの演奏であっても、フワフワの綿のようなサウンドなのか、小さな鉄球のようなサウンドなのかで印象は大きく変わりますね。fでも同じです。

こういったダイナミクスの変化については古典派だとろうが現代曲だろうが関係なく求められることですから、常に強く吹く、弱く吹くではなくて音楽的にイメージを膨らませて表現することにこだわりと楽しさを持って下さいね。


※「騒音のように」という注意書きについて
練習番号「A」や18小節目などの木管楽器に「騒音のように」という注意書きが出てきます。スコアにも解説がありますが、意味として

「遠くから聴こえる騒音が徐々に近づき、そして遠ざかるイメージで。したがって、それぞれの奏者は(騒音の表現という意図において)必ずしも他の奏者と厳密な同期をとる必要はない。(後略)」

と、書いてあります。金管に書いてないから関係ないや、と思わないで下さい。「必ずしも同期しなくてよい」ということは、楽譜に書かれたリズムが合わなくても(=縦の線が合わなくても)いいですよ、ということなんです。そのちょっとグチャっとしている演奏が、イコール「騒音」と言っているようですから、バンドによっては(コンクールですからなおさら)意図的で計算され尽くした「ズレ」を作り上げようとする団体もあるのかな、と思ってみたりします。そういうの嫌いですけどね。
ともかく、その「騒音」が金管に何の関係があるか、というと、木管の縦の線がずれているということは結果的に「金管と打楽器が正確なテンポとリズムを作り続ける責任がある」「テンポやビートの基準は金管打楽器にある」という点です。
この話をした上で次に進めます。


[18小節目〜/全パート]
ここからは3つのトランペットパートが2パートずつの組み合わせによって同じダイナミクス、同じリズムで演奏をしています(2,3rd→1,3rd→2,3rd→1,3rdの繰り返し)。
先程書いたように、金管はできるだけ正確なテンポ感を持って演奏したいので、ここで必要なのは「各自のテンポ感+1st,2nd奏者の積極的なアインザッツ」だと思います。

強弱の正確な指示があるから(どこが頂点なのかわかりやすくしているから)、同じ小節内であってもタイでつながって書いてありますが、結局のところ長さとしては2拍ずつ同じ音をのばしています。他の金管楽器も2拍で動いていることがほとんどですから、安心材料は多いので、自信を持って2拍ずつの自分の出だしの時にアインザッツを出して下さい。
アインザッツとは何か、どう出したら良いのかについては過去の記事「室内楽(アンサンブル)4」を読んでみて下さい。

そして3rdは1stと演奏したらすぐに今度は2ndと演奏して、の繰り返し、どちらとも関係を持っていて、吹きっぱなしです。ですから、トランペットパートのベースを支えている「安定感」は常に3rdに求められています。音がブレることないよう、もしかすると3rdに音質や音量、テンポの先導役を務めてもらったほうが良いのかもしれませんね。3rd奏者の技量次第でしょうか。

ここでもやはり強弱の大きな流れがあります。18小節目から2拍ずつ、ピークが mp→mf→f→ff→f→mf となっていますから、フレーズのピークそれぞれの音量差と音質差をつけられるようにしましょう。気付いたらこの箇所が通り過ぎてしまった、ということのないようにして下さい。この作品、ボーっと演奏できるところ、ひとつもないので神経使いますよね。ずっと集中していて下さいね。


[30小節目/1st,2nd]
フラッタータンギングを要求しています。フラッターは基本的に巻き舌をしながら音を出す奏法で、非常に荒っぽい音が特徴です。しかし、日本人は巻き舌が苦手ない人がいます。あなたはできますか?一緒にトランペットを吹いている方はいかがですか?
この箇所の1st,2ndがフラッターなので、パート割の時にその点も意識しておく必要があると思います。パート割を決めて練習してから「フラッターできません」となってもいろいろと面倒ですからね。フラッターは練習してもなかなかできない人がいるようですから、練習量や、ましてや根性で克服するとかでもありません。それも理解しておいて下さい。


[41小節目/全パート]
この箇所のクレッシェンドはクラリネット、サックスと、トランペット、ユーフォ、テューバ、コントラバスが同じ動きをしています。ということは、これまでのような「トランペットだけ(金管セクションだけ)に求められた強弱の波」ではなく、バンドメンバーの多くが同じ表現をしているということ。強弱の書き方は全員がピークをfとして書かれているのでトランペットだけが突出して大きな音量で鳴らさないように、アンサンブルバランスを意識して下さい。


[62小節目/2nd,3rd]
2拍間での三連符の3つ目の音から2,3rdが先に入り、3拍目のアタマから1stが遅れて入ってきます(サックス、トランペット、ホルン等でベルトーン演奏をしているところです)。ここは縦の線がズレやすい箇所で、しかも曲の最後のほうなので若干集中力が欠けている可能性も否めません。ですから2nd奏者はアインザッツをして、自信を持って入るようにしましょう。そうしないと一緒に入ってくる3rdトランペット奏者+ホルン、A.サックス2ndともずれてしまいますし、1stトランペットが、いつ入ればいいかわからなくなってしまいます。
そうならないためのもうひとつの頼りになるパートが「ユーフォニアム」と「T.サックス」「ファゴット1st」です。この3つのパートは62小節目のアタマから2拍間の3連符を全て動いています。ですから、このパートに乗っかっていけるように演奏すれば自信を持てるはずです。こういったことも、スコアがないとわかりませんよね。
ぜひこの箇所は上記メンバーで集まって、集まった全員が楽譜の書き方がどうなっているのか、その結果どのように聴こえるのかを認識できるよう、特殊なセクション練習を行ってみて下さい。


[68小節目/1st]
ここは金管セクションだけで一緒に入ってくる箇所ですから、金管全体にアインザッツを出せるような意識で自信を持って演奏して下さい。こういう時に「出だしを揃えよう」だけ考えていると、バンド全体でどうしても合わなくなりがちです。その理由は、1小節前の「木管楽器のフレーズの終わり、音の処理がいつなのか」を意識していないと作品そのものの流れがここで一回止まってしまう可能性もあります。結局のところ、ここだけでなく、この曲だけでなく、いつもバンド全体の音に耳を傾けていましょう、ということですね。


[73〜76小節/全パート]
この作品最後のピークです。75小節目に向かってクレッシェンドをしていくわけですが、デシベル的音量変化、音質的変化に加えて「音の重さ」というイメージもあるといいかもしれませんね。材質が変われば質量も変わるわけで、金属的な音質のイメージになった時、その音の持っている重さも変化したとイメージを強く持ち、それを表現できるよう(イメージを強く持てるように)することが大切です。そのイメージが金管セクション全体で持てるといいですね。


[80〜81小節目/全パート]
短い時間でのクレッシェンド→デクレッシェンドですが、ここで注意しなければならないのは、クラリネット、ホルン(+トロンボーン3rd)と同じ動きをしている、という点です。特に、クラリネットとのバランスは意識しなければなりません。
クラリネットは弱奏が非常に得意ですから、風のように音が生まれて去っていくという表現が容易にできてしまう楽器なので(もちろん、奏者レベルにもよりますが)、トランペットとどのくらい表現が寄り添っていけるか、が大事です。ぜひともクラリネットセクションと一緒にパート練習をして、どんな表現をしているのか(できるのか)、間近で聴いてみて下さい。
もちろんクラリネット側が金管のことを理解してもらうことも、必要なんですけどね。


ということで、課題曲5について、作品に沿って解説してみました。
この作品は同じようなフレージング、オーケストレーションを求められ続けるので、特徴を掴んでしまえばそれほど大変ではないかな、という印象です。
しかし、その上で求められる「音をまっすぐのばす」ことや「バンド、セクション、パート」でのトランペットの音量、音質等のバランスに関しては終始神経を尖らせて、繊細に表現の差を付けていくことが求められますので、ぜひとも集中力を高めて合奏に臨んで欲しいと思います。

コンクールでは、この作品の後に続く自由曲がどのような作品、作風なのかによっても、アンサンブルに対する考え方や音の表現(ヴィブラート等)、楽曲の構成に関して、イメージを大きく切り替えなければならないかもしれません。その点に関しても柔軟でいられると良いですね。

こういった曲を経験することは、演奏・合奏レベルの向上にとても良い影響を与えますので、前向きに取り組んで下さい。

それでは、これで課題曲5「きみは林檎の樹を植える」の解説を終了します。
次回は違う作品について書いていきますので、引き続きお読み頂ければ幸いです。

また来週!

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at 08:48, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2014

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