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吹奏楽コンクール課題曲2014トランペット解説【1.最果ての城のゼビア/ 中西英介】その2


















吹奏楽コンクール課題曲2014

みなさんこんにちは!
先週より、吹奏楽コンクール課題曲を作品ごとに解説していまして、只今「課題曲1:最果ての城のゼビア」です。
前回は作品の全体像を見た上での印象などを書きましたので、今回は順を追って解説していきます。


[冒頭(1小節目)、7小節目/全パート]
この作品の冒頭部分は拍感が分かりにくく感じませんか?。なぜかと言うと「2拍目にリズムがないから」。テンポというのは、2つ目の拍がいつ存在しているかで決まるので、、、これは別に難しい話ではなく、例えば手拍子をひとつ「パン」と叩いても、それだけではテンポは存在しませんよね。でも「パン、パン」と2つ叩くと、テンポが生まれます。それだけ2つ目=2拍目がどこに現れるのかで、その作品のテンポが決まるはずなのに、この作品の冒頭には2拍目がないのです。しかも、次に動き出すのが3拍目アタマのクラリネットとオーボエ、サスペンデッドシンバル(S.Cym.)なのですが、ここも非常に曖昧な動き出しで、木管は細かな動きを、S.Cymはpからのクレッシェンドということで、拍(テンポ)を明確にするという力はほとんどありません。

そうなってくると、金管楽器群の4拍目の動きのタイミングを掴むのも難しいんですね。難しいというのはテクニカルな意味と言うよりも明確なテンポがわからないまま吹かなければならないという「不安」要素です。冒頭でいきなりずれる可能性があるので、奏者からしてみればこれはとても怖い。

このような周りの演奏がモヤモヤしてアテにならない時は、指針を示す人の存在が求められます。ではそれは誰でしょうか。指揮者でしょうか。

実はこういったところで指揮者に合わせようとすると余計に乱れるかもしれません。なぜなら指揮棒は、確固たるタイミングを示すことができないので、棒の動きの解釈が奏者によって変わる可能性が高く、そして一緒に音を出している人ではないからです。ではどうすればいいでしょうか。ここで活躍するのが「トップ奏者」です。

トップ奏者が「いくぞ!」と合図を出し、周りの奏者がそれに従えば、少なくとも同じ動きで演奏する人たちがずれることを回避できます。
これは室内楽(アンサンブル)でのやりとりとまったく同じです。室内楽(アンサンブル)では、指揮者がいないので奏者間で演奏し始めるタイミングを合わせていくことをしています。
この時の合図のことを「アインザッツ」と呼び、トップ奏者や、作品ごとの音の出だしの責任を担っている奏者がタイミングを出しています。実はこれ、オーケストラや吹奏楽でも、プロの世界では非常に多くあることなんです。代表的なのがコンサートマスター。オーケストラの一番中心で一番客席寄りで、指揮者のすぐとなりにいるヴァイオリン奏者です。
コンサートで、指揮者が入ってきて握手をする人、と言えばわかるでしょうか。コンサートマスターは、言うならば沢山の奏者の司令塔で、すべてのタイミングを司る奏者です。指揮者がどんなテンポで、どんな表現をしたいのかを的確に感じ取り、それを演奏と体の動きで大きく表現し、奏者全員に伝えている人です。ですから、指揮者の棒の動きに各奏者が合わせている、というわけでもないんですよね。そしてこの「演奏と体の動きで表現する」というのは、コンサートマスターだけでなく、各パートのトップ奏者も行っています。

詳しくは過去の記事「室内楽(アンサンブル)4」に書いてありますので、ぜひ読んでみて下さい。

これを読んで下さっている中で、トップを担当している方はぜひとも的確なアインザッツを身につけて、そしてその指示に的確に合わせられるような呼吸をパート内、できれば金管セクション内で持てるようになって下さい。


[練習番号「A」1小節前/全パート]
この箇所はトランペットとグロッケン以外は音を伸ばしているか、演奏していません。トランペットがきっかけとなり、練習番号「A」に入るという重要な役割を持っています。単にトランペットが新しい箇所への入口を築くのであればそれほど気にかけるようなことではないのですが、ここには「rit.(リタルダンド)」が書かれているんですね。それによって大きく責任というウエイトが変化します。
どういうことかと言うと、「いつ、どのタイミングでAのアタマに入るのか」これを明確にバンド全体に(可能であれば指揮者を操れるくらいの力で)演奏によってテンポを指示していく必要があります。

こんな経験をすることがよくあります。アンサンブル等、指揮者のいない編成で演奏をしている時、特に楽譜にはテンポ変化に関する指示等が書いていない箇所で、メロディを受け継ぐために待機して、いざ次の小節のアタマから演奏するぞ、とすでに呼吸(吸気)を始めていると(インテンポで入ってくると確信している状態)、楽譜に書いてもいないのにそれまでメロディを演奏していた人がフレーズを収めてしまうような、要するにrit.をかけて演奏をまとめてしまう表現をすると、(楽譜にはそういった指示がないものですから)体はインテンポで入るように準備が整っているのに、聴こえてくるのはまだまだ演奏途中のメロディ。こうなってくるともう体(呼吸)と頭(耳)が違う状態になり、その後に続く演奏に対して呼吸のコントロールができずに大変なことになるんですね。結果、音を外したり、制御できなくて前の人のメロディとかぶって吹き始めてしまう、なんてこともあります。
もちろん、リハーサルでこれが発覚することがほとんどですから、その後演奏で修正するか、直接口頭で相談するか、何かしらの対処をしますが、それでもやはりこういった「つながる」箇所を楽譜に書いていないことを自分勝手に演奏してしまうのはいかがなものか、と思ってしまう瞬間です。

話を戻します。この箇所には、その「rit.」が書いてあるんですよね。それでいてトランペット全員が同じ動きで(音は違う)演奏しているのですから、責任は重いのです。どれくらい音を伸ばして、どんな「吹き切り方」をするのか、これが明確になるように演奏を心がけてほしいです。そのためにはまずトップ奏者(1st)が自信を持って表現し、それを理解した他の奏者が同じ感覚を持って演奏することです。決してトップ奏者の後から続くのではなく、(意思や表現が)並列になっているように心がけて下さい。要するにトランペットパートという一塊の存在である必要があるんです。

では、具体的にどのように演奏するかはそれぞれの奏者や指揮者が判断することにはなると思いますが、ひとつだけ「オススメできない」表現は、「減衰する音」にしない、ということです。もちろんこの箇所はcresc.(クレッシェンド)が書かれているのでそう演奏するわけないじゃん!と言うかもしれませんが、減衰したように聴こえる表現は、音量だけでなく他の要素からも感じ取られてしまうんですね。例えば「音と音の間が空いている」と緊張感がゆるみやすく、また次の音に行くタイミングがわかりにくいので、周りの奏者には不安を煽ることになりかねません(これもテヌートが書いてあるので意図的に短く演奏する人はいないと思いますけどね)、こうならないためにも、音量よりも「音圧」で表現するように心がけるとわかりやすいのではないか、と思います。

一番のポイントは、練習番号「A」に入るひとつ前の八分音符をどのように表現するか(他の奏者に、次に行くきっかけをどう伝えるか)、ここに意思を強く持ち、表現して下さい。


[24小節目/全パート]
スコアがあればぜひ見て頂きたいのですが、ホルンがひとつ前の23小節目から吹き始めています。そして24小節目に入ってきたその音が、トランペットの吹き始めと同じ音なんですね。具体的にはHr1,3がユニゾンで、Trp1に音(メロディ)が引き継がれ、Hr2,4がユニゾンでTrp2に音が引き継がれています。実はこの作品、こういった箇所が他にもあって、メロディがひとつのパートで完結していないことが多いんです。しかし、トランペットのパート譜だけで見ていると、あたかも24小節目からメロディが始まっているように感じますが、実はそれよりも前からずっと続いているメロディを引き継いでいる、もしくは途中から参加している、ということを忘れないようにして下さい。ですから、実際のところ、練習番号「A」から始まったメロディが様々な楽器に引き継がれたものが途中でトランペットにもまわってきて、一緒に参加しているにすぎないのですから、「よっしゃ来たで主旋律!」とか、いきがって演奏すると、とたんにデコボコしてしまってバンド全体のバランスが悪くなる可能性があります。そうならないように合奏までにスコアをしっかり読み、可能であれば、メロディを担当している楽器のトップ奏者だけでいいので、変則的形態での練習をしてみて下さい。この箇所だけでなく、すべての同じような箇所について練習して下さいね。


[28小節目/全パート]
ここで一旦トランペットがメロディ担当から外れます。そこで、「A1小節前」に書いたことを思い出して下さい。ここは自分の演奏が終わるからと言って、メロディが終わるわけではない、ということです。ですから「言い切る(まとめない、収めない)」「他の楽器にバトンを渡す」こういった意思で演奏するように心がけましょう。


[30小節目/全パート]
またメロディとして参加します。しかし、ここで意識して欲しいのはバランスだけでなく、リズムです。


※ちなみに、この部分は92小節目の一部です。


この6/8拍子特有のリズムは、非常に多くの作品に登場しますが、意外に難しいものです。A.リードの序曲「春の猟犬」では最初から最後までこのリズムでバンド全体が埋め尽くされていますし、管弦楽では昔から「狩の合図」そこから派生した「ファンファーレ」などで非常によく出てきます。室内楽をよく経験されている方は、フィリップジョーンズブラスアンサンブルの「ロンドンの小景」1曲目「ロンドンは呼んでいる」が思い浮かぶかもしれませんね。

課題曲1を演奏するのでしたら、ぜひバンド全体がこのリズムを完璧に同じ表現にできるまで徹底的に練習することをおすすめします。したがって、基礎練習(音階練習など)でこのリズムを採用してみるのも良いかと思います。

具体的にどのような表現方法で演奏すると良いか、簡単に言うと、最初の付点八分音符を引っ張って演奏しないことがひとつ挙げられます。これをしてしまうと、ひとつ目の音が間延びしてしまい、非常に緩んだリズムになってしまいます。ですので、大げさに言えば、次の16分音符との間にほんの少し隙間を作って上げるようにすることを意識して下さい。ただし、音を止めてしまうのではなく、「ジャンプ」をしているイメージ(滞空時間があるイメージ)を持つことが良いと思います。

過去の記事に付点音符の演奏イメージを掲載したのでこちらにも載せますね。

付点解説
※音楽は、ひとつひとつを順番に鳴らそうとか、バラバラだった音符が単に横に並んでいると考えずに(そう考えると流れが生まれにくい)、音符の上のマリオのようなキャラクタが歩いたりジャンプした時、そこにある音が鳴るようなイメージだと演奏に流れ(=ベクトル)が生まれ、フレーズ感が出てきやすくなります。

詳しくは過去の記事「付点音符の吹き方」を読んでみて下さい。

そして、うしろにもうひとつ八分音符が付いているこの作品に頻繁に出てくるリズムの場合は、うしろ2つの音符をスタッカート(+アクセント)で強めに固く演奏するとサマになります。このリズムは、どうしても最初の付点音符が間延びしやすく、そして目立ってしまい、尻すぼみな演奏になりやすいので、意識的にうしろ2つをはっきり目立つように演奏してください。そうして大げさな音の形を表現することによって、やっと客席には3つの音が均等に並んでいるように(至って普通に)聴こえるものです。

こうした奏者と聴く人とのギャップは様々なところで出てきますので、ぜひ過去の記事「聴衆とのギャップ」を読んでみて下さい。指摘されて「ちゃんと吹いてます!」という反論はまったく意味のない行為なんですよ。常に客観的に、お客さん(客席)にどう聴こえているか、どう感じてもらったのか、それが全てです。


[練習番号Bに入ったら/全パート]
練習番号「B」は音符がありませんが、その後の41小節目のmute(con sord.)で慌てないために、このタイミングで膝裏に挟むか、左手で持っておくようにしましょう。

ミュートの素早いON、OFFについては過去の記事「ミュート1」をご覧下さい。


[39小節目/1st(2nd)]
この箇所のように唐突に高めの音(1st、人によっては2ndも?)を当てる時、どうしても心がひるんでしまったり、気持ちを強く持ちすぎて空回りしてしまい、結果として上手く当てられなかった、という経験はトランペット吹きなら一度はあるはずです。

結局のところ、この経験をよくする方は、ハイノートを「力で解決する」パターン(たとえそれが無意識だったとしても)がほとんどです。しかし、ハイノートに特別な力を必要としません。大切なことは「息のスピードを上げるための的確なセッティング」「ソルフェージュする力」「冷静な精神」です。

更に、ffやppなどの極端なダイナミクスが書かれていると、必要のない力がかかってしまいがちですので、ぜひ過去の記事群「ハイノート」カテゴリを沢山読んで実践してみて下さい。

ハイノートを的確に吹くための最大のポイントは「舌と顎の位置と使い方」です!息のスピードが速くなれば、音は高くなる、とまず冷静に考えて下さい。では、息のスピードを速くするにはどうすればいいか、それを考えて下さい。あとは過去の記事で。


[49小節目/1st,2nd]
この部分は本当にイヤですね。クラリネット1,2番が完全に同じ音、同じ動きですが、他に演奏する人はが誰もいません。
吹奏楽でのクラリネットは人数も多いですし、何よりトランペットパートと距離があります。それでこの素早い4つの音を合わせるというのはリスキーです。
しかし、じゃあ吹かない!と言えるわけもありませんから、何とかしないと。

合奏の時に何とかして合わせようという考えでは、他のパートの人たちを待たせてしまい、非常にもったいない時間の使い方をしてしまうので、それは回避したいところです。
したがって、クラリネットの人たちと合奏前に一緒に練習をしてみて下さい。その時、クラリネットはさらに2小節前から1stがsoloやら何やらやっているので、そこからの流れを共有するようにしましょう。もはやこの箇所は指揮者に合わせるなどという必要はなく(無視はダメですが)、パート練習で得たタイミングを信頼し、完全にアンサンブルをしている、という自覚で演奏するようにしましょう。クラリネットの人にアインザッツを出してもらえるようにお願いしてみると良いと思います。
最初は近い距離で練習し、慣れてきたらすこしずつトランペット奏者がクラリネットから離れていって下さい。そうして、合奏の時と同じくらいまで離れてもタイミングを合わせることができれば、合奏で怖いと思わなくなるでしょう。

また、トランペットはこの2つの音のスラーが続く楽譜を上手に演奏するのが苦手な方が多いです。ぜひこれと同じようなリズム(フレージング)を音階などでも用いて、基礎練習のひとつとして毎日吹いてみて下さい。

そして、この箇所のもうひとつの特徴は、クラリネットはpiu f(ピウ・フォルテ=フォルテよりも大きい)に対し、トランペットはmpという点です。このように同じ動きなのにダイナミクスが違うというのは「作曲者本人がある程度のバランスに対して配慮している書き方」です。要するに、客席に聴こえてくる音量バランスとして、クラがラッパに負けて欲しくない(=同じレベルで音が聴こえてほしい)、という意思の表れです。
作曲家によっては、そう思っていても楽器関係なくまったく同じダイナミクスで統一している方も沢山います。その場合は、楽器ごと(奏者ごと)に持っている勝手なダイナミクスバランスでfとpを吹き分けるのではなく、全体のバランスとしてのfやpであると考えて下さい。したがって、スコアを見た時、ある箇所でバンド全体にfと書いていた場合、「音楽(作品)のテンションがfである(音楽としてのテンションや音量バランス)」と理解します。
そして、この箇所のようにスコアをタテに見た時に楽器ごとにダイナミクスが異なっている時は、「それぞれの楽器に対して音量バランスを個別に要求している」と理解して下さい。


[50小節目〜練習番号「D」1小節目/1st,2nd]
このG.P(ゲネラル・パウゼ)のタイミングで(急いで)ミュートをはずすことになりますが、慌てて外すと「カン!」とベルに接触してしまいかねません。できるだけ慎重にはずしましょう(かと言って慎重にねじった時に「キュ」とか言うのもイヤですけどね)。
また、G.P.というのは基本的に「無音の空間」「時が止まったかのような空間」でなければならないので、特に生演奏の時は意識して欲しいのですが、奏者がフラフラしていてはG.Pにならないんです。まあ、どんな時でも舞台上でフラフラしているのはダメですけどね。G.P.は「間(ま)」という音楽なのですから(音がない、ということも音楽です!したがって休符も音楽です!)、そこで視覚的に動きが見られるのは、G.P.にならないと考えて下さい(舞台にいる全員が理解していなければなりません)。でもミュートははずさなければならない。そのため、できるだけ小さなアクションでミュートをそっと外し、次の練習番号「D」の八分音符を吹き終わるまではミュートをおろさないほうが(手に持ったままのほうが)無難だと思います。


[練習番号「E」〜/全パート]
このあたりから、トランペットがトランペットらしい目立ち方をしはじめます。だらしない演奏にならないためにも、統一感のある演奏をしていきたいものですが、具体的にどうするかと言うと、「八分音符をスタッカートで固く」という方向性が良いと思います。楽譜にはスタッカートが書かれてはいませんが、この場面の音楽が持っている力強さを表現するためにはそれが必要です。そして、八分音符がスタッカートであるぶん、対照的に四分音符はしっかりとベクトルの強いテヌートを意識し、しっかりのばすようにこころがけて下さい。


[109〜112小節目/全パート]
このメロディの実音Ges(記譜上ラのフラット)と実音Des(記譜上ミのフラット)の、Bb管で演奏する時の運指「2,3」はよく使う運指の中でも特に鳴りにくく、この箇所のように素早い動きの中にこれらの音が出てきた時、相当意識的に音を出さなければ、まず間違いなく埋もれてしまいます。そうならないためにはまず、これらの音の「ツボ」を見つけること。そして音の流れの中で「ツボ」からずれないで音を並べることができるようになることが大切です。決して乱雑な演奏にならないよう、客席に楽譜通りのリズム、音が聴こえているのか、ということを常に基準になるよう、演奏して下さい。

また、この箇所は108小節目までのクレッシェンドからff、が一旦fに戻っています。しかし、ffからfになったからといって、演奏が弱くなったり、勢いがひるんではいけません。それまでのffから仕切り直して演奏を再開する、という意識で演奏して下さい。

音のツボに関しては過去の記事「ハイノート(ハイトーン)へのアプローチ6」を読んでみて下さい。


[118小節目/1st,2nd]
この部分も1小節前からメロディが引き継がれています。24小節目同様、トランペットパートだけで適当に吹かないように気をつけましょう。


[136小節目アウフタクト〜/全パート]
先程、ダイナミクスも作曲家や書き方によって解釈が違うと解説しましたが、クレッシェンド、デクレッシェンド(ディミヌエンド)に関しても、そういったことがあります。
この部分のクレッシェンド、デクレッシェンドは、単なる音量の変化ではなく「メロディ(フレーズ)の頂点はどこか」を視覚的に指示していると見て下さい。
そう考えることで、137小節目のアタマが最初に頂点になり、音楽の重さがここに集中しています。そして、その後molto(=非常に)が付いた上でクレッシェンドが書いてありますが、ただ、その後トランペットは演奏をしていません。このような時はすぐスコアです。スコアを見ると、高音の木管楽器群(+シロフォン)が演奏しています。しかも、その吹き始めはsfz(スフォルツァンド)。ですから、この部分に向かってバンド全体がフレーズ(メロディ)のテンションを上げていく(木管楽器にバトンを渡す)意識を持って演奏して下さい。


[158小節目〜最後/全パート]
前回の記事でも書きましたが、普通の感覚でこういった作品を聴いていると、まさかここで終わるとは!という印象を持つことになるはずです。

「…???あれ?終わり?え?」

と、お客さんが「ざわ…ざわ…」とならないように演奏することが必要です。では、どのように演奏すればいいのか。その答えはひとつではありませんし、どう考えるか、どういう印象を与えてこの作品を終えるのか、そういったことでも変わってくるはずです。

ひとつだけ言えることは「この先が気になる!」という気持ちを持ってもらうことで、それが単なるストレスではなく「魅力」「期待」であるように心がけることだと思います。ですから、「早々と切り上げる」のはちょっと違うかな?と個人的には思います。あとはみなさんと指揮者で考えて、表現してみて下さい。

何にせよ、この作品はアンサンブルする力も非常に必要ですし、作品をどう料理(解釈して演奏)するかも、非常に難しいです。
楽譜に書いてあることを単純に表現していても何も面白くないと思いますから、ぜひお客さんを楽しませる「映画の予告編」的演奏をするようにイメージをふんだんに盛り込ませて、ある意味大げさに、そして明確に表現して下さいね。


それでは、課題曲1「最果ての城のゼビア」の解説を終わります。
また来週!


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at 06:30, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2014

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