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課題曲3 インテルメッツォ/保科洋 後編(吹奏楽コンクール課題曲トランペット解説)




みなさんこんにちは!

只今、「吹奏楽コンクール課題曲トランペットパート解説2017」と題しまして記事を書いております。
今回の課題曲3後編で全曲の解説を書いたことになります。
ただ、このシリーズを始めたときにお伝えしましたが、課題曲解説と言っても、作品の具体的なアドバイスなどを掲載したわけではなく、もっと広い視野で書かせてもらいました。
ですので、課題曲に限らずどのような作品を演奏するときにも参考になる記事ですのでぜひ読んでみてください。

==============================

課題曲1「スケルツァンド」/江原大介 前編
 演奏者はツアーガイド/楽譜を読む、ということ(テンポ、リズム、音の高低)

課題曲1「スケルツァンド」/江原大介 後編
 合奏は演奏者全員の個性を持ち寄る場/音をブレンドする?

課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 前編
 パート譜について/行進曲という音楽について

課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 後編
 拍のウラから入るときの吹き方/テンポが走ってしまう原因/ユニゾンを合わせるために大切な3つのこと

課題曲3「インテルメッツォ」/保科洋 前編
 「うた」ってなんだろう/うたいかた

課題曲4 マーチ「春風の通り道」/西山友宏 前編
 音の推進力/音量バランスを整える

課題曲4 マーチ「春風の通り道」/西山友宏 後編
 アーティキュレーションの表現方法/強弱のつけかた

課題曲5 メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕 前編
 現代曲ってなんだろう/楽譜とのジレンマ(異質なところを見つけよう)

課題曲5 メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕 後編
 楽譜の「見た目」から得られる印象

==============================

それでは課題曲3 インテルメッツォ/保科洋 後編を始めます。


《イメージだけで演奏は大きく変わる》
レッスンでは基礎的な課題を出すことが多いです。生徒さんはそれぞれその楽譜を演奏できるように練習をされ、それを聴かせてもらいますが、たびたび気になるのが「これはただの基礎練習」というスタンスで淡々と演奏してしまっている場合が多いのです。

フィンガリングは正しく、テンポも安定していて、ミスもない。そう言った点では完成度は高く素晴らしいのですが、どこかで「これはただのフィンガリング練習/リップスラーの練習 etc.」と思っているのでは、と感じ、「音楽」に至っていない印象を受けます。

そこで、僕は生徒さんにこ伝えることがあります。

「もしこの(教本のシンプルな)メロディが、吹奏楽のパート譜だったとして、しかも”solo”と書かれていたらどうですか?」

そう伝えると、演奏前から表情や覚悟が変わり、大切に演奏するようになり、途端に「音楽」にレベルアップします。


これは決して「突然上手になった」のではありません。生徒さんのもともと持っている「音楽性」が演奏に反映されたのです。
イメージの持つ力というのは想像以上に強い、ということなんですね。

他にも僕は「ここがレッスン室ではなく、大ホールの舞台でリサイタルを開いているイメージをしてみましょう。満員の客席からみんながあなたの演奏を注目していますよ」とか「もしあなたの演奏をあなた自身が客席で聴いていたとして、どんな評価をしますか?どこを褒め、どんなことにアドバイスをしたいと思いますか?」と質問することもあります。

基礎練習や教本は、どうしても主観的になりすぎる傾向があります。そこで、「本番」とか「お客さん」「ステージ」というワードを投げかけることで、客観的なイメージを持つようになるのです。音楽は演奏を聴いてもらって始めて成立するものですから、それがたとえたった1小節のフィンガリング練習曲であっても「音楽」を感じていて欲しい、と僕は思っています。


《すべてのパートがひとつの作品を構成している》
吹奏楽やオーケストラで演奏する自分のパート譜に”solo”と書かれた箇所があると「ああ、この曲ソロがあるんだよなあ。ドキドキ」と期待と不安が生まれることでしょう。
では、スーザのマーチのトランペット譜のように最初から最後までほとんど裏打ちしかない楽譜の合奏のときはどうでしょうか。「これつまんないんだよねー」「裏打ちしかないから余裕〜」とか思ってしまいませんか?

ソロが重要で、ソロじゃないところは重要でない。そんなわけありませんよね。

ピアノを演奏していて、右手はメロディだから一生懸命で、左手は伴奏だからテキトーな状態で良い演奏などできるはずがありません。

すべてのパートはひとつの作品を構築している音であり、不要なパートなどない、というスタンスで演奏に臨むことが基本です。ソロであろうがメロディであろうが裏打ちであろうが全員が重要なポストに就いていると思ってください。


《テンポ変化》
この課題曲3はテンポの変化が激しいです。変化、というよりも自然に起こりうる音楽的緩急が具体的に指示されている、といったほうが良いかもしれません。

フレーズが変わるところでは若干のテンポ変化(=rit.などは「大切に場面を切り替えて欲しい」という作曲者の気持ちを感じます)があったり、音楽が盛り上がるところではテンポが積極的に前進するようになっています。

[自発的なテンポ]
ピッチについてはしばしば話題になりますが、テンポに関しても誰かに合わせようとするのは合奏として手遅れになります。
テンポというのは、誰かが示したものに従っていくものではありませんし、楽譜に書かれているテンポ指示(メトロノームのクリック音)に従うだけなのもよくありません。

テンポは、まずそれぞれの奏者が自発的に決めておき、演奏するものです。

楽譜の指示やメトロノームは、あくまでも作曲者が想定していたテンポであり、寸分狂わず演奏しなければならない絶対的な存在ではありません。ですので、否定しない範囲で自分の感じるテンポを生み出すことが大切です。

同様に、テンポが変化するところも「rit.って書いてあるから遅くする」のではなく、その場面にrit.があることで作品がどのような印象を持つかをイメージし、演奏することが大切なのです。

なんでもそうですが「書いてあるから」「指示されたから」のような受け身で演奏をするのはよくありません。

音楽の解釈には「間違い」というものはありませんから、まずは自分のイメージで思い切り演奏して、そこから周りの奏者や指揮者の提案に擦り合わせていくように心がけてください。


《指揮者との関係》
指揮者って、なんだか絶対権力者みたいなイメージを持ちやすいですね。多分ですが、部活動などでは音楽の先生や音楽家の講師が指揮をすることが多いので、立場的に逆らえないように感じるからかもしれません。

しかし、指揮者というのは独裁者ではありません。
演奏者は指揮者の奴隷ではありません。

言うならば指揮者とは「現場監督」「プロデューサー」といった感じでしょうか。

指揮者は何もない「ゼロ」の状態から作品を作り上げていくのではありません。

指揮者はそれぞれの奏者が持ち寄ったイメージや表現を尊重しつつ、指揮者自身の中にある「完成形」に近づけていく仕事をする人です。ですから指揮者も、奏者がどんな演奏をしてくれるのか楽しみにしているのです。

しかし、奏者それぞれが好き勝手な解釈で演奏しているだけでは作品は完成しません。そこで指揮者が「方向性」を示し、「(今回は)こういった感じに作り上げます!」と、その名の通り「指揮」するのです。

ですから、例えばあなたのパートにfでメロディがあり、カッコよく激しい演奏がこの場面にはふさわしいと合奏で演奏したところ、指揮者としてはその場面は堂々と落ち着いたイメージを持っていたら、きっとあなたに「もっと堂々とした豊かなサウンドで」と提案すると思います。

しかしこれは、指揮者があなたの演奏を否定したわけではありません。
指揮者のイメージする作品の完成図と今回はたまたま違っただけです。

指揮者の言葉を補足するならこのようになると思います。

「(そういう発想もあるし、それはそれで悪くないけれど、指揮者の持つイメージとしては)もっと堂々と豊かなサウンドで(演奏したものを求めているので、今回はその解釈とは違う表現をお願いします)」

こんな意味合いが含まれている、と考えてください。

指摘されるということは、それだけ表現力が豊かで強い発信力を持っている(指揮者に届いている)ということなので否定されたと落ち込む必要はありません。

同じ場面でもいくつもの表現方法やイメージがあるのは、言って見ればカードをいくつも持っているようなものです。
その差し出したカードが偶然指揮者の求めていたものと違っただけで、そのカードがダメなわけではありません。


[過保護な指揮者は独裁者になってしまう]
指揮者と奏者の関係を解説しましたが、、現実的には指揮者が全部やろうとしている姿を多々目撃することがあります。

奏者たちが自発的に音楽を作り上げる力や方法を持ち合わせていなかったり、その力が弱かったりすると、どうしても指揮者は過保護になりがちて、いつのまにか指揮者が全部面倒を見るスタイルで合奏を進める習慣が身についてしまったのでは、と考えます。

こうなってしまうと指揮者は、まず奏者ひとりひとりの面倒を隅々まで見てあげなければなりません。それだけなら指揮者がひとりで苦労するだけなのでまだ良いのですが、奏者どうしの関係性が弱くなってしまうので、アンサンブルする力が育たないのです。これは合奏としては致命傷です。

結果、「奏者ひとりひとり」対「1人の指揮者」の構図が生まれてしまい、(不本意ながら)指揮者が独裁的存在になってしまうのです。

指導する側もあまり過保護になりすぎず、奏者の意識を育てられるレッスンができると、奏者同士の関係性も深まり、そのメンバーだからできる音楽が生まれます。


ということで、今回は合奏に参加するまでにしておきたいこと、そして合奏での指揮者との関係について書きました。
だれかと一緒に演奏する機会がある方はぜひ参考にしてください!

それでは、今回で吹奏楽コンクール課題曲トランペット解説2017を終了致します。
作品に対しての直接的な解説はほぼ皆無でしたが、掲載したすべての内容は演奏する上で必要不可欠で意味のあるものと思っています。ぜひみなさんそれぞれの立場で参考にしていただければ幸いです。

次回からも、もう少しだけ合奏やコンクール、本番などに役立つ内容を書いていきますので、どうぞよろしくお願いします。
また来週!


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at 05:39, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2017

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課題曲3 インテルメッツォ/保科洋 前編(吹奏楽コンクール課題曲トランペット解説)





みなさんこんにちは!

只今、「吹奏楽コンクール課題曲トランペットパート解説2017」と題しまして記事を書いております。
今回取り上げる課題曲3が最後の解説となります。他の作品に関しては以下のリンクよりぜひご覧ください。課題曲をご存知ない方にも理解でき、参考になる内容になっています。

==============================

課題曲1「スケルツァンド」/江原大介 前編
 演奏者はツアーガイド/楽譜を読む、ということ(テンポ、リズム、音の高低)

課題曲1「スケルツァンド」/江原大介 後編
 合奏は演奏者全員の個性を持ち寄る場/音をブレンドする?

課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 前編
 パート譜について/行進曲という音楽について

課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 後編
 拍のウラから入るときの吹き方/テンポが走ってしまう原因/ユニゾンを合わせるために大切な3つのこと

課題曲4 マーチ「春風の通り道」/西山友宏 前編
 音の推進力/音量バランスを整える

課題曲4 マーチ「春風の通り道」/西山友宏 後編
 アーティキュレーションの表現方法/強弱のつけかた

課題曲5 メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕 前編
 現代曲ってなんだろう/楽譜とのジレンマ(異質なところを見つけよう)

課題曲5 メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕 後編
 楽譜の「見た目」から得られる印象

==============================


そして今回から課題曲3 インテルメッツォ/保科洋 です。

今年度の課題曲が発表されたときに保科先生の名前があり、とても期待度が高まりました。

保科先生といえば僕の中では大昔の課題曲だった「風紋」がとても印象深く心に残っています。僕は中学3年生のときの吹奏楽コンクールの「自由曲」としてこの作品を演奏しました。課題曲として発表されてからかなり経過してからです(そう言っておかないともっと年上に見られちゃう(笑))。

吹奏楽といえば管楽器も打楽器もみんなでドンチャンドンチャン大賑わいのイメージばかりだった中学生の僕にとって、保科先生の持つ世界観、吹奏楽でもこんな音楽が奏でられるのか、という新しい体験をさせてもらった作品です。

今回の「インテルメッツォ」もやはり保科節と言ってもいいでしょうか、美しい管楽器アンサンブルの世界が終始繰り広げられています。

やはり保科作品の中心軸にあるのは「うた」だな、と思います。

そこで今回の記事では「うた」「うたう」ということについて掘り下げてみます。


《「うた」ってなんだろう》
音楽の世界では「うた」「うたう」という言葉が頻繁に出てきますね。

トランペットを始めたばかりの頃、先生に「もっとうたって!」と言われ、「楽器を吹いているのに歌えるか」と本気で思ったことを覚えています。もちろん、楽器を演奏しているときの「うたう」とは、声に出して「ラララ〜」とうたうのとは違います。

では、「うた」「うたう」とは具体的にはどういったことなのでしょうか。


[歌心]
美しい演奏を聴いたとき、「あの人は歌心があるね」という表現をします。

「うたう」+「こころ」=その人の心の中に「うた」がある

そんな感じでしょうか。


「うた」とは音楽や、その演奏のことを指していると考えられます。


では「心」とはどういう意味なんでしょう。非常によく使う単語ですが、説明するとなると難しいですね。
辞書で調べてみましょう。

====================================
こころ【心】
■人間の体の中にあって,広く精神活動をつかさどるもとになると考えられるもの。
1.人間の精神活動を知情意に分けた時,知を除いた情意をつかさどる能力。喜怒哀楽快不快美醜善悪などを判断し,その人の人格を決定すると考えられるもの。「―の広い人」「―の支えとなる人」「豊かな―」「―なき木石」
2. 気持ち。また,その状態。感情。「重い―」「―が通じる」
3.思慮分別。判断力。「―ある人」
4. 相手を思いやる気持ち。また,誠意。「母の―のこもった弁当」「規則一点張りで―が感じられない」
5.本当の気持ち。表面には出さない思い。本心。「―からありがたいと思った」「笑っていても―では泣いていた」
6.芸術的な興趣を解する感性。「絵―」
7.人に背こうとする気持ち。二心。「人言(ひとごと)を繁みこちたみ逢はざりき―あるごとな思ひ我が背子」〈万葉集538〉

■ 物事の奥底にある事柄。
1. 深く考え,味わって初めて分かる,物の本質。神髄。「茶の―」
2. 事の事情。内情。わけ。「目見合はせ,笑ひなどして―知らぬ人に心得ず思はする事」〈徒然草78〉
3.言葉歌文などの意味内容。「文字二つ落ちてあやふし,ことの―たがひてもあるかなと見えしは」〈紫式部日記〉
4. 事柄の訳根拠などの説明。また謎(なぞ)で,答えの説明。「九月の草花とかけて,隣の踊りととく,―は,菊(聞く)ばかりだ」
(スーパー大辞林より抜粋)
====================================

なるほど。そもそも幅広い用途があるから説明するのが難しいんですね。
では、前回の記事で書いた、アーティキュレーションをつける意味や方法が見えてこないときの対処法と同じように、こういったときは逆転の発想をしてみましょう。


「心がない」


これだと、どんなイメージを持ちますか?


冷たい、感情がない、人間味がない、そっけない、機械的


こういった感じでしょうか。
中でも「機械的」という表現はわかりやすいですね。

機械は、自分の意思や欲求を持っていません。
自分が「こうしたい」というものを実現しようと努力をしません。

それが人間と機械の(現在の)線引きだと思います。時間の問題なのかもしれませんが。

「欲」と聞くとなんだかネガティブなイメージで用いられることが多いのですが、相手に対して「自分の思いを伝えたい」「こう感じてもらいたい」「共感してもらいたい」「考えてもらいたい」とういった気持ちは決してネガティブなものではなく、特に音楽では必要不可欠です。ほとんどの場合、作曲家は何かを伝えたいから作品を書き上げています。音楽にはメッセージが込められていることがほとんどです。


ということで、「うたごころ」とは、「自分が思うことを、音楽(=うた)で聴く人へ伝える力」


と言えるのではないでしょうか。


【「伝える」方法はいくつもある】
テレビやインターネットで面白いもの、興味深いものをみつけたとき、他の人にも伝えたい、知ってもらいたいと思うことはよくありますよね。

「伝えたい」と思ったそのとき、あなたの心の中では「私の感情を理解してもらいたい」「共有したい」「共感してもらいたい」といった状態になっています。

そしてその伝達方法は、ほとんどの場合言葉やジェスチャーによって行われます。一番身近な手段だからです。


しかし「伝える」方法は他にもたくさんあります。


例えば文字におこすという方法。これによって生まれたのが小説やエッセイ、詩、ブログなどです。

視覚で伝える方法もあります。絵画や彫刻、書、写真、建築などです。

そして、音で伝える方法が、音楽です。

いくつかの方法を合体させたものもたくさんありますね。映画、演劇、歌舞伎、能、狂言、バレエ、オペラなど。


このような五感に直接訴えかける表現方法を「芸術」と呼びます。


しかし、使い慣れている言語(言葉、喋り)でさえ、自分の思ったことを理解してもらえるのは苦労がいります。
一生懸命に伝えようとする気持ちだけでは、相手の心に深く刻み込ませることは難しいのです。

方法を間違えると、まったく違う受け捉え方をさせる可能性もあります。例えば、明るく楽しい話題で、それを相手にも感じてもらいたいと思っていたにもかかわらず、声のトーンが低く、ボソボソと暗い顔をして話していたら、内容がどんなに楽しくても「これは怪談なのか」と思われるかもしれません。

そうならないためにも、自分が伝えたいことを的確に届けるにはある程度のテクニックが必要になります。言葉で伝える場合には「喋り」のテクニックです。発する言葉のスピード(緩急)やトーン、滑舌、リズム、強弱、間(ま)、わかりやすい文法や話題の展開、単語のチョイス、ジェスチャー、表情、視線など。

これらは音楽でも同じです。


[まとめ]
これまでの話をまとめてみると、こうなります。

 ■人間は心を伝える気持ちを持っている
 ■音楽は心を伝える手段のひとつ
 ■心を伝えるには技術が必要



【うたいかた】
では具体的にどのような表現方法をとるのがいいのか、という説明をしだすとこのブログ記事が終わらなくなってしまいますし、これまでの内容でご理解いただけたと思いますが、自分がどんなことを想い、その作品を介して伝えるのかによってメッセージは様々に変化していきます。
ですので、感情や作品それぞれのシーンの数だけ表現方法があるわけですから、ここですべてを伝えることは不可能です。

ということで重要なことだけお伝えします。


[自然]
ここで言う自然とは、「地球上」で起こりうる現象を指します。
話題が突然壮大になったように感じますが、とても身近なことです。例えば、以下をイメージしてください。

ボールを上に投げたら…しばらくして絶対に落ちてくると思いますよね。
重い物を落としたときと、軽いものを落としたときのうごきや結果は…絶対違いますよね。
矢を遠くへ放つとどんな軌道を描くか…イメージできますよね。
車や自転車が発車するときのうごきは…少しゆっくり動き出してから速度が上がりますよね。
ブレーキをかけて停車する電車や車は…徐々にスピードが落ち、やがて止まりますよね。

逆に、ボールを上に投げても落ずに浮いていたら、それは不自然であり、地球にいないのかな?と思うはずです。
さっきまでものすごい速さで走っていた電車が、前触れなくピタっと停車したらそれは現実ではない、と思うはずです。


演奏でも、例えばアウフタクトのメロディの出だしをほんの少し時間をかけて演奏すると、「うた」を感じます。テンポは一定でありキープするもの、と思われがちな音楽ですが、車や自転車がスタートしたときの運動に似ているテンポの揺れは、かえって「自然」なものと感じられます。

メロディ(フレーズ)の最後を、楽譜に指示が書いていなくても、少しブレーキをかけて演奏すると「丁寧さ」や「優しさ」を感じる演奏になります。

拍やビートから乱れずに均一な演奏をもとめられがちな音楽ですが、矢を遠くへ放った軌道のような長いフレーズ感でメロディを演奏すると、気持ち良い流れが生まれます。そのとき、多少のリズムのずれやテンポのゆれがあったとしても、強いフレーズ感を持った演奏であれば違和感がありません。


これらは地球上でおこる当たり前のうごきなので「自然」なのです。
「自然(=地球上で起こるであろううごき)」な演奏は聴く人に安心感や共感を与えます。


人間は呼吸をしています。呼吸は自然であり、必要不可欠な存在なので、それが音楽に組み込まれているか、も大切な要素です。
よく「カンニングブレス」とか、「できるだけブレスをしないで長く演奏する」とか「打楽器だからブレス関係ない」とか聞きますが、まったく違います。
メロディでもなんでも、音楽は呼吸を感じられる瞬間が定期的に存在していなければなりません。「ブレスは悪」「(本当はしてはいけないので)コソコソブレスする」といった意識を持っているからこそ、ブレスが音楽と一体にならず、違和感を生み出してしまうのです。ブレスはしっかり時間をかけてとることを基本と考えてください。


[不自然]
しかし、最初から最後まで自然体でいすぎると、リラックスはできますが刺激がありません。
音楽は地球上にいながらどんな表現もできてしまうわけですから、ときには想像を裏切る「意外」な演奏をするのも面白いです。

上記の真逆な表現をする、ということですね。

「うたう」表現には、そういったものも含まれて良いと思います。


[不安定]
テンポや運動について書きましたが、他にも音色の変化やヴィブラート、強弱なども含めた多様な「うた」の表現ができるようになると、より聴く人が引き込まれていく演奏ができるようになります。

しかし、どんなに美しい表現であってもそれを濫用しすぎて不安定になったり、TPOにそぐわないものだと逆効果になってしまいます。


そういったことも念頭に入れて、まずはとにかく機械のように演奏しないことを目指してください。


また、音楽は必ず「サイズ」が存在しています。テンポと拍子、そして小節数によって演奏する時間が決まっているのです。ですから、たとえばうたおうと思ってアウフタクトに時間をかけたり、テンポをゆるめっぱなしにすると、あらかじめ与えられた時間枠に収まらない事態が発生します。
これでは音楽になりませんから、注意が必要です。
テンポが緩まったら、どこかでそれを清算できる箇所が必要になります。

ただ、それは作品や場面、そのときの演奏によって変化しますので、ここでは具体的なことは言えないのですが、こう覚えてもらえるといいかな、と思います。

 ■メロディ以外を音楽を基盤として尊重する(メロディにすべてが合わせていくわけではない)
 ■フレーズの入りや終わりのタイミングは揃うようにこころがける
 ■緩めたら取り戻す時間を設け、常にプラスマイナス0になるようにこころがける
 ■和音が変わる瞬間は、うたい込みすぎず、タイミングを合わせる

こんな感じでしょうか。

ちなみに、うたうのはメロディに限ったことではありません。作品全体が最初から最後まで機械的にならないことが「うた」なので、演奏者全員がうたを感じて演奏することが大切です。ただ、心の中にある「うた」を具体的に表現として出すか、そうではないか、もしくは他の奏者の「うた」を感じて共感したり、うたい込みすぎないように一定の流れをキープするなど、それぞれの役割や意識がどうであるかは変化します。

ぜひたくさんの上質な演奏を聴き、「うたう」とはどういうことか、そしてどんな表現方法があるのかを研究してみてください。

奏者の数だけ「うた」があります。


ということで、今週はここまでです。
また来週!


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at 07:30, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2017

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課題曲4 マーチ「春風の通り道」/西山友宏 後編(吹奏楽コンクール課題曲トランペット解説)





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課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 前編
 パート譜について/行進曲という音楽について

課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 後編
 拍のウラから入るときの吹き方/テンポが走ってしまう原因/ユニゾンを合わせるために大切な3つのこと

課題曲5 メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕 前編
 現代曲ってなんだろう/楽譜とのジレンマ(異質なところを見つけよう)

課題曲5 メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕 後編
 楽譜の「見た目」から得られる印象

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そして前回から課題曲4 マーチ「春風の通り道」/西山友宏 について書いております。前回の記事はこちらからご覧いただけます。


《アーティキュレーション記号の表現》
この作品にも多く出てくる「アーティキュレーション記号」ーーアクセントやスタッカートといったそれぞれの音に対しての演奏の仕方の指示記号ですが、具体的にどう演奏していいのかわからない、という声をよく聞きます。

スタッカートだったら音を短く、アクセントだったらタンギングを強く…確かに大雑把な言い方をすればそれも間違いではないかもしれません。
しかし、ここで視点を変えて考えて欲しいのです。

「作曲者(編曲者)は、どんな演奏をしてほしくてこの記号を付けたのだろう」
「作曲者(編曲者)の中にある完成したイメージとはどういったものだろう」

演奏者側として見た楽譜は「指示書」「マニュアル」のような印象を持ってしまい、「指示されているからその通りやらなきゃ」と、なんだか他人事のような受け取り方をしがちです。しかしそれらの記号ひとつひとつには作曲者の思い、どのように演奏して欲しいか、という気持ちが込められています。

ということは、「その『音符』をどのように演奏すべきか」をもっと視野を広げ、「その『メロディ』は(作品の中で)どのような演奏になることを作曲者は望んでいるのか(どんなイメージを持って作曲したのか)」とまずは考えてみましょう。

もし、もっとイメージを広げることができるのであれば、「この作品(場面)はこのように演奏できたらベストだろうな」と、作曲者の持つイメージを汲みつつ、自分だったらどう演奏するのか、というところまで発展させられるのが理想です。

ただテンポ通り音価通りの機械的な演奏ではなく、イメージを膨らませ、表現力を豊かに発揮して演奏してください。


[イメージがわかないときは]
でも、どうしてもイメージが湧かない、どうやって演奏していいのかわからない場合はこのように考えてみましょう。

「もしその記号がなかったらどんな演奏になるのか」
「その記号と真逆の演奏をするとどうなるのか」

逆転の発想です。

例えばスタッカートが連続している場面があったとします。その部分をわざとテヌートのような真逆の表現で吹いてみましょう。
すると、その演奏は「作曲者が一番望んでいなかった表現」の可能性が高いわけです。

他にも、アクセントのところをわざと棒読みならぬ棒吹きで演奏してみるとか、スラーのところを全部区切ってみるなど、とにかく真反対の表現をしてみます。

このように作曲者のイメージに近くのが難しい場合は、一旦遠ざかってみると比較対象ができて見えてくるものがあります。
ぜひやってみてください。


《ダイナミクス変化の仕組みと演奏方法》
この作品の最後に「fp(フォルテピアノ)+クレッシェンド」が出てきます。
fpは様々なジャンルで要求される奏法ではありますが、なかなか上手に表現できない方が多いように感じます。

なぜか。

それは、fp以前に「ダイナミクス(強弱)の変化を感覚的に行っている」ことが原因ではないか、と思うのです。

そこで今回は、ダイナミクス変化の原理から解説してみたいと思います。


[音量の変化はどこで行われているのか]
音量変化は、「体内の空気圧」によって変化します。みなさんフォルテで演奏するときのほうがお腹にかける力を(無意識であっても)強くしていますよね。詳しいことはここでは割愛しますが、いわゆる「腹筋」に力がかかると腹圧が高まり、横隔膜を下から強く押し上げ、その結果肺を中心とした空気が充満しているところの圧力も高くなります。これがフォルテ時の「体内の空気圧変化」です。


[空気圧は他にも作用する]
体内の空気圧変化によって音量は変わりますが、空気圧が高くなると、同時にアパチュア(唇部分で作った空気の通り穴)を通過する「空気のスピード」も変化します。

空気スピードが速くなると、音のピッチが上がります。
この空気スピードの変化が同時に起こることを理解しているかで、音量変化のクオリティが変化するのです。


[f(フォルテ)演奏時]
大きな音量で吹こうとしてお腹により強い力をかけるところまでは良いのですが、同時に起こるピッチの上昇を抑えなければなりません。
かと言って、アパチュアやその周辺を意識的に変えてしまうと音色を悪くしたり、ツボからずれてしまうことになるので他の方法でピッチコントロールをする必要が出てきます。
こうなると手段はひとつ。「口の中=舌の位置やうごき」を使います。

舌が上アゴから離れていけばピッチは下がるので、fで演奏するときは(それよりも弱い音と比較して)、舌を下げぎみ(口の中を広め)にすることでバランスを整えます。


[p(ピアノ)演奏時]
p演奏時はこの逆です。

fのときと比較して音量を下げていく場合は、空気圧を下げる(お腹の力を少しずつ弱める)とともに、高いピッチを出す方向に舌を移動(口の中の一部を狭く)して、ピッチを上げる状態にします。


このように同じピッチの音を出していても、音量が違えば口の中のセッティング(ピッチコントロール)も変化する、ということなのです。


[cresc.(クレッシェンド)/deceresc.(デクレッシェンド)]
音量が徐々に変化していくcresc.やdecresc.(dim.)の場合は、それらが演奏中に変化していきます。cresc.の場合はお腹の力をかけていくにつれて口の中を広くしていきます。

ところでcresc.はできるけど、decresc.が苦手、うまくいかない(うまくいっていない)方、多くないですか?
音量を小さくしていくと、ノイズが増えたり音色が悪くなったりピッチが上ずってしまったり…。この原因はアパチュアでコントロールしてしまっているからなのです。

音量を下げようとお腹の力を緩めていったとき、同時にピッチが下がっていくことに気づき、ヤバい、なんとかしなきゃ!と咄嗟にアパチュアや口周辺でピッチを保とうとしてしまうと、途端に音色が悪くなってしまいます。

こうならないためにも、

 1.アパチュアは音色を生み出すための仕事だけ!意図的にコントロールしない!
 2.口の中(舌とアゴ)でピッチコントロール
 3.お腹で音量をコントロール

と、それぞれの役割をわけておくことが大切です。


[fp(フォルテピアノ)]
ということで、fp(フォルテピアノ)を表現するためには、ひとつの音の中で素早くからだをコントロールする必要があります。

ただ、fpというのは名前の通り「fのあとpにする」という指示ですから、「f」であると聴く人が理解できる程度の時間は必要です。よく音を出した瞬間に、あまりにも素早くpにしようとしてしまう方がいますが、それだと受ける印象はfpではなくなってしまうかもしれません。

もし可能であれば、イメージしていた結果と実際の演奏のギャップがなくなるまで、自身のfpの演奏を録音し、聴いてみましょう。そして、他の奏者とどのくらいの時間fの状態をキープするか、演奏の統一を目指して一緒に練習してください。


ということで、今回はアーティキュレーションの表現と、強弱の付けかたについて解説しました。
ぜひ課題曲にも反映させてくださいね。

それではまた来週!


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課題曲4 マーチ「春風の通り道」/西山友宏 前編(吹奏楽コンクール課題曲トランペット解説)






みなさんこんにちは!

只今、「吹奏楽コンクール課題曲トランペットパート解説2017」と題しまして記事を書いております。
すでに課題曲1「スケルツァンド」と課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」、課題曲5「メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜」の記事は掲載していますので、以下のリンクよりぜひご覧ください。課題曲をご存知ない方にも理解でき、参考になる内容になっています。

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課題曲1「スケルツァンド」/江原大介 前編
 演奏者はツアーガイド/楽譜を読む、ということ(テンポ、リズム、音の高低)

課題曲1「スケルツァンド」/江原大介 後編
 合奏は演奏者全員の個性を持ち寄る場/音をブレンドする?

課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 前編
 パート譜について/行進曲という音楽について

課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 後編
 拍のウラから入るときの吹き方/テンポが走ってしまう原因/ユニゾンを合わせるために大切な3つのこと

課題曲5 メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕 前編
 現代曲ってなんだろう/楽譜とのジレンマ(異質なところを見つけよう)

課題曲5 メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕 後編
 楽譜の「見た目」から得られる印象

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そして今回からは課題曲4 マーチ「春風の通り道」/西山友宏 について書いて参ります。


《均一だけのテンポは飽きる》
課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」の解説のときにも書きましたが、「マーチ=均一なテンポの継続、維持」と捉えてしまうと、とてもつまらないものになってしまいます。

飽きるんです。

もちろん、メトロノームが刻むような「拍」としてのテンポが緩んだり、加速するのは避けるべきです。そういった点で言えばテンポは均一と言えます。

しかし、テンポというものは、光の点滅のような、機械的な繰り返しだけで生まれているわけではありません。


[印象がテンポ感を変える]
例を出してみましょう。

四分音符=120で繰り返すメトロノームに合わせて歩いている二人がいたとします。


ひとりはとても嬉しそうに元気一杯に腕を振り上げて歩いています。
もうひとりは肩を落とし、うなだれて、足を引きずるように歩いています。


この二人、同じテンポで歩いていますが、受ける印象は明らかに違いますね。

明らかに足を引きずって歩いている人のほうが、前に進まなそうな印象を持ちます。鋭気がなく、いまにも倒れてしまいそうで生命力を感じません。結果、元気に歩く人に比べると遅さを感じます。

演奏者も同じです。ただメトロノームにテンポを合わせようとするだけでは、行進曲を行進曲らしく演奏することはできないのです。


[推進力]
課題曲4は「元気な行進曲」です。演奏者の義務として、この作品が活きる演奏を心がけなければなりません。音色のイメージやスタッカート、アクセントなどのアーティキュレーションの表現についても同様です。

そのために大切なのは「推進力」です。推進力とは、前に進む力のことで、テンポとは違うものです。
先ほど例に出した「歩く」うごきで言うなら、「足を踏み出す力」「体が前にグッと進んだ動き」と言えるでしょうか。

推進力の度合いや変化は、メトロノームの刻みでは表現できないことです。

勘違いしないでほしいのが、推進力がない音=停滞した印象を持つ音が決して悪いわけではない、という点です。作品や場面によっては、足を引きずるような重々しく、前に進まない演奏が効果的なことも多々あります。しかし、この行進曲では良い表現とは思えません。


[推進力のコントロール]
テンポではない推進力をコントロールするためにはどうすれば良いのでしょうか。
具体的には体内の空気の「圧力」が継続しているときや、強くかかっている場合は推進力を感じます。もちろん、必要以上に空気圧を強くしてしまうと、演奏そのものに支障が出てしまうので注意が必要です。

また、音を抜くクセを持っている奏者や、そういったスタイルが常習になっているバンドでは、推進力を感じさせる演奏は難しくなります。演奏の基本は各音が楽譜に指定された長さを抜いたり押し込んだりせず、一定であり、変化しないことです。音を抜いてしまうような吹き方は、前に進む印象ではなく、煙のように上にホワ〜っと抜けてしまう演奏になってしまいます。

また、フレーズ感を持たずに各音をひとつひとつ置くように吹いてしまうのも推進力が生まれません。
メトロノームを鳴らしながら曲練習をすると、無意識に拍ごとに音をはめ込もうとしてしまい、このような演奏になることが多いです。

そういった点に気をつけながら、推進力を強く感じる音を出す練習をしてみてください。


[音符によってキャラクターを統一する]
ひとつのメロディやフレーズを演奏している中で、同じ八分音符なのに長かったり短かったり、抜いてしまったり張ったままだったりと統一感のないバラバラな演奏をすると、雑な(デタラメな)印象を聴く人に与えてしまいます。
そこで、基本的にはそれぞれの音価(四分音符や八分音符など)の吹き方を統一しておくことが大切です。

例えばこの作品のように元気の良い、もしくは勇ましい印象の音楽では、僕は以下のようにキャラクターの吹き分けをしています。

■四分音符以上→推進力を感じられるテヌート
■八分音符以下→軽快さと音の固さを感じられるスタッカート

それぞれの音符にスタッカートやテヌートが書いていなくてもこのように演奏します。もちろん、作曲者が指示しているアーティキュレーションがありますので、それを優先した上ですが、このようにしておくことで、統一感のある演奏をすることができます。


《音量バランスを整えよう》
オーケストレーションーーどの楽器にどんなことをさせるのかを考え、楽譜に記すことも作曲家の大事な仕事です。絵画で言えば配色といったところでしょうか。
どんなに美しいメロディでも、ここで失敗してしまうと作品が活きません。

フランスの作曲家、モーリス・ラヴェルは「音の魔術師」なんて呼ばれ方をされていて、確かにそれぞれの楽器の使い方、楽器同士の組み合わせなどが絶妙です。
有名な作品に「組曲 展覧会の絵」というのがあります。これは元々ロシアの作曲家、ムソルグスキーの作ったピアノソロ曲ですが、オーケストラで演奏される機会のほうがよほど多く、そのほとんどすべてがラヴェルが編曲版です。

というのも、この「展覧会の絵」、他の編曲版もあるんです。しかし、こう言っては失礼かもしれませんが、聴き比べると同じ曲とは思えないほどラヴェルの秀逸さを感じます。

吹奏楽でもこれは同じで、作曲者は各楽器が一番活きてくる音域や使い方などを知っていること、そして、それぞれの楽器が組み合わさったときの響きを理解して楽譜に書いているのか、といったことがその作品の完成度を大きく左右します。


[ユニゾンの多い吹奏楽]
オーケストラの場合はたくさんの弦楽器がそれぞれのパートに複数人いて、ユニゾン(同じ動き)で演奏するので管楽器はみんなソロ楽器という位置づけになります。対して、吹奏楽は弦楽器がないぶん、ユニゾンで演奏することがとても多くなります。

ですから、自分が演奏するとき、場面ごとにソロなのかトランペットパートみんなで演奏しているのか、他の楽器とユニゾンで演奏しているのかを知って演奏することが大切です。

そしてユニゾンであっても、トランペットが中心になって(先頭に立って)演奏する場面なのか、バンドの中の1部であるのかも理解しておきたいところです。

そのためには、まずスコアを見ることです。そして、作曲者(編曲者)は、どんなイメージで書いたのかを想像してください。それが正解か不正解かは問題ではなく、「自分はどう演奏するのか」を決めておくことがとても大切なのです。


[バランスを整える一番大切なこと]
ソロであっても、他の楽器と一緒に演奏するときであっても、バンド全体の「バランス」は大切です。特に金管楽器が吹きすぎてしまい、木管楽器がその音量に太刀打ちできず、まるで金管バンドみたいな演奏になっているのをよく見かけます。これは避けたいところです。

では、すべての楽器がきちんと客席まで届くためのバランスで演奏するためにはどうすれば良いでしょうか。
一番大切なことは、

「自分以外の音も聴こえているか」

です。

大概バランスが崩れているのは、吹きすぎてしまって他の楽器をかき消してしまっている場合です。お客さんはトランペットばかりが鳴りまくる演奏を聴きたくて会場に足を運んだわけではなく吹奏楽を聴きにきたのですから、それではストレスになってしまいます。

金管楽器同士で、「誰が一番大きい音が出せるか選手権」みたいに音量競争をしはじめる演奏を聴いたこともあります。これはもはや音楽ではありません。

逆にコソコソと演奏してトランペットの音が聴こえないのもよくありませんね。

ですから、必ず自分以外の音も耳に捉えている状態で演奏してみましょう。そうすることで、たとえ楽譜にffと書いてあっても、他の楽器をかき消すように吹きまくることもなくなるはずです。

金管以上にシビアなのが打楽器です。本位でなくてもちょっと力が入ってしまうと途端にすごい音量でバンドをかき消してしまいかねません。もしバランスを保てない打楽器奏者がいたら、「木管楽器の音、聴こえていますか?」とその方に伝えてください。

ということで、今週はテンポについて、そしてバランス作りについて書きました。

ではまた来週!


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課題曲5 メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕 後編(吹奏楽コンクール課題曲トランペット解説)






みなさんこんにちは!

只今、「吹奏楽コンクール課題曲トランペットパート解説2017」と題しまして記事を書いております。
すでに課題曲1「スケルツァンド」と課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」の記事は掲載していますので、以下のリンクよりぜひご覧ください。課題曲をご存知ない方にも理解でき、参考になる内容になっています。


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課題曲1「スケルツァンド」/江原大介 前編
 演奏者はツアーガイド/楽譜を読む、ということ(テンポ、リズム、音の高低)

課題曲1「スケルツァンド」/江原大介 後編
 合奏は演奏者全員の個性を持ち寄る場/音をブレンドする?

課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 前編
 パート譜について/行進曲という音楽について

課題曲2「マーチ・シャイニング・ロード」/木内涼 後編
 拍のウラから入るときの吹き方/テンポが走ってしまう原因/ユニゾンを合わせるために大切な3つのこと

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そして前回から課題曲5「メタモルフォーゼ 〜吹奏楽のために〜/川合清裕」について書いております。前回の記事はこちらからご覧いただけます。


《G線上のアリア》
突然ですがこちらをお聴きください。



J.S.バッハ作曲の管弦楽組曲第3番より「アリア」です。単発で演奏されるほうが圧倒的に多く、「G線上のアリア」というタイトルでご存知な方もたくさんいらっしゃることと思います。

では、ここで問題です。
この作品のオジリナルの楽譜はどうなっているのか、みなさんイメージしてみてください。


正解はこちら↓




音価が細かくて意外だった方も多いのではないでしょうか。

演奏から受ける印象からだと、とてもゆっくりな楽曲ですので、きっと楽譜もたくさんの白玉(2分音符とか)が並んだ白っぽい楽譜なのだろう、と無意識にイメージしてしまいがちです。

しかし、4/4拍子の曲を2/2で書くことができるように、同じ音楽でも、楽譜の書き方は何通りもあります(厳密にはまったく同じではありませんが、機械に演奏させれば同じになります)。


《課題曲5の楽譜》
楽譜というのは、作品に対する印象を操作する力を持っています。

楽譜に対する印象操作は、この課題曲5も同じです。

最初に楽譜(スコア)を見たときに、毎年のことですから覚悟はしていましたけど、やっぱり第一印象は

「楽譜、黒っ!!」

でした。
しかもよくよく見て驚いたのが、拍子です。いたるところに「32分の○○拍子」が出てきます。


(課題曲5 121小節目)

拍子の分母が32分音符なのって、多分見たのは初めてです。

なぜこんな細かい楽譜にしたのでしょうか。
とりあえず、これをもっと一般的な分母で書き直してみましょうか。



ああすっきり。



読みやすい。演奏に集中できます。


《楽譜の見た目から得られる印象》
吹奏楽部でトランペットを吹いていた頃の話。
A.リード作曲の「アルメニアン・ダンス パート1」の合奏練習時、最後の「ゆけ、ゆけ」の場面になった途端に木管楽器が猛烈なスピードで演奏し始めたことがあります。正確に言うと、16分音符が出てきた途端に、急激にテンポが上がった…むしろ、変わったと行ったほうがいいかもしれません。


8:20あたりから「ゆけ、ゆけ」が始まります。

「ゆけ、ゆけ」からお聴きになる場合はこちらから


アルメニアンダンスは最後の「ゆけ、ゆけ」の前の曲がとてもゆったりたっぷりなので、それぞれの曲に対する印象のギャップもあったのかもしれません。

しかし、理由はもっと他にあると思っています。

みなさんも経験がないでしょうか。手にした楽譜が16分音符ばかりで真っ黒だったときと、4分や2分音符ばかりの余白の多い楽譜のときでは受ける印象は大きく変わりませんか?

中でも、見た目が細かく、黒っぽい楽譜に対しては「速い」という印象を持ちやすいです。なぜなら「16分音符は速い=速く演奏しなければならない」と、無意識に感じてしまいやすいからです。

しかし、楽譜の見た目と実際の演奏から受ける印象が必ずしもイコールで結ばれるわけではありません。今回の記事の冒頭で紹介したバッハの「G線上のアリア」がそれを証明していますね。


《楽譜から得られるイメージが音楽に反映されている》
この課題曲5も同じことが言えます。そんなに大慌てで演奏するような場面はありません。拍子記号が32分音符である結果、連桁や旗が異常に多くなってしまい、楽譜が細かく、黒っぽい印象を受けるだけです。先程の譜例のように、もっとゆったりした書き方は本当だったらいくらでもできるはずなのです。

演奏者にとっても、ここまで旗や連桁が多い楽譜にされてしまうと、初見で演奏するのが非常に困難です。読みにくいし、リズムも読み間違えやすいです。記号が細かくなれば、スタッカートなどのアーティキュレーション記号も音符から距離が遠ざかってしまったり発見されにくかったりと、とにかく楽譜を読むのが大変です。

ではなぜこのように複雑な楽譜にしかのか。ここからは僕の憶測なので実際のところはわかりませんが、作曲者はそもそも「楽譜のややこしさから生まれる音楽」を求めているのではないか、と思うのです。

要するに、見た目を複雑な楽譜にすることによって演奏者の「緊張感」を生み出そうとしているのではないでしょうか。

こまごましている楽譜は「妥協が許されない雰囲気」を醸し出します。集中していないと間違えてしまったり、見落としてしまったりするその力そのものが演奏に反映されていくように考えているのかな、と勝手に思っています。

通常楽譜というのは、作曲者と演奏者の仲介役になるデータでしかありません。
しかしこの作品は、楽譜の存在も演奏に影響を与えるひとつの道具になっているような気がします。

毎年言っていますが、例えコンクールで演奏しなくても、課題曲5の複雑に書かれた譜面を読み、合奏で作り上げていく練習をすると、譜読みの力(スコアリーディングの力)やアンサンブルの力がつきますので、ぜひとも積極的に演奏してみてください。

ということで課題曲5に関してはここまでです。
次回は他の曲について書いていきます。

また来週!


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