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吹奏楽コンクール課題曲2013トランペット解説まとめ【合奏練習〜本番に心がけておきたいこと】



みなさんこんにちは!
遂に夏休み到来!という学生の方が多いと思います。でもこの時期、吹奏楽コンクールに出場される方は授業がなくても毎日学校へ通い、練習に励んでいるのではないでしょうか。コンクールに出場しなくても夏休みの長い時間を部活動に費やしているという方も多いはず。
そこで、前回までで「吹奏楽コンクール課題曲トランペット解説2013」は完了しましたが、夏の長い練習やコンクール、本番に向けての自分なりのアドバイスを書いていこうと思います。

これから書く内容はいままで記事にしてきたことが多いのですが、まとめとして読んでみて下さい。


《長時間の練習時に心がけたいこと》
いつもの部活動って授業が終わって放課後にだいたい2〜3時間程度しかできませんよね。その中で準備して基礎練習や個人練習、パート・セクション練習、合奏練習、片付けをするとなると実質ほとんど楽器を吹くことができません。
それにくらべると夏休みはとても長い時間練習に費やすことができますね。でも、ただダラダラと長い時間練習をしていてもそれが音楽の成長につながるかと言うと、そうではないんです。
練習というのはいかに効率良く結果を出すかが大切で、もちろん長時間効率よく練習ができるのであればそれは最高かもしれませんが、人間そう集中力も体力ももたないのが現実。かと言ってこの時期しっかり練習しておきたいと考えるのも現実。

そのためにいくつか覚えておいて欲しいことを書いてみます。

■ウォームアップの必要性
このブログでは何度もしつこいくらいに書いていることです。ウォームアップなしにトランペットを吹くという行為は準備運動もなしにプールへ飛び込むようなものです。
そして、ウォームアップというのは毎日少しずつ違う(肉体的、精神的)コンディションを楽器を演奏する上でバランスよく保つために行うことです。「今日は調子悪い(理由わかんないけど)」と言い切ってしまうのは簡単ですが、その毎日一定ではないコンディションの中で、もしコンクール当日が調子悪い日になってしまったら、自分自身がとても辛くなりますよね。そうならないためにも毎日のウォームアップは絶対に欠かしてはいけないのです。練習時間が長いのでしたらなおさら。ぜひ練習時間開始すぐ(楽器を吹く準備が整ってから)の30分から1時間程度、休憩を交えながらゆっくりゆっくりウォームアップを行うようにして下さい。それだけでもコンディションのバランスはとても良いものになるはずです!

ウォームアップの具体的な方法や考え方については過去の記事をまとめたカテゴリ「ウォームアップ」をぜひ読んでみて下さい。

参考記事「個人練習とは


■調子が悪かったら
ウォームアップをしっかり行っても、様々な理由で調子が良くない、思ったように演奏ができない、昨日は良かったのに今日は何だかダメだな、という日は必ずあります。
理由は様々ですが、無理して吹きすぎたことによる疲れや、夏バテしてしまっている、体力が弱っている、集中力が維持できない何かがある、奏法のことを考えすぎて混乱している、などが挙げられます。

まずは調子が悪くなったら、何が原因なのか時間をさかのぼって考えてみて下さい。昨日夜更かししたとか、朝ご飯食べてないとか、無理して吹きすぎたとか、彼女にフラれたとか。その原因を払拭、解決できれば調子は徐々に戻ってくると思います。

いくつかの原因による調子の悪さを克服するための記事を過去に書いていますので、カテゴリー「バテ・不調・緊張・ミス」の記事を読んでみて下さい。


■練習に飽きる
夏休みの長時間練習の中で個人練習の割合が多い時、はじめはコンクール曲を吹いていても、一度通してしまうと次に何をして良いのかわからなくなる=飽きてしまう、なんて状態になったことはありませんか?
練習に飽きてしまう最大の原因は「目標がないから」そして「自分の演奏を客観的に聴くことができない」からです。

どんな演奏を目指し、今の自分の演奏がその目標とどのくらいかけ離れているのか、どう改善すれば目標に近づけるのかを自分自身で気付き、練習方法を工夫できれば練習時間がいくらあっても足りないはずです。

これについて詳しくは過去の記事「練習に飽きる(全編)」「練習に飽きる(後編)」を読んでみて下さい。

逆に、頑張って練習している人にありがちなのが「自分の限界を超えて無理をした練習を続けてしまっている」状態です。バテても根性で吹いてしまったり、休憩を取らないで練習を続けてしまったり。
管楽器は他の楽器と違い、精神力だけではカバーできない面がどうしてもあります。バテていても吹き続ける練習は決して能率が良いとは言えません。休憩することも練習のひとつ、と思うことが必要です。
このような方はぜひ関連記事「バテる前に休憩を」を読んでみて下さい。


《合奏時に心がけておきたいこと》
合奏練習の時にも円滑に、毎回の練習でステップアップできるようにするための心構えや考え方というのもあります。みんなが協力して良い時間になるようにしたいものです。

■合奏練習時のマナー
合奏というのは他の練習時間と違って指揮者や指導者が指揮台に立ち、行っています。こうなった時に「指揮者が何か教えてくれる」とか「私を(バンド全体を)上手にして下さい」と思っていたら、それは大変良くありません。受け身の姿勢になっていると上達するのも難しくなります。
また、合奏は大勢で同じ時間を共有していますので、個人で勝手なことをするのも良くありません。例えば、指揮者が話しているのに勝手に音を出すとか(例え小さい音であっても)、個人的な質問を合奏中にしてしまうのは効率が悪くなるだけです。

これらについては過去の記事「合奏練習時のマナー」を読んでみて下さい。

関連記事「料理人とプレイヤー
関連記事「次の合奏、レッスンまでにすること


■複数のコーチがいる場合
最近はどこの学校にもコーチ(講師)の先生がいることが多く、ひとつのパートにひとりのコーチがいることも珍しくありません。
コンクール前に数回だけ来るというパターンも多いですよね。実際僕もそういう指導に行くことがあります。

そういった環境で、みなさんの中に「それぞれのコーチの言っていることが違う」と混乱してしまったことはありませんか?
トランペットパートを教えてくれる(自称)プロのトランペット吹きや音大生などが言っていたことと、指揮者の言っていることが真逆だからどちらを信じればいいのだろう?と悩んだり。

ある意味、教える人がいればいる程この問題に直面する可能性は高くなります。音楽は正解がひとつではありません。ですから自分たちが教わってきたこと、考えていること、アプローチの仕方が個人個人で全然違うのはあたりまえなんですね。
ではどうするか。教わる側が上手に受け止めていくのが良いと思うんです。

これについては過去の記事「複数の指導者に教わる、ということ」をぜひ読んでみて下さい。
コーチの人に「◯◯先生は違うこと言ってましたよ」と言って雰囲気を悪くすることのないようにしたいですね。

関連記事「教わる、ということ


《本番時に心がけておきたいこと》
練習を重ねてきて、いざ本番の日になった時にも心がけておきたいことが沢山あります。
僕が中高生の時に感じたのは「演奏以外のことでひどく疲れる」ということ。真夏の暑い中、朝早く集合して最終リハーサルをする(ために打楽器などを急いで運搬する)、そして気持ちはわからないでもないのですが念入りにチューニングをして時間ギリギリまで合奏をし、また急いで片付け→運搬。ホールまで移動。また搬入、気付けば舞台袖。
とても忙しかった記憶があります。もちろん、打楽器などの運搬は当たり前ですが、あまりに本気になって体力を消耗しないように気をつけて下さい。これらは「あくまでも本番で良い演奏をすることがメイン」ということを忘れないで欲しいんです。

関連記事
チューニング1
チューニング2


■こまめに水分補給を
これは音楽に関係なくよく耳にする事ではありますが、やはり管楽器を演奏する上でも水分補給は欠かせません。
熱中症で倒れないため、というのももちろんありますが、喉が乾くということは、正常な呼吸やタンギングなどの「口の中のコントロール」が上手くいかない原因になりますし、唇の振動も悪くなります。
「喉が乾いた」と感じてから水分補給をしても回復するまでにはかなりの時間がかかる、というのは聞いたことがあるかもしれません。ですので、こまめに水分補給をするようにして下さい。
また、スポーツドリンクは吸収が良いのですが糖分が含まれているので楽器を吹く前にはすくなくとも口をすすぎましょう。そして個人的に思っていることですが、お茶などに含まれるカテキンやポリフェノールなどを飲んだあとの口の中のギシギシ、ザラザラ感が演奏に支障をもたらしている感覚があります。なので楽器を吹いている間は常に水を飲んでいます。

関連記事「口の中が乾く、ということ


■やはりウォームアップ
コンクール会場に到着して、自分たちの順番を待っている時間は待機時間、直前音出し時間などがあると思います。この時、可能な限り再度ウォームアップをするようにして下さい。「朝さんざん練習してきたからもう大丈夫」と思わないようにしましょう。
ウォームアップというのは「ずれたピントを合わせる作業」でもあります。朝練習をしてから本番までは結構な時間が空いているはずです。その間に感覚が変わっている可能性もありますから、もうすぐ本番だあ!といきなり曲練習をしたりハイノートを思い切り出すことのないよう、マウスピースで軽く音を出すこと、呼吸を安定させること、口の中(舌)や顎を柔らかくすることなどを確認するように落ち着いて音を出し始めるようにして下さい。また、ウォームアップをしないでいきなりみんなでチューニングをしても、まず合いませんし、それはチューニングの意味をなしていませんので注意して下さい。


■緊張
コンクールというのは他の本番と違って具体的な結果が公表される場です。普通のコンサートだってもちろん緊張しますが、コンクールは「審査される」というプレッシャーと会場の独特な雰囲気が非常に緊張しますよね。
今はもう言わなくなったかもしれませんが、一昔前は「お客さんをカボチャやナスだと思えばいい」なんてことを言って緊張を和らげる人がいたものです。
でも僕から言わせてみれば、お客さんをカボチャだナスだなんて思うとはもってのほか。そんな失礼な考え方をしていては音楽は成立しません。
このブログで何度も書いていますが「自分たちの演奏を聴いてくれる人(=お客さん)がいるから音楽は成立する」ということをコンクールでも思っていて欲しいんです。上手いとか下手とか、そんなことではなく聴いてくれる人(他の出場校や審査員も含めた客席にいる人全員)に自分たちの音楽・演奏に込められたメッセージを伝えることが奏者のすべきことです。

演奏している作品の素晴らしさや自分たちのこれまでに取り組んできたこと、経験してきたこと、伝えたいこと、そういったものを音として客席に投げかけて下さい。そんなこと考えていたら「ミスしたらどうしよう」なんて消極的な考えを持つことも、「他の学校のほうが上手だな」なんて比較すること自体意味の無いことだ、ということもわかると思います。
こういった悪い方向の緊張は持っていても良いことありません。

しかし緊張は誰でもするものです。プロだって緊張します。ですから、その緊張をどのような「質」にするのか、それが大事になってきます。

一緒に演奏する仲間を信じ、ぜひ楽しんで演奏をして下さい。それが例えコンクールという異質な場であっても同じです。

参考記事
緊張1
緊張2


■コンサートホールでの演奏
中学生の時、狭くて響かない音楽室で合奏練習ばかりしていて、コンクール会場の規模の大きさ、響きの良さにまったく慣れないまま本番の演奏が終わる、なんてことを毎年繰り返していた記憶があります。
自分の音が客席に吸い込まれていく感覚に陥り、吹いても吹いても聴こえてないんじゃないか、と不安になってどんどん大きな音で吹いてしまう。挙げ句、ステージにいるほんの数分で信じられないくらいバテてしまったこともあります。

きっと同じ経験をした方が沢山いらっしゃるはず。

コンサートホールは実際の演奏をより良いものにするために工夫して作られた建物です。
しかし、慣れていないとその「良さ」が逆に奏者の負担になってしまうことがあるんですね。

そうならないためにも、学校で練習してきたことを絶対に否定しないこと。そして本番だけ特別なことをしないように心がけること(大きな音で吹いてしまうなど)。いつも通りに音を出していればきちんと聴こえているんです(と考えておきましょう)。

「と考えておきましょう」と書いたのは、本番の時にいきなり違うことをしても良いことないのでそう言ったんですが、本番の響くホールでの演奏を考慮して毎日の練習をすることは大切です。どういったことに気をつけていればいいのか、これについては過去の記事「聴衆とのギャップ」「響きのギャップ」をぜひ読んでみて下さい。


■審査結果、というもの
音楽に限らず、何か審査されるようなもので、あなた自信が「これが一番上手い!(すごい!)」と思っていたのに、その人(作品)の結果が芳しくない、なんで?あんなによかったのに!という経験をしたことはありませんか?
自分やお客さんたちの考えと審査結果が異なるのは、審査している人がどこに着目しているのか、何を基準にしているのか、どういった採点方法を取っているのかが違うからなんです。

音楽というのはひとりの人間が評価してどうにかなるものではありません。それがプロであっても個人で価値観はまったく異なります。
ですから、審査結果が良くても悪くても、それが「すべての人が感じている自分たちの演奏」などとは絶対に思わないで下さい。

しかし、審査員はやはり聴く耳を持っています。音色やピッチ、音程、表現力、練習量などもほんの少し演奏を聴いただけでおおよそわかるものです。ですから、審査結果と一緒にもらえる一言アドバイスはとても貴重なものとして素直に受け止め、今後の演奏に活かせるようにしましょう。


さて今回はまとめとしていろいろ書いてきましたが、まだまだ書ききれないことが沢山あります。
すべて過去の記事にありますので、ぜひ休憩時間などで読んでもらえればと思います。
以下、リンクを貼っておきますね。

イスの配置1
イスの配置2
リハーサル
ステージ上での表情
本番時のマナー

その他、本番や合奏練習の時に知っておいて欲しい記事はカテゴリー「本番・合奏」にまとまっていますのでぜひ読んでみて下さい。それ以外にも自分が今知りたいと思うことをカテゴリーから探すと見つけやすいかと思います。ぜひ「ラッパの吹き方」ブログを参考にして頂ければ嬉しいです。


ブログを読んでもいまいち理解できない、もっと詳しく実際の演奏で学んでみたいという方はぜひ僕が講師をしている「プレスト音楽教室」までいらして下さい。
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それでは、次回からはまた通常のブログに戻ります。
コンクールに出場するみなさんの素晴らしい演奏を期待しています!頑張って下さいね!

それでは、また来週!







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at 05:46, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2013

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吹奏楽コンクール課題曲2013トランペット解説【2.祝典行進曲「ライジング・サン」/白岩優拓】その2




>> 課題曲解説についての進め方や曲を吹く前など個人練習でしておきたいことをまとめた記事【はじめに/最初にすべきこと】をお読みでない方はこちらからどうぞ。



みなさんこんにちは!
今回は課題曲2「祝典行進曲『ライジング・サン』」解説の後半です。
今回で課題曲の解説はすべて終了となります。もうすでにコンクールが始まっている地域もあり、間に合わなかったという方には大変申し訳ありませんでした。
でも、コンクールはひとつの通過点。吹奏楽をするということ、音楽をするという点ではこれからも様々な機会があると思いますから、ぜひこの記事を今後の参考にして頂ければと思います。

では、今回は曲に沿って解説をしていきます。


[トランペットを鳴らす、ということ]
前回の記事に書きましたが、この作品は「金管アンサンブルの魅力を発揮する場所」が冒頭部分しかありません。あとは木管楽器と、もしくは全体でのアンサンブルをする箇所ばかりですから、まずこのたった4小節のファンファーレで「金管セクションの魅力」を存分に発揮できるようにしなければなりません。

かと言って特に気合いを入れて演奏する必要はありませんし、むしろそのような力んだ状態で吹いても何も良いことはありません。大切なのは

 ■良いサウンド
 ■バランスの良いハーモニー
 ■雰囲気

こういったものです。

まずは金管全員がしっかりと楽器を鳴らすこと。楽器を鳴らすというのは「(その楽器の持つ)音のツボにはまり続けている状態」とも言えます。
詳しくは過去の記事「トランペットを鳴らす、ということ」を参考にして頂ければと思いますが、楽譜に「f(フォルテ)」だとか「marc.(マルカート=各音をはっきりと吹く)」なんて指示が書いてあるとどうしても力んでしまいがちです。

そんな時、いっぱい鳴らそうと「自分の体を基準にして」しまう方が多いのですが、それはかえって逆効果になってしまいます。自分の体を基準にする、というのは具体的にいえば「楽器に入りきらない大量の息を無理に送り込もうとする」とか「強い音を出そうとする意思が唇やその周辺を過剰に固めてしまう」といったことで、これではトランペットが鳴るどころか客席に届かない貧弱なサウンド(大抵こういった時は霧がかかったようなモサっとしたサウンド)になってしまうだけです。

トランペットは奏者の意思を理解してくれません。どんなに奏者自身が頑張っていても、それがトランペットにとって効果的ではない状態であれば、奏者が苦労するばかりで結果を得られません。

ですからこのような状態になってしまう方はまず考え方を変え、「トランペットが鳴っている状態」を理解すること、そして「どのようなバランスで演奏すればトランペットはイメージ通り答えてくれるのかを模索する」ことを練習の時(特にウォームアップ時)に実践してみましょう。

人によってまちまちではありますが、基本的には「楽器が鳴っている時、奏者は楽な状態である」と考えておくと良いでしょう。

そして、(鳴っている状態の)イメージをしっかり持ち、楽器の反応を客観的に聴き、実際に鳴っている状態を得ることができた時「今自分はどんな感じで吹いているんだろう?」と体の使い方、全体的なバランスを客観的に理解し、頭の中にインプットして下さい。楽器が鳴っている状態と、その時の体の状態を一度インプットできれば(忘れなければ)、今後も常に、そして楽に良い音を鳴らすことができるはずです。

これは冒頭のファンファーレだけでなく、どんな作品でも、どんな場面でも非常に大切なことですから、もしコンクールまでにできなくても、今後の課題として持ち続けて下さい。


[冒頭(全パート)]
さて、その冒頭部分のファンファーレですが「marc.(=marcato)」をどのようにイメージしますか?先程も書いたように「はっきりと演奏しなさい」という指示なのですが、作品の印象からするとバッキバキでギュンギュンに吹くというよりは「重厚なハーモニー」「荘厳(そうごん)さ」などのイメージのほうがふさわしいと思います。
ですのであまり各音を鋭く吹くのではなく、メロディックで勇壮な演奏になったほうが良いと思われます。

したがって、全ての音の中身を充実したものにするよう、テヌート気味に吹いてみて下さい。
ただし重々しくなってしまうのは聴いていても疲れるだけで、この場面としては相応しくありません。前回の記事でも書いたように「前に向かうベクトル」を常に感じながら、モヤモヤしないクリアーなサウンドで演奏しましょう。そのためには

「ピストンは素早く押す(叩く)」
「息を停滞させない(前に向かう意思を絶やさない)」
「停滞したテンポ感にならないよう、自分の体の中に明確なテンポを持って演奏を開始すること」
「音をひとつひとつ演奏するのではなく、4小節でひとつのフレーズ(メロディ)だということを忘れない」

こういったことが大切になります。

2小節目と3小節目の間に「,(カンマ)」があります。この記号は「ブレスをする位置を作曲家が示している」場合と「演奏がここで一旦ストップする」という2通りの意味があるのですが、この場合は前者です。「ここでみんなブレスしてね」と親切に(作曲者の意図する通りに演奏してもらうために)指示しているので、おおっぴらに息を吸っても良いだろう、と思いがちなのですが、この部分、クレッシェンドの途中なんですよね。そして先程も書いたようにメロディ(フレーズ)は4小節でひとかたまりですから、あまり大きなブレスをここでしてしまうと音楽がバッサリ分断されてしまいます。それは作曲者としては求めていないと思います。
したがって、ここで心がけてほしいのは

「2小節目の最後まで充分に音をのばし→息を吸う少し前からクレッシェンドを開始し→素早くブレスをした後(小節線を軽くジャンプするような意識を持っていると良い)、ブレス直前よりも大きな音量で吹く」

といった結果が得られると、フレーズが分断されることなく、きっと作曲者のイメージに近い演奏ができるのではないか、と思います。

4小節目の「結論(解決)」のハーモニーまでは、とにかく音が衰退しないようにすること(ブレスコントロール=みぞおちを中心として腹壁の支えが肝心)を常に心がけ、金管セクションの様々なバランスを良いものとするよう、とにかくセクション練習を沢山して下さい。指揮者がいなくても全員が同じ質のブレス、サウンドをイメージできていられると良いですね。

余談ですが、このファンファーレ、1小節ごとに4コママンガのような「起承転結」あるように感じます。たった4小節ではありますが、ひとつのストーリー、この作品を象徴するもの、といったイメージも持っていられるとフレーズ感たっぷりに演奏ができるのではないか、と思います。


[5小節目]
ここから行進曲のスタイルになります。
5小節目からのリズムは、課題曲4「エンターテインメント・マーチ」にも出てきたので、その時に詳しく解説しています。ぜひそちらの記事([練習番号E2小節前(全パート)])を参考にしてみて下さい。

「吹奏楽コンクール課題曲2013トランペット解説【4.エンターテインメント・マーチ/川北栄樹】その2」の記事はこちらをクリック。


[8小節目(1st)]
スコアを見てもらうとわかりますが、1拍目の3連符はホルンとユーフォニアムしか吹いていません。ということは、極端な言い方をすれば1stトランペットがしっかり吹かないと明確な形を表現することが難しくなります。ですから、かなりしっかりと(この部分こそmarc.で!)主張して下さい。

また、その後に続く3〜4拍目の16分音符2つ+5連符ですが、勢い余って7連符にならないよう注意しましょう。あくまでも3拍目のウラに2つの音が、そして4拍目に5つの音があります。メトロノームを使うなりして正確なリズムを表現できるまで徹底的に練習して下さい。マーチテンポで、前に向かう力の強いベクトルを持ってはいますが、冷静にテンポを感じてみればそれほど速くはありません。そして5連符というあまり見かけない(?)リズムが見た目に「素早く吹かなきゃ!」と思ってしまいがちですが、よく見かける16分音符4つのリズムに音がひとつ追加されただけです。決して急いで吹かないと拍の中に収まらないものではありません。
見た目にだまされないように注意して下さいね。


[練習番号B 5小節目アウフタクト(1st)]
この部分は1stだけの演奏で、木管楽器が練習番号Bから演奏しているメロディの途中から参加する形になっていますが、このような場面では「作曲者はなんでトランペットを1本(1パート)だけ参加させているんだろう?」と作曲者の立場になって考えてみて下さい。そうすることによって、自分はどうやって演奏すれば良いのかが見えてくると思います。正解とか不正解というのはありません。大切なことは作曲者の意図を正しく理解しているかではなく「何らかのイメージを持って演奏しているか」です。

僕の場合は「ここからトランペットが出てくることで、バンド全体が更に力強く次に進める」と考えます。

よく、「木管が主体で動いているから、あまり主張しないようにコソコソする」演奏をしてしまう方も多いのですが、あえてトランペットに参加しろ、と書いているのですから「ラッパ登場!」としっかり吹いたほうが面白いと思うんです。まあ、最終的には指揮者の判断に委ねることになりますが、トランペットなんて目立ってナンボですから控えめに演奏しても面白くないですよね。

かと言ってアンサンブルのバランスを考えずに演奏するのも良くありませんね。それぞれのバンドによって音量バランスも違いますし、トランペットが本気を出せば木管楽器全員の音量に勝ってしまうかもしれません。
ではアンサンブルのバランスを良いものにするためにはどうすればいいのか、これについては過去の記事「アンサンブルでの音量バランス」、「電波の送受信(アンサンブル)」を読んでみて下さい。
また、音量と音の形(鋭さ、固さ、もしくは柔らかさ等)はまったく別物です。巨大な綿の塊のような柔らかいサウンド、発音だってありますし、小さな鉄の塊のように鋭く演奏することだってあります。音量バランスを考える際、デシベル的音量だけを考えず、イメージを強く持ち、演奏するように心がけましょう。


[練習番号C(全パート)]
いわゆる「裏打ち」の場面です。注目して欲しいのは、2小節目と4小節目のそれぞれ3拍目にアクセントが付いているという点です。
アクセント=強いタンギングをする、なんてイメージを持っている方も多いと思うのですが、それはあくまでも「方法論」にすぎません。
こういった「アーティキュレーション」が音符に付いている場合は「音符に書かれている記号を聴いている人に伝えるにはどんな演奏をすれば良いか」をまず考えて欲しいんです。

例えばこのアクセントという記号「他の音よりも目出つようにする」と考えてみましょう。音楽に限らず、目立っているというのはどんな状態でしょう。暗闇にキラっと光るライトだとか、白いTシャツにひとつだけ小さなロゴがプリントされているとか。
何も、バカデカイ音やキツイだけの破裂音で吹く必要はありませんよね。その音を目立たせようとする意識、音楽の流れの中にワンポイントがある意識、そういったものを演奏で表現することが大切だと思います。

この場面の場合はどうなんでしょうか?みなさんそれぞれで考えてみて下さい。

また、他の考え方として「作曲家はなぜここにアクセントという記号を書き記したのだろう」というアプローチも大切です。

参考記事「アクセント」


[練習番号D アウフタクト(全パート)]
ここからトランペットセクションがメロディに参加します。注意して欲しいのは練習番号Dに入ってからしばらくの間、1stから3rdまでがユニゾンで演奏しているという点です。しかもこの部分、音が取りにくくてイヤなスラーがありますよね。

リップスラーをパワーで克服している方にはとても難しい音の跳び方です。ぜひ(今回間に合わなかったとしても)楽に音を移動できるリップスラーを習得できるように練習して下さい。リップスラーについては過去に書いていますので、以下の記事を参考にしてみて下さい。

ハイノート(ハイトーン)【補足3】

リップスラーで上がるのが苦手で「ミスするかも...」と逃げ腰になりタンギングをしてしまったり、萎縮してしまうのは良くありません。できるできないよりも「(たとえ合奏練習であっても)できるまで逃げずに練習(演奏)してみる」姿勢が結果としてテクニックを習得するために必要なことです!

取りにくい音の並びは前回の記事でも書いたようにトランペットを吹くだけでなく「ソルフェージュする力を鍛える」ことも必要なことです。これも短時間で習得できるようなことではないかもしれませんが、将来的なことを考えてぜひ今から様々な方法でチャレンジしてみて下さい。


[練習番号D 5小節目アウフタクト(1st)]
ここから2nd,3rdのオクターブ上でメロディを演奏します。一応オプションでオクターブ下が書いてありますが、やはり高いほうで演奏したいところです(もしもオプションを吹くことしかできない場合は、この部分を2nd,3rdに任せて休んでしまったほうが良いかもしれません。コンクール的にはダメなのかもしれませんが)。

この箇所を演奏する時、唇への過剰なプレスや楽器が反応しないほど強力すぎる無駄な力を振り絞っても良い音が出るはずもありません。そこで有効なのが「タンギングの勢いで音を出す」という方法です。舌がアパチュアに栓をしている状態で息の圧力を高め続け、舌を鋭く解放した時に出る時に出るスピードのある息で出すことができれば、無駄な力を使わずに出すことができます。

「舌を鋭く解放」するために必要なことは「的確に舌で(アパチュアの入り口付近に)栓をする」ことと「滑舌の良い発音をしている状態の舌」です。

タンギングについては過去の記事をまとめたカテゴリー「タンギング」を読んでみて下さい。
また、ハイノートについてもカテゴリー「ハイノート(ハイトーン)」をお読み下さい。


それにしてもこのメロディ、とても吹きにくく感じるのは自分だけでしょうか。何か煮え切らない音の並びなんですよね…


[練習番号F〜(1st)]
この部分は、ピッコロ+グロッケン+トランペットという、少し変わった組み合わせでの演奏です(トランペットがストレートミュートとかにするならイメージできますが)。ピッコロもグロッケンもトランペットに比べて2オクターブ上の音で演奏しています。そしてこの2つの楽器は息のスピード、客席への音の飛び方がとても早く(高い音、鋭い音ほど聴こえやすい)、そこにトランペットが参加するアンサンブルはとても難しいものがあります。しかも楽器同士の(物理的な/イスの)距離が遠い、というバンドが多いことでしょう。なぜトランペットを参加させようとしたのか理解に苦しむところではありますが、書いてあるので吹かないわけにいきません。何とかしなければ。

まず、ピッコロとグロッケンに比べてトランペット本来の持っているサウンドは柔らかく聴こえます。ですので、あまりモッサリした音で吹こうとは思わないで下さい。mpで、しかもdolceと書いてはありますが、それはバンド全体がその規模で優しい雰囲気を表現しなさい、という指示です。

できるだけスマートに、そしてシンプルに、若干スピード感のあるサウンドを出せるように心がけると良いと思います。
メロディとメロディの合間に出てくるシグナル的な箇所ですから、少し大きめに聴こえたところで何も違和感ありません(ピッコロもグロッケンも軽く吹いても客席にしっかり聴こえる楽器です)。逆にコソコソ曖昧に吹いて他の楽器の邪魔な存在になるほうがよっぽど良くありませんので、怖がらずしっかり吹きましょう。

当たり前のことですが、ピッコロとグロッケンと一緒に練習する時間を沢山確保して下さいね。最終的には各自がいつも吹いているイスでアンサンブルできるまで合わせることができると良いと思います。


練習番号Gの2小節前の動きは、簡単そうで音をはずしやすい(フィンガリングの問題と、反応の悪い音の並び(特にDes音周辺))箇所ですから、勢いでごまかしてしまうのではなく、じっくり時間をかけて練習を積み重ねていくようにしましょう。最小範囲の反復練習をする、基礎練習のメニューに取り入れるなどの工夫をしてみてください。


[練習番号G 1小節前(全パート)]
この小節だけ2nd,3rdが参加してきます。この動き、バンド全体で演奏しているパートがとても少ないので、結構目立って演奏して良いと思います。バンド全体の調和とか考えるよりも、美しいハーモニーでトランペットセクションのアンサンブル力の高さを自慢するような気持ちで演奏してみて下さい。


[練習番号G〜(全パート)]
ここの2、4小節目の動きは「1小節内の動きをひとつのフレーズとして演奏する」意識を持って下さい。メロディを演奏している中低音楽器の周りで遊ぶ子どものようなイメージが自分の中にはあります。
また、音の取りにくい並びがありますので、これらについても勢いで何となく解決したように装うのではなく、ゆっくりから練習をして下さい。このような動きで有効なのが「舌の動きをメインにしたスラー(音の移動)」です。先程、練習番号Dアウフタクトでもリンクを掲載しましたが、

ハイノート(ハイトーン)【補足3】

こちらの記事を参考にしてもらえればと思います。


[練習番号G 5〜6小節目(全パート)]
なぜかトランペットだけが、音を順番に積み重ねていく、いわゆる「ベルトーン」で書かれています。トランペットだけがこれを演奏したところで何か意味があるのかさっぱりわかりませんが、せっかく書いているので演奏しましょう。

どんな作品にでも共通するのですが、ベルトーンを演奏する時に「音を抜く」吹き方をする人が多く感じます(Bellのイメージ?)。もちろん、その演奏が間違っているわけではありませんし、そういった演奏が効果を発揮する箇所も沢山あります。
ただ、ベルトーンだろうが何だろうが「音を抜く」という方法は「特殊な演奏」であるということを知って下さい。管楽器の基本は「音を持続する(ように聴こえる)演奏」です。

実はこれ、ベルトーンの時に限ったことではありません。非常に多くの吹奏楽管楽器プレイヤーがクセのように持ってしまっている吹き方で、何が原因なのか明確にはわかりませんが、昔どこかの学校のテューバの生徒が「こうやって(音を抜くように)吹くと響きのないホールでも響いたように聴こえるから、そう吹きなさいと言われた」ということを聴いて驚愕したことがあります。そんなにサスティンをかけたいなら、マイクを付けてアンプにでもつないでエフェクターを接続すれば良いんです。

響きというのは、その演奏している場所や環境で変化するのが当たり前です。ホールが響くとか響かないとか、そんなことをああだこうだ言っていること自体が時間の無駄であって、自分自身の奏でる楽器のサウンドが常に気持ち良く「鳴っている」状態であればそれ以上何も気にする必要はないのです。

音はまっすぐ、持続して吹くことを「基準」「基本」にしましょう。いちいち音を抜く演奏は、聴いていて気持ちの良いものではありません。場合によっては演歌っぽく聴こえてしまう場合もあります。


[練習番号G7〜8小節目(全パート)]
このファンファーレ的部分は楽譜に何もアーティキュレーションが書いてありませんが、3連符はスタッカート気味に歯切れ良く演奏しましょう。そして、8小節目からrit.(リタルダンド)がかかっています。テンポが遅くなれば、それぞれの音符の長さも変化する(長くなる)ということは、「吹奏楽コンクール課題曲2013トランペット解説【4.エンターテインメント・マーチ/川北栄樹】その2」の記事内「練習番号 I 3小節前(全パート)」に詳しく書いたので、ぜひそちらを読んでみて下さい。

そして、練習番号Hに入ったところの2分音符も音を抜くことなく、しっかりと2拍伸ばして(音を張って)下さいね。


[練習番号J(全パート)]
アクセントが続く時には「息のアクセント」を使えるようになるととても効果的な演奏ができます。これに関しても過去の記事に詳しく書いてありますので、ぜひ今後のことも考えて練習してみて下さい。

タンギング 5(息のタンギング練習)

アクセントの演奏時にも、よく「音を抜く」吹き方をしている方を見かけるのですが、アクセントは音を抜くことではありません(そういった解釈があることも事実ですし、そういう指示をされる場合もありますが、それはあくまでも「例外」であると考えて下さい)音を張って演奏するように心がけましょう。

そしてこの作品の最後の音を吹いた時、舌で音を止めて終わらせないように注意して下さい。

基本として、スタッカートが素早く連続する時は「舌で音をストップ」させ、その間に次の音を鋭く出せるようにします。そして、スタッカートであっても音が1つしかない場合や、普通に音を出している時、メロディの終わりなどは「息を流すことを止める」ことで音を処理します。


ということで今回は課題曲2を順を追って解説してみました。
もうコンクールまで日数がない、という方もいらっしゃると思いますし、もう予選終わっちゃった、という方もいらっしゃることでしょう。でも、今回書いた中には、今後の演奏に役立つ「基本的な奏法」も沢山含まれていますので、ぜひ参考にして頂いてこれからの練習で習得できるように頑張ってみて下さい。


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今回で課題曲の楽曲に沿った解説は完了しますが、次回も合奏や本番で参考になることをいくつか書いてみようと思っていますので次回も読んで頂ければ嬉しいです。

それでは、暑い日が続きますが夏バテには気をつけて練習に励んで下さいね!
また来週!







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at 10:31, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2013

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吹奏楽コンクール課題曲2013トランペット解説【2.祝典行進曲「ライジング・サン」/白岩優拓】その1




>> 課題曲解説についての進め方や曲を吹く前など個人練習でしておきたいことをまとめた記事【はじめに/最初にすべきこと】をお読みでない方はこちらからどうぞ。



みなさんこんにちは!
5月より書いてきました「吹奏楽コンクール課題曲トランペット解説」、やっと最後の曲に入りました。最後は「課題曲2.祝典行進曲『ライジング・サン』」です。

そろそろコンクールも近くなってきましたので、今回はこの作品についてだけでなく、合奏練習の時に覚えておくと便利なこともできるだけ織り交ぜていこうかと思います。
それでは、早速始めますね。


《行進曲の演奏》
この課題曲2や先日解説をした課題曲4など「行進曲(マーチ)」を演奏する時に大切なことって何でしょうか。
楽譜に書いてあることを正確に表現する、作者のイメージ、奏者のイメージを演奏に反映し、聴く人に伝えるように心がけるなどそういったことももちろん大切ではありますが、それらはどんな作品についても当てはまります。

行進曲というのは本来「歩くための曲」であるということ。これを意識しなければなりません。それが例え課題曲のようないわゆる「コンサートマーチ」であっても同じです。
歩く人が音楽を聴くことによって、より前へ前へを進もうとする(進まざるを得ない)音楽であることが、行進曲というジャンルの作品を表現するためには大切である、と思います。

そのために必要なことは、奏者全員がとても前向きな音楽のベクトル、音符ひとつひとつのベクトルを非常に前向きに感じていることです。

「ベクトル」というのは数学や物理などで出てくる言葉ですが、転じて「方向性を持つ力。物事の向かう方向と勢い」という意味でも使うことがあります。簡単に言えば「→」「←」これです。
この「ベクトル」が弱いと音楽が前向きにならず「行進曲らしさ」を失ってしまいます。

ではどうすればいいのか、と言う方法を文章で表すのはとても難しいのですが、「今出している音符(フレーズ)が次の音符(フレーズ)へ吸い寄せられる意識」があると良いかな、と思います。これを表現するためには「ブレスコントロール(中でも「息のタンギング」)」をマスターできることが近道です。「息のタンギング」については過去の記事「タンギング5(息のタンギング練習)」をお読み下さい。

ただ、実際の演奏方法よりも気持ちの面が大切で、例えば皆さん休日にディズニーランドや買い物、デートなどワクワクするイベントに向かっている時を想像してみて下さい。最寄駅に着くと、いますぐにでも目的地に到着したい、早く会いたいと感じることでしょう。その時、足の動きがもどかしく感じることはありませんか?あの衝動を抑えきれない感覚は気持ちのベクトルが前へ向かっている状態です。

行進曲を演奏する時、そんなイメージを持っていられると作品が活きてくるのではないかと思います。

ただし、先程も言ったようにその意識が強すぎて雑になってしまうことはNGです。そして音楽には「テンポ」という制約がありますからそれを無視してグングン進んでしまうのは単なる「走った演奏」です。
あくまでも丁寧に、美しいサウンドで一緒に演奏する仲間たちとのアンサンブルを楽しみつつ、前へ歩んでいくように心がけましょう。

参考記事「ベクトル

ベクトルを一番強くコントロールできるのは「低音楽器」と「打楽器」です。この人たちが「前へ強く向かうベクトル」を演奏で表現してもらえると、トランペットとしてはとても楽に吹けるんですよね。。。


《不自然に感じるのは自分だけ?》
この作品を実際吹いて感じたことは、率直に言うと「吹きにくい」でした。
メロディを吹いていて「次はこの音へ向かうんだろうな」というイメージをことごとく裏切られてしまう感覚を持つのは自分だけでしょうか。

かと言って音の並びを変えてしまうわけにもいきませんから、何とか不自然にならずに美しいフレーズを表現したいものです。

そのために必要なことは「ソルフェージュする力」です。具体的に言えば「メロディを(楽器でなく)歌うことができる」とか「リズムを正しく表現する」といった総合的な音楽の基礎力のことで、これらはトランペットを吹いているだけではなかなかできるようにならないものなんです。
幼い頃からピアノなどを習ってきた人は自然とソルフェージュ能力が高い場合が多いのですが、僕自身も「中学生の時にトランペットを始めた=音楽を始めた」人間なので、これらの基礎力が全然備わってない状態で中学生の頃は楽譜を必死に読んでいました。なので、例えば自分の知らない曲がすぐ吹けなかったり、複雑なリズムは何度練習しても正しく演奏できないことが多々ありました。

この曲に限ったことではありませんが、トランペットを吹くこと=練習と考えるだけでなく、声に出して(美しく丁寧に)歌える能力、ピアノで自分のパート譜を弾く能力、楽譜に書かれている文字やどんなに複雑なリズムでも難なく読める能力などを持つための努力をすることは、結果としてトランペットのレベルアップに非常に有効なんです。時間がかかるし遠回りに思うかもしれませんが、ぜひできる範囲で構わないので取り組んでみて下さい。

参考記事
カテゴリ「楽譜の基礎知識
オーケストラのパート譜 5(実践その3)
楽語1
楽語2


《アンサンブルをする、ということ》
この作品は、「トランペットパートがむき出しになる箇所」と「木管楽器との調和を求められる箇所」の大きく2つに分けられます。吹奏楽の魅力のひとつである「金管楽器の重厚なアンサンブル」というのは冒頭のファンファーレ以外では出てこないんですね。
ですので、作品としては終始「吹奏楽」をしている(管楽器の大アンサンブルをしている)というサウンドに代わり映えのないオーケストレーション(メリハリのない演奏)という印象を与えてしまいかねません。
ですがこれも楽譜を書き変えるわけにはいきませんから、逆転の発想で「どんな楽器同士の組み合わせであっても美しいアンサンブルを聴かせられるか」を追求していくこと、そしてトランペットパートがむき出しになる箇所は「他の奏者(パート)よりも目立つ演奏」のテクニックを身につけることが大切です。

様々な楽器と調和のとれたアンサンブルをしようと思った時、多くの人(団体)はピッチの安定以外に「音色を似せよう」とか「トランペットがあまり前に出ないようにしよう」という姿勢になっています。しかし吹奏楽としてはそれは良い傾向とは言えず、むしろ逆に「トランペットの存在も(他の楽器の音をしっかり聴きつつ)主張する」ことが必要なんです。

同属楽器のアンサンブルとは違い、発音の違う沢山の楽器が一斉に演奏する場合はそれぞれの特徴あるサウンドがブレンドされることが面白いのであって、特徴を消してひとつの音を作ろうという考え=ブレンドされたサウンドと考えるのは違います。

ですから、トランペットはトランペットらしいサウンドを常に出していくことを忘れないように心がけて下さい。

参考記事として「トランペットの音色」に関した記事をいくつかまとめて読めるリンクを貼っておきます。

また、トランペットを他の楽器よりも目立つように吹く方法などを書いた記事「他の奏者より目立つ演奏」http://trp-presto.jugem.jp/?eid=54も合わせて読んでみて下さい。
曲の中でどこをどう演奏すれば効果的なのかについては、次回の記事で詳しく書いていきます。


ということで今回は課題曲2の解説というよりも、どんな作品を演奏する上でも大切なことをメインに書いてみました。
次回は曲の流れに沿って書いていきますので引き続きお読み下さい。

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at 13:37, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2013

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吹奏楽コンクール課題曲2013トランペット解説【5.流沙/広瀬正憲】その2




>> 課題曲解説についての進め方や曲を吹く前など個人練習でしておきたいことをまとめた記事【はじめに/最初にすべきこと】をお読みでない方はこちらからどうぞ。


みなさんこんにちは!

気付けばもう7月なんですね。ということは、今月には吹奏楽コンクールの地区予選が始まるところも多いということですよね。
この課題曲解説の記事も5月のアタマから書いていますが、まだ課題曲2までたどり着いていないんですよね。。。
もし待っててもらっている方がいらっしゃったらごめんなさい。次回やっと課題曲2に入りますので!

今回は「課題曲5:流沙」の後編です。この曲演奏しないから読まなくていいや、と言わず、いろいろ合奏に役立つことも織り交ぜていきますので、とりあえず目を通してみて下さい。

それでは、今回は楽譜に沿って解説していきますが、その前にいくつか。


《テンポの微妙な変化》
前回の記事でも書きましたが、この作品はテンポの変化がとても激しいです。ただ、よく見てみるとメトロノーム的テンポの変化はとても微妙な書き方をしていて、例えば冒頭は四分音符=60なのに対し、次の練習番号Bでは四分音符=54。ここまで微妙な変化だとメトロノームの示す正確なテンポ感を実際の演奏で表現するというのはちょっと無理に近いと思います。
他にも、練習番号Oは八分音符=144で、次の練習番号Pは八分音符=132と、とても微妙な変化です。

ただし、すべてのテンポ表示のところに「ca.」という文字が書かれています。これは「チルカ」と発音するラテン語で「およそ」という意味です。
ということは、この作品のテンポはあくまでも「目安」として書かれているわけで、バルトークのような演奏時間までも指定してくるような厳密さではない、ということです。
(バルトークという作曲家は自分の意図したテンポで演奏されていないことを知り、楽譜に演奏時間を書いていたとのこと。)

ですので、この作品を演奏する場合「今演奏しているテンポが、次は少し速くなる(遅くなる)」といった考え方を持っていれば良いと思います。詳しくは前回の記事を参照して下さい。


《楽語を理解しておく》
そして、この作品はテンポが変化する箇所すべてに何らかの楽語が書かれているということに着目して下さい。
メトロノーム表記と一緒に書かれている楽語は何らかのテンポに関する意味を含んでいることが多々ありますので、見逃さないように気をつけましょう。(おまけとして、この記事の最後に楽語リストを掲載しておきます。)

例えば冒頭のLentamente(レンタメンテ)は「遅く」という意味に加え「悠然(ゆうぜん)と」の意味があります。
国語辞典によれば、悠然とは「物事に動ぜず、ゆったりと落ち着いているさま。悠々。」とのこと。

この作品のように理路整然と書かれたいわば「現代音楽」的な楽曲はどうしてもメトロノームのカチカチ音だけを頼りに正確に演奏することを目標としてしまいがちですが、こういった沢山の楽語の意味をしっかり把握し、そこから湧き出るイメージを演奏に反映させることはどんな作品でも大切なことです。
そうすることで、例えば練習番号Cと練習番号Eのテンポは、メトロノーム表記は同じであっても、場面の持つ「テンポ感(捉え方)」は違うということが理解できると思います。

楽譜はデータの集約された紙きれでしかありませんが、その紙きれから読み取れるすべてのデータを無駄にしないように心がけましょう。作曲者が何をイメージして、何を演奏者をはじめとして、この作品を聴く人すべてに伝えようとしているのかが見えてくる可能性があります。

ではここからは曲に沿って解説していきます。


[練習番号A 4小節目(全パート)]
これまでにも書きましたが、楽譜の見た目がとても細かいな、と感じることと思いますし、吹奏楽を演奏していて32分音符というのはあまり登場しない音価なので「とても短い音」と感じてしまうかもしれません。しかし、そもそもテンポが遅いということを考慮して下さい。
そして、音符が書いてあるということは「それぞれの音符の長さの音を客席へ届ける」必要がありますので、焦って破裂音だけにならないよう、しっかり中身の詰まったピッチのある音を出すように心がけて下さい。音符や見た目に惑わされないように注意しましょう。

1st,2ndの Des→E のスラーは同じ運指で音程も狭いのでとてもミスしやすい箇所と思います。こういったところは2つの音だけをピックアップして、ゆっくりとしたリップスラーで、そしてしっかりと移動できるように反復練習して下さい。
この2つの音に限らずとても吹きにくいと思われる箇所がこの曲には沢山出てきます。難しいと感じたところは最小の範囲でピックアップして確実に吹けるまで(納得いくまで)個人練習をして下さいね。

関連記事:「「舌」の役割 3


[練習番号B 2小節前(全パート)]
この小節内の音符はすべて32分音符なのですが、1つ目だけ連桁が分断されていることに「なんでだろう?」と違和感を感じましたか?
様々な曲でこういった楽譜を見かけると思いますが、きちんと書かれた楽譜に出てきた場合、基本的には「フレーズの切れ目」と思って下さい。ですので、この箇所の場合は、最初の32分はその前の小節から続いているフレーズの最後の音、2つ目からは新しいメロディと考えるのが良いかと思います。
楽譜の書き方によって演奏の仕方(解釈)も変わってくる可能性がある、ということを覚えておいて下さい。


[練習番号B 3小節目(全パート)]
練習番号Bに入ったところからトロンボーン(+ファゴット)→ホルン→トランペット と音が重なってくる箇所です。こういった形もこの作品に沢山出てきます。気をつけるべきことは「スタイルを受け継いでいく」ということ。トロンボーンが示した演奏をしっかりと聴いて下さい。
ただし、マネをするということではなく「同調する」という意識で演奏ましょう。例えるなら「同じ話題で盛り上がる」といった感じでしょうか。トロンボーンが「今日の天気の話題」を持ちかけてきたのに、トランペットが「昨日のテレビ番組の話題」を切り出すのはおかしいですよね。それと同じです。

サウンドはトランペットらしく、スタイルは統一されていると美しいアンサンブルになります。


[練習番号C 1拍前(全パート)]
この部分に書かれている「molto allargando」の箇所はバンド全体で同じ動きをしているので、ズレるととても目立つ危険地帯です。
まずは個人でどう演奏しようか、とイメージをしっかり持ち、そのイメージを演奏に反映できるまで繰り返し練習します。その後、パート内で演奏スタイルを統一し、金管セクション全体でもできるようになれば、まずズレて恥ずかしい演奏をするということはなくなると思います。
また、このallargandoについては過去の記事「吹奏楽コンクール課題曲2013トランペット解説【4.エンターテインメント・マーチ/川北栄樹】その2」の「練習番号 I 3小節前(全パート)」に詳しく書いてありますのでぜひ読んでみて下さい。

この作品はTutti(トゥッティ:全員)で3連符を演奏する箇所が何度も出てきます。個人的には「仕切り線」「話題が切り替わる箇所」「一旦まとめます!」といった印象を持ちました。全員が違う動きでウネウネしているけれど、それがだんだんと(もしくは突然)中心に集結してきて、Tuttiで同じリズム(3連符)をする。そしてその後またバラバラに動き始めて...そんな感じ。


[練習番号C 1小節目(全パート)]
前のallargandoが、練習番号Cに入った途端「Animato」に変化します。Animatoとは「いきいきと、元気に」という意味があり、この楽語が書いてある時、「前向きなテンポ感」を要求していることが多いです。accel.のようなテンポが速くなるわけではありませんが、もたつかずに前へ前へズンズン行く感覚が欲しいところです。
また、先程書いたようにこの場面はバンド全体で一度「仕切る」箇所です。アバウトな演奏にならないよう、3つの音を衝撃的に演奏できると良いと思います。3つ目の音に向かってクレッシェンドをしてくような「キッパリと言い切る」演奏になると良いですね。今後出てくる同じような「仕切り」の部分もすべて萎縮しないよう、キッパリ言い切った演奏をするよう心がけましょう。


[練習番号C 6小節目(全パート)]
次の小節からのアウフタクトですが、入りが休符になっています。このような場合、「1,2,ン」とか数えているとどうしても遅れがちになってしまいやすいので(しかも他の楽器に重なっていく場面ですので)「少し大きめに2拍目を感じつつ、休符をほとんど入れないつもりで入り込んでいく」感覚で演奏するとタイミングが合うと思います。厳密に数えていると入りが遅れてしまう現象、これはどんな曲でもなりがちなので注意しましょう。


[練習番号C 7小節目(全パート)]
3連符の真ん中が休符になっているリズム(モチーフ)をバンド全体で演奏しています。ここまで演奏してきた他の楽器(特に最初にこのモチーフを演奏し始めたサックスをしっかりと聴く!)のスタイルを壊さないように演奏して下さい。
そしてこのリズムは「しっかりと演奏しよう」と思いすぎると固くなって楽譜のリズムとかけ離れてしまいますので、少し気楽な感じの「緩さ」を持った吹き方ができると良いかな、と思います。ちょうど6/8拍子の音楽を演奏している時のような「ゆるやかに回転している拍感」があると良いでしょう。


[練習番号E(全パート)]
ここから7拍子になります。楽譜には(4+3)と書いてありますが、テンポ指示のところに「melodioso=音楽的に」と書いてあることから、フレーズ感をより持たせて演奏したほうが良いと思います。したがって「(四分音符)2+(八分音符)3」と、最初の八分音符4つを倍の四分音符2拍で捉えたほうが良いのではないかと感じます。


[練習番号G 3小節目〜(全パート)]
練習番号Gからトロンボーン→ホルン→トランペットと音が重なっていき、4小節目で同じ動きになります(途中からEuphも参加、Tubは違う動き)。この箇所の動きは木管楽器もしてはいますが、金管楽器がメインとなって動いています。

大切なことは「統一感」です。

同じスタイルで動くこともそうですが、ダイナミクス(強弱記号)が細かく指示されています。ですのでぜひこの場面は金管セクション(Trp,Hr,Trb,Euph)でしっかり練習をして下さい。金管アンサンブルの統一感が出てきたら、その後A.Sax、Bb Cl(2,3)、A.Clなどの同じ動きをしている楽器にも参加してもらい、バンド全体の統一感を出せるようにしましょう。

こういったところは指揮者がいなくてもあらかじめ奏者だけでできますから、積極的に練習時間を作って合奏で無駄な時間を費やさないようにしましょう。


[練習番号K 5小節目(1st,2ndパート)]
2nd→1st→3rdと音が重なってくるのですが、この小節はどちらかと言うと木管楽器のサポート的な書き方をしています。

2nd奏者の方はぜひ同じ動きをしているT.Sax、Bb Cl(2nd,3rd)と一緒に練習をして下さい。
1st奏者はFl(2nd)、Eb Cl、A.Sax(2nd)と練習した後、2ndトランペット奏者が一緒に練習していたメンバーと合同で練習をしてみて下さい。

吹奏楽でトランペットを吹いていると、どうしても金管楽器主体のような気分になりがちですが、この場面のように木管楽器が主体になる場面も沢山あります。その中で金管楽器はどんなサウンドで演奏すべきか、合奏の時に意識しておくことはどんなことかを知るきっかけにもなりますので、スコアを良く読んで、この箇所、この作品に限らず様々な場面で木管楽器と合わせる機会を設けてみて下さい。

それにしても、2ndの音の並びは難しいですよね。こういったところではメトロノームを使った反復の個人練習が効果的です。ただし、苦手な箇所(最小範囲)を反復することに限定し、決して通す時や複数で合わせる時には使わないようにしましょう。メトロノームはあくまでも「フィンガリングや正確に音を取るための機械的な反復練習」に使うことが効果的です。注意して下さい。


[練習番号M 3小節目〜(全パート)]
この作品の中で一番やっかいな音の並びをしている箇所ではないでしょうか。先程と同じようにまずはフィンガリングが上手くできない箇所や音が取りにくい箇所を見つけ出し、メトロノームを使って機械的に反復練習をして下さい。できるようになったそれぞれの最小範囲を、ジグソーバズルをつなげていくように少しずつ拡大していって、最終的にはひとりでミスなく通せるところまでは個人練習をしっかり行いましょう。
その後、パート内でスタイルや音量バランスを統一し、金管セクションでアンサンブルが成立するように順序よく構築していって下さい。この箇所はトランペット、ホルン、トロンボーン、ユーフニアム、テューバがまったく違うことをしていますが、その中でユーフォニアムとトランペットセクションの動きは関係が深いですから(対話するように書かれていて、最後は一緒になる)、トランペットパートで合わせられるようになったら次はユーフォニアムに参加してもらって一緒に練習をしてみて下さい。

こういった場所が指揮者やメトロノームの手助けなく完成させられる力をつけられれば、合奏の時の作品の完成度が、よりスムーズになり、バンド全体の演奏レベルがアップします!


[練習番号R 5〜8小節目(全パート)]
この箇所はほとんどの楽器が同じ動きをしています。音量に注意してアンサンブルをして下さい。
また、あまりペタペタした音ではなく、躍動感を持った弾力性のあるブレスコントロールで演奏するよう心がけて下さい。そのために必要なことは「息のタンギング」です。これについては過去の記事「タンギング5(息のタンギング練習)」http://trp-presto.jugem.jp/?eid=73を読んでみて下さい。
この「息のタンギング」は様々な場面でとても有効に使えるテクニックですので、ぜひともこの機会に習得できると良いと思います。


[最後から2小節前(1st,2nd)]
たった2つの音ではありますが、トロンボーンと一緒にミュート(ストレート)で演奏する重要な場面です。クラリネットとオーボエ、シロフォン、グロッケンとのアンサンブルになり、ここでタイミングをミスると作品が台無しになりかねないので関係のある楽器全員でしっかりとした練習を行って下さい。タイミングだけでなく音量バランスやこの変わった楽器の組み合わせで作られるサウンドにこだわりを持つことがとても大切です。


以上、曲に沿って解説してみましたが、とにかく数学的な理路整然とした楽譜の書き方をしていますので、スコアを読むこと、それぞれの場面で関わりのある楽器との練習を怠らないように、そして自分の演奏する箇所がアバウトにならないよう個人練習→パート練習→それぞれの楽器との練習といった流れを合奏以外の場面で積極的に行うようにしましょう。
ただし、どんなに機械的、数学的に楽譜が書かれていたとしても音楽は音楽です。聴く人に作品の持つメッセージや印象を伝えること、音楽そのものを楽しむことには変わりありません。常に「心」を込めた演奏をすることを忘れないようにしましょう。
今回解説していない箇所については、上記のいずれかに該当すると思いますので、本文とスコア、パート譜を見直してみて下さいね。


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最後に、この作品に出てくるテンポに関する楽語の一覧を掲載しておきます。


練習番号C Animato いきいきと、元気に(※前向きのテンポで演奏して欲しい時によく使われる)
練習番号E Animato e(エ:そして) melodioso(旋律の美しい、音楽的な)
練習番号F Meno mosso e ritmicamente(リトミカメンテ:リズミカルに)
練習番号H Con(=with:〜を持って) allegrezza(アレグレッツァ:陽気、快活)
練習番号I Lentamente(レンタメンテ:遅く、悠然として)
練習番号N 9小節目 Grave(グラーヴェ:重々しい、荘重な、ゆるやかに遅い)
練習番号N 10小節目 riten.(=ritenuto リテヌート:直ちに遅く)
練習番号P Un poco(ウン・ポーコ:少し) meno mosso(前よりも遅く) e suono(スオーノ:音 soundと同意語) deciso(デチーゾ:決然と、思い切って)
練習番号Q Con slancio(ズランチョ:突進、勢い、情熱)→Conが付いて(性急に、衝動的に)
最後から2小節前 Sensibile(センシービレ:敏感に、感覚でとらえて) e risoluto(きっぱりと、断固として、決然と)


それでは、次回からは課題曲2「祝典行進曲『ライジング・サン』」の解説に入ります。
また来週!







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at 07:46, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2013

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吹奏楽コンクール課題曲2013トランペット解説【5.流沙/広瀬正憲】その1



課題曲解説についての進め方や曲を吹く前など個人練習でしておきたいことをまとめた記事【はじめに/最初にすべきこと】をお読みでない方はこちらからどうぞ。

みなさんこんにちは!

この時期、テスト期間で楽器が吹けない、なんて方けっこういらっしゃいませんか?
これからコンクールに向けて気合い入れていこうと思っている矢先に、って感じですよね。なんかテスト期間ってタイミング悪い(だから勉強に集中できない)。と僕は学生の時思ってました。言い訳とも言う。

まあでもテストで赤点なんて取ったら、もっと部活の再開時期が遅くなるだけですからね、とりあえず楽器も勉強も頑張って下さい。
ちなみに、部活が再開した時、すぐに曲を吹きたい気持ちはよくわかりますが、数日吹かなかった後というのは少し気をつけて再開してもらいたいです。

詳しくは

1日吹かないと3日戻る?
長期間楽器が吹けない時

を読んでみて下さい。


あと、ひとつ宣伝させて下さい。
先週にも別記事を掲載したのですが、来月の7月5日(金)の19:00より「講師による管楽器ミニコンサート&楽器体験会」を開催致します。
短い時間ではありますが、僕も含め管楽器講師の方の演奏を無料で聴くことができますので、お近くの方はぜひ遊びにきて下さい!



詳しくはプレスト音楽教室オフィシャルサイトをご覧下さい。



それでは、「吹奏楽コンクール課題曲2013トランペットパート解説」、今回からは課題曲5「流沙」について書いていきます。


この作品は、中学生の団体では演奏できないので、選曲されるところも少なくなると思いますが「楽譜を読む」ということや「合奏」についていろいろ書いていきますので「この曲は関係ないや」と言わずぜひ一度目を通してみて下さい。

この「流紗」という曲、スコアにある作曲者のコメントには「砂(砂漠)が風や水などの自然の力で、その模様や造形が変化していく様子に着想を得た」と書かれていて思い出したんですが、かなり昔になりますが、同じく課題曲で保科洋氏作曲の「風紋」という曲がありました。
僕が中学3年生の時にコンクールの自由曲(課題曲だった時はまだ小学生)として演奏したのでとっても思い入れがあるのですが、この作品の「風紋」というのも風によって作られた砂漠の模様のことで、作曲者はこういったものにインスピレーションを得やすいのかな、なんて思ったり。まあそれは今回の事とは関係ないんですけど。
「風紋」、名曲です。知らない方はぜひ聴いてみて下さい。


《楽譜を読むということ》
さて、この曲の音源か、もしくはフルスコアをご覧になった方、第一印象はどんな感じですか?
もちろん「カッコイイ!」とか「ワクワクする!」とかそういった方もいらっしゃることでしょう。

でもきっと、第一印象としては「う...ごちゃごちゃしてる...」とか「楽譜が読めない!ややこしい!」という方が多数ではないでしょうか。

課題曲って、結構毎年必ず5番目がこんな感じの楽譜ですよね。で、なんとなく敬遠してしまいがち。
確かに「ややこしい」楽譜ではありますが、きちんと読んでみるとそんなに大変なものではなくて、「見た目」がそう思わせているだけ。

過去に「楽譜を読む、ということ。」というタイトルで2つの記事を書きましたが、その中では「楽譜を理屈で読もうとすると難しく感じてしまう」といった内容を書きました。僕自身、吹奏楽部に入るまでは楽譜なんてまったく読めなかったのですが、好きな音楽を聴き、その楽譜を見ることで「このメロディを楽譜にするとこうなるのか」という普通と逆のアプローチで楽譜を読めるようになった経緯があり、楽譜というものをある程度「感覚」や「見た目」で読んでいるところがあります。

しかし、この課題曲のように理路整然とした縦の線(音を出す人全員のタイミングのことを「縦の線」と言うことがあります。指揮者の見ているスコアで縦に各パートの楽譜が積み重なっていることから。)がある作品の場合「なんとなく」とか「見た目」だけで演奏するのは危険です。

ですから、この作品をもし演奏することになった方は、ぜひともこの機会に楽譜を「感覚」の面と「理屈」の面の両方で読めるようにし、結果としてどんな楽譜でも抵抗なくすんなり読めるようになることを目標の一つとしてみてはいかがでしょうか。

先程紹介した過去の記事
楽譜を読む、ということ。1
楽譜を読む、ということ。2
はこちらからお読み下さい。


《楽譜を読みやすくする準備》

■基準となる音価を理解する
この楽譜が若干読みにくいと感じるのは、いつもよく見ている楽譜よりも「基準となる音符の単位(=音価)が短い」からだと思います。

例えばこの曲の「3/8拍子」が「3/4拍子」に書き換えられていたらもっとスッキリとして見えるでしょう。
楽譜が細かく見える原因のひとつは「連桁(れんこう)や旗が多いから」です。

ご存知の通り、音符というのは細かく分割すればするほど旗が増えてきます。休符も理屈としては同じですね。
その旗が隣の音符とくっつき合うと「連桁」という横棒に変化します。

この細かな音符や休符がそこらじゅうに沢山書いてあるものですから、見た目にはとってもごちゃごちゃした楽譜に見えてしまうんですね。

ですからまず、基準となる音符が何なのかを必ず理解して読むようにしましょう。ここで言う「基準」とは、拍子記号で言う「分母」や、テンポ記号のところに書いてある音符(音価)が何なのか、もしくは、何拍子に分けて読むと読みやすいかをスコアなどで把握する、ということです。
最後のはパート譜だけを見ていてもわかりにくいですよね。フルスコアは必須アイテムです。

基準となる音符(音価)というのは、指揮者も常に考えています。何拍子なのか理解して指揮棒を振らないとテンポを伝えることができませんからね。
だからと言って指揮者に指示されるまで何も考えないのは良くありませんから、各々の奏者もあらかじめ基準となる音符(音価)を把握しておけば、指揮者の出す指示に戸惑うことは少なくなるでしょう。


■拍のアタマに印を付けてみる
この「流紗」だけでなく、普通の楽譜でも読みにくい書き方をしている場合があります。
少し特殊なリズムだったりとか、作曲家がわざと読みにくく書いている場合もたまにありますが、ほとんどの場合、楽譜の書き方(浄書)が悪いんです。
この作品のことを言っているんじゃないですよ。この楽譜はとてもキレイに書かれています。
でも何だか読みにくい。。。

こんな時はどうするか、と言うと

「拍のアタマに印を付ける」と、グッと読みやすくなります。

要するにこういうことです。

拍のアタマ

この楽譜は「流紗」ではありません。5年前の課題曲5「風の密度」です。覚えている方もいらっしゃるかと思います。
当時この曲を演奏することになった時、もう、本当にイジワルな楽譜の書き方だな、と思いました。多分確信犯。
(この曲だったかは忘れましたが以前作曲者のコメントで「楽譜をわざと読みにくくすることで演奏者の集中力を高める」なんてことが書かれていた記憶があります。とんでもない勘違いですね。ライブでの演奏時、作品が崩壊する確率を高めているだけなのに…せっかく作った作品がステージで崩壊されたら作曲者だって嬉しいわけないはず。)
で、最初の合わせの時、とにかく読み間違えそうになって、リズムや拍を取るのに必死になっちゃったんですね。周りの奏者も同じようなことになってて、指揮者を見ることもできないし、これでは音楽にならないと思って、少しでも読みやすくなるように、かなり楽譜に書き込みをしたことを覚えています。

「流紗」も、例えば練習番号Aの4小節目からって、何拍目のどこに音があるか、パッと見わかりにくいですよね。そういった場合に、拍のアタマに印を付けておくだけでもかなり違うと思うのでオススメです。
全部の小節に書いてしまうのは、かえってごちゃごちゃして良くありませんが、何度やっても見間違えてしまいそうな箇所にはしっかりと書いておくと、ミスしなくなると思います。

他にも楽譜に書き込んでおくとわかりやすくなるもの、方法がありますので詳しくは過去の記事
楽譜の書き込み1
楽譜の書き込み2
を読んでみて下さい。


《正確な音価》
この「流紗」のような理路整然とした楽譜の場合「正確な音価」で演奏しないと、とてもゴチャゴチャしてしまいます。
音符の長さ、処理のタイミングをとにかく正確にキッチリとするのもそうですし、休符に対しても同じ様に配慮が必要です。

この作品によく出てくる「3連符の真ん中が休符」のリズムを曖昧に演奏してしまうと付点のようになってしまったり、休符を感じきれずに走ってしまったりしそうですね。そうならないよう、個人練習の譜読みの段階からきちんとしたリズムで演奏できるようにしましょう。

正確な音価を演奏するためには

キレの良いタンギング(音の出だし)
「揺らがない音の持続(中身のある音色)」
音の処理の正確さ

の3点を常に心がけ、演奏して下さい。

そして、この作品、3rdから順番に音が積上ってくる箇所がいくつかあります。
ということはその時3rdが場面ごとの音色やタイミングを作り上げるパートのリーダーになります。
ですから、3rd奏者の方は決して奥手にならないよう、自信を持って入っていけるようにしっかりとスコアを読み、他の楽器との連携も理解しておくようにして下さい。

1st,2ndパートの方は3rdが先に入ってくる場面では、どんな音色で入ってきたか、そんな雰囲気で演奏しているかを良く聴き、統一感のある演奏になるようにしましょう。
パート練習やセクション練習を沢山することが大切かもしれませんね。


《指揮者の手腕》
この曲の楽譜をお持ちの方はテンポの変化に着目して下さい。
指示がとても頻繁に、しかし微妙な変化が多いのに気付きますでしょうか。

ここまで細かな指示になってくるとメトロノームで把握するのも限界があります。
ですので、こういった楽譜の書き方をしている場合にはとりあえず個人練習をする時点で

 1.メトロノームで「確認」しておく(おおよそのテンポ感)
 2.前後のテンポとの比較を把握する(今吹いているテンポがこの後どのくらいどうなるのか)
 3.ざっくりと奏者同士のテンポ感を統一しておく

そして、合奏になったら
 4.その時の指揮者のテンポで決定

という流れにしておくと柔軟に対応できて良いと思います。

まずはメトロノームでそれぞれのテンポを体に叩き込みます。それが出来たら、メトロノームを使わずに「その前よりもどのくらいテンポが速い(遅い)のか」を把握しておいて、不自然にならないよう、つなげて吹いてみます(長休符で演奏しないところも把握する)。
その後、一緒に演奏するメンバーとそれぞれの場面でのテンポ感覚を統一させる目的でパート練習やセクション練習を行います。

良くないのは、いつまでも「メトロノームに合わせようという姿勢で練習をする」行為です。
メトロノームは単なるテンポ確認をするための道具であって、そのカチカチ音や電子音に奏者が従っていくものではありませんので注意して下さいね。

そして、いざ合奏になったら「指揮者が示してくるテンポに忠実に合わせていく」という姿勢を崩さないようにしましょう。
こういった曲でテンポを勝手に揺らしたりする行為はバンド全体を崩壊させてしまう恐れがあります。
ということなので、最終的には楽曲を正しく構築できるかは指揮者の手腕にかかってくるんですよね。まあそれはこういった作品に限ったことではありませんが。


関連記事として「メトロノーム」もぜひお読み下さい。



《譜面台とイスの配置》
重要な役割である指揮者の動きを視界にしっかり入れるためには「イスの置き方」と「譜面台の置き方」が重要になってきます。
ほとんどの団体の方が、合奏をするたびにイスをみんなで並べていると思います。しかし、イスの配置や置き方についてそんなに神経を尖らせたことってないと思うんですね、特に練習の時は。
でも、このイスの置き方ひとつでアンサンブルが大きく変わるんです。詳しくは過去の記事

イスの配置1
イスの配置2

を読んでみて下さい。
そして譜面台の置き方なんですが、やはり今でも譜面台を(右)斜めに置いて正面に遮るものがない状態で演奏している団体が本当に沢山いるのですが、指揮者はよく見えるかもしれませんが僕は(吹奏楽やオーケストラ等の時に限って言えば)賛成できません。
これに関しても過去の記事がありますので、ぜひお読み下さい。

譜面台1
譜面台2


ということでこの作品に関しては、まずは譜面に慣れるための準備と練習に時間をかけましょう。
正確に演奏するための繊細な練習を初期の段階で行って下さい。そうしないと、感覚だけでアバウトに演奏するクセがついてしまうのは良くありません。

ブログを読んでもいまいち理解できない、もっと詳しく実際の演奏で学んでみたいという方はぜひ僕が講師をしている「プレスト音楽教室」までいらして下さい。
特設の「吹奏楽クラス」というのがあって、入会金など不要の1回から受講できる講座があります。お一人でもトランペットパート全員でもレッスンができますので、特にこの作品はパートみなさんでレッスンができるととても良い結果を得られるのではないかと思います。

詳しくは「プレスト音楽教室オフィシャルサイト」をご覧下さい。

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プレスト音楽教室へ行くのは距離的に難しい、という場合は学校等へ訪問することも可能です。毎年コンクールシーズンになるといくつかの学校におじゃましています。詳しくはこちらのメールフォームにご連絡下さい


それでは、次回は楽譜に沿って解説していきます。
また来週!







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at 07:56, 荻原明(おぎわらあきら), 吹奏楽コンクール課題曲2013

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