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「音の処理」と「楽譜を読む」ということ








みなさんこんにちは!

ゴールデンウィークまっただ中の更新です。みなさんはどこか遊びに行ってるのでしょうか。
出先でも携帯からブログは見られますので仕事してる荻原を構ってください(笑)

さて、前回まで2週に渡って「初見演奏」というタイトルで記事を書きました。初見演奏をする時のことに限らず、楽譜を読むことに慣れるために心がけることまで範囲を広げてみましたが、その中の「長休符で落ちる(休みの小節数でわからなくなる)」項目がありました。
楽譜を読む際に、音符=音を出している時にはどこを吹いているのか分かる人でも、吹き終わった時に落ちてしまうことってありませんか?それは吹き終わった時に若干気が抜けて集中力がなくなってしまう、というところから派生してるんですが自分がよくそうなってしまっていたので、もし同じような経験をしている人がいたらと思い、今回は補足的に譜面を読む時の注意点について書いてみようと思います。


《1小節ずれる》
昔のことですが初見演奏の時などに音を出さなきゃいけない音符の部分は必死になって譜面を追いかけているので、音ミスはあってもどこを吹いているのかわからなくなる、ということはありませんでした。

で、無事に自分が受け持ってる音を出すべきところが終わると、安心しちゃって気づいたらどこまで行ったのかわからなくなって、次入れないってことがよくあったんですね。

でも長休符ってずっと同じ間隔で数えていれば良いわけで、なんで落ちちゃうんだろか?って考えた時に、ひとつ法則が見えてきたんですよね。

それは「1小節ずれて長休符を数えている」ということでした。


《音の処理》
こうなってしまう理由がわかってからはミスは少なくなりました。

理由はとても単純。
とりあえず譜例を見て下さい。



わかりましたか?ってか《音の処理》ってタイトル書いちゃってるからわかりますよね(笑)
吹き終わりのタイミングが上の譜例のようになっていると「音を吹き終わらせるタイミング」が変わってきます。

音の処理をするタイミングが変わってくると、おのずとその後の休符の数も変わりますよね。

そこで数え間違えていたんですね。


《出だしは気にするけど》
これってほとんどの人が陥りやすいことで「音を出すタイミング」はとても気にするのに、ピアノなどと違って管楽器のように息を入れている間はずっと音が持続する楽器(ロングトーンでクレッシェンドできることができる楽器とも言えますね)というのは出だしと同じくらい「処理」にも気を使わなければいけません。

音の処理をするタイミングが上記の譜例のように異なっているのには必ず意味があります。例えば自分の音が吹き終わったタイミングで和音が変わるとか、他の楽器がメロディを引き継いでいくとか。ですから「だいたい4拍」と思ってだいたいで吹いていると本来響いている和音やメロディに必要のない自分の音を含ませてしまいかねないんですね。

吹奏楽など大人数で演奏していて音の処理が曖昧な奏者が沢山いると、そのぶん「音が濁ってしまう」ことになり、クリアなサウンドで演奏できないバンドになってしまいます。逆にもっと音を持続しなければいけないのに先に吹き終わってしまえば、和音やメロディに穴を空けてしまうことになります。どっちもダメですよね。

ですから、音をのばしている間もきちんと拍数をカウントして演奏しましょう。


今週は以上です!それでは引き続き素敵なゴールデンウィークをお過ごし下さい!
また来週!

当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。

at 10:35, 荻原明(おぎわらあきら), 楽譜の基礎知識

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譜面の見た目に惑わされない








みなさんこんにちは!

引き続き荻原編曲の金管アンサンブル楽譜を出版してもらっている「クローバーアートミュージック」さんのネットショップで「春の10%offキャンペーン」やってます!5,000円以上のご購入で送料が無料です。ぜひこの機会に!!!よろしくお願いします。



これまでもこれからも沢山の作品を演奏していくと思いますが、それらの曲の中には速いテンポのものも、遅いテンポのものもありますよね。

テンポの速い遅いというのは楽譜に書かれている速度記号(四分音符=120とか)や楽語(AllegroとかLentoとか)によって判断すると思います。

ですが、この理論が感覚では変化することがあるんです。
簡単に言うと、同じテンポでも構成するリズムや伴奏形などで「速く(遅く)感じる」ということ。


《雲は白リンゴは赤/aiko》
文章で説明してもわかりにくいのでこれを聴いてみてもらえますか?

ご存知の方も沢山いらっしゃるでしょう。aikoさんの「雲は白リンゴは赤」という曲です。
(と言ってもネット上にフルコーラスでオリジナルがあるわけもなく…どなたかのカラオケを拝借させて頂きました。でも結構上手。)

イントロ〜Aメロでこの曲のテンポがわりますよね(4ビート)。サビの部分はスカになっていて(8ビート)さらにノリが良く聴こえます(若干テンポアップしたようにも感じます)。しかしBメロだけ雰囲気が違うのがわかりますか?ちょっとテンポが落ち着いた感覚を覚えませんか?なぜかというとBメロだけ大きな2拍子に感じるアレンジがそう聴こえさせているんです。

4ビートのイントロから、一旦落ち着いて、サビで一気にスカ(8ビート)になる見事なアレンジはとても勉強になります。
でもこの曲、最初から最後までテンポが変わることがありません。
このように曲の作り方で体感的にテンポが変化したように聴こえることがある、ということなんです。

演奏する側はそういった曲の流れを把握して、よりその特徴が出るよう意識することが大切です。

ですが、加えて演奏者側が陥りやすい点があります。


《譜面に惑わされる》
吹奏楽のトランペットパートだとあまり遭遇することはないかもしれませんが、例えば教則本やソロ曲などでとても16分音符が続くような見た目にとても細かいパッセージが出てくる譜面を見たことはあるかと思います。

例えばこんな楽譜。


この楽譜は、アーバン金管教本1巻の音階練習のページですが、こんな楽譜を見た時、みなさんどんな印象を受けますか?
「指をいっぱい動かさなきゃ」とか「速く吹かなきゃ」といった焦る気持ちになってしまう方、多いのではないでしょうか。

もちろん、ロングトーン練習に比べればフィンガリングも大変ですし、それ相応な練習をしなければなりません。
でも、必要以上に「急いで吹かなきゃいけない」という気持ちになってしまうのは良くありません。

先程aikoさんの曲について書いたことを思い出してほしいのですが、その曲の持っている聴いた時の印象と奏者が見ている譜面の印象とは必ずしも同じではないんですね。

見た目に細かくて大変そうな曲でも、実際演奏してみると(確かに細かい動きではあるのかもしれませんが)ゆったりした印象の作品だったりすることもあるんです。
それに、譜面上は細かい動きだとしても、実は指定しているテンポがとても遅いこともあります。♪=88とか。こんな16分音符や32分音符が連発していても、実際聴いてみるととても遅かった、ということだってあるんです。

ですから、譜面の見た目に惑わされて「一生懸命頑張って吹かなきゃ」と指がもつれるほど急いでしまうと、非常に不安定な演奏になってしまう恐れがあります。

細かい動きほど落ち着いて演奏するように心がけ、その作品のもってる雰囲気を出せるようにイメージをしっかり持っていることが大切です。

譜面に惑わされないように気をつけましょう。


《変奏曲》
みなさんは「ヴェニスの謝肉祭 変奏曲」をご存知ですか?この曲なんですが、

トランペット奏者としては一度は挑戦してみたい曲のひとつですね。
シンプルで美しいメロディ(主題)が曲が様々な形に変えられていく作品を「変奏曲」と言います。基本的にはヴェニスの謝肉祭のように後半に行くにつれてどんどん大変になっていきます。ピアノをやっていた方ならモーツアルトの「きらきら星変奏曲」を弾いたり聴いたりしたことがあるかもしれません。

ソリストのCDやコンサートではこういった作品を良く取り上げられますが、非常に速いフィンガリングと正確さを目の当たりにして「ものすごく速く演奏しなければいけないんだ」と思い込みがちです。

技術がともなって本当に素早く指が動かせればそれでOKですが、実際のところ限界がありますよね。

このような動きが細かい作品(部分的でも)を演奏する時には、雰囲気そのものが「速い」のですから、慌てずにひとつひとつの音を丁寧に、正確に吹いて並べていくほうが、自分の限界以上に一生懸命速く吹く時よりもずっと「速く」聴こえるんです。これとても大切なことです。

ですから、ソロやアンサンブルの時は特に「自分が正確に演奏ができる余裕のあるテンポ設定」で演奏をするようにして下さい。
本番の舞台で演奏する時は緊張も相まって慌ててしまいがちです。それで必要以上にテンポが上がって指がもつれて、一体何を演奏しているのかわからないグチャっとした吹き方をすると、作品そのものが崩壊してしまいますから結果「動きの細かい速い(印象の)曲」ではなくなってしまうんですね。
ですから、乱雑にならないよう、余裕を持って演奏できるように心がけて下さい。


また、吹奏楽などで指揮者がテンポを司っている場合はこの限りではありませんから、とにかくフィンガリングなどのテクニック向上に練習時間を費やす必要があります。
指揮者がどんなテンポを指定してくるかわかりませんから、メトロノームを使って最初はゆっくりから、最終的には楽譜に指定してあるテンポよりも速く吹けるところまで練習しておくと合奏の時にも余裕を持てるかと思います。

メトロノームを使った練習に関しては過去の記事「メトロノーム」を読んでみて下さい。

また、今回の記事の参考として過去の記事「走るということについて1」と「走るということについて2」もぜひ読んでみて下さい。


ということで今回は速いパッセージを演奏する時の心構えについて書いてみました。
フィンガリング練習はとても大切な基礎練習のひとつですから、みなさんも毎日少しずつでも取り入れておくようにしましょうね。

それではまた来週!


当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。

at 12:19, 荻原明(おぎわらあきら), 楽譜の基礎知識

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フルスコアを読もう








みなさんこんにちは!
。。。こんばんは、ですね。演奏仕事の都合で更新が遅くなりました、ごめんなさい。


では、早速はじめますね。
トランペットをはじめとする管楽器の人が演奏するために見る楽譜というのはいわゆる「パート譜」と呼ばれていますね。
ご存知の通りパート譜というのは自分が演奏する部分だけが書き込まれている楽譜で、その譜面に書いてある情報だけでは他の人たちが何をやっているのか見当がつきません。

一度合奏をすれば自分がその場面でどんな立場なのか(トランペットしかメロディを吹いていないなど)だいたいの見当はつく人もいると思いますが、それぞれの楽器が何をしているのか細かく把握するのは非常に難しいことです。

与えられたパート譜をしっかりと読んで楽譜通りに演奏できても、一緒に演奏する様々な楽器が場面ごとにどんなことをしているのかを理解できていないとアンサンブルは完成しません。

それはなぜかと言うと、例えばあなたが演劇をすることになり、台本を渡され、自分の言うセリフをしっかり覚えてきて、いざみんなで芝居をすることになった時、相手役の人が何を言って、どんなことをしているのかを全然知らずにしかも聞いていなかったとしたら、本当の意味での会話にはなりませんよね。会話のタイミングが合っていたとしても、相手の言った言葉から反応している、という感じにはなりません。
相手のセリフや自分の言った言葉でどんな反応をし、ストーリーが進展するのかをイメージしていなければ芝居は成立しませんから、プレイヤーも同じ様に自分の出す音とそのタイミングだけを理解していても本当の意味での完成はしないんです。

ということから、更に合奏レベルを上げるためにも「フルスコア」を読むことができるようにしましょう、というのが今回のお話です。


《フルスコア》
みなさんはフルスコアを読む、という習慣はありますか?フルスコアというのは全てのパートが書いてある大きな楽譜、指揮者が見ているやつです。もしかするとちゃんと見たことがない人も沢山いるかもしれませんので掲載してみます。

こんな楽譜です。


このスコアは以前自分が指導していた学校の部活の編成に合わせて編曲したものなのでパート数は少なめですが、楽譜を見るのがあまり好きではない方は「うえー細かい。。。」「わけわかんねえ」って思ってしまうかもしれませんね。
沢山のパートを1つにまとめているのでどうしても緻密なものに見えます。でも、ただパート譜を縦に重ねてるだけですから、いつも見ている楽譜が読めればそんなに難しいものではありません。

ではそのフルスコアで何をするのか。それは先程も書いた通り「他のパートが何をしているのか理解する」のが目的です。


《フルスコアを読む》
トランペットを吹いている方は、他の楽器を吹いている人がそれぞれどんな楽譜を見ているのかご存知ですか?

例えば隣りにいるトロンボーンの人が見ている楽譜、トランペットの楽譜との違いは何でしょう。わからない方はトロンボーンの人にパート譜を見せてもらって下さい。
音域が1オクターブほど違うのでヘ音記号という音部記号で書かれています。ということは、トランペットで言う「ド」の音の位置にトロンボーンの「ド」の音が書かれていないということがわかります。

また、調号が違うのに気づくでしょう。
吹奏楽のトランペット譜は「in Bb」という移調された状態で楽譜が書かれているのに対し、トロンボーンの譜面は「in C」で書かれています。これは知っている方も多いかと思いますが、トランペットの楽譜で言う「ド」の音はピアノで弾く「ド」の音ではないんですよね。
でもトロンボーンの楽譜はピアノでそのまま弾いて同じ音が出るように書かれているんです(ピアノで弾いても同じ音が出せる楽譜を「in C」と呼ぶと考えてもらえると分かりやすいと思います)。

ただし、トロンボーンという楽器は基本、トランペットと同じ「Bb管」です。

あーややこしい。


吹奏楽で使われる管楽器というのはピッコロ、フルート、オーボエ、ファゴット以外全て移調楽器なので、スコアを見るとパートごとに調号が違うのがわかると思います。
これがややこしいんですよね。

ですから、そこまで細かくスコアを読めるようになりましょう、とは言いません。
もっと視覚的に見ればそれで充分です。


《同じ動きを見つける》
各楽器の出している音の高さがわからなくても、リズムの書き方はどの楽器でも同じ。ですから、音符を図形として見ることさえできればどのパートとどのパートが同じ動きをしている、というのはわかるはずです。

それさえわかれば自分がメロディを吹いているところで他の何かの楽器が同じことをしているとか、逆に自分以外誰もメロディやってないとか、そういうことはわかりますよね。
そうやって展開が理解できているだけで合奏時に心構えでき、安心です。

では先程のフルスコアの一部を拡大したものを見て下さい。


ホルンからトランペット1までを拡大しました。
この楽譜では自分が1stトランペットを担当しているとしましょう。そうして見てみると、ホルンの1stが同じ楽譜の書き方=同じリズムであることが視覚的に理解できるでしょうか。
音の高さがわからなくても動きが同じということが分かったのですから、合奏の時には少し遠くにいるかもしれないホルンの1st奏者と息を揃えようという意識の持ち方があるだけでかなりアンサンブルのレベルは変わります。

参考として過去の記事「電波の送受信(アンサンブル)」も読んでみて下さい。


《様々な練習方法を見つける》
同じトランペットパートだからといって、常にハモって同じ動きをしているとは限りません。
隣りで吹いている2ndトランペットが全然違う動きをしていると分からずに合奏中に「せーのー」と一緒に吹こうとしたら入ってこなくて「え?なんで?」と一瞬びっくりしてしまうと自分の演奏が不安定になってしまいます。

そうやって楽譜を図形的に見ているだけでも入ってくる情報は沢山あります。

同じ動きをしている各楽器のパートだけを集めて一緒に練習してみれば、メロディの歌い方を強化することができますし、バンド全体を支えるハーモニーだけを集中して作ることもできます。

スネアやバスドラムなどが継続的にリズムを演奏している箇所だったら、それら打楽器にも参加してもらってテンポキープを兼ねた練習もできますよね。

発見できればできるだけいろんな発展的な練習ができるんです。
個人練習、パート練習、セクション練習というものはみなさん多く行っていると思いますが、作曲者によって、作品によっては、そういった単純な「くくり」では解決することが難しい場面というのも沢山あります。

こういった視点からも、フルスコアを読めると良いですよね。


《いろいろな発見》
いろんな作曲家のスコアを見ていると様々な発見をすることができます。

例えば、フォルテとかピアノと言ったダイナミクス記号の書き方ですが、作曲家によって大きく分けて2パターンの書き方をしています。

ひとつは全部のパートを同じダイナミクスで書いている人。メロディも伴奏も盛り上がっていれば全パートフォルテだったり。

もうひとつは楽器によって変えている人。メロディは大きめに書いてあって、シンバルなどの打楽器や伴奏形はそれよりも少し小さめに書いている人。

前者は作品としてのダイナミクスで書いてあるので、奏者に微妙な音量バランスを求めている(自分は伴奏形だからメロディより前に出ないようにしよう、などの解釈を奏者に求めている)のに対して、後者は楽譜に書かれている音量を奏者それぞれが従うと、自然と立体的なバランスを(ある程度)自然と作り上げられるようになっています。


他にも、いろんな作曲家のフルスコアを沢山見ていると、その人のクセというか特徴がだんだん見えてきます。どんなふうに演奏させたいのか、とか楽器ごとの役割をどうさせたいのか、とか。

例えば吹奏楽で非常に有名なアルフレッド・リード氏の作品では、コルネットとトランペットの使い分けが非常に顕著です。あとテナーサックスとユーフォニアムの動きがかぶりすぎてるところとか。。。(笑)

オーケストレーションが作曲家によって全然違うのがわかってくると面白いですよ。


《パート譜への書き込み》
フルスコアを読んでいろんなことが理解できたとしても、自分のパート譜に全部書き込みしまくるのは良くありません。
書き込みをしてしまうと「わかった気がする」状態になってしまい、頭の中にインプットされにくいんです。書き込んで良いものはパート譜だけではわかりにくいことろや絶対はずせないポイントのようなものに限定すると良いでしょう。

この点については過去の記事「楽譜の書き込み1」「楽譜の書き込み2」を読んでみて下さい。


《フルスコアに慣れる》
吹奏楽で演奏している方はフルスコアを個別に手に入れるのは非常に難しいですよね。通常、指揮者しか持っていませんから合奏の合間にちょっと指揮台に覗きに行くとか、それくらいしかできないかもしれません。

なので、スコアを読むことに慣れるために「ポケットスコア」というものを買ってみてはいかがでしょうか。
最近、吹奏楽のポケットスコアなるものが出てきたっぽいですが、基本はオーケストラ作品です。ヤマハなどの楽譜を取り扱っているお店だととても沢山の作品が売っています。安い!

ポケットスコアは文庫本のような大きさなので、ものすごく小さくて細かいのですが、慣れると苦ではありません。
自分の好きな曲でも、聞いたことあるタイトルの曲でも何でも良いので、その曲のCDをかけながら何回も何回も繰り返し読み続けてみて下さい。
楽譜に慣れるだけではなく、先程書いたようにいろんな発見があると思いますよ。


《コンデンススコア》
フルスコアに対して「コンデンススコア」という楽譜があります。吹奏楽の楽譜にはとても多いスタイルなのですが、ものすごく音符の多いエレクトーン譜のようなものです。ミュージックエイト社のスコアはコンデンスがほとんどですね。あと、吹奏楽コンクール課題曲にはフルスコアとコンデンスの2通りがあります。

3,4段くらいの楽譜に全部のパート譜を集約している状態で、このスコアの使い方としてはハーモニーを理解しやすいことと、同じ動きをしているパートが楽譜の中に文字で書いてあるのでグループ分けしやすいメリットがありますが、やはり読みにくくて不便なのは否めません。フルスコアはやっぱりどうしても欲しいですね。


ということで、今回はスコアについていろいろ書いてみました。

スコアは縦にパートが重なっていることから、バンド全体の動きを理解する時にはたびたび「楽譜を縦に読む」という言い方をします。合奏中に指揮者から「もっと楽譜を縦に読まないとバラバラだぞ!」と言われたら、パート譜を90度回したりしないように覚えておきましょう。

それではまた来週!


当ブログの写真・記事等すべての営利目的による無断利用、ネット上などへの無断転載を禁止します。

at 21:31, 荻原明(おぎわらあきら), 楽譜の基礎知識

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ダブルバー、プラクティスマーク








みなさんこんにちは!
こちらのブログにも掲載しましたプレスト音楽教室のチャリティコンサート、本当に沢山の方にご来場頂きまして、おかげさまで267,310円の義援金が集まりました。本当にありがとうございました。

今の段階では音楽を聴くということが苦痛に感じてしまわれる被災者の方もいらっしゃると思います。
食べ物や飲み物、生活に欠かせない物資のほうが重要であることも事実でしょう。

でも人間には何かを感じる「心」があります。そして心が満たされなければどんなに食べ物や飲み物があっても満たされることがないと思います。

音楽はその「心」を満たす力があります。
我々音楽を生業としている者にはその「心」を満たす使命があると自覚しています。

今回のチャリティコンサートは東京で行われましたので、被災された方々に我々の音を直接届けることはできません。
しかし、音楽を届けようという「心」を義援金という形で届けることはできます。

その形を表せたことがとてもありがたく感じています。
今回のコンサートに限らず今後も音楽を通して様々な場面に参加できればと思っています。

ありがとうございました!
詳しくはプレスト音楽教室ホームページをご覧下さい


それでは、今回も楽譜に書かれている記号について解説します。


《ダブルバー(複縦線)》
普段何気なく見ている楽譜、よく見てみると音符だけでなく実に様々な記号や文字が書かれていることに気づくでしょう。
でも、その中でも小節線はまず絶対に存在しているものですからあまり気にしないかもしれません。

今手元に楽譜があったらもう一度小節線を見てみて下さい。
小節線の中には二重に引かれたところがあるのに気づきませんか?

これを「ダブルバー」もしくは「複縦線」と呼びます。(この記事では「ダブルバー」に統一して書きます)

もちろんダブルバーは適当に引いているわけではありません。その場所で何かがあるから敢て(あえて)引かれているんですね。
ではどういうところにダブルバーがあるのか今一度見てみましょう。


《タブルバーが出てくる場所》

■転調する時
ひとつの曲(楽譜)の中で調性が変わることがよくあります。これを「転調」と呼びますが、この時に調号の変化を見落とさないようにダブルバーが書かれていることが多いです。ただ、作曲家や楽譜出版社によってはこれをしていない場合もあるので一概にはいえませんが、ダブルバーが出てくることがとても多いところのひとつです。

■拍子が変わる時
これも転調と同じですが4拍子が3拍子に変わる時など、拍子が変化する場所にはダブルバーが書かれていることが多いです。ただし、これも絶対とは言えません。

■飛び越しがある時
例えばコーダやダル・セーニョ(D.S.)、ダ・カーポ(D.C.)などの楽譜を読む上でどこかに飛び越さなければいけない場合、これを見失わないように書かれていることがとても多いです。ただし、これも転調と同じで絶対書かれているわけではありません。

■曲が変化する時
転調や拍子が変化していなくても、楽曲の雰囲気が大きく変化する時にダブルバーが出てくることがあります。
小説などでも場面が変わる時や物語の中で時間が経過(変化)した時などに段落を変えたり一行空けたりすることがありますよね。これと同じようなものだと思って下さい。


《ダブルバーは親切心》
他の絶対的な演奏指示記号と違ってダブルバーというのはあくまでも作曲家や楽譜出版社(そのエディション(版)を担当した人)が任意(自由な意思)で引いたもので特に決まりがあるわけではありません。言い換えれば演奏者が読み間違えないようにとか場面が変わるから意識してね、とかそういう「親切心」からくるものです。

意識して見ることがあまりない小節線かもしれませんが、無意識に感じているのかもしれません。
というのも、楽譜の中で転調する場所があったにもかかわらず、その時演奏していた楽譜には転調時、普通の小節線だったんですね。
初見で演奏した時、直前まで気づかず慌てたことがあります。

演奏者は演奏しているその小節内や音符だけをガン見しているわけではありません。実際は演奏しているところより少し先だったり、一段下に何か変化がないか意識して見ています(というかそれが理想。楽譜の読み方について詳しくは後日書いてみようと思います)。
なので無意識の中にもダブルバーがこの先出てくるんだ、何かが起こるんだ、といつも思っているんだな、とこの時感じました。


自分は編曲をする事が多いのでダブルバーをどこに引くべきか考えることがよくあります。
あまりに多くダブルバーがあっても逆に読みにくくなってしまいます。親切すぎると大きなお世話になるんですよね(笑)

みなさんも楽譜を見た時に少しだけ意識してダブルバーを見つけてみて下さい。


《プラクティスマーク(練習番号)》
プラクティスマークというのは「練習番号」のことです。ほとんどの楽譜にはこれが書かれています。
「A」「B」「C」…といったアルファベットの場合、「1」「2」「3」…と数字の場合、また小節数を練習番号にそのまま使っている場合「100」「248」とか、出版社やエディションによってもいろいろあります。

たまに練習番号が一切ない楽譜があるんですが、これは本当に練習しにくいんですよね。小節番号だけでもあればまだ良いんですがそれもない楽譜があったりします。不親切な楽譜!!

この練習番号、読んで字の通り練習する時に使われる記号です。
ただ、この練習番号が書かれている場所は適当ではありません。

もし適当に練習番号が書かれていたら、『「A」から』と指揮者に言われて演奏を始めたらすごい中途半端な場所でかえってやりにくい、なんてことになりますよね。
先程書いたダブルバーと同じく、何か変化があるから、とかフレーズが新しくなる場所だからそこに練習番号が書いてあります。

ですから、演奏者は個人練習をしている時でも初見で演奏する時にも「そこで何か変化が起こるんだ」と練習番号を少し意識しているだけでかなり違うと思います。
ぜひ練習番号も見落とさずに楽譜を読むようにして下さい。

ただ、まれにですが出版社によっては「100」「150」「200」といった具合に「きっちりした小節数に練習番号を掲載する」という方法を取っている場合があるんです。
これがホントに迷惑で、こういった楽譜の練習番号はこの限りではありませんので注意して下さい。


ということで、今回はダブルバーと練習番号について書いてみました。
楽譜に書かれていることのほとんどは何らかの意味があってそこに掲載しているものなので、すべて見落とさずに演奏するよう心がけるようにしましょうね。

それではまた来週!


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at 00:59, 荻原明(おぎわらあきら), 楽譜の基礎知識

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テンポ/ビート/リズム








みなさんこんにちは!

最近トランペットそのものについて全然書いてないですね。ホントはもっと具体的にトランペットの奏法だとかいろいろ書きたいんですけど、やっぱり音楽の基礎的な部分を省くわけにはいかず。
直接トランペットのことではないかもしれませんが、音楽をする上ではやっぱり避けることができないので、もうしばらくおつきあい下さい。

ということで、今回は「テンポ」や「リズム」「ビート(拍)」について簡単にお話しをしようと思います。

リズム。rhythm。”新版「楽典」音楽家を志す人のための”という本によればですね、

『音の休止の長短と音の強弱が組み合わされてできるものをいう。rhythmはスポーツ選手の動き、光の点滅、機械類の動きなどにも感ずることができる。rhythmはmelody、harmonyにもまして音楽の根本をなしているもので(中略)それらはただ無秩序に並べられているものではなく、一定の時間ごとに刻まれるbeat(拍)に乗って作られている(後略)。』

ということです。わかりましたか?

難しいですね、こうやって説明されると。

まあ、簡単に言えば、リズムってのはこの世の中に無数に存在していて何も音楽だけのものじゃないんですよ、ってことがひとつ。
もうひとつは「拍」の上にリズムが作られるということ。

さらに、拍が並ぶとテンポが生まれます。音楽はある程度一定のテンポが続くことが多いですよね。

楽典に書いてあるようにスポーツ選手の動きにもリズムが存在してます。例えばわかりやすい例として「トランポリン」なんてそうじゃないですか?人間がトランポリンの上で「ポ〜ン、ポ〜ン」と繰り返し跳んでいるところ。これはほぼ一定のリズムを刻んでいると言えます。
人間の動きだけでなくボールを地面に打ち付けた運動なんかもリズムを感じやすいですよね。

音楽限定でリズムの話をすると非常に漠然としていてわかりにくいので、自分がリズムやビートのお話をする時は必ず音楽から離れてもっと生活や身近なところから話をします。

大切なことは、「リズムは『音楽』だけでなく『自然界』にもあたりまえに存在する」ということです。


みなさんは合奏をしていて指揮者や指導者から「リズム感が悪い!」とか「テンポ走る!」とか注意を受けたことはありませんか?
多分あるでしょ、一回くらい。

で、テンポ感を良くするためにどんな練習をしていますか?

多分、メトロノームを使っていることでしょう。それは一番直接的で能率の良い練習ですよね。

ただ、メトロノームだけで果たしてリズム感、テンポ感を充分に養うことができるでしょうか。

メトロノームを使って曲の練習をしていると、ものすごい合わせにくく感じることがありませんか?
特に同じパート内での曲練習でメトロノームを使っている部活を見かけることがありますが、(rit.やテンポの変わり目などと関係なく)大抵曲の途中でわけわからなくなりませんか?だんだんずれてきちゃったり。

それはなぜでしょうか。

ここで先程の話に戻りますが、リズムやビートというのは「自然界にもある動き」ということ。
そしてメトロノームの動きは単純な反復運動であるということ。

この違いを理解してメトロノームを使っているかどうかで大きく変わってくるんです。

アナログでも電子でも、メトロノームは振り子が左右が行ったり来たりする単純な動きです。もしくは電子なら光の移動や点滅によるもの。
この動きに「合わせて」曲の練習をしているだけでは、単に拍のアタマにポイントを合わせようとする作業になってしまい、非常に機械的で単純な運動に制限されてしまいます。

ポイントに合わせる作業で作られた音楽というのは人間味がありません。
音楽は生き物ですから、単なる正しい反復運動になるだけでは良い音楽が作られるとは言えませんよね。


自分がレッスンをしている時、テンポが走ってしまったりと安定しない時に必ず話すことは

「テンポは点の羅列ではなく軌道である」

といった内容を伝えます。こんな難しい言い方はしてませんけどね。

簡単に言えば、テンポやビートを「メトロノームのような点や平面(2D)の動き」で感じるのではなく「奥行きのある立体(3D)」で感じましょうと言った感じです。

わかりやすい例としては、指揮者の動きや打楽器奏者の動き。

もしも人間が作る音楽が正確なテンポやリズムで演奏した方が良いのであれば、指揮者ではなく巨大なメトロノームにでもやらせたほうが良いはずなにそんな演奏会は存在していない、ということに着目してもらいたいです。

人間が指揮を振る必要があるのはなぜか。また、メトロノームに任せられないのはなぜか。

もちろんテンポの変化、拍子の変化があるからメトロノームにやらせることができないのかもしれませんが、そんなの今の科学だったら簡単にプログラムを作ることができるはずです。でもやっぱり人間が指揮を振る。

それは表現や曲想などを作る上で人間であることももちろんありますが、それに加えて指揮棒や腕の動きが機械には表現できないからだと思うのです。
同じテンポであっても、素早く大きく動く指揮と、細かくあまり弾まない指揮では曲の感じ方が大きく変わります。

どちらが良いとか悪いではなく、人間の表現の幅は機械によって作られる単純な反復運動では表現しきれないということが音楽には存在しているということではないかと思います。

打楽器奏者も同じです。何かの工場で同じ製品を作り続けている機械のような動きでタイコを叩いても、それが正しいリズム感、一定の正しいテンポであったとしても人間味がなく、面白さは感じることができません。
大きな素振りでタイコを鳴らしたり、繊細な動きで細かい粒の音を表現したりできるのは、やはり人間だからこそではないかと思います。

そして、指揮者も打楽器奏者も共通して言えることは、平面的な動きではない、ということです。
指揮棒やスティックを持った腕や体の軌道は高さや奥行きなど、立体的な動きです。

もしも指揮者が奥行きや軌道がない動きで合奏を始めたら、絶対に合わせることができないはずです。
軌道があるからこそ、3Dの動きであるからこそ奏者全員が縦の線を合わせて演奏ができるのです。

ですから、メトロノームで練習することは悪いことではないのですが、テンポが走るから機械の動きに人間が合わせるような練習だけを繰り返し行ったところで解決する問題ではないということを覚えておくと良いと思います。

トランポリン運動のように跳んだ瞬間(拍のアタマ)から次にトランポリンに着地する瞬間(次の拍のアタマ)の軌道、高さ、そのスピードを頭の中にイメージしながら曲を演奏すると、走ってしまったりリズムが崩れてしまうようなことが少なくなると思います。

音楽は生き物。機械的な運動では面白さは半減してしまいます。
生きている音楽を演奏は、実はメトロノームのような正しすぎる一定のテンポではないのです。

試しに素晴らしい演奏の行進曲でもワルツでも何でもいいのでCDを聴いてみて、それに合わせてメトロノームを鳴らしてみて下さい。
テンポについて特に考えず聴いていると違和感なく一定と感じるテンポであっても、実際はメトロノームにぴったり合うとは限らない、というか絶対に合わないはずです。

一定ではないのに違和感を感じない演奏。これが「生きている音楽」ではないかと思います。

このように人間味のあるテンポを感じていなければ、その中で生まれるビート、リズムは生きてきません。


ということで、今回はテンポ、ビート、リズムについておおまかに書いてみましたが、決してメトロノームを否定しているわけではなく、なんでもかんでもメトロームに合わせようとするのではなく、必要な時に上手に使ってもらいたいということですよ。

個人練習、パート練習の時、メトロノームをあえて使わずにリズムを立体でイメージして演奏をする練習もしてみましょう!

もし機会があるなら、みなさんもトランペットだけでなく打楽器や指揮で合奏を経験してみると非常に勉強になると思います。
平面や点では絶対作れない役割ですからね。

それではまた来週!



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at 00:07, 荻原明(おぎわらあきら), 楽譜の基礎知識

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