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オーケストラのパート譜 5(実践その3)


















みなさんこんにちは!


何週かに分けて書いてきたオーケストラのパート譜(移調された楽譜)の読み方について、今回が最終回です。
今回はBb管で移調譜を読む方法について中心に書いていきます。


《Bb管のしくみ》
まずはBb管を吹いた時に出ている音がどういった仕組みなのかを解説します。

これまで書いてきた通り、吹奏楽譜で使われているトランペットの楽譜(in Bbと書いてある楽譜)というのは、他の移調譜同様、実音で書かれていません。
また、Bb管トランペットという楽器も、開放(ピストンを押さないで)音を出した時、Bb音を基準とした倍音が出る仕組みになっていますので、ピアノなどで言う「ド」の音とBb管トランペットで言う「ド」の音は違うものになってしまいます。

そのため、曲を演奏する時には「実音」で演奏しなければなりません。

in Cの楽譜をC管で演奏すれば実音で演奏できるのと同じように、in Bbの楽譜をBb管で演奏すると、実音で演奏することができるわけです。

吹奏楽からトランペットを始めた人は、この原理を理解した上で演奏しているとは限らないと思います。楽譜に書かれている「ド」の音を出すにはピストンを押さなければ良いとか、運指表に書いてある通りにピストンを押して音を出している人がほとんどではないでしょうか。絶対音感がある人に限り実音とin Bb楽譜の音の高さが違うので違和感を覚えるのですが、自分も含め絶対音感を持っていない人は特にこんな原理を気にすることなくトランペットを吹いていると思いますから、あえて移調楽譜、移調楽器の原理を説明すると、とても難しく感じてしまうかもしれません。

でも、自分の吹いている楽器や実音についての知識は持っていて損はありませんからぜひこの機会に覚えてしまいましょう。

その前にin Bbで書いてある楽譜のそれぞれの実音についておさらいしておきましょう。過去にin Bbで書いてある楽譜の実音を掲載しておきます。

【in Bb楽譜の音名(実音表記の楽譜in Cとは異なるので注意)】
20100622-01.jpg

20100622-02.jpg

20100622-03.jpg


《in Bbの楽譜》
では実際の楽譜を使ってin Bbについて解説していきます。



これは先日の記事「オーケストラのパート譜3(実践)」でも掲載したベルリオーズ作曲「幻想交響曲」より「断頭台への行進」の一部です。

この時の記事ではC管でin Bbを読む方法を解説しましたが、今回はこれを逆に考えれば仕組みがわかると思います。

下の段に書いてある楽譜が実音です。この実音をBb管で出すには、上の段の楽譜を吹けば良いわけです。
どういう仕組みになっているかわかりますか?

「Bb管で実音を出すには、実音の楽譜(in Cの楽譜)のひとつ上(長2度上)を演奏すればいい」

ということがわかるでしょうか。
長2度というのは「半音+半音」のことです。

これは少々乱暴な言い方をすればC管で移調読みをしている時の「in D」を演奏している時と同じと言えます。

ですから、ピアノ譜やフルート、歌などの楽譜(in Cの楽譜)をBb管を使って実音で演奏しようとするには、in D(長2度上げる)と思って演奏すれば良いのです。

更に、in Cの楽譜を読む時にin Dだと思って読んでいる、ということは『譜面に書いてある「in ◯」の◯の長2度上にするとBb管で吹いても実音になる』という考え方もできますよね。

これがわかれば、どんな移調譜でもBb管で読むことができます。

ここまで大丈夫でしょうか。


《Bb管で移調譜を読む》
それでは他の移調譜で考えてみましょう。



これも過去の記事で掲載したベートーヴェンの第九です。Bb管を使ってこの楽譜を演奏するにはどうしたら良いでしょうか。

先程のキーワード「in Dだと思って読む(長2度上を読む)」を実際に使ってみましょう。

この楽譜はin Dで書かれています。

『楽譜に書いてある「in ◯」の◯の長2度上にするとBb管で吹いても実音になる』ということなので、この場合は

in DのDの長2度上=in Eということになります。

したがってBb管でin Dを演奏する時には「in Eだと思って吹く」と実音になるということです。





もうひとつ。これも過去の記事で掲載した楽譜です。



この楽譜はin Aなので、Aの2度上である「in H」だと思って演奏すれば実音になります。
過去の記事で解説したように、in ◯の◯が主音になる長調の調号が(見えないけれど)書いてあると考えて演奏するのですが、この曲の場合は最初から調号、フラットが1つ付いていますよね。
これもすでに解説した通り、調号が付いている時には、楽譜に書いてある調号と、in ◯から求めた(見えない)イメージの中の調号の足し算引き算をする必要があります。

したがって、この場合は

「in H(シャープ5つ=+5)」とフラット1つ(-1)で +4になり、「シャープ4つがイメージとしての調号」になる、というわけです。
したがって楽譜にするとこのようになります。



わかりますか?


《まとめ》
ややこしくなったのでまとめてみます。

Bb管で実音を出すには
■実音の楽譜(in Cの楽譜)のひとつ上(長2度=半音+半音)上を演奏する
■楽譜に書かれている「in ◯」の ◯ のひとつ上(長2度=半音+半音)とイメージする
 例)in C→in D、in F→in G、in Eb→in F
■調号の増減に関しては過去の記事に書いてあるC管での移調読みと同じ方法でOK


このようになります。
移調の話はここまでです。


《C管トランペットとBb管トランペット》
移調読みをする時にC管さえあればわざわざ読み替えがややこしいBb管でやらなくてもいいじゃん、と思うかもしれません。
確かに、自分自身もオーケストラや移調して読む時のほとんどはC管で演奏します。

ただ、楽曲によってはBb管でないと出すことができない低音(E音)がオーケストラの下のパートに出てくることもあります。
また、Bb管とC管では同じ曲を吹く時にフィンガリングに違いが出てきますから、管によって指が簡単になったり、いきなり難しくなったりする場合もあるんですね。

また、C管以上に吹く機会がないかもしれませんが、例えばピッコロトランペットはA管で吹くことが非常に多く(主にバロック音楽では)、ハイドンやフンメルなどの作曲したトランペット協奏曲を演奏する時には通常Eb管で演奏するのが通常です(フンメルの協奏曲を原調のE durで演奏する時にはE管で吹く)。そのようにC、Bbだけでなくトランペットには移調楽器が存在していますので、楽曲(楽譜)に合わせた管で(もしくは自己判断で)演奏できるようにすることは大切なことなんです。

将来オーケストラをやってみたい、と思っている方、いろんなソロ曲を吹いてみたいと思っている方などはぜひ、楽譜と楽器の様々な組み合わせで演奏できるように少しずつでも良いですから練習してみて下さい。


それでは、移調読みについては今回で終わりです。
また来週!


当ブログの写真・記事等の(全部、一部問わず)無断利用、ネット上(TwitterやFacebookなどのSNSを含む)などへの無断転載を禁止します。

at 18:22, 荻原明(おぎわらあきら), 楽譜の基礎知識

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オーケストラのパート譜 4(実践その2)


















みなさんこんにちは!

オーケストラの移調されたパート譜を読む方法について書いています。

※ここでの解説はすべて実音に読み替える方法(= C管で演奏する方法)について書いていきます。Bb管での読み替えについては次回の記事で詳しく解説します。

《調号のついている移調された楽譜の読み方》
前回までの記事では調号がなにも付いていない状態の移調譜の読み方について解説しました。
ただ、オーケストラのパート譜では、調号がついている状態でin Aと書いてあったりする楽譜もたびたび出てきます。

そういった場合、前回解説したように読み替えることができません。ではどう考えるのか。

ここで大切なのは「調号のプラス、マイナス」です。

どういうことかと言いますと、まずこう考えます。

シャープは +(プラス)
フラットは −(マイナス)


調号にシャープを足していく順番は覚えていますよね。ファ→ド→ソ→レ→ラ→ミ→シ
また、フラットは、シ→ミ→ラ→レ→ソ→ド→ファ の順です。
※過去の記事調 3(調性の求め方 つづき)を参考にして下さい。

これらシャープ、フラットはまったく別物の世界にあるのではなく、つながり合っていると考えて下さい。

調号が何も付いていない、いわゆる C durをここでは±0とした場合、-に行くとフラットが追加され、+に行くとシャープが追加されていくのだと考えれば以下のようになります。



ここまで大丈夫ですか?


ということは、移調楽譜にあらかじめ調号が付いていた場合にも同じように足し算引き算をして、実際の調性が何なのかを求めることができるというわけです。


《調号の足し算、引き算》
例えば in D と書いてあって、調号にフラット2つ書いてあったとします。

■これまでの記事に書いた通り、in Dと書いてあればD durの調号が(目には見えないけれど)付いていると考えます。したがってシャープが2つ付いています。シャープ2つなのでこの場合「+2」

■移調譜に最初からフラットが付いているのでこの場合「-2」

よって、この場合 +2と-2なので 0 ということになりますね。0というのは調号がなにも付いていない状態です(C dur か a moll)。

音符をいくつ上げ下げすれば良いのかは、これまで通り楽譜に書いてある「in ◯」に従えばOKです。よってこの場合 in Dなのでひとつ上に音符があると思って読み替えれば良いのです。

ですのでこの例にあげた楽譜「調号にフラットが2つ(シ、ミ)付いている in Dの楽譜を実音に読み替える時は、調号が付いていない状態で、楽譜に書いてある音符の1つ上を読む」ことで成立します。


では、もう実例をあげてみましょう。



この曲はチャイコフスキー作曲「白鳥の湖」の「ナポリの踊り」という曲です。作品の前半がずっとトランペットソロで、明るくさわやかなメロディを歌い続けます。

この楽譜は in Aと書いてあります。また、調号にフラットがひとつ付いています。

in Aはシャープが3つ付いていますので「+3」
楽譜にフラットが1つ付いていますので「-1」

計算すると「+2」になりますね。+2(=シャープ2つ)ということでこの曲はD durということになります。
そして、音符はin Aを尊重して2つ下(3度下)を読むということになります。
したがって以下のように読み替えることになります。



わかりましたか?
調号が付いている移調譜の場合はこのように足し算引き算をして考えてみて下さい。


《臨時記号が書いてある場合》
どんな楽譜でも大概臨時記号は出てきます。移調された楽譜でもそれは同じ。
では、臨時記号が付いている音符はどう読めばいいのかというと、これは難しくありません。そのまま付ければいいのです。

言い方を変えれば、例えばフラットが音符についていればその音符を「-1」にして読めば良い、ということです。

なんでこんな面倒な言い回しをしたのかと言いますと、移調読みをした(実音読みをした)時にイメージとして付いている調号と、臨時記号が両方関係している音符というのがあるんですね。その時に読み間違いをしてしまうことが多々あるからなんですが、例えばこんな感じです。



この曲はマーラー作曲、交響曲第五番の冒頭部分です。
曲の一番最初からいきなり誰もいない中、トランペット1本で演奏しなければならない非常に緊張する作品です。

この楽譜はin Bbで書いてあります。したがって、見えない調号がフラット2つということになりますね。
しかし、書かれている楽譜(掲載している部分)のすべての音にシャープが付いています。

臨時記号として付いたシャープやフラットは移調読みをした時にもそのまま適応させれば良いので、最初に書いてある(楽譜に書いてある)レのシャープは、実音「ドのシャープ(cis音)」ということになります。

しかし、その後に出てくる(楽譜に書いてある)ファのシャープ音を移調読みしようとすると、「ミのシャープ」かと思いきや、調号に「ミのフラット」があるんですよね。この時、先程紹介した調号の足し算引き算と同様に考えると解決します。

ミの音に「(調号が)フラット(= -1)」で、「(移調譜に)シャープ(+1)」なので、結果 ±0ということになり、この音の実音は「E(ナチュラル)」音になるということです。

楽譜にすればこうなります。



いかがでしょうか。

このような「臨時記号の打ち消し(ナチュラル)」になる場合はとても多いのですが(現代のピストン楽器が開発される以前に作られた作品に多い)、場合によっては調号としてフラット(シャープ)が付いた音符に臨時記号にもフラット(シャープ)が付いている場合もあります。

この場合、ダブルフラットやダブルシャープになりますので読み替える時に間違えないように注意して下さい。


ということで、シャープ、フラットは足し算引き算で調号の増減を考えられれば、移調譜でも読み替えることができるようになります。
ここまでの解説を過去の記事からすべて理解できていれば(C管で)オーケストラ楽譜を読むことができるはずです。

あとは沢山の作品にチャレンジして読み替えに慣れることです。
ぜひオケスタ(オーケストラスタディ)を手に入れて有名なフレーズを演奏してみて下さい。

長くなってしまったのでBb管での読み替えについては次回解説します。
それではまた来週!


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at 08:20, 荻原明(おぎわらあきら), 楽譜の基礎知識

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オーケストラのパート譜 3(実践)


















みなさんこんにちは!


オーケストラのパート譜の読み方(移調された楽譜の読み方)について今回も引き続き書いていきます。

今回は実際にオーケストラで演奏する楽譜を元に移調読みをしてみましょう。
※この後に出てくる譜例はすべてC管で演奏する場合の読み方、要するに「実音に読み替えていく」作業ですのでお間違いなく。


《in D》
まずは楽譜に「in D」と書いてある場合の読み方です。



ベートーヴェン作曲 交響曲第九番の第四楽章、いわゆる第九です。
この曲は終始 in D で書かれています(3楽章のみ in Bb)。4楽章に入り、一番有名なメロディがコントラバスの静かな演奏から徐々に楽器が重なって盛り上がった最後にトランペットがメロディを担当しているところです。この後、オケだけの演奏が一段落し、歌が入ってきます。

前回の記事を参考にして考えていきます。この楽譜はin D なので調性としてはD音を主音とする調性である「D dur」の調号が(目に見えている楽譜には書かれてないけれど)付いている、と考えます。したがってシャープが2つ(ファ、ド)。
in D で「ドレミファソ...」と書いてあれば、実音「レミ♯ファソラ...」で演奏します。



ということなのでこの楽譜は以下のように演奏します。



わかりますか?

ここまでは理論としてしか書いていかなったのですが、実際に読み替えしながら演奏する時、自分はどうしているかと言うと、こう考えています。

1.調号がいくつ付いているか理解する(in DならD durだからシャープ2つ)
2.楽譜に書いてある移調された音符(書かれている音符)から見えない実音の音符があるとイメージしながら(平行して)読む


この手順ですべて読んでいます。

in Dは「楽譜に書いてある『ド』がDの音」ということですよね。
したがって、「楽譜のド」よりも「ひとつ上が実音」ということになります。ですから、楽譜に書かれている音符よりも1つ上に(実際には見えていないところに)実音があるとイメージしています。この時、楽譜に書いてある移調された楽譜はうっすらと見ているような感じです。
実音が浮き上がって見えてくるようになれば、音符が激しく跳躍したとしても楽譜に書かれている音符をずっと平行して実際には書いてない(見えてない)音符を読むことができるはずです。

ですから、第九の楽譜を読んでいる時、自分の目にはこのように見えているんです。



小さい赤い音符が頭の中にあるイメージです。大きいほうが実際の楽譜。
すでに調号がいくつ付いているのかはわかっているので、「半音いくつぶんだから....」とか余計なことは考えていません。「in Dならひとつ上を読む」とだけ考えて、調号は頭の中で持ち続けています。

どうでしょうか、わかりますか?
次いきますね。


《in Bb》
前回の記事では書きませんでしたが、吹奏楽で使われている「in Bb」もオーケストラ譜には沢山でてきます。
Bb管に持ち替えて楽譜に書いてある通り演奏しても良いのですが、いろいろな事情からC管で演奏することも沢山ありますので、やはりどんな移調楽譜でも実音で読めるようにしておくことが大切です。



この曲はベルリオーズという人の作曲した「幻想交響曲」という作品の中にある「断頭台への行進」という曲です。夢の中で愛する女性を殺してしまい、処刑されることになった主人公(ベルリオーズ本人?)が断頭台(=ギロチン)へと歩いていく様子が描かれています。「幻想交響曲」は音楽を聴くだけでなく、ストーリーを知っておくとなかなか面白いですよ。

そして、先程の in D の時と同じ様に考えると、

1.見えない調号はフラット2つ(シ、ミ)
2.楽譜の「ド」の音は実際には「♭シ」→楽譜に書かれている音よりも「ひとつ下」を読めば実音
※「シのフラット」とは考えなくても、調号の「シ」の音にはすでにフラットが付いているので、単純にひとつ下を読めば良い。

こういうことになります。



わかりますか?


このようにして、「見えない実音」を平行移動しながら移調楽譜を自分は読んでいます。
他の移調もすべて同じです。

ひとつ注意してほしいのは「in A,in Ab,in Bb,in H」は書いてある音符よりも「下」に実音があります。他は上に実音があります。ですから、in Fなら4つ上に実音があります(F durと考えるのでフラットひとつ)。そして in Hならひとつ下に実音があります(H durなのでシャープ5つ)。どちらに実音があるのかわからないと、音域的にすごいことになってしまう可能性もありますので覚えておいて下さい。


さて、移調譜を読む時の(荻原流の)基本はこのような感じなのですが、まだ疑問点がありますよね。
それは「最初から調号が付いていたらどうするのか」そして「臨時記号がついている場合はどうするのか」。
これについては次回解説していきます。
まずは調号も臨時記号もついていない楽譜を移調読みできるように、Bb管しか持っていない方も実音ではなくなってしまいますが、調号のついていない楽譜を使って、移調して読む練習をぜひしてみて下さい。

それでは、また来週!


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at 10:12, 荻原明(おぎわらあきら), 楽譜の基礎知識

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オーケストラのパート譜 2(移調読みの仕方)


















みなさんこんにちは!


さて、先週からオーケストラのパート譜について書いています。吹奏楽をやっている方は縁がないと言わず、音楽の仕組みをより深くしる上でもぜひ読んで知識として持って欲しいと思っていますので引き続きおつきあい下さい。


《調性についての知識を得る》
前回の記事で、オーケストラのパート譜は様々に移調されてかかれている、ということを書きました。その作品、その場面、その小節
によって「in ◯」の指示が変わってくるので、移調読みができないとオーケストラでの演奏は大変難しくなってしまいます。

仮に与えられた楽譜をin Bbに書き直して演奏しようと毎回毎回写譜しているようではそれは手間がかかりすぎですし、音楽の仕組みを理解したことにはなりません。最初は苦労するかもしれませんが写譜をしたり運指を書き込んでいくのではなく「調性についての知識を自分のものにする」というスタンスで練習をしていくほうが、将来的にはよっぽど柔軟に演奏していけるはずです。


《音大生の時のはなし》
自分自身、高校生までは吹奏楽しかやってきていませんでした。ですから音大に入学するまではオーケストラのパート譜が移調されて書かれている、なんてことは知らなかったんですね。高校生の時からオーケストラの演奏はコンサートやCDで結構聴いていたので曲は知っていましたが、ポケットスコアやオケスタ(オーケストラスタディ=楽器ごとに様々なオケ曲の主要な部分を抜粋して掲載してある楽譜)を初めて見た時にさっぱり読めなかったんです。
今はどうか知りませんが、当時の東京音大ではオーケストラの授業は3年生から始まるので、移調読みがすぐにできなくても別段問題ありませんでした。でも結局将来的にはオケで吹くことになるんだったら行動は早いほうが良いということで親にお願いしてC管を購入。そして良くわからないけれどオケスタを片っ端から吹いてみる、ということを1年生のだいぶ早い時期からやっていました。

曲はなんとなくわかっていてもいざトランペットの主要な部分だけ抜粋してあるオケスタだといまいちよくわからなかったのでポケットスコア(文庫サイズのスコア。安い。)と音源のCDを手に入れて勉強し、実際に吹いてみるという練習をしていました。

でもやはりネックなのは移調読み。C管でin C譜を読むのなら、吹奏楽のようにin Bbの楽譜をBb管で吹くのと同じ感覚で吹けば一応音は並ぶのですが、in Fとかin Eとか、すんなり読めなくて苦労しました。

そこでまず移調されている楽譜がどんな理屈で作られているのかをラッパを使わず考えることにしました(その方法は後述します)。もともと楽典やら何やら勉強して入学した音大ですからそんなに苦労することもなく理解することができたのですが、やっぱり実際に音に出すとなると早いテンポの曲もあるし、オケ譜はやはり難しいパッセージが多いので上手く吹けません。

なので、ピアノで一度弾いてみる、という練習をしてみました。パート譜を見てピアノで弾くことができれば(C管で吹く前提ですからピアノで弾ければ)実音が何なのかを理解できるからです。副科ピアノ(音大ではピアノのレッスンは基本的に必修)の練習もできるしまあちょうど良い、ということで。

あとはドレミで歌う練習もしました。移調された楽譜を実音のドレミ(固定ド)で読むのは最初結構難しいことがわかりました。例えばin Dの楽譜を目の前にして実音で歌うとなると「ド」と楽譜に書かれていても声に出して歌うピッチは「レ」になるからで、移調読みが難しく感じる理由のひとつがここにあることに気付きました。

そんな感じで理論的に学ぶこと、トランペット以外の方法で練習をすることを平行した結果、少しずつどんな移調譜でも読めるようになってきたんです。多分やみくもにトランペットを吹いて練習するだけだったらもっと時間がかかったと思うんですよね。

以前にもこのブログで書きましたが「トランペットの練習をする」というのは何も楽器を吹いている時間だけではないと思います。上記のように様々なアプローチで楽器の上達、音楽の上達をする方法を自分なりに考え、実践していくことが非常に大切だと思います。


《移調読みのしかた》
それでは実際に移調譜を読むための方法について解説していきます。

その前に、これから書いていくことは「調号がついていない状態の移調譜」であること、そして「実音に読み替えていく」ということを覚えておいて下さい。ようするにBb管で吹くための読み方ではない、ということです。調号がついた移調譜について、そしてBb管で移調読みをする方法については次回の記事で書いていきます。
そしてもうひとつ。以下に書いていくのは荻原が実際に移調読みをしている時の方法であって、他のプレイヤーさんはもしかすると違う読み方、理論を持っているかもしれません(ちゃんと聞いたことがない)。ですからあくまでも一例ということでよろしくお願いします。


それでは...
まず一番重要なことは『「in ◯」の◯の音が(長調としての)主音になっている』ということ。これを覚えて下さい。
移調譜の「ド」の音は実際には「in ◯」の◯の音である、ということです。



更に「in C」は「C dur」の調(号)である、ということ。「in D」は「D dur」、in Fは「F dur」。



調性によって変化するものは、ト音記号のとなりに書かれている「調号」ですよね。調号の数がかわると調性が変わります。
前回の記事の最後に「過去の関連記事のリンク一覧(調について)」を掲載したのはそのためです。調について全然理解してない、という方はこれより先を読む前に調についての記事を一通り読んでもらったほうが良いと思います。よろしくどうぞ。


例えばin Dの楽譜なら、音階が書いてあればこういうことになります。



上の五線に書かれているのがin Dの移調譜(オーケストラ譜)で、下に書かれているのは「実音(実際に聴こえている音)」です。C管で上の五線(in D)の楽譜を演奏する時は、下の五線(実音)を吹いている、ということです。

in Dの楽譜に「ドレミファソ...」と書いてあれば実際は「レミ♯ファソラ...」と聴こえているということがわかりますか?
要するにこの曲は見た目「ドレミファ..」とC durに見えていても「D dur」なんですね。

ですから楽譜に「in Eb」と書いてあって、見た目は「ドレミファ」でも「♭ミファソ♭ラ」が聴こえますし、「in F」も同じように考えられます。

この理屈がわかれば移調読みをして演奏することは簡単です。あとは慣れ。いろんな曲を吹いてみる経験を重ねるだけです。

別にオケスタをいきなり吹きなさい、とかじゃなくて良いと思うんです。簡単な教本とかロングトーンの楽譜とかを「in ◯」として移調読みすれば良いと思います。
ドレミファソラシドと書いてある楽譜を見ながら違う調を吹くのは先程書いたように慣れていないと結構難しいんです。ですからまずはそこから練習してみて下さい。

この移調する練習はBb管でも同じようにすることができます。例えBb管で吹いているその調が実際何調なのかわかっていなかったとしても「目の前にある楽譜を移調して読む」練習には充分可能です。これができるようになれば将来的にはどんな楽譜でも(音域さえ合えば)トランペットで吹くことができますし、調性について柔軟に理解をすることができるのでとっても大切な練習のひとつですからぜひ吹奏楽をやっている方もチャレンジしてみて下さい。

ということで来週もこの話の続きです。
それでは!


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at 11:20, 荻原明(おぎわらあきら), 楽譜の基礎知識

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オーケストラのパート譜 1


















みなさんこんにちは!


《オーケストラのパート譜》



このブログを読んで頂いている方のほとんどは吹奏楽を演奏されているのでは、と思うのですが今回はオーケストラ(管弦楽)の楽譜がどうなっているのかを書いてみようと思います。

と言うのも、吹奏楽のトランペットパート譜というのはほぼ100%「in Bb」で書かれていますよね。パート譜のパート名の所に必ず書いてありますね。

でもオーケストラのパート譜は in Bb で書いてあるとは限らないんです。

その前にin Bbがどういう意味なのか、どんな仕組みなのかを知らない方のために簡単に説明します。


《in Bbとは》
まず、in Bb譜をピアノなどの鍵盤楽器でそのまま弾いても同じ音になりません。試しに鍵盤楽器でトランペットの楽譜をそのまま弾いてみて下さい。
なぜそうなるのかというと、吹奏楽で使ってる一般的なトランペットは「Bb管」と呼ばれていますよね。ピストンを何も押さずに音を出すと「Bb(ベー)=シのフラット」の音が出ます。そのBb管トランペットに楽譜のほうが合わせてくれているんです。

in Bbの楽譜でいう「ド」の音は実際には「シのフラット」のことを指しています。

in Bb楽譜のドの音は「移調されている音」
実際に出ている「シのフラット」音は「実際に出ている音」という意味で「実音(じつおん)」と呼びます。

もっと詳しく知りたい方は過去の記事「ドイツ音名を覚えよう1」と「ドイツ音名を覚えよう2」を読んでみて下さい。

ここでは「in Bb」という楽譜はピアノでそのまま弾いても同じ音が出ない=実音で書かれていない、ということだけ最低限覚えておいて下さい。


《移調されまくりのオケ譜》
吹奏楽のパート譜がin Bbで書いてあるだけなのでBb管で演奏する場合は(慣れてしまえば)何も考えなくても吹くことができますが、オケパート譜はそうはいきません。

というのもオケの場合「in C」「in D」「in E」「in Eb」「in F」「in G」「in Ab」「in A」「in Bb」「in H」...と、作曲家によって、楽譜によって、更には小節によって違ってくるんです。他もあるのかもしれませんが、自分が出会ってきたパート譜はこんな感じです。

先程「in」が付くと実音ではなくなる、と書きました。ということは、それぞれ移調のされ方も違ってくるわけですからその都度読み替えをしなければ曲練習すらできないということになります。

ですから吹奏楽だけを演奏する時とは違って、オケの場合は調性の知識をきちんと持っていないと対応できないんです。

移調読みをする時に吹奏楽同様Bb管で吹くことももちろん可能ですが、トランペットそのものが移調された楽器で、さらに楽譜も移調されてしまっているというのは結構大変です。調号もBb管で吹くと一気に増えてしまう可能性もあります。

吹奏楽はBb管やEb管などのフラット系の楽器がとても多いので、必然的にフラット系の調性で書かれている場合がとても多いんです。ですから、結構な確率でトランペットの楽譜は調号があまり多くないですよね。それは読みやすくするためにそうしているだけでなく、やはりフラット系の管楽器はフラット系の調性のほうが良い鳴り方をするんです。個人的解釈ですけど。

でもオーケストラの場合はわざわざフラット系の調性にはしません。どんな調でも書きます。ですから例えばH durとかだって普通に出てきます。もしH durをBb管で吹くことになった場合、調号で考えると全ての音にシャープを付けて吹くことになるんです。結構大変ですよね。

そこで一般的に使われるのが「C管」トランペットです。


《C管トランペット》
C管トランペットというのはピストンを押さずに音を出すと「C」の音が出るトランペットです。吹奏楽をやっている限りは必要性がないので基本使いませんが様々に移調されたオケ譜を読む時に非常に重宝します。

C管については過去の記事「いろいろなトランペット 1(C管トランペット)」を読んでみて下さい。


《吹奏楽だから必要ない?》
吹奏楽を楽しんでいる皆さんにとって今回の記事は「オケやらないし必要ないや」と思うかもしれません。
確かに直接的に使うことは吹奏楽だけに限って言えばありません。

しかし、移調された楽譜を読むことを学ぶということは、結果として調性の知識を持つことでありそれを実践で使えるということにつながります。

前に座っているホルンのパート譜を見てみて下さい。吹奏楽のホルンは「in F」が基本です。サックスは楽器によって「in Eb」があります。
スコアを見ると、それぞれ移調された状態でそのまま書かれています。スコアを見て全体を把握しようとした時、移調された楽器の「実音」がわからない状態では何の音が出ているのか理解できません。
アンサンブル(室内楽)で金管5重奏をしている時、ホルンが何の音を出しているのかわからないのは良くありません。

移調されていること、移調された結果の実音が何なのか、というのは「調性」を理解することに直接つながります。ということは、移調できない人はきっと調性が理解できていない=音階(の仕組み)が理解できていない、ということではないでしょうか。

それではロングトーンの練習だって限界がありますし、いざあまり出会ったことのない調号沢山の曲を吹くことになっても譜読みするだけで大変な思いをしてしまいます。

調というのは音楽の基本中の基本。ですからぜひ吹奏楽をやっている方もこの記事を読んで、理解し、できれば実践できるようになって欲しいです。

移調読みができるようになると、将来的に歌の楽譜やピアノの楽譜のメロディをBb管トランペットで実音で演奏することができます。
すきなポップスの歌譜を吹くことができますし、これって結構便利で楽しいんですよ。


ということで、次回から移調された様々なオケ譜の読み方を解説していきますのでどうぞおつきあい下さい。

それではまた来週!


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at 16:33, 荻原明(おぎわらあきら), 楽譜の基礎知識

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