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2011.10.18 Tuesday
スラーの吹き方 4
みなさんこんにちは!
今回はスラーについての最終回です。
《フレーズのスラー》
これまで解説してきたスラーというのは2つないしいくつかの音符に対して付けられたもの関してだったのですが、ほかにもこんなスラーの付いた楽譜をみたことがあると思います。
これは沢山の音符を小節を越えて付いているいわゆる「フレーズのスラー」です。
フレーズというのはこういった長いスラーがあってもなくても必ず存在するもので、文章で言う「、」から「、もしくは 。」の範囲を表しているのと似ています。
歌詞が付くとよりわかりやすいでしょう。
歌詞の切れ目でスラーも分かれています。こういったスラーは視覚的にもわかりやすいフレーズのスラーと言えます。
ではトランペットの楽譜でフレーズのスラーが出てきたらどう演奏すればよいでしょうか。
《トランペットでのフレーズスラー》
基本的には前回まで解説してきた音符と音符をつなげるスラーと演奏の仕方は変わらないと思って良いでしょう。
ただし、以外のような楽譜だったらどう演奏しますか?
スラーはタンギングをしないのが約束ですが、この楽譜では同じ音が続いてしまっています。これではタンギングをしないわけにはいきませんよね。
ですから、フレーズのスラーというのはあくまでもフレーズのつながりを視覚的に書いてくれているガイドであって、タンギングをしてはいけない、ということはないんですね。
結果としてこのような演奏の仕方でも良いのではないでしょうか。
あくまでもこれは一例ですが、実際はこれらのように演奏した上で「フレーズをしっかりと感じている」のが理想です。ですからはっきりと音を区切ってしまうようなタンギングをしてしまわないように注意しなければなりません。そのためには様々なタンギングができるようにする必要がありますね。
《スラーをタンギングする》
フレーズのスラーの吹き方を発展させて考えると「スラーであってもタンギングして構わない」と言うことも可能です。ただこれは多少乱暴な言い方で、スラーが難しいからタンギングしちゃえという妥協の姿勢であってはいけません。
あくまでもスラーの箇所を優しくタンギングすることで結果としてしっかりと動きを聴かせることができる場合に限られます。
これはかなり高度なテクニックですので、やはり最初はスラーはスラー、タンギングはタンギングときちんと吹き分けて演奏できるようにしっかり練習をしましょう。
ということで4回に渡ってスラーについて書いてみました。
キレイなスラーができるようにまずは基礎練習でじっくり磨いて下さいね。
それではまた来週!
今回はスラーについての最終回です。
《フレーズのスラー》
これまで解説してきたスラーというのは2つないしいくつかの音符に対して付けられたもの関してだったのですが、ほかにもこんなスラーの付いた楽譜をみたことがあると思います。
これは沢山の音符を小節を越えて付いているいわゆる「フレーズのスラー」です。
フレーズというのはこういった長いスラーがあってもなくても必ず存在するもので、文章で言う「、」から「、もしくは 。」の範囲を表しているのと似ています。
歌詞が付くとよりわかりやすいでしょう。
歌詞の切れ目でスラーも分かれています。こういったスラーは視覚的にもわかりやすいフレーズのスラーと言えます。
ではトランペットの楽譜でフレーズのスラーが出てきたらどう演奏すればよいでしょうか。
《トランペットでのフレーズスラー》
基本的には前回まで解説してきた音符と音符をつなげるスラーと演奏の仕方は変わらないと思って良いでしょう。
ただし、以外のような楽譜だったらどう演奏しますか?
スラーはタンギングをしないのが約束ですが、この楽譜では同じ音が続いてしまっています。これではタンギングをしないわけにはいきませんよね。
ですから、フレーズのスラーというのはあくまでもフレーズのつながりを視覚的に書いてくれているガイドであって、タンギングをしてはいけない、ということはないんですね。
結果としてこのような演奏の仕方でも良いのではないでしょうか。
あくまでもこれは一例ですが、実際はこれらのように演奏した上で「フレーズをしっかりと感じている」のが理想です。ですからはっきりと音を区切ってしまうようなタンギングをしてしまわないように注意しなければなりません。そのためには様々なタンギングができるようにする必要がありますね。
《スラーをタンギングする》
フレーズのスラーの吹き方を発展させて考えると「スラーであってもタンギングして構わない」と言うことも可能です。ただこれは多少乱暴な言い方で、スラーが難しいからタンギングしちゃえという妥協の姿勢であってはいけません。
あくまでもスラーの箇所を優しくタンギングすることで結果としてしっかりと動きを聴かせることができる場合に限られます。
これはかなり高度なテクニックですので、やはり最初はスラーはスラー、タンギングはタンギングときちんと吹き分けて演奏できるようにしっかり練習をしましょう。
ということで4回に渡ってスラーについて書いてみました。
キレイなスラーができるようにまずは基礎練習でじっくり磨いて下さいね。
それではまた来週!
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at 10:44, 荻原明(おぎわらあきら), スラー
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2011.10.11 Tuesday
スラーの吹き方 3
みなさんこんにちは!
今回もスラーについて書いていきます。
スラーというのは「なめらかに演奏する」という意味から、トランペットでは「タンギングをしないで演奏する」という奏法の指示と捉えることが基本になるとこれまで解説してきました。
ただ、スラーを演奏するにあたって、タンギングをしないで演奏しなければそれで充分とは言い切れません。
そもそも楽譜に書かれているほとんどの記号は単なる「演奏指示」とだけ捉えていると機械的な演奏になってしまい、生きた音楽にはほど遠いものになってしまいます。
音楽をするにあたって楽譜は「必要最低限の指示が書かれた記号の羅列」以上のものではなく、プレイヤーはその記号の羅列から自分なりに、もしくは一緒に演奏する人たちとイメージを統一して「生きた音楽」を表現することがとても大切なことです。
ですからスラーに関しても、ただタンギングしなければそれでいい、と思わないようにしましょう。
ではスラーにはどんな意味が他にあるのでしょうか。
《スラーを付ける意味》
そもそもスラーを音符に付ける(=タンギングをしないで演奏する)指示を作曲家などが楽譜に書き込んだことには何か意味があるはずです。
逆に、スラーがない音というのは基本、タンギングをして演奏しますね。そうすると聴こえてくる音の流れは「区切られた」印象を与えるようになります。
ですから、スラーが付いた音符同士というのは「グループ化」されて聴こえてくるはずです。
これは喋っている時の発音も同じです。
例えば「スピーカーの音量を下げてください」と喋るとして、「スピーカー」を「スピイカア」とは言いませんね。同じように「音量」を「オンリヨウ」とは言いません。
もし「スピーカー」を「スピイカア」と発音して欲しくないと思った時、どこにスラーを付ければ良いか。これが音符に付けるスラーの部分になる、ということです。
《歌曲から見るスラー》
では今度は歌曲を見てみましょう。
「浜辺の歌」です。ご存知の方も多いと思います。
この作品の歌詞だけを書いてみるとこうなります。
「あした浜辺をさまよえば/昔のことぞしのばるる」
この作品は(というかほとんどの歌曲は)ひとつの音符にひとつの発音ではありません。ですから、楽譜に歌詞を書き込むと以下のようになります。
さらにこの作品をトランペットで吹くとなった場合(歌詞の発音を尊重して演奏する場合)、スラーを以下のように書き込むのが自然です。
いかがでしょうか。
このようにスラーというのは単にタンギングをするとかしないという意味ではなく、音楽が自然な流れになるように演奏するための記号なんですね。
これは歌曲でなくても(最初から歌詞のない器楽曲であっても)まったく同じです。
メロディの流れの中でグループ化された音符をどのように演奏するのか、その目安がスラー記号なんです。
更に、メロディ以外の伴奏形を演奏する時のスラーも、その音楽のスタイルを決める音形を作っているものなのでとても重要なものですから、楽譜に書かれているスラーを演奏する時には常に「スラーが付いたことで音楽にどのような印象を与えるのか」をイメージすることが大切です。
ということで今回は「スラーは単にタンギングをしないで演奏する」という意味だけではない、ということについて詳しく解説してみました。
次回はスラーについてのまとめです。
それではまた来週!
今回もスラーについて書いていきます。
スラーというのは「なめらかに演奏する」という意味から、トランペットでは「タンギングをしないで演奏する」という奏法の指示と捉えることが基本になるとこれまで解説してきました。
ただ、スラーを演奏するにあたって、タンギングをしないで演奏しなければそれで充分とは言い切れません。
そもそも楽譜に書かれているほとんどの記号は単なる「演奏指示」とだけ捉えていると機械的な演奏になってしまい、生きた音楽にはほど遠いものになってしまいます。
音楽をするにあたって楽譜は「必要最低限の指示が書かれた記号の羅列」以上のものではなく、プレイヤーはその記号の羅列から自分なりに、もしくは一緒に演奏する人たちとイメージを統一して「生きた音楽」を表現することがとても大切なことです。
ですからスラーに関しても、ただタンギングしなければそれでいい、と思わないようにしましょう。
ではスラーにはどんな意味が他にあるのでしょうか。
《スラーを付ける意味》
そもそもスラーを音符に付ける(=タンギングをしないで演奏する)指示を作曲家などが楽譜に書き込んだことには何か意味があるはずです。
逆に、スラーがない音というのは基本、タンギングをして演奏しますね。そうすると聴こえてくる音の流れは「区切られた」印象を与えるようになります。
ですから、スラーが付いた音符同士というのは「グループ化」されて聴こえてくるはずです。
これは喋っている時の発音も同じです。
例えば「スピーカーの音量を下げてください」と喋るとして、「スピーカー」を「スピイカア」とは言いませんね。同じように「音量」を「オンリヨウ」とは言いません。
もし「スピーカー」を「スピイカア」と発音して欲しくないと思った時、どこにスラーを付ければ良いか。これが音符に付けるスラーの部分になる、ということです。
《歌曲から見るスラー》
では今度は歌曲を見てみましょう。
「浜辺の歌」です。ご存知の方も多いと思います。
この作品の歌詞だけを書いてみるとこうなります。
「あした浜辺をさまよえば/昔のことぞしのばるる」
この作品は(というかほとんどの歌曲は)ひとつの音符にひとつの発音ではありません。ですから、楽譜に歌詞を書き込むと以下のようになります。
さらにこの作品をトランペットで吹くとなった場合(歌詞の発音を尊重して演奏する場合)、スラーを以下のように書き込むのが自然です。
いかがでしょうか。
このようにスラーというのは単にタンギングをするとかしないという意味ではなく、音楽が自然な流れになるように演奏するための記号なんですね。
これは歌曲でなくても(最初から歌詞のない器楽曲であっても)まったく同じです。
メロディの流れの中でグループ化された音符をどのように演奏するのか、その目安がスラー記号なんです。
更に、メロディ以外の伴奏形を演奏する時のスラーも、その音楽のスタイルを決める音形を作っているものなのでとても重要なものですから、楽譜に書かれているスラーを演奏する時には常に「スラーが付いたことで音楽にどのような印象を与えるのか」をイメージすることが大切です。
ということで今回は「スラーは単にタンギングをしないで演奏する」という意味だけではない、ということについて詳しく解説してみました。
次回はスラーについてのまとめです。
それではまた来週!
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at 08:21, 荻原明(おぎわらあきら), スラー
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2011.10.04 Tuesday
スラーの吹き方 2
みなさんこんにちは!
さて今回もスラーについて書いてみます。
《なめらか》
前回の記事でも少し触れましたが、スラーというのは「なめらかに演奏する」という意味になるのはご存知の通りです。
ただ、この「なめらか」という日本語が人によってかなり違うニュアンスになっているように感じます。
結論から言うと、トランペットはスラーであってもかなりはっきりした演奏することが基本になります。
《リップスラーの時》
リップスラーを演奏する時にはこれまでにも「舌の役割 3」などで解説した通り「パキッ」っとした音の移動をするように心がけます。
要するに音から音へ移動する間のピッチが聴こえないように演奏しなければいけない、ということなんですね。
そうしないと「トロンボーンのようなグリッサンド」や「ポルタメント」といった他の奏法になってしまいます。
《ピストンを押す時のスラー》
リップスラーが「パキッ」と音を変化させるのであれば、もちろんそれ以外の時も同じように演奏しなければ統一感が生まれません。
よく歌い上げるメロディを吹く時などで見かけるのが、なめらかに演奏しようと心がけすぎてピストンを押す指までもがなめらかに動いてしまっている状態です。中学生の時自分も無意識になっていることが多かったです。
ピストンをなめらかに押すとどんな音の変化があるかは、みなさん自分の楽器でやってみてもらいたいのですが、まあ気持ち悪いですから実際の演奏ではしないように心がけて下さいね。(笑)
ピストンに関してはどんな時でも「叩く」くらいの感覚で演奏することが大切です。
そうすることで、スラーの時にも「リップスラー」と同じく「パキッ」とした音の変化を表現することができます。
そんなにパキパキ吹いてしまっていたら、それはスラーにならないのでは?と思われるかもしれません。
ですが、スラーというのはもっと様々な意味合いがあるんです。
それについてはまた次回以降解説してみますので引き続き読んで頂ければと思います。
それではまた来週!
さて今回もスラーについて書いてみます。
《なめらか》
前回の記事でも少し触れましたが、スラーというのは「なめらかに演奏する」という意味になるのはご存知の通りです。
ただ、この「なめらか」という日本語が人によってかなり違うニュアンスになっているように感じます。
結論から言うと、トランペットはスラーであってもかなりはっきりした演奏することが基本になります。
《リップスラーの時》
リップスラーを演奏する時にはこれまでにも「舌の役割 3」などで解説した通り「パキッ」っとした音の移動をするように心がけます。
要するに音から音へ移動する間のピッチが聴こえないように演奏しなければいけない、ということなんですね。
そうしないと「トロンボーンのようなグリッサンド」や「ポルタメント」といった他の奏法になってしまいます。
《ピストンを押す時のスラー》
リップスラーが「パキッ」と音を変化させるのであれば、もちろんそれ以外の時も同じように演奏しなければ統一感が生まれません。
よく歌い上げるメロディを吹く時などで見かけるのが、なめらかに演奏しようと心がけすぎてピストンを押す指までもがなめらかに動いてしまっている状態です。中学生の時自分も無意識になっていることが多かったです。
ピストンをなめらかに押すとどんな音の変化があるかは、みなさん自分の楽器でやってみてもらいたいのですが、まあ気持ち悪いですから実際の演奏ではしないように心がけて下さいね。(笑)
ピストンに関してはどんな時でも「叩く」くらいの感覚で演奏することが大切です。
そうすることで、スラーの時にも「リップスラー」と同じく「パキッ」とした音の変化を表現することができます。
そんなにパキパキ吹いてしまっていたら、それはスラーにならないのでは?と思われるかもしれません。
ですが、スラーというのはもっと様々な意味合いがあるんです。
それについてはまた次回以降解説してみますので引き続き読んで頂ければと思います。
それではまた来週!
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at 17:52, 荻原明(おぎわらあきら), スラー
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2011.09.27 Tuesday
スラーの吹き方 1
みなさんこんにちは!
台風が過ぎたら急に秋になってとってもすごしやすくなりましたね。
それでは、今回はスラーについて書いていきます。
《スラー》
スラーというのはご存知の通り「音と音をなめらかに演奏する」という意味なのですが、トランペットを始めとする管楽器は、スラーが付くと「スラーに囲まれた場所はタンギングをしないで演奏」という意味にもなりますね。
スラーの話をするともうこれで完了してしまうのですが、今回はこのスラーの「切り方」を解説してみようと思います。
《アーティキュレーションを統一》
楽譜にスラーが出てくると、そのスラーの囲まれた中は気を使ってタンギングをしないようにしよう、リップスラーだからキレイに演奏しようといろいろ工夫をして練習をしているかと思いますが、意外にそのスラーの最後の音をどう演奏するか、という点に関してはあまり気を使っていない人が多いように感じます。
例えば以下の譜例を見て下さい。
これら2つの楽譜に出てくるスラー、みなさんはどのように演奏しますか?
正解はこのようになります。
イメージしていた通りですか?
要するに楽譜上では同じスラーであっても、スラーの最後の音の処理の仕方は変化する、ということなんですね。
最初の楽譜はスラーのうしろはスタッカートになります。
これは、スラーに続く音符がスタッカートになっているからで、その音と同じスタイルで演奏しないとメロディの流れに違和感を覚えてしまうからです。
また、下の譜例の場合は、スラーの後にまたスラーですから、音の長さが常に保たれているメロディです。
ですから、スラーのうしろをスタッカートのように短く演奏してしまうとメロディの流れがブツっと切れてしまいます。
このようにスラーを演奏する時は「後に続くアーティキュレーション(音のキャラクター)と統一するのが基本」と覚えておきましょう。
これらの演奏の仕方はいわゆる「暗黙の了解」「一般論」といった感じで、「わざわざ楽譜に書かないでもわかるっしょ」ということで省略している状態と思って下さい。
ですから、イレギュラーな時にはきちんと指示してあります。
例えばこんな感じです。
このように楽譜に指示してある場合はそれに従います。
いかがでしょう。スラーのうしろの吹き方、ご存知でしたか?
単純で一瞬で解説できてしまうことですが、意外に見落として演奏してしまうものですから楽譜に出てきたスラーひとつひとつをきちんと理解して演奏できるように(適当に吹かないように)心がけましょうね。
それではまた来週!
台風が過ぎたら急に秋になってとってもすごしやすくなりましたね。
それでは、今回はスラーについて書いていきます。
《スラー》
スラーというのはご存知の通り「音と音をなめらかに演奏する」という意味なのですが、トランペットを始めとする管楽器は、スラーが付くと「スラーに囲まれた場所はタンギングをしないで演奏」という意味にもなりますね。
スラーの話をするともうこれで完了してしまうのですが、今回はこのスラーの「切り方」を解説してみようと思います。
《アーティキュレーションを統一》
楽譜にスラーが出てくると、そのスラーの囲まれた中は気を使ってタンギングをしないようにしよう、リップスラーだからキレイに演奏しようといろいろ工夫をして練習をしているかと思いますが、意外にそのスラーの最後の音をどう演奏するか、という点に関してはあまり気を使っていない人が多いように感じます。
例えば以下の譜例を見て下さい。
これら2つの楽譜に出てくるスラー、みなさんはどのように演奏しますか?
正解はこのようになります。
イメージしていた通りですか?
要するに楽譜上では同じスラーであっても、スラーの最後の音の処理の仕方は変化する、ということなんですね。
最初の楽譜はスラーのうしろはスタッカートになります。
これは、スラーに続く音符がスタッカートになっているからで、その音と同じスタイルで演奏しないとメロディの流れに違和感を覚えてしまうからです。
また、下の譜例の場合は、スラーの後にまたスラーですから、音の長さが常に保たれているメロディです。
ですから、スラーのうしろをスタッカートのように短く演奏してしまうとメロディの流れがブツっと切れてしまいます。
このようにスラーを演奏する時は「後に続くアーティキュレーション(音のキャラクター)と統一するのが基本」と覚えておきましょう。
これらの演奏の仕方はいわゆる「暗黙の了解」「一般論」といった感じで、「わざわざ楽譜に書かないでもわかるっしょ」ということで省略している状態と思って下さい。
ですから、イレギュラーな時にはきちんと指示してあります。
例えばこんな感じです。
このように楽譜に指示してある場合はそれに従います。
いかがでしょう。スラーのうしろの吹き方、ご存知でしたか?
単純で一瞬で解説できてしまうことですが、意外に見落として演奏してしまうものですから楽譜に出てきたスラーひとつひとつをきちんと理解して演奏できるように(適当に吹かないように)心がけましょうね。
それではまた来週!
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at 13:00, 荻原明(おぎわらあきら), スラー
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