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せっかちは損をする








楽器を手にしていると、すぐに音を出したい、どんどん吹きたい、そんな気持ちになりませんか?
レッスンや本でトランペット奏法に関する新しい情報を手に入れたら、とにかくどんどん音を出したくなりませんか?
音がはずれたり、うまく吹けないから、当たるまで何度も何度も吹いてしまう、そんな経験ありませんか?

僕はトランペットを始めた中学生の頃から音大生くらいまで、ずっとそのタイプでした。

とにかく吹く。吹きまくる。ずっと吹く。何度でも吹く。バテても吹く。


しかし、今の僕がそこにいたら「ちょっと待て」と言うでしょう。



《ゴルフ》



みなさんはゴルフ、したことありますか?

僕は子どもの頃、伯父に古いゴルフクラブを一本譲ってもらい、家の前でブンブン振り回して遊んでいました。
野球でもサッカーでもなく、なぜ子どもなのにゴルフだったのかと言いますと、その当時テレビで藤子不二雄A原作の「プロゴルファー猿」というアニメがやってたんです。それに感化されただけです。コースまわったこととか一切ありません。

子どものころ影響を受けて少しだけ詳しくなったゴルフが、まさか大人になってからトランペットの演奏に繋がるとは、当時は思いもしませんでしたが、繋がったんです。
今日はそのお話をしたいと思います。


しかし、ゴルフをしたことない方が圧倒的に多いはずなので、そこは理解しております。
どなたでもわかるように書きますので、最後までぜひ読んでください。



《ゴルフを参考にしてみましょう》



ゴルフは何本もの形状の異なるクラブ(ボールを打つための道具)を使い分けます。

飛距離が出せるクラブ、
近い距離にしっかりと落とすクラブ、
バンカーという砂の上から打つためのクラブ、
そのホールのゴールであるカップに正確に転がすためのクラブ。

目的によってどれを使うのか変わりますし、風向きや風速、飛ばしたい方向にある木の高さなど、とにかく様々な条件と自分のイメージをリンクさせてクラブをえらびます。





《ショットまでに行っていること》

ゴルファーは立ち位置をしっかり決めて、打つ方向を見たり、ボールの位置を確認したりと様々な確認をして、スイング(クラブを振ること)をします。


実際の映像を見てもらったほうがわかりやすいですね。





この動画を参考に、ボールを打つまでにゴルファーが行なっていた(であろう)ことを順番に挙げてみます。


1.現在のボールの場所から目的の場所までの状況(ボールの置かれた場所は?風は?木やバンカーは?)
2.ボールをどこへどう飛ばすのかを決定する
3.目的を達成するためにはどのクラブを使うべきか
4.目的を達成するためにはどのようなショットを求められるのか(ボールスピードや角度=スイングや力の加減など)
5.クラブを選択し、ボールの前に立つ
6.目的を達成するためのからだのうごきになるよう調整する
7.イメージ(目標)と体の使い方をリンクさせる
8.スイング→ショット


動画を見ていてもわかる通り、ショットまでにとても長い時間をかけています。

こんなに時間がかかるのは、優柔不断なのではなくイメージと体の使い方をリンクさせるためだと推測します。
ですから、それがすべて決まってしまえば、実際にからだを使ってスイング→ショットはむしろ迷いもなくスムーズに行なっているように感じます。

ゴルフは1つのホールでおよそ4打でカップに入れることを要求されますから、一打一打が非常に慎重で正確なコントロールを要求されるスポーツです。
適当に何十回もボールを打つことはできないのです。


《動き出すまでのほうが長い》
先ほど挙げたショットまでの流れ中で、実際にからだを使って動き出すところはどこからでしょうか。

1.現在のボールの場所から目的の場所までの状況
2.ボールをどこへどう飛ばすのかを決定する
3.目的を達成するためにはどのクラブを使うべきか
4.目的を達成するためにはどのようなショットを求められるのか
↓ここからやっとからだを使う↓
5.クラブを選択し、ボールの前に立つ
6.体が目的を達成するためのうごきになるように調整する
7.イメージ(目標)と体の使い方をリンクさせる
8.スイング→ショット

イメージを具体的に固めるところのほうがよほど時間がかかり、逆に実際に体がうごきはじめてからは、もう決めたことを実行するだけなので結構すぐ済んでしまいます。



《トランペットに置き換えて考えてみる》

僕は以前より、イメージすること、意を決する点、頭脳的、メンタル的な面が、ゴルフとトランペットでとても似ていると思っていました。


ゴルフのショットまでの流れをトランペットに置き換えて考えてみましょう。

1.これから何を演奏するのか決まる
2.それを実現するためにはどのように演奏すればよいか、イメージを具体化する(聴く人にどう届けるのか、どんなメッセージを届けるのか)
3.その演奏をするためにはどのようなからだの使い方が必要か
4.楽器をかまえ、マウスピースと唇を密着させる
5.(からだの)演奏準備
6.吸気→演奏

音をひとつ鳴らすだけでもこれだけの準備が必要です。ゴルフと似ていませんか?
そして、トランペットを演奏する場合もゴルフのショット同様、イメージのほうに重点を置いていることがわかると思います。


《あなたはいかがですか?》
トランペットを吹いている人の中には、とてもせっかちに音を出してしまう方が多くいらっしゃいます。

そういった方を見ていると、「今どんなイメージで、どんな演奏をしようとしたのですか?」と聞いてみたくなります。
ほとんどの場合その回答は後付けか、もしくは、考えていなかったかのどちらかになるでしょう。


一音入魂なんてスローガン戦後教育みたいで僕は嫌いですし、茶道や華道の作法でもありませんが、美しい演奏の実現や自分にとってプラスとなる練習であるためには、一回一回の音を出す所作は具体的なイメージや丁寧な準備から生まれるものだと思います。

何も考えず、もしくは適当なイメージ、雑な準備では絶対に美しい演奏はできません。


《迷いすぎも良くない》
また、これとは逆に迷ってばかりの準備の方もいらっしゃいます。

マウスピースの当てる位置や角度がどこだかわからず、ベストを探しているうちに正解が見えなくなって混乱したり、いざ音を出す瞬間になってあれこれ余計なことを考えて優柔不断になったり、音を出してからピッチや音色を修正する行動も良いこととは言えません。


迷ってしまう最大の原因は、自分の演奏に自信がないからです。


例えばマウスピースの当てる位置が定まらないのは、唇のどこかにピタっとハマる正解がもともとあったわけではありません。
調子が良いときや、演奏に集中できているときを思い出してください。そのとき、唇の当てる位置に迷ってしまうこと、ほとんどないはずです。

迷っているのはマウスピースを当てる位置ではなく「発した音が人々に認められるか、ミスはしないか、自分が納得できるか」という恐れからくるものです。

音を出してからピッチを修正するのもこれと同様です。


気持ちは非常によくわかるのですが、聴いている側からするとそれはとても不安定で、落ち着いて音楽を楽しめません。
ですから、まだ誰もわからない未来に不安を抱くのではなく、「ミスしてもいい」くらいのスタンスで、しかし最上の成功イメージを持つことのほうがよほど大切です。


《ミスの確率を減らし、自分に自信を持つためには》

ミスの確率を減らすには、練習時間の使い方と中身が重要です。

毎回毎回音を出す目的意識をしっかり持った練習、研究、実験をし続けて、

「こうしたらこうなるのではないか」
「この場合はこうなった」
「こうするとこんな結果になった」

といった方法と具体的な結果を強くリンクさせるのです。

僕はこれを「正確なインプット」と「正確なアウトプット」と呼んでいます。正確にインプットしたものを何度もアウトプットできるスキルを手に入れれば、いつでもそれを使うことができます。そういった「引き出し」をいくつも用意することでどんな作品であっても、「ここはこうやれば確実に音が出る」「この場面に出したい音色はこうやって鳴らせば絶対大丈夫」などという自信につながり、奏法ではなく音楽的な表現に集中できるのです。


そういったこともあって、トランペットから音を出すときは、その一回一回を丁寧に、かつ意味のあるものにするよう心がけてください。

それでは、今回はここまでです。
来週は「ハイノート本」の更新です。ぜひ”note”をご覧ください!
こちらでは”次の次の週”にお会いしましょう!

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at 07:31, 荻原明(おぎわらあきら), 体の使い方

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イメージとからだをリンクさせよう








みなさんこんにちは!




《奏法についての解説は時間がかかる》
僕のレッスンでは、奏法のお話をすることも少なくありません。

新しいテクニックを手にいれるとき、より効率良い演奏に変化させていくとき、

やはりどうしても「からだのそれぞれのパーツがどうはたらくことで実現するか」を説明する必要が出てきます。

もちろん、レッスンは奏法のことばかりやっているわけではありません。教本を使って様々なパターンの表現を身につけたり、作品を美しく歌い上げるためのレッスンもしているのですが、奏法に関するレッスンはとても慎重に、ひとつひとつ確認していく必要があるので結果的に時間がかかり、割合的に長くなってしまいます。


《奏法レッスンあるある》
レッスンで奏法のことを話しているときあるあるなんですが、ほとんどの生徒さんが一時的に


「特定の奏法のことだけで頭の中がいっぱいになってしまう」


この状態に陥ることがとても多いのです。


ただ、タネあかしと言うか、最初にわざと混乱させてあとでスッキリ明快にしてもらう目的もあるので、そこはごめんなさいなのですが…
例えばどういうことをしているかと言いますと、一番最初に、


「低音域を出すときに必要なのは、舌の奥を下げることです」


と伝えて、まずは楽器を使わず、からだだけで実践してもらいます。

すると、ほとんど場合生徒さんの意識のすべてが「舌の奥」に集中します。しかし、「舌の奥」というアバウトな表現が、いったいどのあたりを指すのかが具体的にわからず、果たして今やっていることが正しいのか確証も持てないので不安になってしまうんですね。


で、次に僕はこう伝えます「じゃあ、『オ』って発音してみましょう。」

すると、生徒さんはすぐに僕が言っていた「舌の奥」を下げることができます。


「なんだこのことか!(早く言ってよ)」と多くの生徒さんが思っているかもしれません。


解決。



これは例なので非常にシンプルなやりとりにしましたが、実際にはもっと複雑なことが多く、特定の生徒さんにとって特定の内容が理解しにくいこともあります。

なぜこのようなことが起こるのか。それは、言葉には主語があるので、どうしても「舌の奥」と言ってしまうと、意識の目は舌の奥に集中してしまうんです。舌舌舌舌。舌以外に意識がまわらないので、どうなっているのかも、どう使うかも考えられなくなってしまう。
しかも日常で「舌の奥」をどうこうするなんて話題、まず出てきませんし、そんな意識を持ったこともあまりないはずです。そうなってしまうともう「舌の奥」は自分のからだの一部にもかかわらず、未知なる世界と思えてしまいます。しかしこれが、「オ」を発音するときと同じですよ、と伝えるだけで理解できてしまう。


言葉で伝えるって難しいですね。


《イメージの重要性》
では「舌の奥を下げる」がわからず、「オ」の発音だと一瞬で解決したのはなぜでしょうか。

ひとつは、先ほど書いたように、僕の言葉が、その人の中にあるすでに用意された引き出しを開ける鍵だった、ということが考えられます。
「舌の奥」はわからないけど「オ」だったらわかるよ、最初からそう言ってよ。

ということ。

もうひとつは、「イメージをはたらかせた」から。ということ。



奏法の話はどうしても「機械的」に捉えてしまいがちで、自分のからだのことなのにまるで機械を操作するかのように特定のパーツだけを意識してしまい、かえって不自然な動作になってしまうことがうまくいかない理由です。



特定のパーツを意識しすぎることは、今回の例で言えば「舌の奥」ばかりを意識したせいで「アゴ」の存在を忘れています。


アゴというのは、前歯の下にあるでっぱりだけではありません。耳の前あたりに顎関節(がくかんせつ)というアゴの開閉をする関節があり、顎関節は下の歯全部と舌を乗せている部分です。


では、その大きなパーツであるアゴを意識して再度「オ」と発音してみましょう。

いかがでしょう。舌の奥のうごきだけでなく、アゴが大きくうごき(開き)、その結果、口の中の容積が広がりましたね。


舌とアゴは常に協力し合っていることがわかります。

ですから、例えばタンギングに関しても舌ばかりを意識してしまうことが多いのですが、アゴと連携プレーをしているからこそクオリティの高いタンギングができると思うと、意識の視野も広がって、様々な可能性を見出すことができそうです。



《イメージは行動する前に》
からだに関しては、いつも、どんなときでも柔軟にうごけるようにしておくことが大切なのですが、その状態であってもやはり「イメージ」を持っていないようでは、からだは言うことを聞きません。

「舌とアゴを動かした」という意識だけではなく、「オ」と発音しようとした『行動前のイメージ』が、より精度の高い結果につながっていきます。


今回は奏法についての話題でしたが、「イメージ」することは、音楽全般において必要不可欠な要素です。


ですからまずはレッスンなどで奏法や表現に関する指示があったとき、その方法から生まれる結果をイメージしてから実際の行動に移してみてください。
それだけで理解度が飛躍的にアップすると思いますよ!



それでは、今回はここまでです。
来週は「ハイノート本」の更新です。ぜひ”note”をご覧ください!https://note.mu/trumpet_ogiwara
こちらでは”次の次の週”にお会いしましょう!

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at 06:47, 荻原明(おぎわらあきら), 体の使い方

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トランペットのセッティングとシングルリード楽器








みなさんこんにちは!

《シングルリードの楽器》
みなさんはクラシネットやサックスと言ったシングルリード楽器がどのようにして音を出しているか、ご存知ですか?



シングルリード楽器は、マウスピース、リード、リガチャーの3つのパーツを組み合わせることで、音が出る仕組みが確立されます。
これら3つが揃わないと、思うように音は出せません。例えばリガチャーがないと、マウスピースとリードをずっとずれないように握りしめなければなりませんし、リードがなければそもそも音の発信源が失われてしまいます。

しかし、これら3点が揃っても音の出る原理が確立されただけであって、「音の高さ」が変化できるわけではありません。音の高さは楽器本体のキイの組み替えによって行なっています。
要するに音の発信源と音の高さを変える仕事は分業制なのです。

シングルリード楽器の音の発信源がどうなっているのか、こちらのサイトにとてもわかりやすく書かれていたので参考にリンクを貼っておきます。


《トランペットの場合》
では、トランペットから音を出すときはどうでしょうか。
シングルリード楽器と比較してみましょう。

まず、音の発信源であるリード部分は、というと、唇ですね。もう少し詳しく言えば唇によって作られた穴、アパチュア部分と言えます。
(リード楽器の)マウスピース部分単体と金管楽器で例えることが若干難しいのですが(しいて言うなら金管楽器のマウスピースそのものでしょうか)、リガチャー部分とセットで考えるなら、アパチュアを作るために必要な口周辺の「うごき」であり、マウスピースと唇との「貼り付き」と言えます。

唇がマウスピースと貼り付くことで、「位置がずれない」「空気漏れがしない」という2点が実現します。リガチャーの役割と一緒ですね。

そして一番大切な共通点は「唇とその周辺は音の発信源でしかない」という点です。


《口周辺はすでに忙しい》
経験則ですが、響きのある音色が出ないとか、音域変化がうまくいかないといった悩みを持っている方は、口周辺(アパチュア)で様々なコントロールをしている場合がとても多いのです。

確かに気持ちはわかります。実際に口周辺やアパチュアを変化させると、ピッチや音色が変化しますので。
しかし、この部分を変化させるということは、先ほどの話を思い出してもらえるとわかるように「音の発信源」=「音が常に出せる状態」のバランスを崩してしまう行為である、ということなのです。

シングルリード楽器で言うならば、リガチャーの締め具合を変えたり、リードの位置をずらしてまで何かをしようとしていることになります。
そんなことをしたらどうなるか、おおよそ想像できますよね。

ですから、トランペットでも、この部分は「空気がほんの少し流れただけで良い反応の質の高い音を出す」仕事に専念すべきなのです。それだけでも結構忙しいのに、さらに音の高さを変化させようなんて、仕事量がオーバーしてしまいます。ブラック企業です。そんなことさせていると過重労働で倒れます(=バテます)。


《いちいち組み立てています》
クラやサックスは3つのパーツを一度組み立ててしまえば、ずっと音が出せる状態が確立し続けているわけですが、トランペットの場合はそうもいきません。

唇からマウスピースを離してしまえば、そのたびに音の発信源であるリードやリガチャーがバラバラになり、リセットされるわけです。

しかし、トランペットを吹いていて、この現象を理解している方が結構少ないです。
実際は常に安定した反応のよい状態に組み立てるのには絶対に時間がかかるはずなのですが、レッスンをしていると、マウスピースを唇に持っていった瞬間音を出そうとする生徒さんが多く、その結果、音が出なかったり、反応や音質が悪かったり、音をはずしたりして「あれっ?!」となるのですが、当然のことですね。このことは次回、詳しく書きます。

そしてこれを繰り返していると、一体どう組み立てると安定するのかがわからず、セッティングそのものがどうすれば良いのかわからなくなった!俺どうやって吹いてたんだけっけ?(一度奏法やセッティング、からだのことを考え始めるとドツボにはまるパターン)ともなりかねません。

ですので、トランペットを吹くときには、毎回毎回マウスピースと唇の貼り付き、アパチュアをつくるための口周辺のうごきを確実に行い、反応と質の高い音を常に出せる自信の持てるセッティングをするよう、心がけてください。

考えすぎてしまうのも問題なのですが、何も考えずにパッと音を出してしまうことはもっと良くないので、やめましょう!


ということで今週はここまでで。
次週は”note”にて連載している「ラッパの吹き方Ver.2.0」での「ハイノート本」原稿公開週です。ぜひこちらもご覧ください。
※ハイノート本は購読していただくシステムです。まずは”note”にてユーザー登録を行なってください。詳しくはこちら

それでは!

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at 07:30, 荻原明(おぎわらあきら), 体の使い方

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「もっと楽器に息を入れて!」を鵜呑みにしない








みなさんこんにちは!

トランペットを吹いていて、指導者さんなどから「もっと楽器に息を入れて!」とか「遠くまで音を飛ばして!」なんて言われた経験ありますか?
吹奏楽やオーケストラをやっていれば一度は言われたことがあるのでは、と思うくらいこの言葉、出現頻度が高いです。

指導者などからの指摘というのは大きくわけて、

「指導者自身が求めている(表現など)」
「(一般的なことが)できていないので指摘した」
「間接的な言葉やイメージから出てくる言葉」

のどれかです。

「指導者自身が求めている」というのは、例えば楽譜に書いていないクレッシェンドをここにつけましょう、など。

「できていないので指摘した」というのが一番多いと思いますが、要するにダメ出しってやつです。冷静に的確に指摘する人もいれば「なんでできないんだ!」と怒る人もいます。

「間接的な言葉やイメージから出てくる言葉」というのは、例えば「もっと丸い音で」とか「優しく歌いましょう」とか、「イメージ」や「たとえ話」「資料」を取り入れて結果を促すような指摘です。物語性の強い作品や作曲者自身が語った何かが残っていたりすると、それも交えたりすることもありますが、そういうのがまったく関係なく指揮者のイメージの中で出てくる言葉も非常に多いです。

もちろん、きっちり3つに分類することはできません。言葉による表現というのは非常に複雑ですからね。

だからこそレッスンを受ける側は、それがたとえ話なのか具体的な奏法についての指摘なのか、結果的に何を求めているのかなど、考えたり判断したりする必要があります。そうしないと、たとえ話なのに実行しようとして混乱する、なんてことも起きかねないのです。

「言われた通りにやってるのに怒られた!」とか「指導者の言っていることがさっぱりわからない」といった、指導者と自分がかみ合わない時はまさにそれです。

では、その典型的なものを挙げてみましょう。


《たとえ話なのか実際のことなのか 〜言葉の仕分け作業〜》
とてもよく耳にするのが、「お腹に息を入れなさい」。これはもう定型文的表現で、一部ではネタとして使われるほどになったのでやっと時代は変わったな、そして良かったな、と若干安堵しています。
ブレスする時、お腹に息を入れようなんて真に受けてはダメですよ。万が一お腹に空気が入ったらすぐに救急車ですからね。
ということでこれはもちろん、たとえ話です。

指導者から、「この場面は怒り狂って吹きなさい!」と言われたら、たとえ話だとわかるでしょう。演奏中にこの場面が来たらおたけびをあげてイスを投げつけたりする人、きっといませんものね。

では、今日の最初に書いた言葉はいかがでしょうか。


《「もっとトランペットに息を入れて」と指摘されたら》
まず、どんな指摘を受けた時にも「なんでそんなこと言われたのだろう」と考えてみてください。自分の演奏がどのように聴こえていたのかを客観的に振り返りましょう。

この言葉を言われた時は、きっと「音が聴こえない」もしくは「トランペットらしい音が出ていない」「存在感が薄い」ということでしょう。トランペットにもっと息が入ることによって「音圧」が高くなるので、それを期待しているのだと考えられます。

ということは、これはたとえ話ではなく、事実を言っているとわかります。トランペットに息は入りますし、息を入れているのは自分です。しかし、もうちょっと細かく言うと、

『トランペットに息が入るのは、自分の体の作用によるもの』

ですよね。お腹に力がかかると息が体の中から噴出するのですから、「息を入れて」とは奏法についての直接的な指示ではなく、あくまでも結果の話であり、イメージでのことなのです。詳しく説明していない、とも言えますね。



「楽器に息を入れる」この言葉を聞いた時についやってしまう体の使い方に一番近いのが、小さな子どもがケーキに付いたロウソクの火を思いきり吹き消そうとしているあの動きです。前かがみになる「内側へ向かう力」を使ってしまうのですが、あの動きは楽器を吹くには適していません。楽器を吹くための体は「外側へ向かう力」がかかっているべきで、両腕を広げて胸を張るような動きが望ましいのです。

ということで、「トランペットにもっと息をいれて!」と指摘された時、「そうか、もっと息を入れよう!」と安直な行動をとるのではなく、もうワンクッションとって「なんでそんな指摘をされたのかな?」と「トランペットにもっと息が入るにはどういう体の使い方をすればいいかな?」という2つを考えて、自分の持っている知識とテクニックの「引き出し」から適切なものを見つけ出し、実行してほしいと思います。



結局のところ、何に関しても指摘をされた時にはまず「なぜその言葉を投げかけられたのだろう」と考え、「どんな演奏や表現を望んでいるのだろう」という結論を見つけ出し、直接的に奏法について言われているのか、イメージの話なのかを見抜いて、指導者が望む結果を生み出すために自分は何をどうすれば良いのか、を考えるようにしてほしいと思います。
レッスンや合奏などでは、最初から一瞬で考えて正しい方法を見つけて実践するというのはなかなかできることではないと思います。でもそれで良いのです。いつもこのルートで物事を考えて実践する習慣を身につけようとしていれば、少しずつ慣れてくるはずです。

吹奏楽やオーケストラ、もしくはレッスンを受けている方はぜひ今回の記事を思い出して実践してみてください。
少し時間がかかっても焦らず冷静に考えるよう心がけましょう。
上手くいけば指導者から「そう!そういうこと!」と褒められると思いますよ。

それでは、また来週!

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at 07:36, 荻原明(おぎわらあきら), 体の使い方

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体の動き








みなさんこんにちは!
学生の方はいよいよ夏休みですねー、うらやましい…

でもコンクールに出る吹奏楽部はこの夏休みが一番忙しいかもしれませんね。
自分も中学高校の頃はこの時期毎日学校に行って朝から晩まで練習していました。

一日中楽器が吹けるのが楽しくて、全然苦じゃなかったです。

さて、今回はそんなコンクールの時にも役立つ合奏時のことを書いてみます。

個人レッスンをしていても、吹奏楽部の合奏を見ていても本当に多くの人がやっていて気になることがあります。

それは「拍に合わせて足をタップすること」だったり「拍に合わせて体を動かすこと」です。

足のタップに関しては過去に書いた記事がありますのでぜひ読んでみて下さい(こちらをクリック!

ですので今回は「拍に合わせて体を動かす」ということ、更には体の動きに関して書いてみようと思います。


《拍に合わせて体を動かす》
自分が演奏している時の体の動きと言われても、もしかしたらあまりピンとこないかもしれません。
特に合奏などの自分が集中している時というのは、無意識な自分が出てきますし、そもそも合奏中は目の前に鏡がありませんから、指摘されるまで気づかないことが多いんです。

音楽にのって体を動かすことが悪いと言っているわけではありません。そうではなく、「拍に合わせてウン,ウン,ウン,ウン…」と動いてしまう音楽の乗り方」が良くないんです。

なぜ良くないか、理由はいろいろあるんですが、ひとつは

■素人的に見える

ということが挙げられます。


《リズムの学習》
幼稚園や小学校低学年の頃に例えばカスタネットを叩きましょうなんてことがみなさんも経験があったと思います。
この時に左手にカスタネットを持ち、右手で叩くことになりますが、1拍叩いて1拍休むというリズムを学ぶにあたって先生から教わった動きを覚えていますか?


タン(叩く)、ウン(休む)、タン、ウン……


とか、そういうリズム。
叩いた後は大きく弧を描くように手のひらを上に向ける半円の大きな動きをさせますよね。

多分、そもそもこのリズムの取り方がもはや本能的に体に染み付いているせいでその後もずっと抜けきらないんじゃないかと思うんです。

中学生、高校生になっても無意識にリズムを「拍で捉える」こと、拍に合わせて体を揺らしてしまうのは、おゆうぎ会的に見えてしまうので、「素人的に見える」ということになってしまいます。


もうひとつは「フレーズ感を持てなくなる」ということが挙げられます。


《フレーズ感を持った演奏》
音という単体がテンポや拍(ビート)の上に並ぶことによって音楽が生まれます。

いくつかの音が並ぶと、それがひとつのグループになります。

そのグループがいくつも並ぶとひとつの作品になります。


我々プレイヤーはお客さんに「音楽」「作品」を聴いてもらうために演奏をするのであって、「単体の音」や「単なる音の羅列」を披露するわけではありませんね。

そのためにはリズムに合わせて単体の音をひとつひとつ一生懸命に吹いたところで何も伝えることはできません。

大事なのは、そのいくつもの音が並んでグループになった「フレーズ」を表現することです。

フレーズについては後日詳しく解説しますが、今の段階ではとにかく「拍で体を動かしていてはフレーズを表現することができない」ということに着目して演奏するようにして下さい。


《体の外に出さないだけ》
上記に挙げた点で勘違いしないでもらいたいのですが、決して「テンポ感を持つな」と言っているわけではありません。リズムやビート感は演奏をする上で絶対に持っていなければならない大切な基礎的な部分ですから、なんとなく流れてしまうような音の羅列を作ってしまうのは良くありません。


ここで言いたいのは「体の外に出す必要がない」ということです。


リズムやビート感は自分の体の中でしっかりと持っていれば良い話であって、それを体の外に出して伝える必要はありません。
「自分はリズムを感じているんだ!」と主張することに意味はありませんよね。それが例え無意識であっても同じです。

我々プレイヤーが心やイメージから外へ(お客さんへ)主張するのは「音色」であって「歌(カンタービレ)」なんです。


※テンポやビートの感じ方については過去の記事「テンポ/ビート/リズム」をご覧下さい。


余談ですがトランペットは長さのある楽器ですから、ほんのちょっとリズムに合わせて体が動いてしまってもベルは大きく動きます。だからレッスンで目の前で見ていても、コンサートホールで遠くの客席から見ていてもバレバレなんですよね。
しかも楽器がキラキラしているからステージの強いライトなどがあたると余計にわかります。


《プロ奏者の動き》
フレーズ感を持って演奏していると、(人にもよりますが)体は無意識に動きます。
プロのソリストのコンサートやオーケストラでも非常によくわかります。

テレビやDVDでもいいですが、やはり生で見てもらえたら非常にわかりやすいかと思います。
ぜひいろんな楽器のいろんな奏者の体の動きを見てみて下さい。

誰ひとりとして拍に合わせてウンウンウンウンと動いている人はいないはずです。
もしオーケストラの全員がウンウン一緒に動いていたら本当に気持ち悪いですよね(笑)


ということで今回は「拍に合わせて体を動かさない」ということについて書きました。
みなさんもコンサートやコンクールなどで演奏する機会はあるはずです。
素人的に見えないようにするためにも、フレーズ、音楽を感じて体を使えるようにするためにも体の使い方について鏡や撮影をするなどして一度自分の動きを客観的に見てみて下さい。

それではまた来週!


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at 11:06, 荻原明(おぎわらあきら), 体の使い方

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