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トランペットのセッティングとシングルリード楽器

みなさんこんにちは!

【大切なお知らせ】 

[お知らせ 1:「ハイノート本」10月17日公開開始致しました!]
告知をしておりました"note"にて公開いたします「ハイノート本」は10月17日(火)開始致しました!今後の”note"で公開する「ハイノート本」は有料記事となります。お読みいただくためにはユーザー登録が必要になります。ぜひ今のうちにご登録を、そして「ラッパの吹き方 Ver.2.0」のフォローをお願い致します。

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公開の進捗状況はこちらのバナーよりご確認いただけます。



[お知らせ 2:ブログ「ラッパの吹き方」は隔週公開に変更しました]
こちらのページで公開しております「ラッパの吹き方」は、"note"にて公開する「ハイノート本」とそれぞれ隔週にての公開とさせていただきます。

(今後のスケジュール)
10月24日(火)ブログ「ラッパの吹き方」更新
10月31日(火)"note"版「ラッパの吹き方 Ver.2.0」更新(有料)

この先はブログと"note"を毎週交互に更新致します。


どうぞご理解のほどよろしくお願い致します。


《シングルリードの楽器》
みなさんはクラシネットやサックスと言ったシングルリード楽器がどのようにして音を出しているか、ご存知ですか?



シングルリード楽器は、マウスピース、リード、リガチャーの3つのパーツを組み合わせることで、音が出る仕組みが確立されます。
これら3つが揃わないと、思うように音は出せません。例えばリガチャーがないと、マウスピースとリードをずっとずれないように握りしめなければなりませんし、リードがなければそもそも音の発信源が失われてしまいます。

しかし、これら3点が揃っても音の出る原理が確立されただけであって、「音の高さ」が変化できるわけではありません。音の高さは楽器本体のキイの組み替えによって行なっています。
要するに音の発信源と音の高さを変える仕事は分業制なのです。

シングルリード楽器の音の発信源がどうなっているのか、こちらのサイトにとてもわかりやすく書かれていたので参考にリンクを貼っておきます。


《トランペットの場合》
では、トランペットから音を出すときはどうでしょうか。
シングルリード楽器と比較してみましょう。

まず、音の発信源であるリード部分は、というと、唇ですね。もう少し詳しく言えば唇によって作られた穴、アパチュア部分と言えます。
(リード楽器の)マウスピース部分単体と金管楽器で例えることが若干難しいのですが(しいて言うなら金管楽器のマウスピースそのものでしょうか)、リガチャー部分とセットで考えるなら、アパチュアを作るために必要な口周辺の「うごき」であり、マウスピースと唇との「貼り付き」と言えます。

唇がマウスピースと貼り付くことで、「位置がずれない」「空気漏れがしない」という2点が実現します。リガチャーの役割と一緒ですね。

そして一番大切な共通点は「唇とその周辺は音の発信源でしかない」という点です。


《口周辺はすでに忙しい》
経験則ですが、響きのある音色が出ないとか、音域変化がうまくいかないといった悩みを持っている方は、口周辺(アパチュア)で様々なコントロールをしている場合がとても多いのです。

確かに気持ちはわかります。実際に口周辺やアパチュアを変化させると、ピッチや音色が変化しますので。
しかし、この部分を変化させるということは、先ほどの話を思い出してもらえるとわかるように「音の発信源」=「音が常に出せる状態」のバランスを崩してしまう行為である、ということなのです。

シングルリード楽器で言うならば、リガチャーの締め具合を変えたり、リードの位置をずらしてまで何かをしようとしていることになります。
そんなことをしたらどうなるか、おおよそ想像できますよね。

ですから、トランペットでも、この部分は「空気がほんの少し流れただけで良い反応の質の高い音を出す」仕事に専念すべきなのです。それだけでも結構忙しいのに、さらに音の高さを変化させようなんて、仕事量がオーバーしてしまいます。ブラック企業です。そんなことさせていると過重労働で倒れます(=バテます)。


《いちいち組み立てています》
クラやサックスは3つのパーツを一度組み立ててしまえば、ずっと音が出せる状態が確立し続けているわけですが、トランペットの場合はそうもいきません。

唇からマウスピースを離してしまえば、そのたびに音の発信源であるリードやリガチャーがバラバラになり、リセットされるわけです。

しかし、トランペットを吹いていて、この現象を理解している方が結構少ないです。
実際は常に安定した反応のよい状態に組み立てるのには絶対に時間がかかるはずなのですが、レッスンをしていると、マウスピースを唇に持っていった瞬間音を出そうとする生徒さんが多く、その結果、音が出なかったり、反応や音質が悪かったり、音をはずしたりして「あれっ?!」となるのですが、当然のことですね。このことは次回、詳しく書きます。

そしてこれを繰り返していると、一体どう組み立てると安定するのかがわからず、セッティングそのものがどうすれば良いのかわからなくなった!俺どうやって吹いてたんだけっけ?(一度奏法やセッティング、からだのことを考え始めるとドツボにはまるパターン)ともなりかねません。

ですので、トランペットを吹くときには、毎回毎回マウスピースと唇の貼り付き、アパチュアをつくるための口周辺のうごきを確実に行い、反応と質の高い音を常に出せる自信の持てるセッティングをするよう、心がけてください。

考えすぎてしまうのも問題なのですが、何も考えずにパッと音を出してしまうことはもっと良くないので、やめましょう!


ということで今週はここまでで。
次週は”note”にて連載している「ラッパの吹き方Ver.2.0」での「ハイノート本」原稿公開週です。ぜひこちらもご覧ください。
※ハイノート本は購読していただくシステムです。まずは”note”にてユーザー登録を行なってください。詳しくはこちら

それでは!


【トランペット ハイノート本原稿公開中!】

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「もっと楽器に息を入れて!」を鵜呑みにしない

みなさんこんにちは!

トランペットを吹いていて、指導者さんなどから「もっと楽器に息を入れて!」とか「遠くまで音を飛ばして!」なんて言われた経験ありますか?
吹奏楽やオーケストラをやっていれば一度は言われたことがあるのでは、と思うくらいこの言葉、出現頻度が高いです。

指導者などからの指摘というのは大きくわけて、

「指導者自身が求めている(表現など)」
「(一般的なことが)できていないので指摘した」
「間接的な言葉やイメージから出てくる言葉」

のどれかです。

「指導者自身が求めている」というのは、例えば楽譜に書いていないクレッシェンドをここにつけましょう、など。

「できていないので指摘した」というのが一番多いと思いますが、要するにダメ出しってやつです。冷静に的確に指摘する人もいれば「なんでできないんだ!」と怒る人もいます。

「間接的な言葉やイメージから出てくる言葉」というのは、例えば「もっと丸い音で」とか「優しく歌いましょう」とか、「イメージ」や「たとえ話」「資料」を取り入れて結果を促すような指摘です。物語性の強い作品や作曲者自身が語った何かが残っていたりすると、それも交えたりすることもありますが、そういうのがまったく関係なく指揮者のイメージの中で出てくる言葉も非常に多いです。

もちろん、きっちり3つに分類することはできません。言葉による表現というのは非常に複雑ですからね。

だからこそレッスンを受ける側は、それがたとえ話なのか具体的な奏法についての指摘なのか、結果的に何を求めているのかなど、考えたり判断したりする必要があります。そうしないと、たとえ話なのに実行しようとして混乱する、なんてことも起きかねないのです。

「言われた通りにやってるのに怒られた!」とか「指導者の言っていることがさっぱりわからない」といった、指導者と自分がかみ合わない時はまさにそれです。

では、その典型的なものを挙げてみましょう。


《たとえ話なのか実際のことなのか》
とてもよく耳にするのが、「お腹に息を入れなさい」。これはもう定型文的表現で、一部ではネタとして使われるほどになったのでやっと時代は変わったな、そして良かったな、と若干安堵しています。
ブレスする時、お腹に息を入れようなんて真に受けてはダメですよ。万が一お腹に空気が入ったらすぐに救急車ですからね。
ということでこれはもちろん、たとえ話です。

指導者から、「この場面は怒り狂って吹きなさい!」と言われたら、たとえ話だとわかるでしょう。演奏中にこの場面が来たらおたけびをあげてイスを投げつけたりする人、きっといませんものね。

では、今日の最初に書いた言葉はいかがでしょうか。


《「もっとトランペットに息を入れて」と指摘されたら》
まず、どんな指摘を受けた時にも「なんでそんなこと言われたのだろう」と考えてみてください。自分の演奏がどのように聴こえていたのかを客観的に振り返りましょう。

この言葉を言われた時は、きっと「音が聴こえない」もしくは「トランペットらしい音が出ていない」「存在感が薄い」ということでしょう。トランペットにもっと息が入ることによって「音圧」が高くなるので、それを期待しているのだと考えられます。

ということは、これはたとえ話ではなく、事実を言っているとわかります。トランペットに息は入りますし、息を入れているのは自分です。しかし、もうちょっと細かく言うと、

『トランペットに息が入るのは、自分の体の作用によるもの』

ですよね。お腹に力がかかると息が体の中から噴出するのですから、「息を入れて」とは奏法についての直接的な指示ではなく、あくまでも結果の話であり、イメージでのことなのです。詳しく説明していない、とも言えますね。

「楽器に息を入れる」この言葉を聞いた時についやってしまう体の使い方に一番近いのが、小さな子どもがケーキに付いたロウソクの火を思いきり吹き消そうとしているあの動きです。前かがみになる「内側へ向かう力」を使ってしまうのですが、あの動きは楽器を吹くには適していません。楽器を吹くための体は「外側へ向かう力」がかかっているべきで、両腕を広げて胸を張るような動きが望ましいのです。

ということで、「トランペットにもっと息をいれて!」と指摘された時、「そうか、もっと息を入れよう!」と安直な行動をとるのではなく、もうワンクッションとって「なんでそんな指摘をされたのかな?」と「トランペットにもっと息が入るにはどういう体の使い方をすればいいかな?」という2つを考えて、自分の持っている知識とテクニックの「引き出し」から適切なものを見つけ出し、実行してほしいと思います。



結局のところ、何に関しても指摘をされた時にはまず「なぜその言葉を投げかけられたのだろう」と考え、「どんな演奏や表現を望んでいるのだろう」という結論を見つけ出し、直接的に奏法について言われているのか、イメージの話なのかを見抜いて、指導者が望む結果を生み出すために自分は何をどうすれば良いのか、を考えるようにしてほしいと思います。
レッスンや合奏などでは、最初から一瞬で考えて正しい方法を見つけて実践するというのはなかなかできることではないと思います。でもそれで良いのです。いつもこのルートで物事を考えて実践する習慣を身につけようとしていれば、少しずつ慣れてくるはずです。

吹奏楽やオーケストラ、もしくはレッスンを受けている方はぜひ今回の記事を思い出して実践してみてください。
少し時間がかかっても焦らず冷静に考えるよう心がけましょう。
上手くいけば指導者から「そう!そういうこと!」と褒められると思いますよ。

それでは、また来週!


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強すぎるプレスをしないように

みなさんこんにちは!

昨年9月に発売した僕の著書「まるごとトランペットの本」はご覧頂けたでしょうか。このブログが元になり書いておりますが、本にしか掲載していない内容も沢山あります。これから楽器を始められる方も、経験年数が長い方にも参考になる内容ですので、ぜひ一度お手に取ってみて下さい!
あと数ヶ月すると部活動では新しく新入生が部活に入ってくると思います。初心者にトランペットの吹き方を教えるのは意外に難しいもの。「まるごとトランペットの本」では僕自身が中学生で初めてトランペットを吹いた時の苦労話から、正しい音の出し方、練習方法などをしっかり書きましたので、絶対参考になります。
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それでは、今回も頂いたご質問のひとつにお答えしたいと思います。

=============================
チューニングBb(in Bb記譜上の五線内のド)から上のは特に唇を押し付けてしまいます。
改善しようとマウスピースだけで練習してみたりしましたが、力を入れる癖はなおりません。
力を入れるせいなのか、肺活量が足りないせいなのか、音量が小さいといわれます。
どうすれば力を抜いて自然に吹くことができますか?
あと、バズィング練習は必要ですか?
(一部抜粋、訂正)
=============================


プレスをしすぎることは良くないとわかっていても、吹いているといつのまにか唇に強く押しつけ、痛みすらともなってしまう、という方も多いかと思います。


《なぜ強くプレスをしてしまうのか》
まずは強くプレスをしてしまう原因が何なのか、考えてみましょう。

 1.押し付けないと音が出ない
 2.押し付けないと音が出ない気がする
 3.高い音にいくにしたがってプレスをするもの(プレスするとハイノートが出やすい)と思っている
 4.肩や首に力が入っているから、腕にも力が入りプレスが強くなる
 5.握る力が強い、もしくはプレスを強くしてしまう持ち方をしてしまっている
 6.歯並びの問題
 7.マウスピース(リム)の問題

他にもあるかもしれませんが、おおよそこのような感じでしょうか。


《音の出る原理》
ところで、トランペットから音が出るしくみはご存知でしょうか。口周辺に力をかけて息を流し、ビービーを振動させる、いわゆる「バズィング」をマウスピースの中でも行った結果、音が出ると思っている方、多くないでしょうか。残念ながらこれは正しくありません。
唇の振動によって音を発生させるという原理そのものは間違っていないのですが、自分の体だけを使って振動する唇を作り上げるのではなく、「トランペットやマウスピースから発生する息の抵抗感」によって「自然に振動する吹き方」にするべきなのです。

具体的に言うと、息をマウスピースの中、楽器の中へ流し込むと、少なからず抵抗感が発生するのがわかると思います(空気中に息をフーーっと吹くよりも苦しさを感じますよね)。その抵抗感(反射)が息を楽器の中へ流そうとする力(放射)とバランスが良くなった時、自然発生的に唇は振動を始めます。これがトランペットの音の出る原理です。

要するに、

「唇は、生き生きと振動できる状態でスタンバイ」
「息の抵抗感を感じてバランス良い状態を作る」

これを意識して、振動するパランスを見つけることが、負担なく音を出すために必要なことなのです。この時に必要なプレスは「唇とマウスピース(リム)の間から息が漏れでないようにする力」だけで充分ということになります。


《高い音になるにつれて強くなるプレス》
音域が高くなってくるとプレスが強くなる、というのはある意味理解できます。
しかし「プレスをするからハイノートが出る」という考えになってしまうのは危険です。その考えだと、低音域よりもプレスを強くしなければハイノートは出せないという結論に至ってしまうからです。

プレスをするとハイノートが出やすいのは事実です。プレスをすることで唇が潰されて、上手くいけばアパチュアを縮めることに成功するので、体に変化がなくても音域は上がっていくのです。
しかしこの方法はデメリットのほうが大きくなります。唇が潰れるということは、振動する面積を狭めるわけですから、それだけ音色が貧弱になります。また、唇が痛くなり、すぐにバテがやってきます。演奏中に一旦強く押し付けた状態は、緩めることがとても難しいので、ハイノートの後に音域を下げることができず、楽譜に書いてある通りの演奏ができなくなる可能性が高くなります。

したがって、これまでに何度も書いてきたように、音域の変化は「舌」とそれにともなう「アゴ」の動きが中心になったほうが絶対に良いのです。

一度冷静に考えてみてください。高い音を出すのに必要なのは「息のスピードを上げる」これだけです。なのに口周辺だけでなく全身に力が入ってしまうのはなぜなのでしょうか。何のために力が入っているのかをもう一度考えてみて下さい。

そんなものいらないんだ、って結論が出ますよね。

ただし、息のスピードが上がるということは、体の中の空気圧が高くなっている状態とも言えます。その高い圧をキープするため、低音域には必要なかった体の力(支える力)が加わります。しかし首や肩、腕、手、指、お腹の表面の筋肉を収縮(固く)させる必要はどこにもありません。それをしてしまうから、唇にもマウスピースをグイグイ押し付けてしまうのです。


《アンブシュアをどこでキープするか》
結局のところ、「音の出せる状態をキープしたい(アンブシュアを崩したくない)」という願望をかなえるために、何かしらのアクションをしなければ!と思った時に多くの方が強いプレスを選択している、ということなんです。

しかし、音を出し続ける(途中で音が出なくなることを避ける)ための方法は、先程書いたように生き生きとした唇の振動を得られるようなセッティング、バランスを求めることでもできるはずです。

どちらが楽かは一目瞭然ですよね。

これは前回の記事にも通じるところがあります。
目の前にある「安直な解決方法」を優先した結果、負担がかかってしまったのです。


ということで、プレスに悩んでいる方は一度、今の吹き方を見直して(アンブシュアを変えるとかそういう大げさなことではありませんよ!)、

「息を入れただけでも振動する唇」

を求める練習をして下さい。そのために必要なことは「息の流れ(放射)と返し(反射)のバランス」です。プレスは「息が漏れない程度」です。プレスぐせがある方は、最初、バランスを見つけるのに少し苦労するかもしれません。時間のかかることかもしれませんが、根本的解決を望むならやってみる価値はあります。

この質問を下さった方も、頂いたメールの内容を読む限り、高音域が出ない悩みだけでなく、音量(鳴り)や音色にも悩んでいるとのこと。音色に影響が出てしまうのも、プレスを強くした時の典型なので、過剰なプレスをしなくなったらそれらがすべて良い方に向くはずです。

これらの練習を的確に行うには、しっかりと指導してくれる人がいたほうが確実です。可能であるならレッスンを受けてみるのも良いと思います。


ということで、今回は「プレス」について書きました。
また来週!


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音の出る仕組みとプレス 3

みなさんこんにちは!

-------------------------
この場所を使ってお知らせします。先日10月19日(日)に当ブログメールフォームよりご質問を下さった「ぽん」様、登録されましたメールアドレス宛に返信をしましたが送れませんでした。
こちらは、返信専用のgmailにてPCより送信を致しております。もし返信が必要である場合、PCドメイン、gmailなどを拒否されている場合は、お手数ですが解除をし、その旨を再度ご連絡下さるか、他の送信可能なアドレスをお教え下さい。

フォームはこちらから入れます。
-------------------------

それでは、本題へ戻ります。
現在、下記のご質問にお答えしております。今回はこの最終回です。

/////////////////////////////////////////////////
チューニングBから上のは特に唇を押し付けてしまいます。
改善しようとマウスピースだけで練習してみたりしましたが、力を入れる癖はなおりません。
力を入れるせいなのか、肺活量が足りないせいなのか、音量が小さいといわれます。
合奏中は意識しすぎて高音が全く出ず、ミュートをつけたような音になってしまいます。
どうすれば力を抜いて自然に吹くことができますか?

また、バズィング練習は必要ですか?
(一部修正)
/////////////////////////////////////////////////


「ラッパの吹き方」では随時ご質問を募集中しております。解決しない悩みがありましたらどうぞこちらの記事にコメントして頂くか、専用フォームよりお送り下さい。お返事はできる限りしますし、内容によっては後日、ブログ上にて詳しく書かせて頂きます。

ご質問用メールフォームはこちら


音の出る仕組みとプレス 1」では、唇が振動する仕組みについて書きました。そして前回の「音の出る仕組みとプレス 2」ではプレスについて、大きな音量で吹けない理由を考えてみました。

今回の記事では「合奏中に高音が出せず、ミュートをつけたような音になってしまう」という点について考えてみたいと思います。


《ミュートを付けたような音》
音の出る仕組みとプレス 1」にも書いたように、質問を送って頂いたこの方は、自分がどんな演奏をしているのか客観的に観察できていることが素晴らしいです。そして理想を持っているのだと思います。だからこそ、現状に満足できずに悩んでしまっていると思われ、しかしここまでわかっていれば、あとはきっかけさえ掴めれば良い方向へ向かっていける道はすぐそこにあります。

「ミュートを付けたような音」というのは、きっと「細くて鳴らない音」のこと、もしくは「こもって鳴らない音」ではないかと思います。芯が太くてしっかり鳴る音を出したいのに出せない、ということなのでしょう。
やはりこれも「プレス」が深く関わっているように感じます。

そこで、まずは「音の出る仕組みとプレス 1」で書いたことを思い出してみましょう。「なぜ唇へのプレスを強くしてしまうのか」考えられる可能性としてこんなことを挙げました。

 1.押し付けないと音が出ない(唇が振動しない)
 2.プレスをしてしまいやすい体の使い方をしている
 3.歯並びの問題

1については前回詳しく書きました。もしも原因が1ではなかった場合、考えれるのはあと2つのどちらかかもしれません。ひとつずつ考えてみます。


《プレスをしてしまいやすい体の使い方》
実は、トランペットを吹くにあたって、体の使い方がプレスを「つい」してしまう原因になっている方が(見ていて)とても多いと感じます。

例えば「右手小指」です。右手小指は基本的にマウスパイプに付いている「フィンガーフック」にいますね。この「フック」という名前が原因なのか、自分の小指を「フック状」にしている方がいます。しかし、楽器を持つために小指を曲げてしまう意味は、はっきり言ってありません。むしろ、小指を曲げてしまうことで、楽器を自分の唇へ強く引き寄せてしまいます。これでは、必要のないプレスを直接強くかけていることになってしまいます。
自分が演奏している時に、フィンガーフックがどんな状態かを意識できる方はあまり多くないと思うので自覚のない方がほとんどかもしれませんが、レッスンなどで見ていると、非常に沢山の奏者が特にハイノートへ向かう時、小指をググっと強く曲げています。

プレスを強くすることによってハイノートを出しやすくするという考えを持っている方は意識的にしているのかもしれません。確かにプレスをすることでアパチュアが狭くなり、なおかつマウスピースの中で唇がピンと張った状態になりますから、瞬間的には負担をかけずに楽に高音域を出せているような錯覚に陥りやすいのですが、これまでに書いたように、プレスでハイノートを出すことは音色やピッチ、音を当てるという行為、バテ等に対してのリスクがとても高く、犠牲になることが多いので、最適な行為とは言えません。

フィンガーフックというのは、小指を引っ掛けるために「フック状にしたパーツ」だからそういう名前になっているのであって、自分の小指をフック状にしないように心がけましょう。小指は楽にまっすぐに近い状態にして、「楽器の(上からの)重みを支える」ことだけにしたほうが良いです。

他にもトランペットの握り方や肩の力のかけ方、呼吸の仕方、首の動き(固さ)など、体のいたる部分で不必要な動き、力があると、それが必要のないプレスにつながってしまいやすい、ということなのです。

これはなかなかひとりで解決することは難しいかもしれませんので、可能であればぜひ、プロの人に見てもらえると良いですね。もしそれが難しい場合は、部活の友人などに、演奏中の自分の右手の小指の動きだけでも確認してもらうとか、動画で撮影してみるとか、いろいろな方法を試してみて下さい。

プレスというのは、唇の柔らかさ、クッションを感じて、そこにマウスピースを乗せる(置く/結果的に張り付く)状態です。決してマウスピースを押し付ける行為ではありません。気をつけましょう。


《歯並びとプレスの関係》
歯並びの問題はとても複雑で難しい内容です。なぜなら、「歯並びが良い(悪い)」といういわゆる「見た目」だけで判断できるものではないからです。仮に、前歯の並び方が若干まっすぐでなくとも、マウスピースを当てた時、とてもしっくりくる人もいます。逆に、見た目に問題がなくても、ほんの少しの角度で傾いてしまう人もいます。
要するに「自分に合った位置、角度を見つけられるか(存在するか)」がポイントです。アンブシュアもそうですが、見た目に美しいことと、自分に合っている状態はイコールで結ばれるとは限りません。ですから、「マウスピースはまっすぐに、中央に当てる(当てなければならない)」という言葉の呪縛に囚われないように心がけて下さい。一番大切なのは「自分に合っている場所、角度であるか」です。


《力を抜くということ》
「力を抜く」という言葉はとても多く耳にしますが、実際にどういった状態にすることなのか、いまいちわかりにくいですよね。
ですので、少し良い方を変えてみましょう

「必要な力が必要なぶんだけ入っている状態」

これでいかがでしょうか。

では、「必要な力」というのが一体どれくらい、どこに入っている状態なのか、これを具体的に説明することはほとんど不可能です。したがって、こう考えます

「自分のイメージする良い音、良いコントロールができている状態」

です。

私たちは完璧な奏法を見つけるためだけに練習しているのではありません。あくまでも音楽的に美しいと感じてもらえる演奏をするために日々練習をしているのです。とても陥りやすいのですが、奏法ばかりを考えていても結果は生まれません。大切なことは「理想的な音を求め続けること」であり「理想的な演奏ができるためのコントロール」ができているか、ということです。

それらを求めていくうちに少しずつ見えてくるものが出てきて、求めているものが近づいてきます。

したがって、今回質問を書いて下さった方の問題である「プレスをしすぎてしまう」ということに関しても、「じゃあプレスをするのをやめればいいじゃないか」という安直な発想では解決しません。

そのために客観的に自分の演奏、自分が出している音、表現などを聴く力(質問を送って下さった方はこれができています)を持つこと、そしてそれらの原因はどこにあるのか、なぜなってしまうのかを考えてみること、そして実践してみること、その際に大切なのは奏法的解決ではなく、音楽的上達であること、これらが大切です。

少し難しく書いてしまいましたが、結局のところ「良い演奏を知っている(イメージできている)」こと「自分の目指す音楽をしっかりと持っていること」です。そこに近づけるようにする時間が練習です。
もし解決できないことがあったら、ぜひプロにレッスンを受けてみて下さい。東京周辺でしたらぜひ僕が講師をしているプレスト音楽教室へいらして下さい。

ということで、3回に渡って「音の出る仕組みとプレス」について書いてみました。

次回はまた違った内容を書く予定です。引き続きよろしくお願いします。
それではまた来週!


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音の出る仕組みとプレス 2

みなさんこんにちは!

台風、大変でしたね。関西の方は電車が早々に止まってしまったようで不便な一日になってしまったようですね。今の東京はすっかり晴れています。
ところで昨日は講師をしているプレスト音楽教室のアンサンブル発表会でした。トランペットクラスはフィリップジョーンズブラスアンサンブルでの有名な「スザート」組曲と、ディズニーの「ライオンイキング」から「愛を感じて」を演奏しました。みんなとてもしっかり演奏できて、クオリティの高いステージになったと思います。
楽しかったです!
幸運にも行き帰りも台風の影響をほとんど受けずに済みました。


では話題を戻します。
前回より、こちらの質問にお答えしています。

/////////////////////////////////////////////////
チューニングBから上のは特に唇を押し付けてしまいます。
改善しようとマウスピースだけで練習してみたりしましたが、力を入れる癖はなおりません。
力を入れるせいなのか、肺活量が足りないせいなのか、音量が小さいといわれます。
合奏中は意識しすぎて高音が全く出ず、ミュートをつけたような音になってしまいます。
どうすれば力を抜いて自然に吹くことができますか?

また、バズィング練習は必要ですか?
(一部修正)
/////////////////////////////////////////////////



「ラッパの吹き方」では随時ご質問を募集中しております。解決しない悩みがありましたらどうぞこちらの記事にコメントして頂くか、専用フォームよりお送り下さい。お返事はできる限りしますし、内容によっては後日、ブログ上にて詳しく書かせて頂きます。

ご質問用メールフォームはこちら


前回の記事では、まずトランペットという楽器がどのようにして音を発生させているのかその原理について解説しました
多くの方が勘違いをしている「(セルフ・)バズィング」をマウスピースの中で行って音を出しているのでは決してなく、空気の放射と反射によって唇が振動する現象で音が発生しているということを忘れないようにして下さい。

ですから、少々乱暴な言い方をしてしまうと、上下の唇の一部がマウスピースのカップの中に存在し、バランスの良い量とスピードの息が楽器の中へと流れていれば、音は自然と出てしまうものなのです。ほっぺたが膨らんでいようが、唇の当たる角度や位置がどこであろうが、「音を出す」ということだけに関して言えば、可能です。
それを考えすぎなのか、固定観念なのか、どうしても多くの人が「力」を加えることによって音を出そうとしてしまうその行為がかえってトランペットを吹きにくく、難しくしているということを知って下さい。


《プレスの必要性》
したがって、トランペットから音を出すためにマウスピースが唇へプレスする行為に大した理由はありません。言うならばプレスという、いかにも「圧迫」させるイメージを持ちかねない言葉ではなく「唇に張り付ける」状態になればそれで充分なのです。

もしプレスをしなければ音が出ないと思っている方は、プレスの力が音を出させているのではなく、プレスをした結果、マウスピースのカップ内にできたアパチュアが、単にいつもの力を込めたスピードのある息に対して反応しやすい状態になっているだけであって、プレスしている圧迫感が音を出させてくれているのではないと思います。

マウスピース内部や、演奏中の口の中を確認することは基本、無理であって、おおよそ感覚でしか理解ができませんから、どうしても表面で起こっていることや、圧迫感などのいわゆる痛みなどで「自分は今トランペットを吹いているのだ」と認識してしまいやすいんだと思います。

ですから、もっとシンプルに「トランペットから音を出すには最低限何が必要なのか」をもう一度考えてみましょう。必ずその必要なものだけで音は発生します。
そしてその後、「トランペットから良い音を出すには最低限何か必要なのか」という目標にレベルアップをさせて下さい。そうやってシンプルかつ的確な目標、目的を持ってトランペットを吹いてみることはとても大切なことです。
必死に、ないし夢中になって練習をすることは悪くありませんが、「必死」や「夢中」が、冷静さを失ってしまうことになるのは良くありません。ですから、奏法や理屈を身につける時にはできるだけシンプルに、そして「音楽」を練習する時には、自分のイメージを表(おもて)に存分に出せるように、そういった意味での「夢中」になっていられるとバランスとしては良いと思います。


《音量が小さい理由》
ご質問の中に「力を入れるせいなのか、肺活量が足りないせいなのか、音量が小さいといわれます。」という書き込みがあります。
これは皆さんの中にも経験したことがある方がいると思います。ここぞ!とバンバン鳴らしてかっこ良く吹きたいと思ってフルパワーで鳴らしたら、想像を絶するショボい音しか出なかった(でもとても息苦しい)ってことになったことありませんか?僕はありました。すごいフラストレーションですよね。ガッカリするし。

これも実はプレスが原因ではないかと推測します。
マウスピースを強くプレスするということは、それだけ唇の振動部分を押さえつけてしまうことになります。振動部分が少ないのであれば音量が小さくなってしまうのは必然ですよね。

あとは、息の量、スピードが、実際に出す音のバランスとマッチしていないことが原因かもしれません。トランペットは、パワーを振り絞れば大きな音、鳴る音が出るわけではなく、あくまでも「バランス」が重要なのです。このブログでもよく書いている「音のツボ」に当てる(はまる)吹き方をしていれば、基本、トランペットは良く鳴りますし、響く音なので、軽く拭いても(ピアノの音量であっても)客席に届く音を出すことができます。

この方も書いてあるように、「肺活量」に着目する方がいらっしゃるのですが、肺活量というのは車でいうところの「ガソリンタンク」にどれくらいの量のガソリンが入るか、ということです。ガソリンというのは、決して一度に使う量を多くすることでエンジンの活動を高める(速いスピードを出す)のではありません。ガソリンの量は、車を長時間(長距離)走らせることに関しての差でしかないのですから、トランペットを吹く上での肺活量も同じことです。量が多ければ大きい音が出せるということには直結しませんし、言い換えるならば息の量が少しであっても、(音になる時間は短くなりますが)鳴る音は出せるのです。ですから、車と同じくトランペットも燃費良く吹きたいものですね。

結局、凄まじいパワーを出しているところをお客さんに感じてもらうには、奏者サイドは意外にも無理していない状態であることが大切なのですから、ぜひ「音のツボ」に当てることで体感して下さい。

ということで、今回はここまでです。
次回でこの質問に関しては終わりにしたいと思います。
来週もぜひおつきあい下さい。

それではまた来週!


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at 06:06, 荻原明(おぎわらあきら), 体の使い方

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